『忘れたくても忘れられない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
どう頑張っても
忘れられない人がいて
忘れられない思い出があって
すぐに私を過去へ連れ戻す。
今思うと
忘れられない、より
忘れたくなかったんだろうな。
思い出はどんどん遠くなって
一緒に話したことも忘れていって
声も思い出せなくなっちゃったから。
この気持ちも、いつかは忘れる。
だから、無理に忘れなくたっていいや。
忘れないんじゃなくて、思い出さない。
私、もう前を向いて歩いてみるよ。
さよなら。ばいばい。ありがとう。
「忘れたくても忘れられない」
作品No.200【2024/10/17 テーマ:忘れたくても忘れられない】
忘れたいことだらけだ
いやなことぜーんぶ
忘れたいのに
いやなことほど
ずっとここに残ってる
〈お題:忘れたくても忘れられない〉
あれだけ遠のいていた意識が眼痛に引き止められる。不本意な痛み。不愉快な感触。
映り込む光景がその痛みの元凶、さして変わらず在るその水面。落ちた先が奈落を思わせる空虚な世界。木漏れ日が嘲笑うか。揺蕩う風が私を脅す。
私の童心が、苦悩が水に溶け込んでいる。
透き通るような青い空が、雪辱の雲を作る。
ピッー、ホイッスルが鳴った。
練習試合開始の合図。各ブロックが一斉に構えた。
水泳選手としてこの場に立った私が、激しく揺れる水面に顔を映す。
ーピッ。
水に落ちた私の、一心不乱なその逃避行は他の追随を許さない。折り返し地点、落ちた先はあの日の続き。溶け出した感情が肌を妬く。
足も、顔も、手も、絡みつく空虚を祓う様に手を伸ばした。
ピッピッー。
私はまとわりつく水を掻き分けて空を見上げる。ゴールに接触した瞬間の試合終了の合図が知らせるもう一つの事実。
一拍の過呼吸を経て私は水に沈んだ。
脳裏にこびりつく煙草の匂い
今だって夕飯作る時2人分作っちゃうし
今から帰るよーって連絡してしまう
そして今度は煙草ではなく、線香が香った時
私は声を殺して泣いた
自分がされて嫌だったこと。
自分がしてしまった失敗や失言。
人を傷つけたと気付いてしまったこと。
恥をかいたと思い知らされたこと。
忘れたい、リセットしたい。
そう思っていたけれど、それが積み重なった結果が今の私なんだよな。
END
「忘れたくても忘れられない」
震える手を握る。
強く、優しく、手首まで深く、その手を握る。
それから、私はただ、あの楼閣がただの砂粒になっていくのを、黙って見つめていた。
どんな立派なものでも崩れる時は一瞬なんだ。
誰がそんな真相を聞かせてくれたのだったか。
大きな満月が、空にぽっかりと浮かんでいる。
あの子の指先は、ほんのりと冷たい。
色と体温を失いつつある、あの子の手を強く、強く、握る。
あの子がいなくなってしまわないように。
あの子が飛び出してしまわないように。
私たちは、ずっと一緒だった。
ずっと一緒だった。
平和な時も、戦いの時も。
楽しい時も、苦しい時も。
ずっと一緒に居ようって約束したから。
ハッと、周りが目に入ってくる。
遠く、浜辺の向こうにあるはずの空中楼閣が揺れた気がする。
私たちはここでずっと暮らしていた。
内情も外交も不安定なこの国で、少なくない孤児が生きていくのは大変なことだった。
国に認可されていない、国の政策の副作用に見舞われた孤児など特に。
私もあの子も、お偉いさんたちの戦禍に巻き込まれて、両親を失い、身体に毒を受けた。
私たちはもう、これ以上成長しない。
その証拠に、私たちの指先は冷たくて、固い。
子どものまま生きて、子どものまま死んでいく。
そんなハグレモノの私たちが、より集まって暮らしていたのが、あの楼閣だった。
私たちは売れるものを売り、やれるだけの仕事をやって、細々と、みんなで助け合って生きてきた。
ひっそりと、普通の人たちから隠れて。
楼閣が崩れることになったのは、戦禍のせいだった。
この病の元凶で、諍いの強い味方。人智を超えた兵器が、この地域にも進軍してきたのだ。
この国の内乱は日に日に悪化していた。
その禍根が、この地域にも根の先を伸ばしてきていたのだった。
彼らは私たちを良く思わなかった。
忌まわしい、無かったことにしたい不都合な私たち。
忘れたくても忘れられない、彼らの過ちの象徴。
私たちはそういうものだったから。
だから、私たちは逃げ出した。
みんなでバラバラに、逃げることを決めた。
病気も辛い。生活も辛い。
でも、何も残らないように抹消されるよりは生きていた方がずっとまし。
彼らに、そして世界にとって、いくら忘れたくても忘れられない迷惑な黒歴史の物証だったとしても。
世の中にどんな迷惑をかける人間だったとしても。
私たちは、楼閣と一緒に崩れ去りたいとは思わなかった。
私はあの子の手を引いて、逃げた。
逃げて、隠れて。
何も知らない彼らがやってきて、私たちが作り上げた砂上の楼閣を打ち壊すのをじっと見ていた。
木のうろ、土の蟻塚の裏、シダの藪で。
私たちは崩れる楼閣を見た。
私たちは忘れないだろう。
忘れたくても忘れられないだろう。
楼閣が崩れ去ったこの日を。
楼閣には、逃げるにはあまりに幼い、幼すぎる私たちの仲間が、残っていた。
成長しないがために、どんなに危険が分かっていても、自力では逃げ出せない人たちが残っていた。
私たちは忘れたくても忘れられないだろう。
幼い仲間たちを見捨てて、仲間たちが砂の粒に埋もれていくのを、浅ましく目だけ光らせて見ていた月夜の夜を。
行き場がなくなって、野良鼠のように息を潜めて、彼らを見送ったこの日を。
国が、私たちの存在を忘れたくても忘れられなかったように。
私たちの胸の奥には、ずっとこの気持ちが引っかかり続けるだろう。
あの子の手は、ずっと震え続けている。
あの子が声を上げなかっただけでも、上出来だった。
崩れ去った楼閣には、あの子の兄弟もいた。私の妹分もいた。
私は強く手を握る。
あの子の滑らかな幼い頬に、涙が無音で滑っていく。
私は強く手を握る。震えが収まるように、と願って。
大きな、丸い月がぽっかりと出ていた。
砂煙が、もうもうと立っている。
あの子の手も、私の手も、同じように冷たくて、強張っていた。
忘れよう忘れようと意識してしまうとにより、深く記憶に残ってしまう。だから忘れられない。
どうでもいい忘れれる事ならもうとっくに忘れているはずだ。案外そういったいつの間にか忘れてしまったことの方が重要な記憶で、忘れたい記憶というのは重要でない記憶である事が多々ある。
1つ、忘れてたくても忘れられない記憶をここに書いておこう。
「キャンプで食べた、ドライカレーにスープカレーをかける暴挙と背徳の味」
(忘れたくても忘れられない)
忘れたくても忘れられないことは誰にでもある
それはそう思っているから忘れられないんじゃない?
でもやっぱり難しいよね
僕、1人だけどうしても会いたい人がいてね。
保育所で仲良くなった子なんだけど。本当に、姉妹みたいでね。いつでも一緒。
ご飯を食べる時だって、隣で座って食べて。
バスに乗る時も、ずっと隣。その子以外と座ったことなんてないぐらいに。
ずっとずっと仲良しでいようねって。
親友だったんだけどね。本当に好きだったんだ。
小学校で別れちゃってさ。それ以来、ずっと会えてなくて。
今どんな見た目してるのか、どんな声になっているのか、どんな性格になってるかなんて分からない。
けど、その子はそのままで居るんだろうなと思う。
だから、1度でいいから会いたい。数年以上前に会ったきりだし。
でも、もし会えたとしても、忘れていたら、忘れられていたら、怖く感じてしまう。
あんなに、あんなにいつも一緒で。仲良しでいてくれていたのに。
そりゃ人間だし、小さい頃の記憶なんて、とっくに忘れてしまうなんてわかってるんだよ。
けど、怖い。忘れられるということが、何よりも怖い。
会った時、なんて言えばいいんだろうって。会えて夢見ていたとしても、誰という言葉一つで簡単に傷つく。
僕は忘れたことなかったよ。それなのに。
でも、顔を見たい。声を聴きたい。覚えているかどうかが、どうしても気になって。
でも会う機会なんてなかなかないし、連絡手段もなければ住所も分からなくて。そもそも会える手段がないし…。
街中で、たまに会えたらいいのになんて思ってるけど。
結局怖いから、会わないようにって、臆病ながら逃げ続けるんだよね。
『忘れたくても忘れられない』
こんな月が綺麗な日はあなたの事を思い出す
いつも私のことを抱きしめてくれた
一緒に色々な所へ行った
私の知らないことをたくさん教えてくれた
毎日が幸せだった
あなたとこの先もずっと一緒にいられると思っていた
でも、それは叶わなかった
あなたのことを忘れようと努力した
でも、あなたより好きになれる人なんていなかった
またあなたに会いたい
もう一度私のことを抱きしめて…
『忘れたくても忘れられない』
好きだったの。
私なんかに振り向いてくれるはずないってわかっていても言わずにはいられないくらいに。
貴方にも忘れられない人がいるって知っていたのに。
私はあの人とは似ても似つかないのに。
あの日、貴方に抱きしめられて優しく口づけされたこと、一生忘れられない。
例え貴方に気持ちがなかったとしても。
歩いてたどり着いた小さな公園には
滑り台が置かれていた。まるで忘れたくても忘れられない思い出を持っている人のようだった。
それは粗大ゴミに出された冷蔵庫のようにも見えた。
2つあるはずのブランコは片側だけしか無く投げ捨てられ、洗濯機の裏へ落とされたくつ下のような存在の仕方をしていた。
水たまりで休息する雀を横目に、ブランコを囲む黄色い手すりに腰をかけた。
ここに来るために歩いてきたわけではないのだ。
ー何でも忘れられる男ー
忘れたくても忘れられない記憶?何もないよ。何故かって?私にはある特殊能力があるからね。忘れたい記憶を忘れる能力がね。
例えば、好きな子に告白して振られるとか、仕事でミスをして上司に怒られるとか、大切な人が亡くなるとか、ありとあらゆる、忘れたいと思った、嫌な記憶を忘れられるのさ。だから、私は、ハッピーで良い思い出しか頭にないんだ。羨ましいだろ。
皆も使いたいだろうからやり方だげ教えて上げる。最初にノートを開いた状態で用意するんだ。次に頭の中で忘れたい記憶を思い浮かべたら、開いたノートの右ページ目を見ながら忘れたい記憶を写つイメージをする。そうしたら、手で右ページにある紙を破いて、丸めて捨てると忘れることか出来るのさ。お陰で、ゴミ箱が溢れるばかりに捨てた紙だらけさ。
ちなみに私は、誰だっけ?
テーマ やわらかな光
月に霧 言葉にならぬ 鎮魂歌
もしもピアノが 弾けたとしても
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西田敏行さんは、私の中でも替えの効かない名俳優で、探偵!ナイトスクープの温かい局長でした。
悲しい時の鼻歌はなんと言えば伝わるのでしょう。
ご冥福をお祈りします。
スーパームーンと呼ばれる満月の夜。雲隠れというには薄いと感じるような膜。霧だろうか。(霧も月も秋の季語らしい。2つ入っちゃった)やわらかな光が満ちていて、彼のよう。お隠れになっていても彼の作品におけるその光は私を照らすのでしょう。
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テーマ 忘れたくても忘れられない
自らの心の醜さを自覚した数々の瞬間
忘れたくても忘れられない日々に
生涯忘れない人達
出会うことが運命ならば
喜んで受け入れよう
そして
自分に出来る事をしよう
この胸に宿る
光に感謝しながら
忘れたくても忘れられない
愛おしい日々を作ろう
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忘れたくても忘れられない
「忘れたくても忘れられない」ほど辛い記憶は
思い出せる限り存在しない。恐らく忘れたのであろう。
球技大会で学年全員にPKを外したところを見られたことも
センター試験の2週間前に振られたことも
信頼していた友達に裏切られたことも。
ん?今こうして羅列できたということは
「忘れたくても忘れられていない」のか。
違う気がする。
「忘れたくても忘れられない」レベルでなくなったのだ。
時間の経過は間違いなくそのレベルを下げてくれるし、
楽しいことで自分をレベルアップさせれば相対的に辛いレベルは下がっていく。
毎日へのログインとレベル上げは大事。
(忘れたくても忘れられない)
忘れたくても忘れられない
明日は来てほしくないな
一生忘れられない日
X年前僕が高校生だった頃この日は文化祭だった
準備に追われながらも楽しみにしていた
だが、この日は黒で塗り潰されていく
友人の訃報が飛び出したのだ。
それはそれはおどろいたさ
なんせ僕は前日、学校であいつに当たって
まともな別れもできてなかった
そんなあいつはなんの変哲もなくて相変わらず
わかりやすくて、どこか掴めない
そんなやつだった
僕はいまだに忘れられず毎年この場所に来る
行ったのは俺だった可能性もある
そんなことも時々思う
そんなやつに言われてたさ
「お前は普通って言葉好きよな
けど、俺はその言葉はちょっとキライかな。
普通に縛られて誰かの真似事して
自分押し潰して
何が楽しいのか俺はわからない
だけど好きにしたらいいと思うけど
俺はお前が大変だと思うから言うが、
自由に生きろよ。」
僕は良くことこいつに話聞けよと言われるが
あまり覚えてなかった
けど、これだけは覚えてる
あいつはいつでもどこか心配して
どこか貶してどこか楽しんでいて
どこか苦しそうだった
だけど、僕も病んだりしてそれどころじゃなかった
だから、あいつの思いに気づけなかった
俺は愚かだと何度も悔やんだが
僕はあいつを追いかけるなんてもってのほか
そう思い本日も生きる
あいつの死因は自殺だった
なんの言葉も残さずに急な出来事だったそうで
ご家族もおかしくなっていった
周りのやつだって反応は十人十色だった
だけど、心配する奴はそんないなかった
あいつより僕の方が優れてると
心のどこかで思ってしまった
見てるか知らんけど
お前のせいで強く生かされている
死んだなら少しくらい言葉を残せやバカやろう…
死ぬまで覚えてくれていたのなら、それはもう永遠ですね。
今朝、発熱してしまい仕事を休ませてもらった。と、言っても、俺が自ら休んだと言うより、起きられない俺を心配した恋人が俺の職場に連絡をとってくれていた。
「ご飯、持ってきましたよー」
彼女がトレーを持って寝室に入ってくる。
持ってきてくれたのは、たまご粥とプリンと栄養ゼリー。カットフルーツもある。
「俺、寝ている時に買い物行ってきたの?」
「あ、はい。ガッツリ食べられそうならお野菜蒸しますよ」
「ううん、今あるやつで充分だよ」
お椀に分けて、俺に差し出す。
それを見て俺は少し甘えてみようかなとイタズラ心が生まれた。
俺は口を開けて、少し上を向く。彼女の方に口を差し出す形をとる。
「あーん」
「ふえ!?」
「あーん」
折角ならね、食べさせてもらおうかなと。
「あーん」
「え、え……」
照れもあるのか、どうしようかと挙動不審になる。
「疲れちゃう。はーやーく」
「あ、ごめんなさい」
慌てて彼女はマスク越しにふーふーする。空気がマスクに遮断されたのか、マスクを外してひと口分のたまご粥に向けてふーふーし始める。
――ぱく。
ん!?
もくもくと口を動かす彼女。当たり前の動作に俺まで呆然としてしまった。そして、こくんと飲み込んだ。
「あ!!!」
「あははははははは」
「いや、ごめんなさい、ちょ、笑わないでください」
「あはははは、ふっくくくくく……んふふふふ」
「抑えきれてませんよ!」
ダメだ、完全にツボった。
彼女は真っ赤になりながら慌てている。
「いや、だって、自分で食べる時も、あ、いや、もおぉおぉおぉ!!!」
「あはははははは」
笑い過ぎて、疲れて起こしていた身体を倒した。
「あ、あ、大丈夫ですか……?」
「いや、少し疲れちゃった」
彼女は慌てて立ち上がり、部屋を出ていったかと思えば、居間のソファに置いてあるクッションを持ってきた。
その後、自分の枕も持ってくる。そして、俺の身体を支えながら起こしてくれた。その後、背中にクッションやら枕を挟んだ。
「寄りかかれますか?」
「ありがとう」
枕とクッションを背もたれにした。
そして、もう一度たまご粥を掬い、ふーふーする。
「食べないでね?」
「食べません」
「んふっ……」
「笑うなら食べさせませんよー」
「ごめん、食べさせて」
「はい、あーん」
さっきのやり取りのおかげか、最初の照れはなくなったみたいだった。ちゃんと口元へ運んで食べさせてくれた。
卵の甘さと軽い塩味が美味しい。
「食べられそうですか?」
不安そうに俺を見つめる。飲み込むと自然と口角が上がった。
「うん、食べられる。でも、自分で食べようかな」
「え、いいんですか?」
彼女からたまご粥のお椀を受け取った。
「うん。俺が食べた後にうっかり食べちゃったら大変でしょ……んふふ……」
「心配してくれているのは分かるんですけど、なんか腹立ちます」
「ごめん、しばらくツボってると思う」
「むー!」
唇を尖らせている彼女だけれど、彼女の天然的なうっかりに、これ以上にないくらい面白かった。
いや、本当に忘れたくても忘れられない。
おわり
一五四、忘れたくても忘れられない
#忘れたくても忘れられない
幼稚園の父親参観日
仕事のスケジュールを調整して祖父が来てくれた
赤茶色の背広にネクタイをかっちり締めて
どの若いお父さんたちより粋だった
やたらに声や手をかけずに見守られる中
私は誇らしさと共に大きく安堵していた
父がいないことを揶揄われたりしたらなんて
もうすっかり忘れていた
どんな想いでそこにいてくれたのだろう
きっと私が思う以上に色んな事を思ったのではと思う
大人になった今でもこの日の事を思い出す
嬉しかった 誇らしかった 幸せだった
ありがとう おじいちゃん