なまえ

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歩いてたどり着いた小さな公園には
滑り台が置かれていた。まるで忘れたくても忘れられない思い出を持っている人のようだった。
それは粗大ゴミに出された冷蔵庫のようにも見えた。

2つあるはずのブランコは片側だけしか無く投げ捨てられ、洗濯機の裏へ落とされたくつ下のような存在の仕方をしていた。

水たまりで休息する雀を横目に、ブランコを囲む黄色い手すりに腰をかけた。
ここに来るために歩いてきたわけではないのだ。

10/17/2024, 2:07:27 PM