『平穏な日常』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「平穏な日常」
3月12日、光の粒。
朝の光が、カーテンの隙間から細い階段を作っている。
お気に入りのカップに注いだコーヒーからは、まっすぐな湯気が立ちのぼる。苦みの奥にある微かな甘みを探る、この静かな数分間が私の贅沢だ。
足元では、黒い塊がふにゃふにゃと寝返りを打った。愛犬のクロ。彼の短い寝息は、この部屋の湿度をちょうどよく保ってくれている。
特別なことは何も起きない。けれど、この「何事もなさ」が、薄い硝子細工のように尊いのだと知っている。
世界は今日も、私とクロのまわりで、穏やかに呼吸を続けている。
目が覚めたら
通知が来てて
「おはよう」
その文字を見るだけで
今日一日が
すごくいい日になるの
心があったかで
口角も上がるよ
あなたといる私の心は
穏やかな時間が流れてる
【平穏な日常】
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
『平穏な日常』
朝起きて、歯磨きをして顔を洗う。
ご飯を食べて、支度をする。
大学に行って授業を受ける。
空きコマは、図書館で勉強をする。
帰り道は本屋さんに寄って新刊を見る。
家に帰って、おやつを食べる。
ピアノを弾いて、ゲームをする。
夜ご飯を食べて、お風呂に入る。
スマホを見て寝る。
平穏な日常があって
その中に
大波小波があって
ざぶんざぶざぶと揺らされて
また
平穏な日常になって
ゆるりゆるりと過ごしていたら
また
ざっぶ~んざっぶ~ん
ざぶざぶさぶと波がきて
必死に沈まないようもがいたり
諦めてぽっかり浮かんだりしていて
気づいたら
また
ゆるやかな平穏な日常になっていて
そんなことの繰り返し
『平穏な日常』
カーテンの隙間から差し込んだ朝焼けの光で目を覚ます。そこから少し、布団の中でうだうだと温もりを味わいながら、そろそろ起きるかあと嫌々ながら身体を起こしていく。
冷たいフローリングに足裏が触れると、まだ夢の縁を彷徨っていた意識が少しだけ輪郭を取り戻す。小さくあくびを一つこぼしながら、静まり返ったリビングへと向かった。
洗面台の前に立ち、水道の蛇口を捻る。冷たい水で顔を洗うと、ようやく「今日」というキャンバスの前に立たされたような心地になる。キッチンにある湯沸かし器のスイッチを入れ、お気に入りのマグカップにドリップのコーヒーバッグをセットする。コポコポという湯の沸く控えめな音が、まだ目覚めきっていない部屋の空気に溶け込んでいく。この、誰に急かされるでもない静かな数分間が、私はたまらなく好きだ。
窓の外からは、遠くを走る車の音や、どこかの家で朝食の準備をしているであろう微かな生活音が聞こえてくる。今日という一日に、映画のような劇的な展開や、人生を揺るがすような大事件はきっと待っていない。決まった電車に揺られ、目の前のやるべきことと向き合い、また夜になればこの部屋へ帰ってくる。そんな代わり映えのしない軌道を描く日々を、退屈だと嘆く時期もあった。
しかし、マグカップから立ち昇る湯気を見つめ、一口その苦味と温かさを味わうと、強張っていた肩の力がふっと抜けていくのを感じる。何事もなく朝を迎え、淹れたてのコーヒーを美味しいと感じられること。この「何もない」ことの連続こそが、実は何よりも得難く、精巧に積み上げられたガラス細工のようなものなのだ。
時計の針が、出発の時間を静かに告げている。私は最後の一口を飲み干し、今日という平穏な一日をまた確実になぞるために、玄関のドアを開けた。
今までの辛く困難な日々はなんだったのか…
突如としてやってきた平穏な日常に少し戸惑う
しかし私はきっと戸惑いながらも
過去を受け入れ先へ進む準備をしているんだろう
そう思う事にした
抜けるような青い空
芽吹き花開く木々
当たり前のような平穏な日常
それが尊く思えるようになるのは
あなたが成長した証です
──────
繁忙期終わらなくて不穏な日常が続きます……
(´・ω:;.:...
「ところで」
「ところで?」
「昨日のお題も今日のお題も15年前の何かを意図しているように感じるね」
「子どもだったんで覚えてないけど」
「同じく。まあよその国とかを見ていると平穏はあっという間に壊れるものかもしれない。とは思ったほうが良いのかもしれないけど」
「ずっと考えるのは無理だよねー」
「それでは毎日が辛くなってしまう」
「病気一直線」
「でもいろいろ考えている人もいるんだよね表に出さないだけで」
「大変だよねー」
「そう考えると誰かの見えない努力の上の平穏なんだよね」
「だよねー」
お題『平穏な日常』
雨が上がり、雲の隙間から光が差す。
私は立ち止まってそれを見上げた。
世界のどこかでは争いがあり、泣く人もいる。亡くなる人だっている。
でもこの国はそれを他人事のように感じる程、平和だ。
いつか私たちが感じるこの平穏や、空の移り変わりで思わず立ち止まるような、そんな日常を世界中の人々が感じれるような世界になればいい。
そう願わずにはいられなかった。
しばらくうとうとする。
腹が減ったので、横たわる図体でかい族に大きな声でおはようと言う。
メスの方がのそのそと起き上がって、緩慢な動きで食事を用意する。待てなくてせっつく。大きな脚にまとわりつく。はよせい。
「はいごはんだよ〜」
しかしその頃には食事への興味が削がれ、メスを寝室に連れ戻す。
図体でかい族のメスとオスが、俺の左右について丁寧に毛並みを整える。いまいち意思疎通ができないことも多いが、こやつらはなかなかにいい仲間である。
平穏な日常
【平穏な日常】裏の裏の路地裏事情
「よいっしょお!」
ぶおん、といい音を立てたバッドがメシャッという音も生み出す。殴られた男は倒れ込んだが、もう二度と起き上がることはないだろう。金属バッドの、本来は空洞である内部に鉛を詰めてある。
「アッアッ、アニキ〜!」
「おまっ……ボスが黙っとらんぞ!」
それなりの身なり、といってもスカジャンにパラシュートパンツ、どっちも量販店で買えるようなもの。それでもこの辺では上等なのだからすごい話だ。
「知らないよ、俺は害虫駆除を頼まれただけ」
よくある話だ。裏手の街のその奥の、狭い路地と路地がつながったような小汚い場所。行政も自治体もアンタッチャブルな社会。インフラ泥棒の巣窟は、今日もこんなもんだ。
「こ、こんくそが!」
殴りかかってくる男の拳を半身引いて避ける。踏み込みながら下から掬い上げるスイング。ゴロリと変な音がしたのは、顎が砕けたのだろう。もう一人はナイフを持って真っ直ぐに突っ込んでくる。刃渡りの短い刃物であれば正解の動きだ。しかし単調すぎる。バッドが地面に落ちようとする重力に任せて、浮き上がる足で手元を一蹴。ナイフはびゅーんと高く飛んで、遠くのゴミの中に落下した。
「とにかくさぁ、邪魔なんだよね、商売の。別に殺せとは言われてないし、引いてくれれば見逃すよ」
バットの手入れも大変なのだ。面倒になってそういうと、残った一人は「ひぃ」と悲鳴を上げて背を向けた。本当に追う気も殺す気もない。ボスが黙ってないと言っていたが、自分の記憶が正しければ、あそこのボスはいくら裏の町でも一般市民程度の人間に手を挙げることはしないはず。むしろ、そんなことになった部下の方を吊し上げるのではなかったか。
どうでもいいか、と思いながらバットを引きずり、一本表の路地に出る。
「オカミ〜、終わったよ」
「早かったね、殺したのかい」
「んー、代金払え、女の子に無理やり本番すんなって警告した途端に掴みかかってきたのと、そいつ殺されて逆上したのの二人」
女将は晴れた頬に氷を押し当てながら、フン、と鼻を鳴らした。
「一人は逃げたのか、まぁまぁ賢いじゃないか。次は慰謝料を払わせないとねえ」
そこはいわゆるキャバクラなのだが、一部セクキャバのような業態も扱っている。その中で、先ほどの三人によって嬢が乱暴を働かれたのだ。助けを求めた嬢の口を塞ぎ、散々にした後で発覚した。女将や他の店員が詰め寄ったが、殴る蹴るの上代金まで踏み倒す。そこまできて、用心棒に連絡が来た。
フリーの用心棒といえば、この辺では彼しかいない。金属バットを振り回し、相手が誰でもクライアントの依頼なら立ち向かう。おかげでトラブルも絶えないが、それほど頼りにされている。
「ほら、急に悪かったね」
「いーよー、暇してたもん」
札の入った封筒を受け取ると、女将は「程度が悪いんだけどね、二体引取りと清掃たのむよ」とどこかに電話をかけていた。ここらでは死体も飯の種だ。さっき金のかかった害虫は、今は誰かの飯になる。
きっと自分もそんな感じで、いつかどっかに引っ張られるんだろうなぁと、バットに付いた血を眺めた。
平穏な日常が
今日も普通にやってくる...
そう、思ってたのに...
「全部君のせいで台無しだよ…」
「ねえ、███?」
███は薄ら笑顔を浮かべていた
次の瞬間に起きた出来事を
◯◯は思い出せなかった
【お題:平穏な日常】
平穏な日常
"今日も穏やかで平和で平凡なつまらない日ね"あなたはそう言った、けれどそれは貴方が今日、そして今この瞬間起きている面白いことを感知することや探すことが出来てないだけなのではないでしょうか?
昨日が今日が一昨日が平穏で満ち足りているのにつまらないのは単に貴方がそれ以外を認知する為の行動あるいは面白いことを起こす為の行動をしていないだけなのではないか?私は常々そう思わずにはいられません。
平穏な日々が明日も続くとは限らない、なんて言葉をよく聞きますが果たしてそれを言った時が本当に平穏だとどうして断定できましょう?
現にあなたは私という道化師を招き入れて既に季節が一周したというのに仮面をかけている事にすら気づけていないのだから。
"平穏な今日から平穏な明日はあっても平穏な明後日は滅多にない、何故ならばほとんどの場合は昨日の内に既に異変が起き始めています。
三流は明後日の平穏を崩し、二流は明日の平穏を崩す、ならば一流はどうでしょう?....それはあなた自身しか知り得ないのですよ”
最近はよく先生の言葉を思い出しますね。
さぁ、私だけの一流を見に行きましょう。
一人の身体よりもずっと思い出の寿命は長いから
平穏に暮らせている日々とその記憶がいつまでも続きますように
: 平穏な日常生活
小さい頃は毎日が刺激の日々だった気がする。
大きくなった今は働いては寝るルーティン。
たまに旅行したりテーマパークに行ったりして非日常を楽しむ。
この得難い平穏の日々がどうか続きますように。
《平穏な日常》
平穏な 日常だって君がいた ただそれだけで よかったのにな
2026.3.11《平穏な日常》
一気にガソリン価格が上昇したり、海峡閉鎖がトレンドに食い込んだり、一気に日常に影の出てきた感がある昨今です。
「平穏な日常」をお題として、こんなおはなしをご用意しました。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、世界線管理局なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
都内在住の稲荷子狐が今月から、ここに週休完全2日制で修行に来ておりました。
その日のコンコン子狐は、修行出向先たる環境整備部でお手伝いできることが無かったので、
修行受け入れ親であるところの法務部執行課の提案で、ちょっと管理部の受付業務を見学中。
所属が法務、法務から出向のカタチで別部署へ。
なんだか地味にリアルっぽい勤務体系ですが、
まぁまぁ、細かいことや背景なんかは気にしない。
「最近はなかなかに、平穏な日々だよ」
…––さて。
別世界への観光渡航許可を申請しに来た宇宙タコが、4本の腕で必要手続きをこなしつつ、
窓口のひとつにちょこん、お座りしている子狐を、別の4本の腕で撫で回します。
「妙なテロも、事件も少ない。管理局が悪いやつらを、ちゃんと取り締まってるおかげだ」
ふーん。そーなんだ。子狐は首をかっくん。
ところでこのタコ、頭に何かキラキラした、美しい頭飾りかティアラのような宝石を付けています。
なんだろう。気になるなぁ。
「あっ。こら。コレは取ってはいけないよ。
これは自動翻訳器なんだ。外したら言葉が分からなくなってしまう。 こらこら。こら」
別世界への渡航手続きを済ませたタコは、期間限定子狐を気に入った様子で、にこにこ。
平穏かつ上機嫌に、帰ってゆきました。
…––『・ω・) 確かに最近は平穏な日々だと思う』
観光渡航許可を終えた宇宙タコの次に管理局の総合窓口に来たのは、深淵スライムの幼体です。
発声器官を持たないスライムは、ひんやり触腕を意思疎通用タブレットにビタ付け。
どうやら故郷とは違う世界で、商売をしたい様子。
別世界で商売をするにあたっての、審査と検査を受けに来たそうです。
『ノ∀`) いつだったかな。やたらこの管理局を、襲撃しまくって返り討ちに遭ってた組織が云々』
ふーん。そうなんだ。子狐は首をかっくん。
視線を外すと、深淵スライムの背後でゾロゾロと、拘束を受けた妙な人物が連行されてゆきます。
なんだろう。気になるなぁ。
『*´ω`*) 気にしてはいけない。
アレだよ。悪いことして捕まったんだろうよ』
別世界での商業申請を済ませたスライムは、別の優しそうな局員に案内されて、ぽよぽよ。
平穏かつ慣れた様子で、法務部に向かいました。
…––「あら!コンちゃん!コンちゃんだ!」
法務部に向かった深淵スライムの次に管理局の総合窓口に来たのは、子狐のよく知る人間です。
たしか、黄色い花の大好きな女性です。
元々知らない世界から来て東京で仕事をしておった、心の優しいひとでしたが、
去年の3月頃から管理局に転職して、都内の某不思議な私立図書館に、出向しておるところなのです。
「ここに居たのね。藤森さん、心配してたよ」
ふーん。そうなんだ。子狐は首をかっくん……
あれ。その藤森という名字は、子狐知っています。
子狐が作る、稲荷の御利益たっぷりな、1個200円のお餅を3年買い続けてくれるお得意様です。
「そうそう。不思議なコンちゃんから不思議なお餅を買うのが、もう自分の平穏になってたって」
早めにお手紙、出してあげてね。
窓口で手続きを済ませた人間は、子狐の頭をポンポン、首のあたりをナデナデ。
平穏かつ静かに、帰ってゆきました。
その後も、子狐の窓口見学は続きまして、気がつけばもう、美味しいごはんの待つ昼休憩。
コンコン稲荷子狐は尻尾をフリフリ、食堂に突っ走ってゆきましたとさ。
ガシャッ、ドンッ
ボン、パリーン、ガシャッ
ドンッ、バンッ
勢いよくドアが閉められた音で静音が広がった。
玄関のドアを開けてから、セメントに突っ込んだみたいに動かなかった。
急に始まった3つ下の弟の癇癪。
中学生になって身体も大きくなったから、母と姉の私では力では適わない。
父は単身赴任で長崎にいる。あと1年は戻らないと言っていた。
トトトトットトットン
「あ、帰ってたんだ。おねえ、おかえり」
「うん」
私にはあまり変わらない。声変わりなのか、雰囲気なのか、少し声が低くなったくらいだ。
でも、その少しが怖い。
「じゃっ」
「うん」
少ししてからカチャッとドアの閉まる音がした。
靴を脱いで自分の部屋へと向かう。
母を、弟を遠ざけているのは私も同じだ。
弟はたぶん気づいている。私が彼を恐れていることも、私が彼を見なくなったことも。
そして、私は気づかないふりをしている。彼が悲しそうな顔を浮かべていることを。
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平穏な日常
問いかけてもかえらない私の日常。
眩しい光に包まれて、瞼がさがる。
「おはよう」
そう言ってくれた君が嫌い。
かえってこい、日常。
帰ってこい。あの頃の君。
お題『平穏な日常』
他愛のない話で笑ったり、時には喧嘩したり、一緒にはしゃいだり、この平穏な日常がずっと続くと思っていた。あの出来事が起こるまでは。いつものように家に帰ってくると、あなたの姿がどこにも見当たらなかった。あなたの訃報を聞いた時、もうあの平穏な日常は戻ってこないのだと察した。