『平穏な日常』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お気に入りの紅茶を飲む。食事をする。小説や漫画を読む。音楽を聴く。
こういう毎日同じように繰り返される生活にも、それぞれの穏やかな時間がある。
そんな日常の中にこそ幸せは集まっていくのだろうなって。
思えるような丁寧な暮らしが出来ればいいのですけど。今はちょっと心の余裕がなくて。
誰か本当に性能の良い空気清浄機をくれないかなぁ。
〝平穏な日常〟
朝起きて当たり前に言う
おはようも
何気なく食べる暖かなご飯の前に言う
いただきますやごちそうさまも
ふとすれ違いざまに言う
こんにちはやこんばんはも
また明日を告げるため寝る前に言う
おやすみも
平穏な日常があるからこそ
伝えられるもので
平穏な日常が当たり前じゃないことを
知るからこそ
大切だと気付かされるものだ
だから明日もまた何気ない挨拶を
口に出す
『平穏な日常』
それは、いつも人を見ている時に感じます。
早朝。電車の中で、イヤホンをして寝ている女子高生や、駅周りを犬と散歩しているお爺さん。
笑い合っている大学生たち、幼児と親、小学生たち。
一軒家の二階、窓から見える部屋の天井、動く影。
リアルではなくて、バーチャルでも
動画の生配信のコメント欄や、オンラインゲームで協力する人達の動き。全て画面の向こうに人がいます。それを思うと、何故かとてもこの生活が愛おしいような気になるのです。
だから、私はぼうっと人を見るのが好きです。
平穏を感じるから。私にとって、人と人との繋がりこそ毎日にある常なのです。
両親と遊園地に行く日々。
部活動でクタクタになる日々。
受験に向けて日々勉強する日々。
課題とバイトに明け暮れる日々。
同じ電車に乗って会社に行く日々。
歳を経る度に日々は変わっていくけれど。
意外にその日々を今この瞬間に自覚する事はない。
思い返してみると、「ああ意外と大学生らしかったな」とか「高校生の時は輝いていたな」とか思うのだ。時間が経てばその日々は過ぎていく。
だがある時、強制的に平穏な日々を失う時が来る。
地震大国であり、島国である日本。多くの災害に見舞われ、不幸にも命を落とし、大切な誰かが、あるいは自身が犠牲に合う。
江戸時代か、いやそれ以前から幾度となく災害に合い、しかしその度に挫けずに生き長らえてきた屈強な種族だ。
12年という時を経て。
再び日本人は前を向く。
「平穏な日々」
いつもと変わらない風景
変わらない自分
そして、日々変わってく現代社会
これが普通で、なにも問題などない世間
平穏に暮らしていく自分
退屈に塗れた世界
あぁ
いつからかな
僕の作り上げていた物語が
破れていったのは
意志のなかった僕の視界に
光が差したのは
痛くて眩しくて息が切れる
温かいようで冷たい君の存在
そうだ、これが僕のあるべき日常なのかもしれない。
ああ、神様。私の平穏な日々はいつ戻ってくるのでしょう。
「あっ、スズコ! あの食べ物はなんだ、うまいのか?」
お前はなにを言っているんだと突っ込まれそうですが、今、私は異世界から来たと主張して譲らない男性約一名の観光案内をさせられています。
見た目は日本人というか地球人と変わらないし、日本語も通じるのに、いわゆる常識が通じないのです。
「あれはハンバーガーと言ってですね、まあ、ボリュームあって食べ応えあります。おいしいです」
「ふーん、よくわからないがお前がそう言うならそうなんだろう! よし、買いに行くぞ」
「ええっ、さっきカツ丼食べてたのに!?」
「言っただろう、我々はお前たちより胃袋が何倍も大きいのだと!」
いや、そろそろお金が!
という訴えをする前に、彼はずんずんとお店に向かって行ってしまう。
本当に意味がわからない。仕事が終わり、へろへろになりながら自宅のあるマンションの自動ドアをくぐろうとした瞬間、スポットライトみたいな光が突然生まれ、目を開けたら彼が立っていた。
『おお、お前が私の案内係を務めてくれるのだな? 私はディルという者だ。よろしく頼むぞ!』
一方的によろしくされてしまっただけでなく、衣食住も提供する羽目になった。そのぶんのお金は定期的にディルからもらえているが、異世界の人間ならいつどうやって換金しているのか、謎だ。
『ただで泊まらせてもらうわけにはいかないからな。そこはきっちり弁えているさ』
まあ、変態、犯罪にあたる行為はまったくされていないしされる気配もないし、でかい弟ができたと思える空気ではあるのだが。
「ふー、本当に迫力満点だったな……さすがの私も満腹になってしまったぞ」
「そ、それはよかったですね」
バーガー類すべてを注文していれば、そりゃあ苦しくもなる。店員みんなにたいそう驚かれて、死ぬほど恥ずかしかった。
ようやく帰宅できそうだ。今日も、肉体精神ともに疲弊しまくった。明日仕事だなんて信じられない。
「……あの。ディルさんはその、いつまでこちらにいらっしゃるんで?」
元の生活に戻りたい。その願望が自然と溢れてしまったのだろう。
彼は銀色の瞳をわずかに見開いて、無言で私を見つめた。そんなはずはないのに、心の中を覗かれているようで心地悪い。
「すまない、具体的な日取りはまだ決まっていないのだ。我が国の人間は皆のんびりしているからな」
決まっていない――明らかな失望でいっぱいのはずが、複雑な気分に戸惑う。この非現実的な毎日から早く解放されたいのは確かなのに、変。
「スズコに苦労をかけているのは重々承知している。だがもう少し、このディルに付き合ってくれまいか」
いつでも自信に溢れた表情をしているディルが、どこか悲しそうにこちらを見下ろす。しまった、そんなにだだ漏れていたか。
「大丈夫です。そりゃ最初は大変ばかりでしたけど、楽しくないわけでもないので」
半分嘘で半分本音だった。普段ならスルーするようなものにもディルは興味を示して、それが新たな発見に繋がったりもしている。
「そうか、スズコは優しいな。本当にありがとう」
見慣れているはずの笑顔がなぜか眩しすぎて、痛い。
平穏な日々が戻ってくるよう願う気持ちは、本当。
でもこのもやもやとした感情はいったいなんだろう。
お題:平穏な日常
私たちはこの"平穏な日常"に慣れ過ぎている。これが当たり前だと勘違いしていると思う。
これが別の時代なら、別の国なら、別の生き物なら一時が万事かもしれない。
私たちよりも短い時間しか与えられていないはずなのに、たくましい生命力を発揮するのは何故なのか。
きっと限られた今が常に全力だからだ。
自らのアイデンティティをこの世界に刻むために。
自ら遺した新しい生命を守るために。
自らを取り巻く環境を維持・発展させるために。
そしてこの"平穏な日常"を脅かす者たちに立ち向かうために。
"平穏"は怠慢ではない。
"平穏"は遺してくれた宝物。
"平穏"なうちから、研ぎ澄まそう。
なぜなら私たちも彼らと同じ、生命体なのだから。
平穏な日常。
そう思えることが。
しあわせ。
大きな過ちを
許されることの無い 罪を
犯す
しんしんと 雪が降り
薄く 僕の背を覆う
暖かい日常の裏側で
正義という名の 盾を掲げ
繋がれた操り紐を 断ち切った
お題【平穏な日常】
タイトル【解放】
つむじのてっぺんから擦れていくかんじ、わたしは日々をそれらしく生きていくことで
身体いっぱいに息を溜め込んで声をあげることも忘れた、自分をいつわるというのは自分自身を痛めつけることよりももっと遠くで鋭利になる、
ずれている、と言われることは気掛かりでわたしは押し殺す、
「平穏な日常」
あなたと過ごした日々は
いつの間にか終わってた
ずっと変わらないと思ってたのにな
これからまた
あなたのいない日々を
「変わらない日常」だと思って過ごすのかな
いやだ
そんなのそんなの全然楽しくないよ
かけがえのない日々がいつまでも続くように
そう願いながら今日も戦ってる
平穏な日常を価値あるものだって分かるのは
いつだって困難に立ち向かい
感謝できる者なんだ
【平穏な日常】
「早く起きなさーい」
お母さんの声
「起きてる〜起きてるから〜」
私の声
「おはよう
早くしないと学校遅れるわよ」
私へのお母さんからのいつもの言葉
「わかってるよ〜
あ!今日はケーキもある!」
「そうだぞ〜今日は誕生日だからな」
お父さんの声
「やったぁ!頂きまーす!」
「ほらあなたも娘の映像ばっかり撮ってたら仕事遅れるわよ」
「ほんとだもうこんな時間だ
そろそろ行かないとな」
「帰ってきたらプレゼント渡すからな
いい子にして待ってろよ」
そこで映像は途切れた
「ただいま〜」
誰も返事をしない
そういえば誕生日プレゼントは何を渡してくれる予定だったの?
仏壇に飾られている2つの写真立てにいるお母さんとお父さんに問う
「夢か」
「朝よ〜早く起きなさーい」
「起きてる〜起きてるから〜」
私の平穏な1日はいつもここから始まる
平穏な日常は、
一瞬で消える。
消えるのが一瞬でも
戻るには長い年月がかかる。
Byそこら辺の中学生
悩みが尽きない日々から
いつか平穏と言える日々に変わることがあるのだろうか
今はイメージが湧かないけれど
この今が分岐点であることは分かっている
行動の一つ一つが未来を左右していると思えば
選択も手段も迷うばかりで
何をすべきか見失うことも多いけど
何もせずに終わることのほうが怖い
どうすればいいか途方に暮れている
やる気が出ずに途方に暮れている
荷が重すぎて途方に暮れている
平穏までの道程は遠く
目指すゴールもよく分からないけれど
あなた達がいるなら、何とかできる気がする
耳障りなアラーム音で目を覚まし、顔がこわばるほど冷たい水で顔を洗う。
マグカップは2つ置いて、片方はコーヒー。甘党な君にはココアを。
今日はあなたの好きな目玉焼きトーストを朝ごはんにしたんだ。
あ、勿論半熟にしてあるよ。
もう君の髪を結ってあげることはできないけど、
君の犠牲で成り立ったこの世界は、今日も平穏だよ。
#56 100年の平穏のカラクリ
私は生まれてからずっと平穏な日常を過ごしている。
私自身も周囲の人々も
これまでの生活や人生に波風が立つことはなかったし
この街もこの国も、いや世界全体も
奪い合いや争い事はなく
目立った災害もなく平穏そのもの
「この平穏が始まってそろそろ100年になる」
どこかの歴史学者が言っていた。
ただ、声には出せないけれど
平穏すぎて私は退屈している。
ある晩、
大暴れしたい衝動を抑えきれずにいた私は、よからぬ想像を大きく膨らませていた
どこかのビルの上から大声で叫んで飛び降りてしまおうか
いやその前に銀行のシステムに侵入して強盗なんてどうだろう
ついでに、国家の防衛システムにも侵入してミサイルでも飛ばしたら世界戦争が始まっておもしろいかもしれないぞ!
と__
パチン!
大きな音がして
私の存在はこの世界から消えた。
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ふぅ~ やれやれ
危ないところじゃった....
ため息をつきながらある神さまが
『箱庭』からヒトの人形をひとつ
外に出していた。
本当にヒトという存在はなんてやっかいなんだ。
すぐによからぬことをしようとするから目が離せない.…
悩ましそうな神さま
神さまの世界では『箱庭作り大会 №1決定戦』の真っ最中。
今大会のお題は『100年間の平穏な日常』
決められたルールの中で
各自が持っている世界という箱庭に100年の平穏な日常を与え続けられるかが勝負どころ。
箱庭に配置する動植物・ヒトの数・目に見えない細菌やウイルスの数や種類、気候や地殻変動などの操作回数など細かいルールが決められているが、
その中でもとりわけ
理由付けなくヒトを箱庭(世界)からつまみ出す力技は
ジョーカー中のジョーカー
100年で3回しか使えない
そして、この神さま、丁度3回目のジョーカーを切ったところだ。
100年という時間は神さまにとって
さほど長い時間ではないけれどさすがに疲れているご様子
でも、大丈夫、もうすぐ100回目の春になる。
私の勝利は目前だ
ふぅ~っと息を吐いて整えた神さまは
また自分の箱庭を見守り始めた。
お題 平穏な日常
また今日も話せない。
でもそろそろホワイトデー。
振られちゃうかな。
おっけー貰えたらいいな。
直接渡せてないし、お返し貰えないかも。
今年もクッキーかな。
でも、ずっとこのままでも、いい気もする。
お題〈平穏な日常〉
何て会話をしたのだっけ、あゝ。私また、取り溢してしまった。あんなに忘れるまいとしたのに。
―――『俺のようになるなよ』と告げて、確か入水自殺をしたのだっけ。其れは近くの川だったかしら、海だったかしら、さては湖だったやもしれず。
私それを、話としてしか知り得なかったわ。虚偽も真相も妄想も、この身の前では作り話で、等しく総て無に同じだったわ。
**
『家族を遺して死んだ男がいたのだ』と、とある人間が海を見て、渇いた薄ら笑みを引っ提げ私に、ああも垂々と零していかねば、私は彼が嘗て生きてたことすら、こうして既に死んだことすら、知らないままだったことでしょう。
睫毛を撫でる潮風がこそばゆく、青空に散る飛蚊が煩わしく、話を聞いたのは初夏のことで、そんなことを聞いても、どうも凄惨さも憶えぬまま、死を捉えられもしないまま、人間の発する声によって、只々近場の空気の揺れるのを、この鼓膜で受け止めていただけだったわけであるからして、。
然し、まるで惜しくも無いかのように、まるで己の行く路の先達の背を見るように、その人間が、余りに判った口振りをして、彼の死んだのを話すから、私はまるで、ジサツを宣言されているかのような気になって…………。
…………はて? ところで、彼は『家族を遺して死んだ』のだったね。だけどそれは、思い違いではなかったか?慥か、『愛想を尽かされた』のではなかったか。あり、それは首を吊って死んだとかいう、これまた別の男だっけ。確か、寒い秋の雨降る墓地に、BOSSの缶コーヒーを供えに行った筈であるから…、アア。
いけない。これ以上、喪ってはしまってはいけない。
**
―――誰も探さなくなった頃、彼は一人で冷たい水を呑んで見つかったのだね、実際、水に呑まれたのは彼だったのだね。
ええ、ええ。それを話したあの人間、私に何かを独り言ちたのに。それに大変胸を打たれたから、私は知りもしない物語に、酷く切なくなったのに。