『平穏な日常』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『平穏な日常』
皆がおれを嫌いでもいいんだ。
必要とされているのは、おれの"才能"。
おれ自身は求められていない。
皆の役に立つならなんて、本当は嘘。
ただこの日常を、壊したくないって。
本当は、気付いていたんだ───────
太陽は穏やかに大地を照らし
時間が止まっているかのように
雲はゆっくり流れてゆく
あなたから見える空
わたしの見ている空
遠く離れていても
同じ空の下にいる私たち
空の青さはどこまでも
果てしなく広がって
私たちを繋げてくれるのです
今日も平穏な1日を過ごせますように
静かに目を閉じて
あなたのことを想います
平穏ってなんだろうなあ。
いつもと変わらない面々に向けて
そう呟いてみるも、次に聞こえたのは
棚に小指をぶつけた後輩の叫びだった。
「ッ〜〜〜〜!?!?ちょっと誰ですかここに棚置いたの!!ばかなんですか!?そういやここにいるのはみーんなおばかさんでしたねェ!?」
「ちょっと、みんなって言わないでよ。私までバカになるじゃん」
「お前チビのクセに声はでけぇよなぁ」
「はぁ!?先輩が無駄に大きいだけでしょ!?僕に身長100cmくらいくれてもいいんすよ!」
「あんたら聞いてる?てか普通にうるさい、邪魔」
これを見て平和だなぁと思うのは
多分俺だけ…じゃないかなとか思う。
結局、平穏ってなんだろうな。
騒がしいわ喧嘩ばっかだわだけど
ぱっと浮かんだ平穏はこの日常だから
まぁ俺にとってはこれが平穏なのだ。
「ねぇ、部長がニヤニヤしてんだけど」
「気持ち悪いっすよ部長」
「あー、なんか妄想でもしてんだろ。ほっとこうぜ?」
おいこら、お前ら。
俺をなんだと思ってるんだよ。
┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄
「平穏な日常」2023. 3. 11
いつものように外に出た。部活をするため学校に行く。いつもと変わらない普通の道。いつもと変わらない風景。道はポカポカしてるが木のトンネルは涼しくて日差しが差し込む。
音楽室に着くと友達がいなかった。誰もいなかった。一番乗りだ。嬉しかった。カーテンを開け、窓を開ける。春の匂いが音楽室に入り込む。いい匂いだ。心が洗われる。
いつものように楽器を組み立てる。クラリネットを組み立てる。楽譜を立てて練習をする。少し面倒臭い。しかし吹いているうちに楽しくなってくる。
しばらくすると友達が来た。二人で話す。親の愚痴とか面白い出来事とか。
いつもの日常。いつものように生活する。私は先輩に元気に挨拶をする。
平穏という大切さ。
きっと気付いているひとは少ないでしょう。
「完璧や」
6時。カフェの雰囲気を思わすお気に入りの洋楽のプレイリスト。朝焼けの冷たく気持ちええ空気。淹れたてのアールグレイ。これぞ、平穏な日常の一日。そして完璧な朝や。
ードッカアァァァアン!!!
前言撤回、全く持って平穏やない。壁が吹き飛んだ。あと立てかけてたギターも。修理費いくらやねんこれ。
「はぁ…、どいつもこいつもよう飽きもせんと来るもんやなぁ」
ここは東京のパラレルワールド。ーえ、関西弁やのに東京なんとか思ったそこの君。こーいうアクションものは東京の方がパッとするでしょーが!!
えー、気を取り直して。今や日本中に蔓延った巨獣を駆逐することを目的とし、市民の安全を守る特殊部隊。その名も…
「このドアホ!カッコつけとる暇あるんやったらさっさとコイツ倒せや!!アホか!」
「2回もアホ言うなや、流石に傷付くわ!…ま、いっちょひと騒ぎしますか」
そんなこんなで落ち着けない平穏な日々は続いていく。人知れず、誰もが誰かの平穏を守りながら。そして自分も、こうやって仲間と軽口を叩けることが、どれだけ幸せかも知らずにー。
#平穏な日常
守られた中で生きているのに
前途が険しく前が見えない
一寸先は闇
後に退くことはできず
毎日生きることが戦いである
己を己という柵でがんじがらめにして
もがいてあがいて
崖端に立ち続けている
見えない敵に立ち向かい戦い抜いて
一体その先に何が見えるんだろう
2023/3 11
いつも呼吸が浅いのでなんとなく苦しい。朝、「遅刻する」と慌ただしく家をとびだし、焦りと恐れで泣きそうになりながらの出社。仕事では後ろから(物理的にも心理的にも)責っ付かれる切迫感で更に呼吸が浅くなる。見える世界は鈍色で澱みくらくらしそうだ。
しかし何の前触れもなく目は覚め不穏な夢が終わった。深呼吸を繰り返し最後にホッと息をついた。これから何の変哲も無い平穏な日常が始まる。そう認識すると今度は深く安堵の息をついた。
平穏とは。変わったことも無く、何も起きないことである。そんな「平穏」な日々を君は変えてしまった。
いつもどおり、勉強だけをしてればいいはずなのに。それなのに隣から聞こえてくる君の声に、話に耳を傾けてしまう。
体育なんて、体力を使うだけだからサボってたのに。君が誘うから。「どんなに楽しいんだろう」と気になってしまった。
将来は東大に入って大企業で働く事が夢だった。でも、君と一緒にやった「ゲーム」が楽しくて、あんなワクワクを作ってみたいと思ってしまった。
こんなの、「不穏」だ。おかげで僕の完璧な未来がめちゃくちゃだ。……でも、完璧よりこっちのが楽しいかもしれないな。
東日本大震災から12年。
世間的には、世界大流行の病原菌もそろ鳴りを潜めてきて平穏な日常が戻りつつある今日この頃。
春めいてきた陽気に弛んでいた我が家に落とされた一滴の墨汁。
家人の癌。
平穏な日常に見せかけた、爆弾を抱えた日々が始まる。
心が脅かされない日なんて
永遠に来ないんじゃないかと
本音に蓋をしている
小さな一歩だとしても
扉を開けるのはストレスで
何かにすがって生きている
平穏な日常
静かに眠りこける朝を
大地がゆする
言葉なくなにかを訴える
貧乏ゆすりのように
お腹減ったな
脳裏に星を飛ばしながら
薄闇のなかで冷蔵庫をひらく
納豆のパックをあけて
少しお米をのっけて
こぼさないように混ぜる
ほかほかごはんの湯気が大豆の香り
甘さをかみしめながらテレビをつける
冬毛の犬たちがソリを引いていた
白い息までふわふわで
なにかがきしむ音を聞いた気がする
とてもだいじなことを考えていた気がする
でも目が覚めれば大抵それは
くだらないことだったりするのだと
根拠なく納得して
不安を飲み下す
形にならないことを少しずつ
日常の裏へとりこぼしていく
『平穏な日常』
「間もなく、東日本大震災発生時刻になります。」そんなアナウンスが聞こえたのは図書館で本を読んでいる時だった。私は東日本大震災がいつ起こったかなんて知らない。ただ昔にあった大きな地震。そう思っていた。黙祷をするのは8月6日(広島の原爆投下日)だけだし、当時私はまだ幼かったため、ニュースを見ることもない。だからこそ、痛感した。昔なんかじゃない。この日この時、沢山の人が亡くなったのだと。このアナウンスがなければ、その人達のことも知らず一日を終えていたのだと言うことを。私はもう一度目を閉じて、今平穏な日常がここにあることを、とても幸せに感じた。
『平穏な日常』 110
「なんで自殺なんてしようとしたんだ……っ!」
「……そうだね。
なんて言えばいいんだろう、強いて言えば"生きていたら駄目だと思った"……とかかなぁ」
「何だよそれ……もっと生きてくれよっ!
今までそんな素振りなんて無かったじゃないか、頼むよ!
そんなに俺達は頼りないのかっ?!」
「あぁ、そういうのじゃ無いんだ。
君達のことは大好きだし、とても良い人達だなぁと思ってるよ」
「じゃあ何だ?
何でも言ってくれ、出来ることなら何でもしてやるからっ!」
「じゃあ僕を殺してくれないかな?」
「……え?」
「でもきっと君達にはそんなこと出来ないし、それが正しいと思ってる。
だから自分で殺すしかないんだよ」
「な、何でそんな……」
「こんな事を考えたんだ、"人類の未来には希望なんて無い"って。
人が本当に自殺してしまう時っていうのは、本能を塗り潰すぐらいの激情に駆られた時か、その逆で感情そのものが希薄になってしまった時だよね」
「…………」
「僕達は死ぬことに対して恐怖を覚えるだろ?
つまりどんな状況だろうと普通は生きようとする。
恐怖するのは死なないようにする為の感情だよ。
痛みを感じるのは生き残る為の感覚だよ。
お腹が減るのは生き続けるための機能だよ。
自分の意志に関わらず体は生きる為に働いていることからも、それは正しいだろうね」
「…………」
「理由までは分からないけど、生物の遺伝子には"生き残れ"という命令が既に刻み込まれているんだ。
数十億年の進化の過程で刻み込まれていったんだろうね。
だから生きたいと思うことは当然で、死にたいと思うことは本来の生物として異常なんだよ」
「……」
「そのうえで現在の世界での自殺者の割合が増え続けているのを考えた時に、僕達は近未来で滅亡してしまう運命なんじゃないかって。
そんな未来が近くまで迫っているんじゃ、僕達が生きていく為の希望なんて無いなって」
「……だから死のうとしたのか?
その考えに至ったお前は未来に絶望して、生きたいという感情も死ぬことに対しての恐怖も、どちらも感じとれなくなったから自殺なんてことを「それは違うよ」……!」
「そうじゃないんだ……逆なんだよ。
他人の事なんて何も知らないくせに。
世界の事なんて何も知らないくせに。
自分で行動を起こすことも無く、何かを変えようとする意識もないくせに、さも自分が賢い傍観者の様に振舞って決めつける愚者。
仕舞いにはその妄想のみで未来には希望がないなんて考える屑。
そのくせそいつ自身は平穏な日常を享受して現在を生きているんだ……!
……そんな奴がいたら、そいつは最も忌避すべき悪人だとは思わないかい?」
「……じゃあお前は」
「あぁ、そうだね。
僕が自殺しようとした要因は自分に対しての激情だよ。
僕が絶望したのは未来なんかじゃない……」
──自分自身なんだ。
平穏な日常から君はいなくなった
次戻ってくるのはいつになるかな
そんなに長く待てないよ
こんなに君を欲しているのに
君に伝えることすら拒まれる
次会う頃には色々変わってやるんだ
びっくりするかな
褒めてくれるかな
褒めてくれたら嬉しいな
もう少しで誕生日だね
おめでとう
その一言は伝えたいけどどうしようか
迷うなあ
みなさんなら何らかの手段で伝えますか?
それとも黙っておきますか?
コメント機能ないけれど意見が欲しい気持ちです
平穏な日常があるから
暇とかつまらないと
思うことが出来る。
平穏な日常
前に話したことがある。
私は2つの欲を持っているんだ
だらだらしたい。楽に生きたい。安穏とした日々を送っていたい。
焦りたい。がむしゃらに生きたい。刺激的な毎日を送りたい。
きっとどっちも本当の願いで、私は臆病だからいつもゆっくりと過ごしている。
平穏な日常は、全速力の前の休憩時間。
そう言い切ることができるほど、何かをしているわけじゃない。
こうでありたいも、こうするべきだも分かるけど、熱を向ける先が決まらない。だからこそ、一つに向かってがむしゃらに生きることに、憧れている
11
「平穏な日常」
朝起きて
(おはよう)
ご飯を食べて
(いただきます)
(ごちそうさま)
それぞれの
第二の居場所に向かう
(行ってきます)
陽が沈めば
ほんとの居場所へ
(ただいま)
お風呂に入って
お布団に
(おやすみなさい)
日々の繰り返し
なんてことない
ありふれた日常
退屈と感じるかもしれない
だけど
それがいつかは
無くなるかもしれない
平穏な日常は喪失する日常と
隣り合わせ
背合わせ
そう考えると
平穏な日常を送れること
それ自体が奇跡
なのだから
忘れがちだけど
ちゃんと感謝して
ちゃんと生きなきゃ
って想うのよ
平穏な日常
それは
突然壊れるもの
1日あれば
人も
環境も
世界も変わる
目を開けると、見慣れた天井があった。
カーテンの隙間から差し込む光があたっている所が若干温かい。
寝返りをうちスマホで時間を確認する--6時半。アラームより少し早く起きたらしい。
今日も学校に行って、授業を受けて、部活やアルバイトはしていないからそのまま家に帰る。
宿題があればやるけれど、ないなら夕飯までスマホをいじって、夕飯を食べてお風呂に入って、またスマホをいじってそのまま寝る。
毎日その繰り返し。つまらなく変化のない毎日。
だからと言って、これといった刺激を求めている訳ではない。
このままなんとなく、平和で平穏な日常を過ごすことに何か問題があるのかと言われたらそうではない。不満があるのかと言われたら返答に困るけれど。
さて、今日もいつもの一日が始まるのか。
私はむくりと起き上がる。ベッドが反動でギシリと鳴った。
シャーッとカーテンを開けると、朝日が射し込み私を包みこんだ。
--そう、光に包み込まれたのだ。
私の知っている平穏な日常、いつもの一日、ではない。
その光はまばゆく、視界が真っ白になる。
視界が戻った時、私の目の前にあった光景は……。
【平穏な日常】
※なにかの物語の冒頭みたいな感じに。