『寒さが身に染みて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『寒さが身に染みて』
体が震えているのは寒いからだろう。
目から涙が溢れるのは空気が冷たいからだろう。
吐く息が白く、視界を遮る。
この白い息が晴れた時、草木は優しく揺れ、川のせせらぎは私を包み、
太陽は涙さえも凍るようなこの冬の冷たさをも抱きしめてくれるだろう。
もうすぐ夜が明ける。
冬の長い夜が明ける。
だから、今だけは──
『寒さが身に染みて』
風が身体を劈く。
空気で手が悴む。
空を見上げると、高くて。
降り注ぐ雪の結晶が透き通っていた。
でも心が冷えるのは、きっと、
貴方が隣にいないから。
もし会えるなら、雪の中でも駆けつけていくのに。
【寒さが身に染みて】
寒空の下で残った体温が今を支える不惑の火種
寒さが身に染みて
おじいちゃんおばあちゃんへ
寒さは頭で感じなきゃね
身体で感じるのは若い時までなんだって
皮膚感覚が鈍ってくるってよ
寒さを感じにくくなってきたって?ーうんうん
高齢者だもんー確かにね
回復力は落ちる一方ー認めたくないでもそう
今は冬だと言い聞かせてね
頭で寒さ用心これが冬を乗り切る肝なんだって
元気で春を迎えようね
題名、『君を知らない世界。』
久しぶりに。
君の夢を見た。
いつぶりだろう。
やけに、肌寒い。
"寒さが身に染みて"
すべてに後ろ指をさされた気になる
握ったペットボトルだけがひととき味方のふりをした
一人の時間が多い時は
誰かと共に居たい と願い
何時も 誰かが側に居るのが当たり前の時は
一人になりたいと願う
一人で生きて行く事になり
清々しい時間を過ごせるが
今日の様な 雪が降り積もる日は
寒さなのか寂しさなのか・・・
シンシンと身に染みていく
インスタントのしじみの味噌汁を卓上に置いて、一人で家を出た。図書館に本を返しに行く、というのは言い訳で、なんとなくひとりになりたかった。ユキと離れたくなくて悶々としていたのに、どうして今ひとりでいるのかわからない。ただ目的地に向けて何も考えずに足を動かす。青い空から差し込む光は温かいのに、空気は肌を刺すように冷たい。
図書館のガラスの自動ドアが開く。内扉をくぐると、急に暖気が体を包み込んでくるので、毎回ぎょっとしてしまう。何かの間違いのようだ、と思いながらマフラーを外し、コートを脱いで一緒に腕にかける。
図書館は、広くて、しんとしている。そして、地下に子ども向けのフロアがあって、稀にそこからはしゃいだ声が響いてくる。一階に小さい子どもはほとんどおらず、声もほとんどしない。本棚の間に立っている人たちは、なんだか人というより森を構成する木みたいだ。
本を返却した後、この森の中を歩く。棚には無数の本が並んでいて、そこに浮かんでいる背表紙の文字たちを眺めるだけで、この森の一部になっていくような感じがする。
「あの」
きん、と高い声だ。振り返ると、本の間に浮き上がるように鮮烈な赤いコートがそこにあった。ルビンか、と一瞬思い、それにしては背が低い。黒い前髪の下にメガネがあって、その奥から同じく黒い目がこっちを見ていた。
「マフラー」
言われて見ると、その手にはおれのマフラーが握られていた。どうやら歩いているうちに落としたらしい。気づかなかった。
「ありがとう」
手を伸ばすと、赤コートの手は震えていた。押し付けるようにマフラーを俺に渡すと、ぱっと踵を返して逃げるように本棚の間を走っていった。くるんと角を曲がったとき、そのコートから何かがぽとんと床に落ちたのが見えた。拾いに来るかと少し待ったが何も来ず、気になったので近づく。落ちていたのは青い手袋だった。拾い上げると、ずいぶん小さい。赤コートの背は俺よりずいぶん低かったし、小さい人間なんだろう。俺は手袋を拾い上げて、どうしようもないのでそのまま持ったまま、森の中を歩いた。
「あれ」
一〇分、二〇分と歩くと少し疲れてくる。流れ出るように本の閲覧用ソファに辿り着くと、さっき見た黒い頭がそこにあった。後ろから様子を伺うと、膝の上に本を広げていたが、その顔は真っ直ぐ前を見ている。ぼうっと、何が別のものが目の前にあるみたいな目だ。
「あの」
声をかけると、赤コートは弾かれるようにこちらを見た。その目があまりに敵意に満ちていて、こちらこそ驚いてしまう。睨み上げられていることをとりあえず無視して、手に持った手袋を差し出す。目が丸く見開かれた。
「手袋」
「……」
「落としてたから」
「……」
黒い目が俺の顔と手袋を三往復した後、そっと手を差し出される。小さい手は不自然なくらいに震えていた。その上に手袋を落とすと、なんかまあ当たり前に、ぽとんと片方が赤コートの膝に落ちる。それがなんだかおかしくて、ふっと笑った。
「なんですか」
きっと睨まれる。
「なにも。すみません」
怖かったので、慌てて本の森に帰った。本棚の角を三つ分くらい適当に曲がって、ああ、さっきのあの赤コートもこういう気持ちだったのかとふと思った。
寒さが身に染みる。2月下旬に引っ越したばかりの寒々とした6畳間。住み込みの仕事を転々とした私が、やっと借りられた部屋だった。厚着で布団にくるまる。周りの大人達がしきりに引っ越しをすすめてくる。
車や家の屋根にうっすら雪が積もっている。
ベランダに出る。
寒い。
これはいつもと違う寒さだ。
雪が好き。
雪が降るとテンションがあがる。
でも、これから仕事となると話は別。
今後は、
『出掛ける予定がない休みの日に降る雪が好き』
に訂正する。
「疲れた…………」
紫のもやが晴れて、そうして戦いが終わったあたしは膝から地面に崩れ落ちた。少しだけ心配そうにマスコットがあたしの顔を覗き込んだ。
『今日の敵はめんどくさかったね。運が良くないとどうにもならない』
「今日のあたし、運全然良くなかった……」
『そうだね。ほぼ全て外したんじゃないかい?』
マスコットの言った通りだった。結界内に入ったあたしは中がゲームセンターみたいな景色なことにまずちょっと驚いて、更に追い討ちをかけるようにいつもは一体しか出てこないのに、何故か今日は沢山の敵が出てきた。あたしとマスコットが異例の事態で慌ててるのに、どこから流れてきた音声は『本物以外はニセモノ。いくらニセモノを倒したって結界から逃げられない』なんて言われた。
そこからは地獄だった。一体一体は避けるのがちょっとだけ大変な攻撃を仕掛けてくるだけで、いつもよりは幾分も楽だったけれど、それが大量に襲ってくるとなれば話は別で。倒しても倒しても襲ってくる敵を倒しても全てニセモノだった。
「なんか、寒かったし……」
『ペナルティだって言ってたね。無我夢中で手当り次第倒しているように見えるから、と』
「聞いてなかった。いつ言ってた?」
『それが無我夢中に手当り次第の現れなんじゃないかい?』
「うるさい」
冬なのに冷房がついてるみたいなレベルの風に見舞われて、すっかり手足は冷えきってしまった。たまたま本物にぶち当たってなければそのうち満足に戦うこともできなくなってたかもしれない。
「あー寒。帰ってあったかいのでも飲んじゃお」
『明日から学校だろう? 宿題は終わったのかい?』
「うるさーい!」
あたしはそう言いながら思い切りほっぺを膨らませた。
第十一話 寒さが身に染みて
-寒さが身に染みて-
人ってどうしてか
冬になると
人肌恋しくなる
これもすべて
寒さのせいにしてしまおう
寒さが身にしみて
「寒いなぁ…」
自然と言葉が出る。
条件反射というものだろう。
肌をツンと刺すようなこの時期になるといつもこうだ。
この言葉を返してくれる人はとっくにいないのに。
君がいなくなって何度目の冬だろうか。
「すぐにこっちに来ずに、楽しんでから来るんだよ」
そんな、約束も一体いつのことか。
結局指輪を外したことはなかった。
怒りそうだなと思ったが、僕はそれで満足している。
「生涯をかけて、君を愛していることを証明するよ」
「重いって」
君は笑って少し引いていたが、僕は当然本気だった。
やっとこさ、その証明が終わりそうだ。
そっちに行くまで大分近づいたが、神様は意気地が悪く、もう少しこの世を楽しめと言っているみたいだ。
未練はないが、土産話は多い方がいいか。
寒さが身にしみるこの季節、愛しの君のため、さて、どこへ行こうか。
蹲った身体に寒さが入り込んで、息が詰まるほど苦しくなって、もう生きていたくないと願うけれど、この世界は無情ながらにどれだけ心が凍てついても生かしておくらしい。
「寒さが身に染みて」
こんな朝は
寒さが身に沁みて
大きく深呼吸をしたら吐き出した白い息が
すーっとすーっと伸びていく
今期の冬は、それほど寒くないなぁ〜って思っていたが、やはり 身体が縮こまる感じの寒さになり、やっと冬らしくなった。
今まで、外の仕事、寒いからちょと面倒くさいな〜って思って後回しにしていた事が、今となっては、あの時にやっておけば良かった〜と後悔している。
この寒さを楽しみながら、生活しよっと!
「寒さが身にしみて」
【寒さが身に染みて】
染みるなんてものじゃない
滲み出てる
寒い寒い寒い!
早く冬よ終わって!
モコモコモコモコ。
コート、帽子、マフラー、手袋、ブーツ。
シルエットが倍になるくらい膨らんだ体が丸くなってしゃがんでいる。
「動きにくいでしょ、ソレ」
「慣れりゃどってことないよ」
「そうは見えねえけど」
「寒さと動きにくさじゃ寒さの方がこたえるんだよ、この歳になると」
「アンタいっつもお洒落なのに」
「そうも言ってられなくなるんだよ」
「じゃあとっとと仕事終わらせて帰ろかね」
「お前がコーヒー奢ってくれたら少しは動けると思うけどね」
「いつもと逆だな、これじゃ」
「あはは、ホントだ」
立ち上がった彼はやっぱり普段の倍膨らんでいて。
その格好に思わず笑うと、彼は不思議そうな顔をした。
END
「寒さが身に染みて」
「寒さが身に染みて」
朝は一日の中でも寒い
始まりでもあるけど
何時までもお布団の中にいたい気分
思い切って
朝散歩に出かけると
凛とした空気が目の前に広がる
自分の背中までピシッとする冷たさが
朝らしい
そんな朝に散歩すると
身体が起きてくれて
心地よい寒さに変わっていく
目も頭も覚めてくる
散歩に行く前は
寒さに二の足を踏むけれど
寒さの中に入ってしまうと
それは、心地よい寒さに変わっていく
朝に散歩は
やっぱり良いな
「寒さが身に染みて」
大寒の寒さに震え思い出す緋寒桜の濃いピンク色