『安心と不安』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
彼女がかわいくなった。
一緒に歩いていると男達の視線を感じる。確実に見ている。
得意な気持ちになる反面、とても不安になる。
僕らの始まりは、彼女からの告白だった。
通学の電車が一緒で、学校でもよくすれ違っていたらしいが、あまり記憶にない。
告白してきた彼女のことは正直ブスだと思ったが、告白されて有頂天になり、付き合うことを承諾してしまった。
少し後悔もしたが、彼女持ちというステータスを得られたことを考えると、まぁとりあえず付き合っといてもいいかと思った。それに、この顔なら浮気もできないだろうし、僕のことだけ好きでいてくれるんじゃないだろうか。そう思うと安心できる。
そんな彼女がかわいくなった。
道行く人が振り返るレベルだ。不安しかない。
いつかイケメンと浮気されるんじゃないか? そしてフラれるんじゃないか? いや、もしかしたらもう別の男がいるのかもしれない。だってこんなにかわいくなったんだ。人は恋をするとかわいくなると聞いたことがある。
彼女が部屋に遊びに来た。
「たまにはお家デートもいいね」と嬉しそうに笑った。
僕は安心したかった。
彼女が部屋に上がったのを確認して、扉の鍵をゆっくり閉めた。
『安心と不安』
何をあんなに怯えていたの。
歌うように踊るように風のさなか。
透明な足場、信じられるなら。
「安心と不安」
日々、不安しかない私には
安心などはなく。
安心があるからこそ
不安が 生まれるのだと思った。
不安の大小は
人それぞれ。
それでも、安心できる何かを
求めてしまう。
安心と不安は 時には
生きる希望にも なるのかもしれない。
安心と不安は 時には
進むべき 道標になるのかもしれない。
【お題:安心と不安】
君のことを
考えているとさ
忙しいくらいに
感情ってヤツが
右に 左に…揺れ動く。
朝がきた今日に
安心するように…
夜がこない今日が
不安になるように…
君に恋した
ただのこんな気持ちが
何もかもを複雑にして
何もかもをカラフルにして…。
好きになればなるほど
不安になるのに…
君を想う
君を好きな
今日に安心する。
だから難しいことは
わからないんだけど…
何も手につかない
接点のない1日も
おはよう
そんな言葉ではじまる1日も…
僕の愛しい今日になる。
- 声のないラブレター -
「安心と不安」
キミがいることの安心
キミがいることの不安
得なければよかったのか
死んだらどこに征くのです?
あの人はそんなことを言いながら息を引き取った。
安心したような顔に、不安になったのは
私だけだろうか......?
家族と他愛のない会話をしたり、好きな人や友人と語り合ったり。
そんな時は安心というか心が穏やかだ。
けれど、仕事に関してはストレスが今のところ多すぎて、不安要素だらけ。
マイナスが少しずつでも減って、プラスに転じてくれればなと思う。
『不安と安心の感じ方』
模試で志望校を書かなければならなくなったのは高2のときからだった。受験カードを見ると、志望校の欄が追加されていた。先生は
「そろそろ志望校を決めておこう」
と言う。僕はまだ気が早いだろうと思っていたのだが、周りの人間を見るとスラスラと志望校の欄を埋めていく様子が目に映った。
なぜみんなして行きたい大学が決まっているんだ。僕はシャーペンを持つことができずその場で固まる。行きたい大学なんてない。先生の
「あと五分だぞ」
という言葉で正気を取り戻す。
結局その時は自分の県の国立大学で志望校の欄を埋めた。
模試の何週間か後に、教育相談という拷問が始まった。その時に、今回の志望校についての質問をされる。
「大学に行ってなにがしたいですか」
と。大学に行ってしたいことなんてある訳がない。周りが行くから行く。それでいいじゃないかと言いたくなる。
「まだなにも考えてないです」
正直に答えると、何かごちゃごちゃと説いてくる。
「他の人はもう決めてますよ」
とか言って、不安を煽るだけ煽ってくる。
今度からは先生に話せるように内容を創らなきゃ。
僕は不安の感じ方と安心の感じ方を知っている。どちらも他人と自分とを比べることで感じることができる。自分よりレベルの高い人を見ると不安になるし、自分よりレベルの低い人を見ると安心する。
さっきは少なからず不安を感じてしまったので、僕は安心感を得たかった。だから僕は喋りに行く。僕よりレベルが低いと思われる人へ。
だけどそれは無意味な行為だった。誰一人として僕よりレベルが低い人はいなかった。それもそうかと模試の時を思い出す。みんな志望校書いてたもんな。意識高すぎて笑えない。
不安に押し潰されそうになったので一旦家に帰ることにする。家に帰ったからといって何かが変わるわけでもないけど。とりあえず親に相談してみる。そしたら
「自分のしたいように行きなさい」
だってさ。それがないから悩んでるんじゃん。子供が夢を持ってるなんてそんなの願望でしかないじゃん。反論したい気持ちに駆られる。だけど面倒くさいのでそんなことしない。僕は優等生だから。
なにも決まらないまま時間は進んで三年生ゼロ学期。いや二年生だろとかいうツッコミは誰にも届かない。
周りの人間はもう受験モードに入ってるらしい。大学受験の話ばっかり。よくそんな話できるな。ただそれを聞いていると嫌になる。周りが僕よりレベルが高いと自覚させられるから。だけど学校には行かなきゃいけないから逃れられない。
そんな時期だからかまた教育相談が始まった。僕は創った話を先生に聞かせてやる。そしたら
「いい夢だな」
って、適当に創った話なのに。
そのまま時間は進んでいった。僕は全くもってやりたいことが決まらないし、夢だってもてない。だけど受験までの日数は減ってくるので勉強している。
志望校は県の国立大学。学歴はどんくらいだろ。地方国公立のレベルは知らない。ただ周りの人間からすれば低いらしい。僕は低いレベルの人間だと言われたような感じがした。
僕はその大学に落ちた。その代わりに名前も知らない大学に受かった。
その名前も知らない大学の合格発表があった日、僕は多くのSNSサイトを巡回した。合格したあと周りの人間の、僕より高いレベルの大学に合格したという報告でこんな大学で良いのかと不安を感じたからだ。
合格の報告なんていらない。不合格で浪人決定した人の投稿だけが見たかった。安心感を得たかった。
多大な安心感を得たあと僕はこんなことを思った。
「僕はもしかして最低の人間か」
と。
その受かった大学に僕はとりあえず行くことにした。そしてこんなことに気がつく。
「この大学は僕よりレベルの低い人ばかりだ」
と。僕はそこにいるだけで安心感を感じることができたのだ。不安は一切感じなかった。
僕は不安の感じ方と安心の感じ方を知っている。自分よりレベルの高い人を見ると不安になるし、自分よりレベルの低い人を見ると安心する。
それはこの世の理だ。
そう自分を肯定して、僕は大学に出かけていく。
就活や社会人生活がどうなるかなんて考えず、
ただ自分を安心させるためだけに。
自分のその時だけの利益のために。
【安心と不安】
僕の隣でにこにこと君が笑っている。ついこの前お節介で死にかけたっていうのに、相変わらず呑気な顔で。
握りしめた君の手の温もりに安心するのに、それと同じくらい不安になる。困っている人を見捨てられない君が、僕の知らないどこかで危ないことに首を突っ込んで、今度こそ死んでしまうんじゃないかと。ああ、もういっそのこと。
「閉じこめちゃおうかな……」
口の中で小さく転がした声は君には届かなかったらしい。
「え、何か言った?」
不思議そうに首を捻った君の頭をそっと撫でた。こんなことをいくら夢想したって、このアイデアを実現することは結局僕にはできないんだ。だって僕が恋した君は、あらゆる人を助けるためにあちらこちらを駆け回る、自由で力強い君なんだから。
「君が生きていて良かったよって言っただけ」
ただそれだけを口にすれば、君は僕の気持ちなんて何一つわかっていない無邪気な瞳で「ありがとう」と微笑んだ。
安心と不安
話を聞いてくれる人がほしくて、でも時間やその人の忍耐力には限りがあって。
なるべく短く済ませようとしては、あれを聞いておけばよかったとか不安でもやもやした日々を過ごしている。
私はどうするべきだったのか、いつでも意見が聞きたい。
話せるその瞬間は安心しても、結果的に不安は増大していることに気づいたのはつい最近のことだ。
早く安心したい。
皆に幸福を振りまいて
まるで天使かのようなフリをして
自分のことも皆のことも分かってるようなフリをして
本当はもっとずっと弱い
貴方の体を包むその膜に
少しでも触れたら破れてしまいそうなほど
儚くて脆くて
もしかしたら明日にはもう居ないかもって
今度は不安になってきてしまうような
助けてもらってばかりで
助けることができなくて
それほどに貴方は今
大切なものを抱えすぎている
それは一見とても良いようなことに思えるけれど
いつか貴方が壊れてしまうんじゃないかって
ただひたすらに
それが怖い
圧倒的に不安の方が感じてる
「安心と不安」
君が
ボクにもたらす
安心と不安
その狭間で
君への恋心は
日毎に
熟成してゆく
# 安心と不安
仕事について悩んでいる。
辞退しようか悩んでいる。
辞退しても安心はしない。
不安しかない。
どちらを選んでも不安しかない。
床
板
と
壁
と
窓
・
窓
・
そ
れ
だ
け
の
部
屋
へ
踏
み
場
も
な
く
早
朝
安心と不安の中にありながら、
私たちは今も歩みを進めています。
その中で一番大事なのは、私たちの中にある核心に触れることです。
時として、あらゆる不安や戸惑いを感じることがあるでしょう。しかし、その中にあなたの一筋の望みを見てください。
あなたに残された可能性を見てください。
あなたが全宇宙とつながっていることを感じてください。
あなたのあらゆる可能性がここで芽生えていることに気づくでしょう。
その渦に乗って、今すぐにここから歩みを進めていってください。
必ずそこに到達するでしょう。
必ずそれを見ることができるでしょう。
それが我々が語る未来をつかむということです。
どんなに大丈夫だと安心していても、ほんの少しのほんとに些細なことかもしれないが『荒れそう』と過ぎってしまった瞬間、安定していた精神は一気に砕け散る
心が言葉を必要以上に感じ取り 頭は勝手に思考を巡らしはじめる
過保護を通り越した行き過ぎた心配性が自分を苦しめる
そんな自分の繊細すぎで脆い心が大嫌いだ
『安心と不安』2024,01,26
安心と
不安な気持ち
交差する
進む先々
各々の先
お題☆安心と(/)不安
【安心と不安】
大切な人が、安心して戻ってこれる場所になりたい。
不安な夜は、抱き締めて寄り添いたい。
そう想っていたのに―――。
あなたを待つ時間はいつだって、不安でたまらない気持ちが強くて、酷く掻き乱されている。
震える携帯のディスプレイには、あなたの名前。慌てて取り上げると、陽気に弾んだ声が聴こえてくる。
『かぁず〜、ご飯食べた〜?』
ご機嫌な声が、少し舌足らずに尋ねてくる。
「うん、食べたよ。かっちゃんは、美味しい物たくさん食べた?帰ってきたら、教えてね。」
千鳥足になっていないだろうか、帰る方向と反対に行っていないだろうか、ちゃんとココまで辿り着けるだろうか、迎えに行ってしまおうか―――。
『うん、お腹いっぱい!』
不安な想いが詰まって渋滞している。
「かっちゃん、お酒呑んだでしょ?眠たくなる前に戻らないと、帰ってこられなくなっちゃうよ。」
上手く言葉を選べているだろうか。また不安になる。
『ん〜、駅着いた。ちゃんと帰ってきたからな〜!えらいだろぉ!』
慌てて上着を引っ掴んで、家とバイクの鍵を握り締めた。携帯を操作してイヤホンマイクに切り替える。
「偉いなぁ、流石かっちゃんだね!」
戸締まりをして、ヘルメットを被ってからバイクを動かす。
少しでも早く会って、抱き締めて安心したくて。
暗い夜道へと、大切な人を探しに家を出た。
少しの安心と大きい不安がある。
生か死。
いつもグラグラ揺れるこの選択。
今日、選ばないといけない。私の天秤は…あれ?
同じ?…死なない程度に怪我すればいいのか?
…これはただ苦しむだけ。やめないと。 ガタンッ
『生』天秤にはこう見えたのだろう。
私も変わらないといけないなぁ。ッよし、待ってなさい。
今からそちらに『悪魔』が行きますよ……?