『安らかな瞳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
安らかな瞳
安らかではない瞳はどんなときになるんだろう。
自分にベクトルが向いているときかな。
自分はどうでもいい。世の中をどうすればよくできるか。
これを考えていると安らかな瞳になるかも。
安らかな瞳
人は死を間近にすると、安らかなれと祈るのだと思う。誰もが天国を思う。安らかな眠りを思う。疑うことなく。疑うことがないから安らかなのだ。そんなとき、人は安らかな瞳になれると思う。
きみの寝顔を見てるだけで
今日の疲れが吹っ飛ぶ
寝息を立てるその顔は
もはや天使と言っても
過言じゃあねえ
ただ...泣いたら
悪魔となって私を苦しめる
ずっと寝てれば良いのに
ー大好きだよー
私から生まれた
エンジェルちゃん
お母さんはいつも忙しそうだった。 お父さんは、
いつも仕事で私に構ってくれた事なんてない。でも
お母さんは違った。毎日仕事が大変だと思うのに、
朝食を作ってくれるし、ちゃんとお話してくれる。
家事だってあって私に構う暇なんてないと思うのに
それでも私に関わる時間を作ってくれる、いい母親
だった。私が一番お世話になった人はお母さんとし
か言いようがない。親孝行がしたいってずっと思っ
てた。でもお母さんは一年前死んでしまった。自殺
だった。うちのマンションの屋上から飛びおりたん
だ。いつもなら閉まってるはずの屋上の鍵は、空い
ていたらしい。ぐちゃぐちゃになった身体。ペンキ
のように真っ赤な血。部活から帰ってきたところだ
った私は、落ちる人影を、母を、いまでも忘れられ
ない。止められなかった事、何にそんなに追い詰め
られていたのか、とか。思うことは沢山ある。でも
ただ一つ、落ちる母の瞳は今までに無いくらい安ら
かな瞳だった。きっと母は解放されたのだろう。自
分を見てくれない夫、山積みの仕事、溜まった家
事、娘のお世話から。
【安らかな瞳】
/安らかな瞳
やわらかいひかりが
すがたをつつんで
らくになれたよ、と
かすかにつぶやいた
なみだはまだでない
ひめたかなしみは
とまどいににている
みんなこのみちをとおるのだと
しっていても
今の自分の瞳はどんな感じかな
久々に会った友人からは
全体的に穏やかな感じになったと話してた。
確かに時間に追われて仕事と家事をこなしていた。
今度は仕事の量を減らして生活することを選んだんだ。
穏やか=余裕なのかな。
余裕があっても穏やかでないこともあるか
穏やかな人生を好む年齢になった自分。
その瞳は僕の事など見ていなかったのだろう。
彼女はその瞳に何も写はしないというのに、澄んだ瞳にはいつも情けない僕が映されていた。
何も無い病室に僕と彼女だけが会話をするでもなく、ただ二人で同じ時間を過ごしていた。
「もしも、見れるとしたら…何が見たい?」
僕はその問いをして、残酷な事を言ってしまったと後悔した。
それを嘲笑うように彼女は笑う。
「そうね…もしも見れるなら雪が見たいわ」
生まれてから雪が降ること自体が珍しいこの場所で、降っても誰も喜ばないこの街で、彼女は雪が見たいと言った。
その答えにどれ程の意味が含まれていたのか、僕は聞くこともせずに話を終わらせる。
僕は臆病だった。
冬が終わり春が近づくこの時期に、半年も彼女は生きられないと知っていたから。
季節が巡り、春となり彼女はもう起き上がる事も出来なくなった。
そんな君に僕は、
「何か行きたいところは無い?」
そんな問いを出してしまう。
彼女は相も変わらず笑い、少し呼吸を整えた。
「雪が見たいわ」
これはかつての問いの続きなのだろう。
僕は彼女を車椅子に乗せて病院を出た。
「風が強いわね」
「寒い?」
「いいえ、気持ちいいわ」
弾まない会話をしながら、中庭まで行くと彼女は「ここでいいわ」とだけ言って無言の数分が続いた。
風が吹き、花弁が舞う。
舞った花弁はゆらゆらと落ち、彼女の頬を撫でた。
「ねぇ、これは何?」
彼女の手には桜の花弁が乗っている。
僕は少し悩んでこう答えた。
「雪だよ」
彼女は微笑んで、真っ直ぐに僕を見つめる。
「そうなのね、雪ってこんなにも暖かいのね」
彼女の澄んだ瞳には、酷く情けない僕が写っていた。
穏やかな優しい眼差しが
瞼に焼き付いて離れない。
消えた眼差しはもう戻らないから
どうか記憶だけは安らかなまま。
君の目が好きだ。
君の安らかな瞳が好きだ。
優しく暖かい春の色。
花びらのような儚さ。
瞳を、僕は愛しているんだ。
好き。好き。大好きだ。
だから、そんな瞳をしないで。
お願い。やめて。
そんな暗い瞳をしないで。
返せ!返せよ、君の瞳を。
偽物。偽物。偽物!その瞳は偽物だ!
こんなの違う。違う。違う!
僕が欲しかったのはこんな瞳じゃない。
まるで、死んでいるじゃないか。
こんなの、偽物だ。
永遠に生きる安らかな瞳が
僕は、ねぇ。欲しいんだ。
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「安らかな瞳」2023. 3. 14
安らかな瞳
君の瞳を見ていると、こちらまですっと落ち着いた気持ちになる。
君はいつもフラットで、僕を僕自身に立ち返らせる。
何にも影響されないかのような不思議な空気を纏う君。
どこまでも安らかな瞳。
底知れない君を、愛しく思う。
うちのお婆さん
天気の良い日は
庭に椅子を置き
まるで植物になったかのように
日向ぼっこをしていた
風が心地良くてうとうと
そんなときのお婆さんの目は
ラムネ瓶の底にたまった光の色
どこか遠い街の海を見ているような
どこまでもしずかで透明な瞳
またあるときは
山の稜線にたまった夕日の色
とりどりの落ち葉が陽を照り返し踊っているような
歳を重ねればいずれ
あのような瞳をもてるのだろうか
もてたら良いと
日向ぼっこをしながら思い出している
『安らかな瞳』
やすらかな瞳
何をどうしたら
その瞳になるのでしょうか
この世の生を終えるときですか?
この世の生が始まるときですか?
「安らかな瞳と来たよ……」
昨日の「ずっと隣で」は、まだ簡単な方だったのだ。
某所在住の物書きは、頭を抱え天井を見て、大きなため息とともに視線を落とす。そして再度天井を見る。
ギキッ。反った背中、預けられた体重により椅子が小さくたてた音は、
コレくらいで毎度毎度途方に暮れるなよ物書きだろ、と愚痴をこぼしているようであった。
「安らかな瞳って、そもそもどんな瞳だ……」
机の上のカードミラーを手繰り、それっぽい表情を試行したのが最大の悪手。
「……ぶふぅっ!」
鏡の向こうのアホづらに、物書きは敗北し、崩れた。
――――――
その日の後輩は朝から虚無って……もとい、すごく安らかな瞳をしていた。
理由は明白だ。業務開始早々、他部署に「ご要望にお応えするのが少々困難なお客様」が、時間差で2名もお越しになったのだ。
他部署のため、私達の部署に直接の影響は無かったものの、朝から怒号とヒステリーが刺さり、他の客がドン引きして逃げ去り、
そのたび、被災地の主任、宇曽野が少々強引な手段で客に理解を求め、「ご満足」頂きお帰り頂いていた。
宇曽野譲久の真骨頂、「ウソ野ジョーク」と「悪いお客様はしまっちゃおうねバズーカ」が発動して、終了するたび、後輩はそれに対して安らかな瞳を送った。
嵐は去った。邪悪は滅びた。世界に平和が戻ったと。
「やー。今日は記念日だねせんぱーい」
2人目の客が出ていくのを視線だけで見送る後輩の目は、本当に虚無、もとい、穏やかで、安らかだった。
「二度も世界が救われたよ。平和が戻ったよ。仕事終わったら今週のランチミーティングの、低糖質スイーツバイキングの下見行きたいなぁー」
声にまったく抑揚が無い。
「そうだな。下見は……重要だな」
ここは提案に賛同しておいた方が良い。
マネークリップを取り出し、残高を確認する私の目は、瞳は、一体どんな色をしていただろう。
安らかな瞳
人に優しくできるようにしたい 優しくすれば優しさが帰ってくるからケンカはあまりしたくない君の安らかな瞳が欠けてしまうから
安らかな瞳でこの先ずっといたい。
人にいつまでも優しい人間でいたい。
お年寄りの方も同年代の方もガキンチョも
分け隔てなく優しくしたい。
そんな自分でいれますように。
どうかドブ人間にはなりませんように...
#安らかな瞳
安からな瞳とはどんな瞳なのだろう
俺は全部全部棄てて、楽になった時にようやくできる瞳だと思う
そんなにも
安らかな瞳で
見つめられては
蝶のように
鮮やかに
飛び立つことすらも
できない
恋に落ちる予感…
# 安らかな瞳 (70)
ぎゅっと握りしめた拳をゆるめ
手のひらをそっと開くように
とらわれた強い思いを手離せたなら
そこにふわっと 安らかさが宿る
「安らかな瞳」
#45
安らかな瞳
────────
あいつの目には
私の安らかな瞳が映っていた
一個のわたし
かけがえのないわたし
生まれるとき
瞳の中に光りを宿す
美しいものに触れたとき
光り輝き
哀しみにくれたとき
涙で輝きを取り戻す
光りに戻るとき
安らかな瞳で幕を閉じる
一個のわたし
わたしたちはひとつの光り
『安らかな瞳』