うちのお婆さん
天気の良い日は
庭に椅子を置き
まるで植物になったかのように
日向ぼっこをしていた
風が心地良くてうとうと
そんなときのお婆さんの目は
ラムネ瓶の底にたまった光の色
どこか遠い街の海を見ているような
どこまでもしずかで透明な瞳
またあるときは
山の稜線にたまった夕日の色
とりどりの落ち葉が陽を照り返し踊っているような
歳を重ねればいずれ
あのような瞳をもてるのだろうか
もてたら良いと
日向ぼっこをしながら思い出している
『安らかな瞳』
3/14/2023, 11:16:32 AM