『子猫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「子猫」
あなたがそっと優しい目で
子猫をみている、風景が目に浮かぶ。
優しく包み込んで、優しい笑顔を向けている。
私はそれをみて、
私も優しい気持ちになって和む。
ふわふわな毛。
瞳。
愛くるしい子猫。
友人から、子猫を譲ってもらった。
差し出した両手にそっと乗せられる子猫。
ボロボロの心に染みわたる、命のぬくもり。
知らないうちに、涙が溢れていた。
わたしは。
この子に会うために生まれてきたのだ、と。
子猫
子猫
子猫のように
甘え上手になれたら…
「君は強いから、平気だろうけど…」
その言葉にずっと縛られて生きてる
あんぐり大きく口を開けて まるで蛇みたい
大きな舌でその小さな口を舐め
お腹をこっちにむけて寝転ぶ君
「何よ、こっち見て」
艶かしいその体と綺麗な緑色の目で君は僕を魅了する
やれやれもうどっちが飼われてるんだか
それじゃ今日も抱かせてもらいます
子猫は
ネズミ型のおもちゃで
よく遊ぶ
その姿はかわいくて
見ていて、ほほえましい
しかし
遊んでいると考えているのは
人間の視点かもしれない
子猫はむしろ
真剣なのかもしれない
大人になってエサをとるための
大事な自主練習
エサに不自由しない環境でも
いざというときのために
技を磨いているのである
題「子猫」
とことこと歩いてきた。
白と黒のかたまり。
小さなそれは私の足に擦り寄ってきた。
柔らかく温かいそれはとてもとても愛らしかった。
私は白と黒のかたまりに『大福』と名づけた。
みゃぁみゃぁと声をあげて足を登ってくるような活発な子だった。
「大福、大福」いつもならすぐにやってくるのだが、今日はまだ見ていない。
「大福、大福」こんなとこにいたのか。
丸まって小さくなっている。
「大福」名前を呼んでも動かない。
手を伸ばす。それは硬く冷たかった。
「大福」
それもそのはず、それはまさしく大福だった。
私は視力が悪く触れるまで眼鏡をかけ忘れている事に気づいていなかった。
眼鏡をとりに寝室に戻る。
みゃぁ。布団の中から顔を出し眠そうにあくびをしながらゆっくりと出てきた。
『大福』
私の眉間に少しだけシワがよった気もしたが、よかったよかった。ほっと一息ついた。
子猫
通学路の近くには人の寄りつかない山があった。山奥にはボロボロになって今にも崩れそうな神社らしきものがあった。
危険だから近づいてはいけない、と村の子どもたちは教わる。もちろん自分も例外ではなかった。
だけど、子どもの好奇心とは素直すぎて厄介なものだ。
ある日、なんとなくとかいう気持ちでその山に入りいる。かろうじて道だとわかる少しだけ整備された道に沿って歩いていけば、神社に行き着いた。
木造のそれは所々腐っていていくつか崩れ落ちていた。危険だとわかっていながら、そちらに近づく。すると草むらから白っぽい塊が飛び出してきた。
それは社の真ん中で止まり、こちらを向く。
小さな子猫だった。曇り空みたいな毛色と瞳が綺麗な猫だった。
ゆっくりと近づいてみるが、逃げる様子はない。手を伸ばしてその柔く小さな体を撫でれば、子猫は嬉しそうにすり寄ってくる。
思う存分可愛がって、その日は暗くなる前に帰った。
それからは時々帰り道に山へ寄って、子猫に会いにいくようになった。ときには食べられそうな餌を持っていき、ときにはねこじゃらしを持って気が済むまで遊んだ。
抱きしめて、寄り添って、たしかに愛情を注いでいたのだと思う。
しかし、大きくなるにつれてだんだんと山に入る回数は減っていった。
それから大人になって、村を出てから幾年も経った。環境の変化に耐えきれず、とうとう体に限界が来たときだった。
実家に戻るため、電車に乗り込む。懐かしい風景が目の前を流れていくのをぼーっ、と眺めていた。
家に戻ってから、久々に来た村をゆっくりと散歩する。ひどく時間がゆったりと流れるこの場所が好きだった。
そんなことを思いながら、歩いていれば、足はあの山へと向かっていたようで、目の前に広がる草木を見て思い出した。
そういえば、あの子猫はどうなったのだろう。
人の寄り付かない山にたった一匹で、生きていけているのだろうか。いや、そもそも猫の寿命はそんなに長いものだっただろうか。
嫌な予感がまとわりつく中、もうほとんど道らしき道がない山を、記憶だけを頼りに登っていった。
行き着いた先には相も変わらず崩れそうな神社があった。ゆっくりと近づき、ボロボロになった柱にそっと触れてみる。
もう、あの猫はいなくなってしまったんだ、と思うと胸が痛かった。あんなに小さくて柔らかくて、それでも懸命に生きていたその命が尊かった。
ぶわり、と突風が吹き、木が軋む音が響く。何かがこちらを見ている気がして、振り返る。そこには見覚えのある姿の猫が見覚えのない大きさでこちらを見ていた。
曇り空を地上に下ろしてきたかのような毛色と瞳が懐かしさを抱かせるが、いかんせんその大きさに驚きが止まらない。
普通の猫よりも何十倍も大きい。あんまり見たことはないが、多分象くらいの大きさなんじゃないかと思うほどだった。
たっぷり数十秒見つめ合って、先に口を開いたのは向こうだった。
「おかえり」
少年のような少女のような大人のような老人のようななんとも形容しがたい声だった。だけど、今まで聞いたどの声よりもあたたかく包み込んでくれる声だった。
「……うん、ただいま」
込み上げてきた涙はそのままにして、その大きな体に抱きつく。顔をすり寄せてくるのが懐かしくて、嬉しくなりながらそのもふもふを堪能する。
そしてもう一つ思い出すのだ。電車に揺られながら何の気なしに調べた自分の村のことを。
はるか昔、この村は猫を崇めていた、と。猫の神様が村の山に住み着き、この村の平和は保たれていた。いつしか村の人たちは感謝を忘れ、自分たちが信仰していたものすら記憶の彼方へと置いてきてしまったのだ、と。
まさか、この猫が神様なんて言わないよね、と疑問を抱くが、きゅるんとしたその瞳の可愛さにばびゅん、と心を撃ち抜かれてその思考すらも手放した。
さてはて、その話が本当かどうかはその猫しか知らない。
子猫____
私が小学3年生のときだっただろうか。
約3週間うちで子猫を預かることになった。
お風呂から逃げた子猫に
ゆっくりと近づき少し距離を取って正座する。
「猫さんこんにちは。安心してください。
イルカは猫さんの味方です」
と言って手を子猫の前に近づけたのを覚えている。
すると子猫は匂いを嗅ぎ
段々と私の方へよってきたのだ。
私はタオルで子猫を包み拭いてあげた。
その後は覚えていない。
ただ、目が覚めたとき
私の腕の中にはタオルをかけた子猫が寝ていた。
猫アレルギーの私はくしゃみをした。
猫が好きじゃないというと
冷たい人だといわれるから
内緒にしてるの
でも今子猫とふたり
距離をあけて
目を合わせないように
足早にゆく
できればそのまま動かないでいて
『子猫』
黒瀬 。 と申します。
今日から毎日亡くなった彼氏のことを
ここに書いていこうと思います。
良ければ見ていってください。
2022.11.15
子猫がいた。
そこにいたんだよ。
もういないけど。
いってしまったから。
ぬくもりだけを残して。
明日には俺も消えるよ。
あんたはどうする?
#子猫
「長谷川くんのところには大きい白いのがいるんだね。」
横山静【ヨコヤマ シズカ】は自身の腕の中の小さな黒い物体を優しく
撫でながら言った。
長谷川大輔【ハセガワ ダイスケ】は照れ臭そうに頭を掻く。
「言うてもこの人は俺と同じくらいですよ。」
「…最初は俺、驚きました。地下倉庫に何か出るとは聞いてたんですけど。」
「私もだよ。でも、こんなに可愛いんだもの。連れて来ない訳にはいかないなって。」
黒いふわふわした物体はあくびをする。
白いマネキンのような物体はそれを両目の位置に空いた空洞で見つめた。
大輔は白い物体の無機質な手を握る。
「性別とか分からないけど…俺はきっとこの人に夢中なんです。」
物体はいとおしげに大輔の髪を撫でる。
「いいね~。友だち以上恋人未満、って感じだね~。」
静はにやにやしながらその様子を見ている。
「でも、私たちだって負けてないよ。ね、ふわふわちゃん。」
黒いふわふわはまるで母猫に甘える子猫のように、静の腕に頬擦りしている。
「私、これで寂しくないよ。」
「俺もです。」
──『この子が
居てくれるから。』
『この人が
子猫センパイ
甘え方を教えてください
コロコロ甘えて お膝に乗って
じっと見つめただけで相手を癒せる
そんな子猫力 欲しいです
#子猫
子供っぽい大人って
どれくらいの割合でこの世に
いるんだろう?
背が小さくて
童顔で
未だに馬鹿みたいにヘラヘラ
笑ってるわたしの中身はいつも
注意事項と不安材料しかありません。
子猫みたいになれたら。。。
甘えるって難しい。
単純に生活していて思う。
本当のわたしは頼るのが苦手だ。
テーマ:子猫 #3
飼っていた猫、むぎが三日前、逃げてしまった。
戸を開いたらすごいスピードで行ってしまった。
最初は何が起こったのか分からなくて、そのままぼーっとしていた。数秒後、起きたことを理解してむぎが行った裏山の方へと走っていった。でも、そこにむぎの姿はなかった。
昨日の夜から降り始めた雨は、次第に強くなっている。姿を消したむぎのことを何をしていても考えてしまう。むぎとは長い付き合いだった。
僕が仕事から帰ってくると玄関にいて
「ニャーオ」
そう鳴く。まるで「おかえり」と僕に言っているかのように。
むぎはいつもは外に出ることを嫌っていた。しかし、昨日は違った。すごいスピードだった。
むぎじゃないみたいだった。
むぎが帰って来るかもしれない。
何故かそう思った僕は傘を指して雨の中、むぎを探した。しかし当然、むぎの姿はない。
僕は雨で視界が歪む中必死に探した。でも、小説のようにむぎが奇跡的に現れることはなかった。
仕方がなく帰ろう来た道を引き返そうとすると
「ミィー」
小さな声が聞こえた。僕が当たりを見回すがそこに声の主は見つからない。
「どこかにいるのかい?」
僕がその声に向かって話しかける。
「ミィー、ミィー」
小さい声。僕は声を頼りにその主を探す。
そして見つけた。穴の空いた木の中に。
「ミィー、ミィー」
そこにいたのはむぎではなく、子猫だった。目は青く綺麗な色をしていた。
「お前、どうしたんだ? 母猫は?」
僕が聞いても当然答えは返ってこない。そして僕とその子猫の視線が合ったとき、子猫はぐったりとしてしまった。
「お、おい!」
僕がそう言っても体を起こさない。僕はその子猫を抱え、家に帰った。
温かいお湯にタオルを浸し、そのタオルで絞り子猫を包む。とにかく温かくしなければと思ったからだ。
数分後、目を覚ました子猫は僕を見る。
「ミィー」
そんな甘えるような声で鳴くなよ。母猫に返さなくちゃいけないんだから。僕はそう思ったが、子猫の体を見て思った。本当にこの子猫はこの雨で母猫とはぐれたのだろうか、と。
この周辺の地域では飼えなくなった子猫を裏山へ放すということがあるらしい。おばあちゃんから聞いたことがある。もしかしてこの子猫も…。
「ミィー、ミィー」
そう鳴かれる。この子猫は僕のことを母猫と勘違いしているようだった。仕方がないな…。僕は子猫の世話をしてやる。
ふと、むぎのことが頭によぎる。そういえばむぎを拾ったのもこんな感じだったなぁ、と。
むぎは帰ってこないのだろうか。もうこんな家のこと忘れてしまったのかもしれないな。僕がそんなことを思っていると
「ミィー」
大きな青い目で僕を見つめる子猫。
「なんだ~? お前僕の思っていることわかるのか?」
冗談めかしていった。むぎがいなくなったこの家に、新しい子猫が一匹。その子猫はむぎのことをきっと知らない。
でも、何となくこの運命はこの子猫と会ったときに決まっていた気がするんだ。猫とは切れない縁があるらしい。
※むぎが出て言ってしまったのはきっと自分の死を感じたから。猫は自分の死を確信するとそれを隠そうとどこか遠くに行ってしまうらしい。むぎも、もしそうだったなら……。
小猫
子猫って、なんであんなにかわいいの?
姿形、目、声…すべてがかわいい。
でも、成長して、大きくなって太ったら、憎たらしくなる。
他の動物でも同じだよね。
それを分かった上で付き合わないと。
みんな変わるんだよ。
だから今を一生懸命、楽しく生きないと。
そうしないと損だよ。
子猫
子猫、猫好きだ。犬も好きだ。
子猫は、可愛いがれるように、可愛い顔している。
動物は、可愛い、大切にしたい。
動物可愛い。
子猫のように
無邪気に甘えたい
いつからだろう
素直に甘えられなく
なっていたのは
心の奥底では
甘えたい気持ちがある
でもそれが難しい
ふわふわ、ころころ。
柔らかな毛が目の前で揺れる。
未熟な足をめいっぱい踏ん張って歩き出し、踏ん張りきれずに転がりまわる。
澄み切った瞳で目前に広がる世界を見据える姿は、愛されることを信じきっているようだ。
ころり、外へと真っ先に飛び出した子が高く甘えた声を上げる。
その首元を捉えて柔らかな寝床へと戻してやる。
冒険心はいいけれど、少しは大人しく寝ていなさい。
まだまだ薄く柔らかな毛を繕いながらそんなことを思ってしまう。
愛しい子ら、まだもう少し母の元で甘えていなさい。
みゃあぉ。
子猫の声に答えるように、母猫の声が響いた。
子猫
雨の日に段ボールに入れられた捨て猫。
それを見つける不良。
傘の中に入れて
「お前も俺と一緒だな…」
のやつ。