ふわふわのもち

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ふわふわ、ころころ。
柔らかな毛が目の前で揺れる。
未熟な足をめいっぱい踏ん張って歩き出し、踏ん張りきれずに転がりまわる。
澄み切った瞳で目前に広がる世界を見据える姿は、愛されることを信じきっているようだ。
ころり、外へと真っ先に飛び出した子が高く甘えた声を上げる。
その首元を捉えて柔らかな寝床へと戻してやる。
冒険心はいいけれど、少しは大人しく寝ていなさい。
まだまだ薄く柔らかな毛を繕いながらそんなことを思ってしまう。

愛しい子ら、まだもう少し母の元で甘えていなさい。
みゃあぉ。
子猫の声に答えるように、母猫の声が響いた。

11/15/2022, 12:21:45 PM