『子供のように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
毎日、頭が痛い。部下がちっとも育たねぇ。
いや、全く成長してない訳じゃあ無いが、いつまでもドジな半人前では仕事を割り振るのも一苦労だ。
何でも、やれば慣れる。慣れればできる。…筈だってのに。
女が茶を淹れて持ってきた。
難しいお仕事ですかと尋ねられ、まったくな、と答える。
危険な仕事とでも思ったようで形の良い眉の端が下がるが、その顔も良いなと思った。…疲れてんな。
『奴ら、またガキ共に出し抜かれやがった。』
ああ…、と女が笑うのを見て濃い目の茶を啜る。美味い。
深く息をついて湯呑みを盆に置くと、そのまま自重に任せて板間に寝転んだ。横になると、いよいよ疲労感が体と気分に押し掛かってくる。俺の教え方が悪いのかとか、俺を好かないから教えた事を覚えないのかとか。
何でも出来てしまうから…と女が言う。出来ないという事がよく解らないんでしょうと。
そんな訳あるか。今まさに進退窮まってるってのに。睨んでやると女は口元に袖を当て、うふふと笑う。
この野郎、茶化しやがって。
膝で寄ってきた女の顔が俺を覗き込んだ。その膝で枕になってくれよ、と言いかけて堪える。…なあ、お前が言うより、俺に出来ない事はずっと多いんだぜ。
柔らかい掌が額にあたる。あたたかい、と思ったのは一時で直にその熱は女と俺のどちらのものか判らなくなった。
『…お前の手は、眠くなるな。』
ふふ、と微笑んだ顔を最後に視界はその手に塞がれた。
寝ぐずった子供にするように、女の手が瞼や頬や髪の上を
なぞっていく。
もう、いいか。ここまでされりゃあ、寝ちまっても。
お疲れさまですと囁きながら、お前が柔らかく俺を撫でている。
【子供のように】
◤子供のように◢
「だーいすき!」
通りがかった公園で、幼稚園生くらいの女の子が男の子に抱きついた。男の子も嬉しそうに笑って女の子を抱きしめ返す。
「ぼくもだーいすき!」
照れることもなく大きな声で返すその姿が、眩しい。
「おおきくなったらけっこんしようね!」
「うん!やくそくだよ!」
――高校を卒業したら、結婚しよう。
かつてそう言っていた相手を思い出す。
無理だと突っぱねたその言葉を受け入れていたら、今なにか違っていただろうか。
真剣だとわかっていたのに、冗談言うなよと笑って返した。勇気の出なかったその日のことを、何度も何度も思い出す。
あの子供たちのように、自分の気持ちを素直に伝えられていたら。
ちゃんと向き合うことができていたら。
今も隣を歩いていただろうか。
細く長く、静かに息を吐き出す。
卒業してからはもう会っていない。今は何をしているだろう。
――ふいに、ポケットの中の携帯が震えた。
子供のように
なれたら
きっと
どの子もこの子も 皆 子供たちはすごい
子を持つ親として 何回感じた事だろう…一言でまとめると 可能性!
頭が良い良くないではない 目の前にある興味や関心に迷わずやってみる すぐできなくてもずっと心にある
自分も果たしてそうだったのかな…遠い昔
「子供のように」
子供のように無邪気に笑う君が好き。
子供のように、ふざける君が好き。
大人になって、子供のようにはしゃぎ合える人ってとても大切だと気づいた。例えば、ゲームを真剣にして負けたら怒ったり、急に鬼ごっこ始めたり笑
エレベーターと、階段どっちが早いか競争し始めたり、後ろから急に脅かしてきたり。
あなたからの愛のこもった「バカ!」を聞くために、私はわざとふざけてたよ。子供のように、「バカ!」と素直に言う君が好きだった。嫌なものは、嫌と言い、行きたくない所には行きたくないと言う。お世辞や社交辞令は無しで、本当に心から良いと思ったものにだけ褒める人。だから、決して悪口は言わない。
私はそんな君が大好きだったよ。あなたと別れてから、あなた以上に子供のような人にはまだ出会えてない。
やっぱり私は、今でもあなたを一番愛してる。
【子供のように】
のうのうと暮らしてるお前を見てると
表情豊かに常に笑ってるお前を見てると
忌々しくてたまらない
一生苦しまなければならないのに
人に迷惑をかけて、今だって親友は苦しいのに、
楽しいか?苦しめよ。親友の分まで苦しめ。
子供の時みたいに遊び狂いたい
ほんとは苦しいのを忘れて。
怖いものなんてない無敵な頃に戻れたらな。
そしたら私は元に戻れるだろうか。
君の成長を喜べないなら
私は姉を名乗る資格はないだろう
君の苦しみが分からないのなら
私は君の親友と名乗らなくなるだろう
過去にすがっても何も無いよ。
子供のように笑うことがどれだけ楽しく、
苦しく、虚しいものか。
―――――――――――お前はすごいよ。
子供のように
公園で子ども達を見て考えていた
私にはあんな子供のように生きたことなどなかったと
私もあんなふうに生きたかったと
子どものように幼くて
子どものように何も知らなくて
子どものように優しくて
子どもって何考えてるか
大人には全く分からない
だからこそ子ども特有の
「魅力」があるに違いない
一人
溢れ、止まらない涙
醜く顔を歪ませて
情けない声で
心のうちをそのまま吐いた
何十年ぶりだこんなこと
うん
やはり大人になってもそうなんだな
泣いても何も変わらない
子供のように
原っぱにたくさんのトンボが飛び交う。
「待ってな。今捕まえて見せるから」
そう言って、あなたは棒に止まったトンボに向かって指をぐるぐる回して見せる。
その脇に私はそろそろと歩いていって・・・
パッと一瞬でトンボの羽を掴んだ。
「それ、効かないらしいわよ」
あなたは私の捕まえたトンボを見て、驚くような、嬉しいような複雑な表情になる。それから、はっとして
「次はもっと大きくて、きれいなトンボを捕る」
と怒ったように言った。
まったく、子供みたいなんだから。そこがいいんだけど。
前回の子供の頃はの続編です。(みけねこ)
子供のように
初めて会ったのは、確か君が五歳の時だった。
隣に越してきた十年下の女の子。
その頃の僕は、毎日、不貞腐れた表情で何となく時間を消費するような、しょうもない奴でさ。
君の全力の笑顔が、眩しくて仕方なかった。
それからかな。ちょっとはましな男になれるように努力したけど。
君の笑顔を守れる様な男になれたかな。
……ハハ、そうだね。続きは、また明日にしよう。
君によく似た顔の子が、もう眠そうに瞼を擦ってる。
明日起きたら、みんなで朝ごはんを食べて、どこかに行こうか。
あの子と一緒になって、子供のようにはしゃぐ君が可愛くて仕方ないから、カメラでも持っていくことにするよ。
子供のように、
には「無邪気」や「素直」など、良いことばが繋がる気がするけれど、
子供みたい、
だと「我慢できない」や「騒ぐ」といった悪いことばに繋がるのでは?
勝手に色んなイメージをつけられて、それって「男らしい」「女らしい」などと同じいやらしさを含んでいるようで、なんだかすこし反省した。
お題 子供のように
いつからだろう。
子供の頃どうやって笑っていたのか、分からなくなったのは。
形のいい石だとか、流行りのキャラクターの筆箱だとか。
取るに足らない事で、どうしてあんなに無邪気に笑えていたのだろう。
大きくなるにつれ、私を取り巻く世界は私を置き去りに大きく変わっていく。
気に入らない先生がいる、点数が全然伸びない、あの子の態度が気に食わない。
澱んだ話題は静かに、そして確実に私の心を犯していく。
うんざりした気持ちを奥底に隠して、私は今日も笑顔を作る。
子供みたいな笑顔で、心底楽しそうな笑顔で笑わなきゃ。
頬に力を入れ、最大限の笑顔を見せる。
ああ、しんど。
子供のように
子供のように笑うキミの笑顔が好きだ。
その笑顔のおかげで頑張れるから。
汗がはじける。
どれだけ走ったか思い出せない。
目的地なんてない。でも目的は明確にある。
ただひたすらに高みを目指して。
敵に、自分に負けないように、もっと強くなるために。
自分の限界を認めないために。
毎日朝から晩までグラウンドを駆けずり回ることができたあの頃の自分とは違う。お金を払って勉強する毎日ではなく、お金をもらいながら社会を回すそんな歯車のような自分。そんな自分が嫌いではないが、絶対に譲れない芯が自分には残っていた。
ジムでは何か違う、マラソンを走っても何か違う。
求めているものは負荷ではない、距離でもない、ただ自分の目的に向けた血肉のみ。
より速い球を投げられるように、相手をねじ伏せられるように、ただ相方のミットに白球を届けられるように。
太陽はとっくに眠り、若い月が薄ぼんやりと照らす公園の中を隅から隅まで全力で駆け抜ける。
ジョギングしている男性に、1日の終わりに至福の時間を送っている高校生たちに奇異な目を向けられるが気にしない。
今この時だけは子供のように、がむしゃらに駆け抜ける。
自分が誇れる自分であるために。
子供のようにはしゃぎ笑いあったあの頃はどこにいっ
てしまったのだろう
今は、お互いがひとりぼっちになってしまった
話しかけようとしても目を逸らされてしまう
いつからこんなことになったんだろうか
なぜ私達は別れたのか
それだけが気掛かりだった
でもこんなこと気にしたって彼は話してくれない
だったら新しい人と出会えばいい
きっと出会えたらあいつのことだって忘れて子供のよ
うにまた、笑えるよね
大丈夫、だよね
「子供のように」
いつから子供じゃなくなった?
いつから大人になった?
社会人になった
準備不足の心を置き去りにして
今までより早く歳をとる。
大人になりきれない愚かな自分。
子供の純粋さを忘れた冷たい自分。
どっちも嫌い
全部嫌い
人間なんてそんなもん
大人っぽさも子供っぽさも
ぐちゃぐちゃで当然
みんな完璧じゃない
分かってるよ
でもね…。
#子供のように
子供のように
誰彼にはいえませんが、わたしも子供っぽいと家族にいわれます。特に連れあいには。末っ子で甘やかされたからだそうです。
やっぱりそうかなぁ。
亡くなった舅も、子供みたいなところあったと姑曰く。
社会人としては、とても立派な舅でしたが‥。
言い訳になるかも知れないけど、子供のように振る舞って、自分を保ってると思えるの。ぜーんぶ大人でやってたら、たまらない。辛くなっちゃう。
都合の良い解釈かな。
子供のように大声で痛いって泣けたら
スッキリするのかな
大人になるとそれが出来なくなる
ずっと心の傷が痛くてしょうがない
子供のように
大人ってつまんないよな…あの頃は、大人が羨ましく思えた。自由で、好き勝手で、何でもできる…と思っていた…だけど、意外と窮屈で、面倒くさいと知った…鏡に写る疲れた顔に、苦笑いしてみる…何でもできる気がしたあの時間に戻れたなら…