『好きじゃないのに』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
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この気持ちを、認めてしまったら
この2文字を、口に出してしまったら
頭の中にしかなかったやわらかな思いが
形を持って、本物になってしまう気がして
好きじゃない、
好きじゃないのに、なんて
呪文のように唱えても効き目はなかった。
「好きじゃないのに」
好きじゃないのに、誰かの為に何かをする。
好きじゃないのに、好きなフリをして笑う。
ねぇ、これ思いきって、やめてみよう。
「〇〇ってほんとー上手いよな、趣味とかなの?」
いや、生活習慣の一部であって、別にやりたいわけじゃないよ。
「教えてよ、私そういうこと苦手なんだ」
好き好んでじゃないよ、誰でもできることじゃないか。やり方もネットに載ってるし、調べりゃ済む話だろ、何で俺に聞くんだよ
「おお前なれよ、絶対向いてる、何もせず家いるよりマシだろ」
嫌々だった、でも正論だ。
しょうがない、やるなら全力でやってやる。
行列のできる料理店、レシピは様々、イタリア、和食、中華にトルコ、何ででもござれ。
満席になった店内に、料理長はいつも不機嫌。
『好きじゃないのに』
そんな訳ないのに
あなたからの連絡を待ってる訳じゃないのに
通知音に胸が高鳴る
一番上に表示される公式アカウントに
谷底に突き落とされた気分になる
そんな訳ないのに
あなたの声に姿に心が躍る
あなたの隣にいるあの子に心が萎む
好きなんかじゃないのに
頭では分かってる、つもりなのに
🍀好きじゃないのに
え、なんかすみません。
自他共に認める「好き」ですけど??
好きじゃないとか1度も思ったことないですよ??
カップ麺が好きじゃないのに、腹に何かを入れようとして、カップ麺を食べる。
思ったより、美味しいと感じたら儲けものそうじゃなくてもこんなものかと
損はない。
好きじゃなくても美味しいそうに食べられると食べてみたくなるもの
無理強いをされると美味しいさが、半減するもの
食べ物もその時の精神状態によって、変わるから摩訶不思議さ
チャ~ラ、ヘッ チャラー♪
僕は作家だ。自分で言うのもあれだけど、それなりに売れっ子の。色々あってこの職業についたのだが、その辺は今日のところは割愛させてもらう。
「先生って、あの時代遅れな作家のこと、めっちゃ嫌いですよね」
「…何でそう思うの?」
「え〜?だっていつもネットでも雑誌対談でもガチ喧嘩してるじゃないですか」
「へぇ、君にはそう見えるんだ。なら、僕は君に転職をお勧めするよ」
「え、どうしてですか?」
「自分の頭で考えてごらん」
ああ、嘆かわしい。先生を時代遅れな作家だなんて、僕に喧嘩を売っているとしか思えない。しかも、僕が先生のことを嫌っているだって?どうやら君の目は節穴どころじゃない。腐り落ちているようだ。僕のこの、愛情たっぷりの批評を理解出来ないなんて!好きじゃないのに、こんなでかい本棚をひとりの作家の作品で埋め尽くすわけがないだろう!たくさん付箋が貼られて擦り切れた本たちを見ても何も思わないような輩に、編集者が務まるとは到底思えないな!なんて感情を笑顔の裏に丁寧に貼り付けていると、まったく察さない編集が言った。
「近頃、強盗が増えてるみたいですから、先生も気を付けてくださいね。ほら、先生もやしだから」
そう言って無造作に僕の腕を掴んだ。
「馬鹿にするなよ、これくらい振り払える…!」
しかし何度編集の腕を振りほどこうとしても、それは腹立たしいことに叶わなかった。
「心配だなぁ?俺が一緒に住みましょうか?」
「いらない」
「冗談です」
編集との打ち合わせが済んだ水曜の午後は、僕の至福の時間だ。憧れの、僕にとって神様みたいな存在の先生とネットで討論するのだ。しかし僕は、好きだからと言って媚びたり手加減はしない。先生もきっとそれを望んでいると思う。まぁ、傍から見れば喧嘩にしか見えないやりとりではある。でも、僕にとってはこの上なく有意義なものなのだ。
それにしても、今日の最後の一言は痺れた。「雷に撃たれて死にますよ」なんて。先生は、僕を喜ばせる天才じゃあないか?これは先生のデビュー作の主人公の死に様だ。僕はあれが1番気に入っている。
恍惚の時間はあっという間に過ぎ、僕は明日のために就寝する。戸締まりをして電気を消して、さぁ、寝るぞ!となった時、パリン!と何かが割れる音がした。僕の身体が強ばる。近所の野良猫が庭の鉢植えを落として割ってくれたというなら、僕は喜んで許そう。しかし、現実はそうではない。
恐る恐る寝室を出てリビングに向かうと、そこには誰もいなかった。どうやらその隣の倉庫に何者かがいるらしい。控えめな物音がする。ああ、どうしよう。こわい。とりあえず、警察とついでに編集にも電話をしたら、じっとしていろと言われたのだが、あそこには僕の家宝があるんだ。他の何を失っても、それだけは守らなければならない。
物陰に隠れていると、倉庫から黒ずくめの男がひとり出てきた。手には金品がはみ出たバッグを持っている。強盗だ。その中には命より大切な万年筆が含まれていた。
「やめろ!それだけは!!」
自分でも驚くほど大きな声が、反射的に出ていた。強盗はひどく驚き、慌てて玄関を飛び出していく。僕はそれを追いかけた。強盗への恐怖が消えたわけじゃない。あの万年筆を失うことの方が、僕にとっては怖いだけだ。
外は今にも雨が降り出しそうな曇天で、雷も鳴っていた。僕は裸足なのも忘れてコンクリートを駆ける。火事場の馬鹿力のようなものだろうか。普段の鈍足が嘘のような俊足で、僕は強盗に追いつき、そのまま服を掴み転倒させた。弾みで地面へ転げ落ちた万年筆を慌てて拾う。強盗はすぐに立ち上がって逃げ出した。諦めたらしい。
僕は勝ったんだ。勝ちましたよ、先生!この万年筆は、テレビ番組の私物交換企画で先生からいただいた大切なものなのだ。アドレナリンが出まくっているためか、軋む身体も気にせずに、思わず万年筆を空に掲げたその瞬間、目の前が真っ白になった。
雷に撃たれたのだと理解したのは少し遅れてだった。身体の感覚がない。目も開けられない。周りがどうなっているのかも分からない。ただひとつだけはっきりと分かるのは、僕という生命が今終焉を迎えようとしていること。途切れそうになる意識の中で、後悔の洪水が押し寄せる。先生の万年筆を焦がしてしまった。先生の作品をもっと読みたかった。先生ともっとお話したかった。ちょうど100通目になる先生へのファンレターがまだ書きかけだとか、いくらでも溢れてくる。
しかし、そんな不幸の中でも一つの幸福はあった。先生の作品の登場人物のように死ねることだ。まるで自分が先生の作品の一部になれたような錯覚が、本能的な死への恐怖を和らげ、僕を銀幕の特等席へと誘った。先生と僕のダブル主演の走馬灯が上映される中で、僕はゆったりと椅子に身を沈め、重たくなった精神の瞼を穏やかに閉じた。
もしも、天国という場所が本当にあって、そこでもペンが握れるのなら、僕は作家を続けます。いつかまた、こちらで先生とお会いできたその日には、また討論いたしましょうね。
『好きじゃないのに』
なんでこの人のそばにいるんだろう。
全然好きじゃないのに。
なんてね、本当は考えなくてもわかってる。
自分が寂しいだけ。
ただ人肌が恋しいだけ。
たぶん、隣にいるのはあなたじゃなくてもいいの。
それなのに、あなたは私を喜ばせるためにいろいろ頑張ってくれる。
バカだよね。
あなたのことなんて好きじゃないのに。
でもそれ以上に、そんなあなたを好きになれない自分のことの方が好きになれない。
好きじゃないのに
どうして好きじゃないのにこの仕事をしてるかって?
そんなの僕にはこれしかないからだよ。
そんな事を言って青い空を眺める。
あの時は誰よりも空が近くに感じた。
今も誰よりも空に近い場所には居る。
けど、あの時とは違う。
別に空が好きとかじゃない。前の仕事は好きだったけど。
今はもう出来ないから。あの時と同じ空を感じる事はもう出来ない。
今の僕の場所だってたまたま空に近い仕事場だっただけ。
好きじゃないのにどうしてその場にずっと居られるのか、当然の疑問だと思う。
別に好きじゃないからって、嫌いじゃないんだよ。
テーマ『好きじゃないのに』
「カレーなんて別に、好きじゃない」
と言いつつ
カレー屋さんで、君は美味しそうにビーフカレーを食べていた
「ぬいぐるみなんて、興味ない」
と言いつつ
君の部屋のベッドには、もふもふしたサメとクマとクジラがいる
「君のことなんて別に、好きでもなんでもないんだから!」
そう言いつつも
僕が誘うランチとかゲーセンとか、一緒に来てくれるよね
言葉と行動がちぐはぐな君
そんな君のことが、僕はけっこう好きだ
えー
こんな仕事好きじゃないのに
やらすのかよ…
クソー!
私は君のことが好きなのだろうか。
気づいたら目で追ってるし、
目が合えば心臓がうるさくなるし、
君の言葉1つ1つに振り回されるし。
……いや、好きなのか。めっちゃ好きじゃん。
でも、君を想って出てくる
黒くてぐちゃぐちゃした気持ちは、
好きじゃないのにな。
#好きじゃないのに
#好きじゃないのに
突然の人事異動
不安と期待が入り交じる
あいさつ回りで、訪れた取引先
名刺交換で差し出された名前に息をのむ
一生そばにいると、信じていたのに、
2か月前に別れを遂げた彼の名前と、一文字違い
名刺から、彼の瞳へ視線を移す
その微笑みが、仕事用だとは知っているけれど、始まりの予感と思えてしまうのは、3秒見つめたからでしょうか?
好きじゃないのに、気づくとあいつのことを目で追ってる。
幼馴染?腐れ縁?なだけで、別に好きじゃない。
彼女がいたこともある。あるのに、あいつに恋人ができたと聞いて、ズキッと胸が痛んだのは…。
あいつのこと、好きじゃない。好きじゃないのに、好きじゃないはずなのに…。
自分の気持ちに気づかないふりをするのは、そろそろ限界。当たって砕けるかもしれないけど、あいつには迷惑な思いかもしれないけど、伝えないと先に進めない。
そう決意した俺は、あいつに会って話すため、スマホを強く握りしめ、通話ボタンを押したのだった。
「お屋敷の手伝いをしている方にお料理とお菓子を教わってきました!ご当主様のご飯も作ってるらしいから味は料亭に引けを取らない、はず…!」
えっへんと自慢気に胸を張る君は、教わってきたというお菓子を取り出した。
「材料が馴れない物だったから、ご飯は今度ね。おやつです」
「これなら…緑茶が合うのかな?煎れてくるよ」
「「いただきます」」
手先の器用な国だから食事の飾り切りも素晴らしく、このお菓子も形を崩してしまうのは勿体無いと思ってしまう。目でも味わい舌でも味わう。感性の豊かな国だ。
フォークが添えられていたからそれを使って一口大に。君は料理教室で教わったことや一緒に習いに行っていた友人の話をしては、おやつを口に運んで表情を崩している。数時間前の思い出を隠し味に自分で作ったお菓子は君が言っていた「料亭にも引けを取らない」美味しさじゃないだろうか。
俺もそろそろ食べないと。
パクリとひとくち。………んむ、これは?
「……不思議な食感だね」
君の熱い視線に堪えかねて出せた台詞がそれだった。もっと気の聞いた事を言えなかったんだろうか。好き嫌いはしない主義なのに、これでは君にバレてしまう。
「…苦手そうだね」
「あまり食べないタイプのお菓子だからかな…」
「『好きじゃないのに』無理しないで。残しても私が食べるから」
「君が俺のために作ってくれたんだ。ちゃんと食べるさ」
予定より1つ多めに作ったのは俺の為、最後まで残すことなくカケラまで食べ終えた。緑茶と相性が良いことは分かるのに君と同じ感想が持てないのは残念でならない。
「あなたが好きそうなお菓子を先生に相談してみるね」
食べ終えた俺をくしゃくしゃと撫で回して、思い付いたように
「ね、口直しはいかが?いらない?」
君が自分の唇にちょん、と触れる。俺が君を残すなんてあるはずないのに。
「口直しもちゃんと頂くよ」
好きなものなら何度だって。誘われたんだ、存分に味わおう。
好きじゃないのに?好きだから?か知らんけど
好きなものの欠点って見つけたくないというか、
気付きたくないというか目を背けたくなるよね
好きでも、あばたもえくぼに見えないこともあるのだ
欠点は欠点なのだ
認めなさい自分
完
ただいま!お花買ってきたよって彼氏。
特別な日に貰うのは嬉しいけど、日常的に買ってきて手入れ丸投げされるのは好きじゃないのに。
絶対楽しいから行こうよ!って彼氏。
私は怖いものが苦手だからお化け屋敷は好きじゃないのに。
これプレゼント!って彼氏。
私は青色の方が好きで、ピンクは好きじゃないのに。
いつもありがと!○○が家事好きで助かってるって彼氏。
生活を回すためにやってるだけで、別に家事は好きじゃないのに。
短くはない年月の中で都度伝えてきてたのに返ってくる言葉はいつも、あれ女子ってこういうの好きなんじゃないの?元カノは好きだったけどな。ばかり。
ねぇ、覚えてる?
私はサプライズとかは苦手だから、フラッシュモブとか人前での公開プロポーズとかは好きじゃないんだって言ったこと。
覚えてないよね。だって覚えてたらこんなことしないもんね。
周囲の人から向けられる期待の目に居心地の悪さを感じながらこれまでのことを振り返る。
彼氏は私が今俯いているのをきっと感動して言葉が出なくなってるんだとか思ってる。
…あぁ、なんかもう、いいや。
私は顔を上げてさっき目の前に差し出されたリングケースを突き返した。
「私はあなたと結婚しません」
だってもう、あなたのこと好きじゃないから。
春風に眠る
「全部、夢だと思ったことはない?」
春の湿った空気が肌に張り付く。視界が急に霞んだような気がした。私が返事をする前に、遥は背を向けたまま言った。
「この波の音も水の感触も潮の香りも」
セーラー服の襟がはためく。彼女は膝まで海に浸かっていた。
「───私たちが、ここに存在してることも」
そう言って遥は振り返ったが、彼女の後ろにある太陽のせいで表情はよく見えない。ただ、口元は笑っているように見える。
「だって夢って明晰夢じゃない限り、夢か夢じゃないかなんて分からないでしょう?私たち、自覚していないで夢を見ているかもしれないのよ」
彼女は、裸足で波を静かに踏みつけて、こちらへ向かってきた。私は俯き目をそらす。
スカートのひだが海水の飛沫を吸って重くなっている。私の足は砂浜に吸い付いたように動かない。
「ふたりだけで、同じ夢を見てるの。これはもう運命よ。共鳴しているの」
足音が間近に迫ったとき、遥は私の顔を覗いた。
「ねえ、一緒に夢から醒めない?」
遥は私の手を掴んだ。そして私を、深い深い海へと誘う。
『二人ぼっち』
海に囲まれた離島に立つ私立花咲(はなさき)学園。水戸 海豚(みと いるか)と蝶百 小豆(ちょうひ あずき)は、自分たちが呼び出された理由を考えながら、生徒指導室で座っていた。
「済まない、遅くなった」
生徒指導担当の(名前)が、木製の扉を開けて2人の向かいに腰を掛けた。
「先生、話ってなんですか」
面倒くさそうに水戸が尋ねた。
「実は、お前たちに更生して欲しい奴らがいてな。」
更生して欲しい奴ら、その言葉を聞いた瞬間、2人の脳裏に2人の人物がよぎった。
「更生して欲しい奴らって、香坂 仁(こうさか じん)と、檜山 十良(ひやま とおる)ですか?」
「悪魔寮の不良どもの話、獣人寮まで届いてんのか。」
香坂と檜山は、この私立花咲学園の中でも、不良の代名詞とされるほどの問題児で、毎日のように問題を起こすので、先生も手を焼いている。
「本当はこういう問題児どもは、俺たち教師が指導しないといけないんだが、最近色々問題が山積みでな…と言うことでお前たちにこいつらの更生を頼みたい。」
「香坂くんと檜山くんの更生くらい先生がしてくださいよーめんどくちゃい。」
「そう言いなさんなって。我は大丈夫です。頑張ります。」
嫌がる蝶百に続いて水戸が言った。
「ありがとう、助かるよ水戸。」
(名前)が水戸の了承を聞き安堵した。
「蝶百、もし断ったらお前の宿題増やしてくれとお前の担任に頼むぞ?」
「わかりました!やります!!」
簡単に釣られたな、と、水戸は微笑した。
「では早速明日から頼む。よろしくな、二人共。」
(名前)はそう言い残し生徒指導室を去った。
静まり返った生徒指導室で、二人は顔を見合わせていた。
物心ついた時から気づいてた
“僕”は周りと違うって
母は僕に可愛い服を着せて
髪も毎日違うように可愛く結って
持ち物は可愛い物で常に溢れてた
部屋も可愛いぬいぐるみが沢山で
可愛い家具が綺麗に置かれてて
本棚も少女漫画が並べられてた
けど、僕がほんとに好きなのはそんなのじゃなくて
かっこいい服も着たいし
髪も短くしてかっこよくセットしたいし
かっこいいっていわれるような物が欲しい
部屋もぬいぐるみは要らないし
家具もシンプルがいいし
本棚には好きな漫画を並べたい
僕は可愛いが好きじゃないのに
“私”は可愛いが好きじゃないのに
【好きじゃないのに】