『奇跡をもう一度』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「奇跡をもう一度」
あなたの真っ黒の瞳に映る私も闇に染っていて。
ハイライトも飛び去って。
きっとあの通行人が私のハイライトを奪ったのよ。
綺麗だった白い瞳も盗んだのよ。
前まで視界の端にすら、
映すことの出来なかった太陽は、
今は目も合わせられる。
嗚呼、貴方はそんなにも美しかったのね。
【#92】
私は貴方様の事を
密かにお慕いしておりました。
ですが最近、気付いたのです。
私は貴方様の事を私は神だと思えないんです。
貴方様はただの人間、そこが堪らなく愛おしいのです。
私どもに隠れて泣いていた夜を私は見ていました。
そして私は、神としての貴方様に失望し、
人間としての貴方様に対して、
どうしようもない恋心を抱いてしまったのです。
あぁ、なんて私は愚か。
でもしょうがない事なのです。
愛は止められません。
皆に優しい貴方様を見る度に、
あの夜を思い出すのです。
密かに興奮してしまいます。
私だけが知っている。
私だけが……。
優越感に浸るこの幸福と恋心。
貴方様の声を聞くと、あの泣き声を思い出します。
ですが、最近、貴方様の様子がおかしいですよね。
貴方様は人間に戻ろうとしていますよね。
普通の暮らしを、
普通の恋愛を、
普通の人間になろうと。
そんなの、許しません。
貴方様は、腐っても、私だけの神なのです。
貴方様が普通の人間ではないのに、神を演じようとする姿。私はそこが好きなのです。
いや、貴方様じゃありません。
普通になろうとするなんて。
貴方様には考えられない。
もしかして、あの女のせいですか?
最近、貴方様の人間の心臓が高まっているのは、
彼奴のせいなのですか?
あの女が誑かしたんですか?
可哀想。
可哀想な、お人。
私が救ってあげなければ。
教会に、私は貴方様の悪評をばら撒き、
あの女にも悪評をばらまく。
そうしたら徐々に皆、離れていった。
しかも笑えるのが、あの女、
誰より先に離れていったの。
やはり、真実の愛は、あそこにはなかった!!
そう私は歓喜した。
ある日、私しか教会に来なかった日を作った。
貴方様は相変わらず、優しい笑顔で、
神として微笑みかける。
なんて矛盾した人間……!美しい!
でも、私の心を誑かした彼女、いや、貴方様はきっと、
魔女なのです。
魔女は、火あぶりの刑にでも、処さなけば。
私は貴方様を縛る。
次は神として生まれられるといいですね……。
そう耳元で囁き、
貴方様を燃やす。私も燃やす。
炎が私の体を包む。
あぁ、心中とはこんなに幸福なのですか。
奇跡よ、もう一度起こるなら……。
もっと私たちを苦しめてください……。
私たちを跡形もなく燃やし尽くして、
永遠に魂を閉じ込めてください。
2人だけの宗教を作りたいのです。
奇跡といえば、ずいぶん前に事故に遭いそうになった事がある。
私は軽自動車に乗っていて、まだ若葉マークを付けていた。
見通しのよい田舎道だった。私は右折専用レーンで前から来るダンプカーを待っていた。
すると、ダンプカーは私の車の正面めがけてそのまま走ってくる。
ゆっくり走って来たので、まさか止まらないとは思わなかった。
私は心の中で、亡くなったばかりの父に、助けてと叫んでいた。
すんでのところで、ダンプカーは止まった。奇跡的だった。
どうにか衝突は免れたが、とても怖い思いをした。
奇跡をもう一度なんて思わない。
もう、あんな思いはしたくない。
奇跡をもう一度
どんな奇跡を望んでいるかな?
考えてみると案外思いつかないな。
それどころか、奇跡なんて信じてないかな。
奇跡より、自分の力で引き寄せた現実が好きだな。
奇跡がおこせるボタンがあったら
あなたは何を願いますか?
大好きな彼と両想いになりたい
会社で昇進したい
宝くじを当てたい
いろんな人がいろんな願いを考えた
ボタンは1つ
早い者勝ち
我先にと走りだす人たち
そこに現れたのは黒猫
ボタンの上に見事に着地
にゃ~と気の抜ける声
空からたくさんの魚が降ってきた
黒猫は1匹くわえて
どこかに消えて行った
そこにいた人たちは口々に
奇跡をもう一度と叫んだが
ボタンは2度と現れなかった
奇跡をもう一度
見たことあるほくろ
聞いたことある声
もしかして、、?
そう思って話しかけた
奇跡だと思った
もう一生会う事がない
会えるはずがないのに
目の前にいる
なんなら話してる
見失ってから後悔ばかり
あの奇跡をもう一度だけ
マリアナ海溝から大脱出したかと思えば、上空1万メートルからの大降下。または近所のステージに赴き、マジカルパワーで紙吹雪を万札に。やってることが派手なのか地味なのか議論が起こるところではあるけれど、それでも立派にマジシャンをやっていた。
そりゃあもう奇跡の連続。夜7時のテレビ越しに観ているあなたのビックリ顔も、画面から飛び出して直接見ちゃう。ふふ、面白いお顔!
……夢を届けて生計を立てられたのも2年ほど前の話で、今は週5でバイトを入れている。事故で、マジシャンの命とも言える両手を怪我してしまったその日から、いくらマジックをしても、わたしが奇跡を起こせる日は来なくなってしまった。今じゃ、ゴールデンタイムどころか地方局の深夜枠にすら呼ばれない、底辺マジシャンである。
しかし、わたしはそれを、悲しいことだなんて思わなかった。そもそもこの世は諸行無常。永遠に流行ってるものなんて存在しないし、すべては何らかの形で衰えて、消えてしまう。その流れに飲み込まれただけのことを、悲しいだなんて思わない。
……そう、言い聞かせていた。
「あの、マジカルめぐみさん……ですか?!」
街中で出会ったその女性は、話を聞くにわたしのファン。それも、親と夫と娘と息子…といった感じで、家族総出で推してくれていたらしい。
2年前ゴールデンでやっていた『マジカルミラクルめぐみちゃん!』は毎回録画していた、テレビの前で会いに来てくれるのを待っていた、今でも応援している……と。
ここまで聞いて、わたしは一つ、疑問に思うことがあった。
「……あの、実際にステージで見てくれたりとか……しました?」
そう、わたしは日本全国、離島も含めてステージの在るところにはどこにでも赴き、マジックを披露した。大きい国にもいくつか行かせてもらったし、この人やその家族みたいなファンの方なら、見に来ていないほうが珍しいだろう。なのに、実際に見に行ったという話が出てこず、つい気になってしまった。
「いえ……じつは、私の娘なんですが……入院していて、ずっと外出もできない状態なので……」
……その瞬間、わたしは自分の質問を後悔した。それでも女性は、娘さんについて話し出す。産まれて1週間後に難病が発覚し入院、外に出たのは病院に移動があったときのみで、そんな娘を放って自分達だけステージに行くことはできない。
しかしなにより、その娘さんがわたしのことを、一番熱心に推してくれている、と。家族が録画した番組を病院のテレビで観て、わたしのグッズやわたしが特集された雑誌も調べて集めて、最近ではマジックを練習するようになり、病院の入院患者さんの間で『マジシャンの女の子』として人気だと。
「その娘も、1ヶ月後に手術を控えているんです。ですが……成功率も低く、なにより本人が勇気を出せない状態なんですよ」
「……」
「このまま手術をしなければ、娘は………」
そう言って、女性は口を閉じた。あらためて、わたしは自分の無責任さを後悔した。でもそれ以上に、自分の心持ちに苛立った。
この世は諸行無常、そこにあるすべてが衰えていく、なんて。この女性の娘さんは、わたしがマジシャンとして活躍できなくなっても、変わらずわたしを応援してくれていた。その気持ちは衰えることなく、ずっと病院で、病院のテレビの前で、わたしの奇跡を待ってくれていたのに。
……その奇跡に、応えることができたなら。もしわたしが、また奇跡を起こせるようになれば。わたしは、娘さんを励ますことができるのだろうか。
でも、それも不可能なほど衰えた気持ちで、2年間を過ごしてきたわたしには。手の怪我にかまけて、永遠なんて無いからと言い聞かせて、奇跡の連続を捨て去ったわたしには、それも無理だ。
結局、その女性とはそれっきりだった。わたしはその足でバイトに向かったし、女性は町の大学病院の方向に向かっていった。
『奇跡をもう一度』なんてものは無理だ。そう思ったわたしは、なにもしなかった。女性の娘が手術を受けられたのかは知らない。今も生きてるのか、外に出れるようになったのか、マジックをやってくれているのだろうか。
奇跡を捨てたわたしには、奇跡を永遠に望む彼女の行く末を、知る権利が無い。
あの日起きた奇跡が今も私を支えてくれている。
大好きな人が投げかけてくれた温もりの声...
それはどこまでも深く心を温め続け、優しいままに染み渡る。
これからも生きてゆこう、かけがえのないたからものを携えて。
〈奇跡をもう一度〉
僕は荷物を運んでいた途中転んでしまい、なぜか時
間が止まった。(2024、9月19日の続き)
(チャリン、、)
「わっ!いてて」
(今の鈴の音はなんだ?)
「あなたが天野 友紀さんですね?」
「?、はい。友紀ですけど、」
「あなたは今時間よ止まれと願いました。」
(確かに願ったけど、)
「私と一緒に来てください。
あなたには、この聖王魔法学園に来てもらいます。」
「え〜!!!」
詳しく言うと、僕、友紀は時間操作の魔法を持ってい
るらしい。
その魔法は珍しいらしく、魔法学園に来て欲しいと鈴
のピアスをした教頭先生が言っていた。
僕は魔法学園に入ることになったのだが、、
「おい!!転入生!!!何ボーとしてんだよ!
教頭のお気に入りだからって調子乗りやがって!」
(今絶賛絡まれ中だ!、)
これから大丈夫かな〜〜!??
「先生!!私この大学受けます!!」
その子はどこか”もっている”子であった。
運とか実力とか才能とかそういうのじゃないけど
多分、その子の雰囲気が”もっている”と感じざるを得なかった。
「じゃあ昼休み二者面談でもしよっか。」
「はい!」
いつもいい笑顔を見せてくれるな
「じゃあ進路指導室で昼休み待っててね。」
「分かりましたー!」
次の授業の準備でもあるのだろう、その子は足早に去っていった。
「私もあの子に大学調べてあるのよね」
あの子……山口春(やまぐちはる)はお世辞にも成績がいいとは言えなかった。でも、国公立大学を目指す高校3年生。模試の結果が芳しくなく、とても国公立に受かる点数ではないので、私は山口さんの為に国公立大学で春さんのやりたい事が出来る学部学科で、関東で、色んな条件の中、合格最低点を漁って漁って――見つけた。
「これだ。」
これだよ、山口春さんの点数でもギリギリ入れそうで、やりたい事もやれそうで……!
明日、明日……!これを春さんに言おう。
□▲高校……
「そう思ってたんだけど、あの子から来るなんて」
そして昼休み、進路指導室にて
「えっと、どこ受けるって?」
「だーかーらー□▲高校ですって!
この学部学科で、この点数ならギリギリいける気がして、それと、世界史の過去問をやってみたんです。そしたら●割とれたのであとはこの部分を―」
驚いた。先生が思ってた大学で考えてた内容も全く一緒だ。しかもさらにもう、行動も起こしているなんて……
「先生も、先生も同じこと考えてた!」
「本当ですか!?」
「うん、過去問解いたのは今のところ世界史だけ?」
「はい、そうですね」
「じゃあそれだけ取れたんだったら
苦手な英語を―――」
私今凄く興奮してる。
山口春さんには、頑張って欲しい……
合格発表前日……
「手応えはどうだったの?」
「いやー全然だめでした」
山口さんはアタマを掻きながら斜め上を向いた
「笑ってるなんて、余裕ありそうだね?」
「行きたいと思ってた私立には受かりましたので!落ちたらそっち行きますよ。どうせ受かってないですけど笑。」
「まあ、合格まで待ってましょうよ。」
キラキラとした夕日が眩しくて、何故かきっと大丈夫。そんな気がした。
「先生!!私、受かってました!!!」
静かな職員室に良く通る声が聞こえた。
山口春!!!
「山口さん!受かったのね!?」
「はい!なんか分かりませんが受かってました!」
「おめでとう、おめでとう!
ほんと、良かった……」
思わず山口春を抱きしめていた。
「先生苦しいーw」
「ごめん、でも、本当に嬉しいことだわ。
ちゃんと一人暮らしでも朝食は食べるのよ?」
「分かってますー。ふふふっ先生、先生のお陰です!ありがとうございました!たまに遊びに行きますね?」
「あなたの努力よ。いつでも遊びにいらっしゃい」
そして巣立っていったのだった
そして巡る、春。
「先生!!私、全然点数足りなくて、でもこの仕事がしたくて、どうすればいいですかあー!?」
二者面談で泣きつく3年生。これはまた私の出番かもね。にこっと笑いかける
「先輩と同じ奇跡をもう一度、起こしましょう。」
そして桜がひゅうっと舞い散るのだった
『奇跡をもう一度』
#奇跡をもう一度
「こんなに何回もばったり会うなんて偶然通り越して奇跡だね!」と明るく笑う君。
いつかもう一度奇跡が起きて、僕を好きになってくれたりしないかな。
貴女が生まれるという奇跡は、また起こるでしょう。
けれど、今ほど恵まれたところに生まれることは、いかなる奇跡をもっても難しいかもしれません。
その環境を、生まれ持った身体と能力を、是非とも大切に活用していただけたらと、俺たちはいつも願っています。
・奇跡をもう一度
生きてりゃ誰だって1度くらいは過去に縋るでしょう。
でもその過去が戻ってくることは無いし、戻ってきたとしても自分じゃまた台無しにしちゃうのは目に見えてる分かってるよ。
そもそも出会えた事が奇跡なんだから、結末が駄目だったとしてもあの奇跡をありがたいと思うべきなんだろうなぁ。
でもやっぱり昔みたいにもう一度会って話したいよ。
そう思うくらいはいいでしょう?
バレーボールの試合でサーブを打ったら味方のAちゃんの後頭部にヒット。またサーブの順番が来て打ったらやっぱりAちゃんの後頭部におもきしヒットさせてしまった。
あの日、私はこの海に写真を取りに来ていた。
カメラをかまえ、砂に片膝をつく。
パシャっ
っと写真を撮った。
そしてカメラを確認して驚いた。
写真の真ん中には鳥がうつりこんでいた。
雪のように真っ白な鳥で、羽を広げて自由を象徴するかのように飛んでいた。
私はその日、海の写真を取りに来ていた。
だが、取り直そうとは思わなかった。
こんなにいい写真は他にない、とまで思った。
あれから1年。同じ日にまたこの海へやってきた。
あの鳥をもう一度とりたいと思った。
私が写真を撮った時、偶然また、映り込んでくれますように。
「奇跡をもう一度」
新紙幣が出回った時、なかなか手元に来なかった。
ATMで現金を引き出しても、全部旧紙幣。
セルフレジで支払いをする時、
一万円札を支払い機に入れても全部旧紙幣。
同僚は新紙幣出てきたよー、て言うのに。
一回だけ旧紙幣に紛れて、
一枚だけ新紙幣が入っていた時の嬉しさは、
忘れないだろう。
奇跡をもう一度、と思ってあの手この手を使うけど、
旧紙幣が出てくる率が高いです。
私、引きが弱いです。
(奇跡をもう一度)
奇跡を当てにする。もう一度その奇跡が起こることを知っている。奇跡の作り方。私は知っている。
「奇跡をもう一度」
私は何度も死を繰り返している。
自殺未遂を図り、橋の上に立った時、窓から飛び降りた時、薬を大量に服用し倒れた時。
そのたび死ぬことはできなかった。
自分に勇気がなかったそれだけの事かもしれない。
だが、私はたくさんの人に救われた。
自殺未遂を図り橋の上に立った時には、もう歩くのもやっとにみえるお爺さんが走って私を橋から引きずり下ろした。
窓から飛び降りた時、骨折はしたものの、命に別状はなく生き残ってしまった。
母が急いで病院に連れて行ってくれ、学校でも、家でも怒られ、心配してくれた。
薬を大量に服用し、意識を失い、病院に運ばれた時もそうだ。あんなに薬を飲んだのに後遺症も残らず今もこうして暮らせている。
病院の先生は父のように叱りながらも心から心配し、もうやらないようにと強く念を押された。
私は何度も人に救われている。
私の日々は、人生は奇跡の連続だ。
あの奇跡をもう一度などもう願うことはない。
願えるうちは、まだ命があり、幸せだということを知っている。
私はその奇跡をもう願うことができない存在を知っている。
あの日、屋上の上から友人が言った。
「一生に飛び降りようか」
私は返事を断り、友人といろんな話をした。
その日は、友人も私も家に帰り眠りについた。
だが、後日友人が本当に飛び降りて死んでしまった。
友人に奇跡は訪れなかった。
奇跡をもう一度、そう願える幸せを。
奇跡を感じることが出来る大切な時間を。
私は毎日感じて奇跡の日々をこれからも生きていく。
赤い光がが白い光に変わった。
特徴のある発進音がする。
部屋はさっきまでの音が反響してた
うるさくてじっとしていられなかった。
寒くて、瞬きするたびに皮膚が引っ張られる。
あったはずの2人の未来が積まれてたものだ。
目元がぼやける。
もっとぼやかしたら、
遠のいていくのも気づかないんだろうか
まばたきを何回かすれば
また戻ってくるのだろうか
#奇跡をもう一度
私にとっての奇跡が当たり前だと思われて押し潰されそうだ。
─奇跡をもう一度─ #82