『奇跡をもう一度』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あれはもう50年も昔のことだ。あの頃はまだ君も私も若かった。だからそれがこんなにも特別なことだとは気がつかなかったよ。
なぁ、君はまだ覚えてるかな。僕が大学で君に一目惚れをしてあの手この手で君を誘い出して、そのたびに君は迷惑そうな顔をしてて。
だけど僕は全然君のことが諦められなくて、聞いたんだ。どうしたら君は僕のことを好きになってくれるんだって。そしたら君はすごく寂しそうにだけど満面に笑いながら私は一人が好きだからって。
そっか。それなら僕は君に二人も悪くないなって思わせて見せるよ、なんていったら君は期待してるって笑っていたね。
君は僕と一緒で幸せだったかな。少しは二人も悪くないと思わせられたかな。まだ君の答えが聞けてないよ
願わくはまた君の声が聞きたい
あの日の返事をずっと待っているよ
あの奇跡をもう一度見せて、
魅せてみてよ。
ねえ、助けてくれる?
#65 奇跡をもう一度
[再び夢を見る]
頑張って、頑張って、
結果が出なくて諦めたこと。
時を経て、再び挑戦する。
もう一度、奇跡を夢見て。
諦めて、それで終わり?
いいえ。
一旦忘れて、未来の貴方に託す。
これなら、諦めるのも悪くないと思う。
諦めても、再び挑戦する貴方を見てみたい。
最近起きた奇跡
3日連続で虹を見た事
たまたまかもしれないけれど、
良いことが起こるといいな
出会えた奇跡に感謝とやらの話が嫌いだ。1つでも選択が違えば出会うこと無かったという妄想めいたことを言う人が好みじゃない。とても非現実的だ。
そんな話をされた時、今すぐ君の目の前から消えてやろうかとさえ思う。
しかし、人間というのは単純だ。僕も好きな人が出来れば奇跡に感謝するし、運命めいたものを感じる。
でも、ふと思うんだ。君の目の前から姿を消したら運命が作用してまた再開するという奇跡を。
それが本物だという意味のわからない不確定な確信さえある。
でも僕には...
奇跡をもう一度
あの頃の貴方と歩んだ軌跡を
もう一度歩んでみたいものだ
長い時間生きていると
もう1分1秒が全部奇跡的に繋がって
今まで生きながらえていると実感する
出会いも、別れも、食べる事、寝る事
ぜ〜んぶがいい感じに噛み合わないと
この私は一瞬で消えるだろう
「奇跡をもう一度」
なんて、これ以上お願いは出来ない。
生かされている事が現在進行系の
奇跡そのものなんだから…
「奇跡をもう一度」
奇跡、軌跡、奇蹟、鬼籍…。あ、最後は違ったな。
「奇跡て一度にならず二度も三度も起きたら
奇跡て云わなくなる。現実を見なさい」と
貴女は拉麺を啜りながら云う。
「…身も蓋も無い…奇跡があることに夢を見たいじゃないですか」
「奇跡に夢を持った所で何になるの?奇跡があるなら、
奇跡が起きてくれって願うっつーの」
テーブルにくしゃくしゃになった馬券。
僕はくしゃくしゃになった馬券に目を通し広げた。
先輩がやさぐれてるのは掛けた5万が見事に外れて
帰り道に買い物帰りの僕とばったり逢いアンタの運のツキワルさよと訳の分からない事を云いながら僕に拉麺を集り今に至る。
「あの番でいけるって思ったのに、なぁんで彼処で抜かれんの
最後に最後でそれこそ奇跡が起きても良いじゃんね」
奇跡は起こらない。5万損した。
明日は仕事。奇跡は起こらないと
先輩は呪文を唱えるように繰り返した。
私は生を語れないけど、私の人生は生を物語っている。
──奇跡だなんて言わせない。
君はいつも嬉しそうで不安そうな顔をする。
肩が触れても、手を繋いでも、愛を囁いても、嬉しそうに笑うのにその笑顔にはどこか不安が混じってる。
君はむかし言ったね、この関係が奇跡みたいだって。君が何を背負っているのか全て知りたいとは思わない。だけど、二人でいられる時間を、どれだけかかっても良いから、いつか当たり前だと思って欲しい。
奇跡って言葉は一瞬で終わってしまいそうな、偶然のような感じがするじゃないか。
まだ信じられなくても良いよ、きっと心から笑わせてみせるから。
君と過ごすこれからの愛しい一生を、奇跡だなんて言わせない。
(奇跡をもう一度)
私はフォロワー25人という絶望的な数字の絵描き
普段は好きなキャラクターをゆっくり描いて
唯一の相互たちに反応を貰い送りを繰り返している
そんな絵描きのとある日の投稿が
いつの間にか100、1000
ついに万バズを果たしたのだ。
驚きも間に合わぬほどの速度で伸びる数字
そうか、みんな、こういう絵が好きなのか
万バズから数ヶ月
あの日の伸びを超えることはまだできていない
フォロワーは減る一方で
相互とも話さなくなってしまって、
ああ、どうか、どうかもう一度
あの時のような、
今世で私の中に私がいて
私になってるこの奇跡
大満足 君の中身が君そのもので
出会ってくれたこの奇跡
♯奇跡をもう一度
ジャングルジムのてっぺんに、形の無いものがいる。
形を持たないもの。
団地はぐるりと建物で、公園を取り囲むようになっている。
4階のわたしの部屋の窓から見える景色には、多くの部屋がそうであるように、その公園が見え、そのジャングルジムも見える。
秋になって公園の木々の葉が落ちても、
通り雨が降っても、
あいつは変わらずそこにあり続けた。
ある時、うちの家が家を建てて、その部屋を出て行くことになった。
荷物をすっかり運び終わり、
その場所との別れ際に、静寂に包まれた部屋で、あの公園をまた窓から眺めた。
きっと明日もその先も、あいつはあそこでこんな時間にはあんなふうにたそがれて、夕日を見ていることだろう。
なにかの奇跡をもう一度など、待っていたりでもするのだろうか。
誰かが来るのを、待っていたりするのだろうか。
夕日を見つめるあいつを見るのを最後に、もうあいつを見ることはないと、安心するような、だけどなんだか淋しいような、よくわからない気持ちになった。
100作突破記念 わあ、すごい!
といってもいつも通りで特別なことはない。
「奇跡をもう一度」
7/15 20作 7/27 30作 8/4 40作 8/14 50作
8/23 60作 9/3 70作 9/13 80作 9/23 90作
突破記念の続き。
これまでのタイトルを並べて繋げたもの。
内容は続いていない。
インターバル的なもの。
「奇跡をもう一度」
貴方と出逢えた事が、私の奇跡。
それまでの私の毎日は、つまらなくて、ただただ時間とお金を消費するだけの毎日だった。
今日を反省もせず、明日に期待もせず。
無為に毎日を過ごし、ただ無駄に人生を垂れ流してた。
でも、貴方と出逢ってからは。
人生に色がついて、毎日が楽しくて。
自分を磨く事も楽しくて。
無神論者のくせに、貴方と出逢えた奇跡を神に感謝した。
でも、貴方を失って。
元の人生に戻るだけかと思ってたけど、それ以上に辛さとか、切なさとか、虚しさとか。
色んな気持ちが行き交ってて、元の私にも戻れない。
だから、どうか、お願い。
もし、生まれ変わったら。
もう一度、貴方と出逢いたい。
どうか、神様。貴方と出逢えた奇跡をもう一度。
奇跡をもう一度
毎日、生きていることが奇跡
もう一度ではなく
一生よろしく
「愛梨ってさ、かわいいよね
高校一年生の夏、君がそう言った時には私は大して驚かなかった。ただ、宿題を写させてほしいのかとしかおもわなかった。
「……どこが?」
どうせ答えられないだろう。そうふんで私は意地悪のつもりで聞いてみただけだった。
「えぇ、どこだろ?……字が丸っこいとことか、肌がすべすべなとことか、髪めっちゃサラツヤなとことか?」
その答えは今でも頭から離れてくれない。
ちょっとした意趣返しのつもりだったんだ。
答えられるなんて思ってなかったんだ。
しかも、全文私が烏滸がましくも少しだけ自信を持っていた所だったんだ。
そんなの、嬉しくなるに決まってるじゃんか。かわいいなんて罰ゲームとか、ごますり以外では聞いたこともなかったし。かわいいって本心から言ってくれたのは君だけだったんだ。
でもさ、正直こんなんになるならそんなの言ってほしくなかったよ。君に会えてかわいいって言って貰えたのは奇跡同然なんだ。いくら髪と肌、服やスタイル、体臭に気を遣っても顔がブスじゃあ本心からのかわいいなんて貰えない。なのに一回その味を知ってしまったら身の程知らずに求めてしまう。そのせいで苦しいんだ。「かわいい」を期待して、その度に世間から「イタい」と言われる。君に連絡しようと想って、そして私と君がただのクラスメイトってだけの関係だったと思い出して寂しくなる。そんな日がずっと続くんだよ。神様おねがいだからさ、また本心からのかわいいが聞きたいな。
絶壁から飛び立った時のように。
大きな翼をはためかせ、
大空へ飛び立った時のように。
あの頃のわたしに。
あの頃の自由なわたしに。
“奇跡をもう一度”
こんな奇跡はもう二度と起こらないかもしれない。これを体験したがゆえに、もう普通の人生には満足できないかもしれない。その予感は的中した。そうして、私は人生のスランプに陥った。そんなときでも、自分の歩んできた軌跡を振り返ることはできる。だから私はまだ、諦めない。信じてくれる人がいるから。
あっ。この本…
最初は、この本とは別のものが欲しくて本屋に寄った。
そこで喰らった衝撃。
まだ表紙も開いてないし、題名も見ていないのに、
これだ、と思った。
でも何を思ったのか、結局買わなかった。
あの日以来、買わなかった後悔と、題名が分からない上、どこに行っても見つけられないもどかしさ。それと同時に、見つけ出さないと次にこれが読みたくなったとき、もしかしたら、もう無くなってしまっているかもしれない、と謎の焦燥感に駆られた。
あの日見つけられたのも奇跡だったのだろう。
しかし、少し経つとその存在さえ忘れてしまった。
なのに、他の本を探していても、題名も忘れてしまったのに、何かを探さなければならないような気がした。
でも今日、やっと見つけた。
あの日見つけた『奇跡をもう一度』
#奇跡をもう一度
ずっと考えていることがある。
私は去年、とある男性と出会った。
夜遅く、一人でコンビニに行った帰り道に大柄な男性二人に声をかけられた。
ナンパだった。
人影も少ない時間帯だったから女なら誰でも良かったのかな。
体格の差もわかっててそれも利用して少々強引に連れて行かれそうになった。
あぁもう駄目かも、と諦めかけたとき、
「俺のになんの用ですか?」
そう相手を追い払ってくれた。
すぐ行ってしまって、暗くてよく顔は見えなかったけれどスラッとした身体で低くて落ち着いた声だった。
「……また会えないかなぁ。」
出会ったあの場所の近くを歩きながらつぶやいた言葉は、どこに届くこともなく空に溶けていった。
……はずなのに。
「来てくれてありがとうー!」
このあたりには野外イベントができる、ステージのある大きな公園がある。
ライブがされているのか、スピーカーを通した大きな男性の声が聞こえた。
マイクの影響でザラついてはいるけれど、それは、低くて落ち着いた声だった。