『奇跡をもう一度』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
僕の人生の中で、君に出会えたことを奇跡と呼ぶなら、あの日々はきっと僕の一生をかけても取り戻せないだろう。
この世に本当に神様がいるなら、またあの人の隣に僕を。灰色の世界に別れを告げ、僕はスターチスの花束を捧げた。
「奇跡をもう一度」
叶わなかった願いがある。
それは「すずめ」として生きてみること。
自由に生きて可愛がられたいのではない。
薄い存在感と邪険には思われない
その身軽さが良いのだ。
病床から震える手を出して窓を開ける。
何もいないが確かに声は聞こえるのだ。
僕の茶髪は虚しく揺れる。
雇われ介護に一日中世話を焼かせた僕の体を
少しの黒ずみが彩る。
すっかり白くなった顔は
女房が愛した丹精をすっかり奪っていった。
奇跡がもう一度起こるなら
私は「すずめ」になるのだ。
第伍作「奇跡をもう一度」
我は今、奇跡によって生きている。
助からぬ病を、幼少の我は乗り越え今を生きている。
叶うのであれば彼女へ奇跡よもう一度。
あぁ神よ。人智の及ばぬ高次の物たちよ。
さぁ、今度は彼女の元へ。
願わくば、奇跡よもう一度。
(幼少期に生死を彷徨った我が不治の病に蝕まれている彼女を思って。)
【奇跡をもう一度】
〜Mrs.GREEN APPLE様〚僕のこと〛〜
僕らは知っている 奇跡は死んでいる
努力も孤独も 報われないことがある
だけどねそれでもね 今日まで歩いてきた
日々を人は呼ぶ それがね軌跡だと
「奇跡をもう一度」
奇跡の定義ってなんだろう。
努力も経験もなしに神頼みだけするのはどうかな。
保育園の頃を思い出してみると。
すごく穏やかで淡くて。
純粋で綺麗で。
一年中幸せだった記憶が蘇る。
あの時間が1番綺麗だったと思う。
あの奇跡は生まれ変わったらもう一度?
奇跡を活かせなかった?
もう一度起こらないかな?
奇跡は待っているだけじゃ起こらない
前提として、奇跡を起こすための努力が必要だ
ものにできなかった奇跡をもう一度起こしたいなら、
偶然に頼らず、自らの手で掴み取るのだ
そうすれば、奇跡は何度でも起こせるはずだ
待て、それはもはや奇跡ではなく、
努力の賜物なのではないのか?
こちらが何もしなくても、
たまたま幸運なことが起きるから奇跡なのだろう
奇跡をもう一度起こしたい場合、
本人にできることなどなにもない
できることといえば、ただ座して待つことのみだ
いやいや、そんな極端な
奇跡というのは努力だけで起きるものでも、
偶然だけで起きるものでもないでしょう
努力して発生する土台を作りつつ、最後は偶然に頼る
その結果起きたらラッキー、
というのが奇跡じゃないんですか?
もう一度狙って確実に起こすのは無理ですし、
ただ待っているだけでも、
もう一度奇跡を起こすのは無理だと思いますよ
三人はそのまま奇跡とはなにかの議論を始め、
私がどんな奇跡を待ち望んでいるかについては、
一切聞くことなく
私のことを置いてけぼりにして白熱するのだった
あっ、私は二人目の意見に賛同します
二度三度、起きたところで期待値が上がって、価値は落ちていくだけ。
/お題「奇跡をもう一度」より
「奇跡をもう一度」
とある神社に奇跡を起こせるという噂の少女がいた。
僕は、興味が湧いたので、その少女に会ってみることにした。
少女はぽつりと一人でたっていた。
「奇跡を見せてくれないか?」
僕がそう問いかけると、少女は頷き、雨を降らす。
「これでいい?」
少女は、そう言い、僕を見つめる。
僕は少女がたまたま起こした思い、また問いかける。
「もう一度!奇跡をもう一度!君が思う奇跡を起こしてよ。」
少女が頷く
次の日地球は滅びた。
《再会の奇跡》
(刀剣乱舞/宗三左文字)
宗三が本丸に顕現した時、刀剣男士はまだ数える程しかいなかった。
しかし、その中には、もう二度と会えぬはずの刀剣が居たのだ。
「薬研通し...!?」
「おっ。宗三左文字か?俺っちのこと覚えてたんだな!」
かつて同じ主、織田信長の元に居た短刀・薬研藤四郎。
本能寺の変で焼失したはずの刀。
「どうして薬研がいるのですか....」
「まぁ、細かい事は分からないが、薬研藤四郎って刀が在った事とか逸話だとか写しとかで顕現出来たらしい」
ほら、と見せた本体はあの日の薬研藤四郎そのもの。
美しい刃文も変わっていない。
宗三は薬研が、《あの時共に居た薬研藤四郎》だと実感すると、不思議と安心した。
「貴方とまた会えて嬉しいですよ、薬研」
「奇跡ってとこだな。これからまた宜しく頼むぜ」
その笑顔も、あの人変わらぬ子供のような笑顔で。
もう二度と見れないと思っていた仲間と会えるならば、
現世では会えなくなった自分の兄弟達にも会えるのだろうか。
もし会えるなら、それも奇跡と呼びたい。
宗三はそう思いながら、ここでの生活を始めた。
「奇跡をもう一度」
私はたぶん
年老いて一人になる
そうはなりたくないけど...
″家族みんなに看取られて″
なんて考えていない
一人寂しく逝くんだろう
だから今こうして
大切な人といっしよにいられる事
それはすごい事で
ある意味奇跡なのだ
だから年老いて一人になった時
「あの時の奇跡をもう一度」
って気持ちにきっとなるんだろう
今、この一瞬を大切に生きなきゃな...
【奇跡をもう一度】
たま~に塞ぎ込む
些細な事だったり
気分だったり
考えても仕方の無い事だったりもする
一応、周りにそれを悟らせない立ち振る舞いは出来る
最終的には結論らしき物を出し
自分を納得させるか
考えてもしょ~がねぇや
で落ち着く
程なく
その時間を有効に使おうと切り替わるし
他にも考える事は色々とある
優先順位の低いそれに時間はかけれない
だけど
たまに時間を持て余すと良くない
優先すべき事が片付いて行くと
薄ら見えてくる
たまたまタイミングが合ったってのもある
すでに奇跡は起こった
これ以上はない奇跡が
これ以上の何をもって
奇跡とするのか
そこに嘘は一つもないし
自分を誤魔化してる訳でもない
だから尚更
自分の意に反して
ふと湧き上がるその何かに
どう向き合えばいいのかも分からず
次に時間を持て余し
タイミングも重なるその時まで
持ち越す
持ち越せる事が
奇跡なのかも
響き渡る絶叫と一切の容赦なく燃やし尽くす炎。
只人たちは逃げ惑い、倒れた羊は炎の狼に喰われていく。
「あっははっは♪しね!しねっ!しねぇっ!愚かに死んじゃえ!!!」
あぁ…神様。この世に救いは無いのでしょう?
神の救いは既に行われた後なのだから。
「⸺……ぅ”…ぉ”」
「あれ?まだ生きてたの?しぶといな〜、君。こんなんでも、英雄っていうゴキブリだった訳か…ゴミ虫だったけど♪」
「……お…れを………従……者に、おねが…いしま………す」
「えぇー…生き延びられると思ってんの?あー、やだやだ。これだからボク、人間ってキライなんだよねー」
なんということでしょう。神々に認められた英雄が、魔族に与する言葉を発するなんて……信じられません。
私達の光であり、救いである英雄様は、地に堕ちてしまいました。
⸺でももし…私の声を、神々のうち一柱でも聴いていらっしゃるのならどうか…英雄という奇跡を。
逃げ惑う人々が救われる奇跡をもう一度だけ……⸺お願いします。
【救うも捨てるも神の自由】
奇跡をもう一度
あなたと出会えた奇跡…
一瞬だけなのに、今でも
鮮明に覚えてる
あなたの美しく儚げな
横顔…
一目惚れ
奇跡を起こせるなら
もう一度、あなたに
会いたい…
いいかい?奇跡ってのは1回きりだから奇跡なんだ。
奇跡とか偶然ってのが頻発してたらそれは必然と言うんだよ。
まぁ、奇跡の起きるシュチエーションと、数年単位で間が空いてれば奇跡、偶然って言っても差し支えないか。
(奇跡をもう一度)
学生の頃恋人がいたが、憧れの先輩が忘れられないと3ヶ月で振られた。
それからずっと恋人ができず7年間をすごした。
その後職場の年上の女性と1年間付き合ったが、ずっと怒られてばかりの私。
挙句の果てに突然連絡が途絶えて自然消滅。
ああもうずっと私はこの先独りだ、そう思っていた時とある人と出会った。
今の妻である。
奇跡のような出会い。
運命としか言えないくらい居心地がいい関係。
こんな奇跡、これから先また起こるのだろうか。
奇跡をもう一度実感する日は再び来るのだろうか。
いや、来ない。
来なくていい。
今がすでに毎日奇跡のように幸せな日々だ。
このままずっと妻と穏やかに過ごせたら...。
他に何を望むことがあるだろう。
運命とか奇跡とか、あまり信じていなかった私だが
信じてみるのもいいかもしれない。
「やっぱり見つからないのかな」
「大丈夫よきっと見つかるから!」
私は心臓がわるくドナーを探している
でも…いくら探しても見つからなかった
嗚呼、もう死んじゃうのかな
2日後ドナーが見つかり心臓を移植した
お母さんは…
題名「奇跡をもう一度」
3ヶ月前、祖母がインコを逃がしてしまった。
とても可愛いインコだった。おしゃべりが上手で、私や家族が教えた言葉は早い時は一日もしないうちに覚えて、ひたすら喋って、私達を喜ばそうとしてくれていた。家族が帰ってくるとカゴの中からすぐに近寄ってきてくれて、「おかえり」と喋ってくれた。
祖母は高齢で、少しの段差などでつまづいてしまうことも多かった。祖母とは家が近いのでそのインコを連れて毎日のように家を訪ねた。祖母はとても喜んでいた。祖母は昔からインコを買っており、インコがとても好きだ。インコと触れ合う時は赤ちゃんを見るような暖かい目でいつも優しく接していた。インコもまた祖母が大好きで、2人が触れ合っているその光景を切りとったものは写真では収まりきれないくらいの優しい光があり、絵になるくらい素敵だった。そのくらい、祖母はインコに癒され、インコは祖母に懐いていた。
だから高齢とはいえ、一日だけならいいかと世話を任せてしまった。
よく晴れた朝だった。雲がひとつもなかった。祖母はインコの名前を呼びながら、縁側でそのインコのかごの掃除をしてくれていた。
祖母の家にいた私はトイレから出て縁側に顔を出した時、祖母の蒼白した表情が一番最初に目に入った。次に目に入ったのは空になったかごと「逃げた!」と言う祖母の声。その瞬間私の心臓は口からとび出そうなくらい跳ねた。
その後のことは、よく覚えていない。
たしかパジャマのまま、縁側から裸足で飛び出したのかな。そしてひたすら近所を探し回って。青空をくまなく見たけど、あの子が飛ぶ姿はなかった。木の枝、家の屋根、洗濯物干しの竿、ブロック塀の上、一生懸命探したけれど、どこにもいなかった。探し疲れて道端で再び空を見上げた時、どこまでもきりのない青を見た時、この世界に私はひとりなんだという根拠のない喪失感に襲われた。
探すのを諦めて祖母と会った時、祖母は悲しそうに申し訳なさそうにしていた。
「ごめんね。」
「そんな、大丈夫だよ、おばあちゃんは悪くないよ」
自分の口から流れるようにそんな言葉が出た。
でも心の中は違った。私は祖母を憎んでいた。わざとでは無い。絶対に。分かっているのに、憎んでしまった。祖母は悪くないのだ。どうしようもなかった状況だったのだ。分かっている。なのに、「あんたのせいだ」そんな言葉が私の心のスペースを陣取っていた。隙間もないくらいに。
あれから3ヶ月。インコの保護情報も、目撃情報もない。心に少し重みはあるが、もう気にならない。祖母の家にも毎日行き、顔を出すようになり、とても仲がいい。
話は少し変わるが、8年前かな。祖母が昔、こんな話をしてくれた。
「私が若い頃に買っていた文鳥がね、一度逃げたんだけど、帰ってきたんだよ。夜に一応カゴの入口を開けっ放しにして外に置いていたら、次の朝なんの躊躇いもなくそこで休んでたんだよ。一晩飛び回って、疲れて、帰ってきたのかな。もうすごく嬉しかった。」
3ヶ月前インコを逃した時にも、そんな奇跡が起こるんじゃないかと、その子がいたかごを、入口を開けっ放しにして外に置いていた。今までの3ヶ月間ずっとそのかごをそのまま外に置いているけれど、そこに入っているあの子の姿は見ていない。
奇跡がもう一度起こるのなら、そこに入って、長旅で疲れたと何事もなかったかのように休んでいるあの子の姿が見たい。
幼い頃に味わった
奇跡であふれた日常を
今夢にまでみるのだ
記憶はないけど
身体が覚えている
あのふわふわした
純粋な奇跡をもう一度
カミサマ、に祈って叶えられるほど
私は出来た人間ではない
どちらかといえば、弱い方だ
そんな人間に、奇跡なんて起きるはずもない
彼女が私のことを好きになってくれる、なんて奇跡が
その子はこんな私でも気にかけてくれる
優しい、優しい子だ
だから、もし、この想いを言葉になんてしたら
きっと重しになってしまう
あぁカミサマ
あの子に、あの、優しい子に
奇跡を起こして下さい
私には奇跡なんていらないから
あの子が好いた人が、また、あの子を好きになる
なんて奇跡を
そんな奇跡を、起こして下さい
そうしてそれが起こった日、
私は隣で笑うのだ
「よかったね」
って