陽月 火鎌

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響き渡る絶叫と一切の容赦なく燃やし尽くす炎。
只人たちは逃げ惑い、倒れた羊は炎の狼に喰われていく。

「あっははっは♪しね!しねっ!しねぇっ!愚かに死んじゃえ!!!」

あぁ…神様。この世に救いは無いのでしょう?
神の救いは既に行われた後なのだから。

「⸺……ぅ”…ぉ”」
「あれ?まだ生きてたの?しぶといな〜、君。こんなんでも、英雄っていうゴキブリだった訳か…ゴミ虫だったけど♪」
「……お…れを………従……者に、おねが…いしま………す」
「えぇー…生き延びられると思ってんの?あー、やだやだ。これだからボク、人間ってキライなんだよねー」

なんということでしょう。神々に認められた英雄が、魔族に与する言葉を発するなんて……信じられません。
私達の光であり、救いである英雄様は、地に堕ちてしまいました。

⸺でももし…私の声を、神々のうち一柱でも聴いていらっしゃるのならどうか…英雄という奇跡を。
逃げ惑う人々が救われる奇跡をもう一度だけ……⸺お願いします。

【救うも捨てるも神の自由】

10/2/2024, 11:01:50 AM