『天国と地獄』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
もし僕が死んだら、
僕はどこへ行くだろう。
天国か地獄。
もしかしたら、
どちらにも行けないのかもしれない。
そもそも、本当に天国も地獄もあるのだろうか。
もし天国も地獄もあるのだとしても
僕はどちらにも行けないだろう。
僕は、死んだ後に居場所があるとは思えない。
死ぬようなことをした、死んだ自分が悪い。
世間的には 死=悪 という考え方が多い。
その考え方で行くと死んだ者は皆、悪。
天国にも地獄にも行けず、
居場所のない世界を
彷徨っているのだろうか。
まぁ、どれも死んでみないと分からないこと。
「あなたは天国に行けますよ。これもたくさんの徳を積んできたおかげです。私にはあなたのこれまでの苦労が見えます」
母は天国と地獄、死後どちらに行くかを占う占い師だ。だが、これまで地獄行きだと言われた人を私は見たことがない。だから、母のことをインチキ占い師だと学校のみんなにバカにされていた。悔しかったけど、否定できなかった。本当にその人の積んできた徳や、犯してきた罪が見えるのなら、地獄行きの人が何人かいてもおかしくないはずだ。
だが、ある日私は初めて母が地獄行きを告げているのを聞いた。相手はしわくちゃのスーツを来た社会人だった。疲れ切った顔で今にも倒れてしまいそうなほど、フラフラしている。なぜそんな状態で占いを聞きに来たのか、私にはわからなかった。
「私って死んだら、やっぱり地獄行きなんですかね。なにやっても上手くいかなくて、人のために頑張ってるはずが、全部失敗に終わっちゃうんです」
その言葉に対して母ははっきりと切り捨てるように言った。
「そうですね、今のままだとあなたは地獄に堕ちます」
こういう時こそもっと救いのある言葉を言ってあげたらいいのにと思ったが、その言葉には続きがあった。
「ですが、あなたが犯してきた罪よりもたくさん積んできた徳が私には見えます。ほんの少しの差です。あなたが最後に大罪でも犯さない限り、生きてるだけで天国に行けますよ。安心してください」
そう言うとその社会人は泣いてしまった。母は優しくその背中を摩っていた。時間はとうに過ぎているのに、その人が泣き止むまで母はその手を止めなかった。
母がそう言った理由を考えて、現実に気づいた私は母を見直した。母は確かに占い師などではなかった。だが、生き悩んでいる人に希望を与えることができる人なのだと知った。
貴方達は天国と地獄を信じるか。そう、閻魔大王だとか、天使とか、悪魔とか、そういう人間が信じ続けている死にたく無くなるサイクルだ。きっと私は俺は僕は死んだら地獄に行くから死にたくなんかないって思うんだよな。こんな哲学的な話をする事になったのは他でもないあいつのせい。
「なあなあ、面白い話して」
「私はSiriじゃねえよ」
「下ネタ?やめてよ俺耐性ねえのに」
「うるせえ」
同僚のあいつは社畜。今迄は俺もそうだったし、仕事しないと生きてる意味ねえわ俺とか思ってた闇の時期(笑)もあった。でも今はちゃんといきてる。イキってな。生きるだけに。笑えよお前ら苦笑すんなよ。そう云えばアイツ、ガキんころは可愛い趣味あったらしいぜ。夜空を見上げるのが趣味…だったらしいんだよなあ確か。だいぶ御洒落さんだな。
アイツにとっての地獄は此処…だな。此処、って言っても、現世っていう幅広ォいとこじゃなくて、仕事場っつう「此処」。心の中で死にたい死にたあい って連呼してそうなくらい鈍い俺から見ても完全に病んでるんだよなーあいつ。今度まあ飯でも奢ってやろうかなってお気持ちの優しい俺。何様だとぉ?俺様に決まってんだろ!!
話題が逸れたな。ジゴクじゃヒッドイ事される、 ってのが昔からのセオリー!みたいになってっけどホントなのかねーって感じだわ。ヒドイコト、って具体的にどんな事?釜茹ででもされんの?でもそれ って単なるすんげー痛みじゃん?それってホントにヒドイ?もっと、精神的に来るやつじゃないの?
そんな事を、アイツに漏らした結果は
「ひたっっすら死なねーんじゃねえの」
だそうです。病んでんな!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
わかるかもしれませんが、此方の物語に出てくる、同僚のアイツとはカサキの事でぇす。
そしてカサキの同僚の「俺」君は
「オダ」君になります。
良いことをした子は
天国にいけるんだって。
え?
そうなの?
天国って何?
楽しいことばかりの
ステキなこところだよ。
そうなんだ!
でもね
悪いことをした子は
地獄にいくんだって。
地獄?
地獄はね
怖くて恐ろしいところなんだよ。
ひどいめに遭うんだよ。
え?!
イヤだよ。
怖いところはイヤ。
良いこといっぱいする!
―――どうしよう。
今
ウソ
ついちゃった。
あぁ
悪いことをしちゃった!
天国にいけなくなっちゃう。
それは絶対イヤ!
どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。
そっか!
このウソを
絶対にバレないようにすればいいんだ!
#天国と地獄
近所の人に挨拶が出来る日
カーテンを閉め切って座り込む日
朝になって目を開けたら分かる
(天国と地獄)
[お題:天国と地獄]
[タイトル:地獄の沙汰も金次第。ならば、天国は?]
ざらざらとした舌の感触を顔に感じて、早乙女カノンは目を覚ました。
目の前に飛び込んできたのは、金の毛並みをした犬の下顎だ。
「うわぁ!」
思わず飛び起きたカノンの頭を、犬はひょいと躱す。大きさに見合わずなんて身軽!
「はぁ、はぁ。えと、ゴールデン、レトリバー?」
その犬の犬種には見覚えがあった。カノンは犬好きでは無いが、嫌いということもない。カノンにとって犬とは、雲や岩やフライパンと同じカテゴリーである。つまり、それがあると知ってはいるが、特段意識することない存在だということだ。積乱雲や花崗岩や中華鍋を知っているように、ゴールデンレトリバーを知っていた。
そして知識の答え合わせをするように、ゴールデンレトリバーがワンと鳴く。やっぱり、身体が大きいと野太いようだ。
「ワンちゃん、どうしてここに、ていうかここ、どこ?」
カノンは辺りを見渡した。
まず目についたのは桜だ。そして次に川。桜はかなり膨大な量があるようで、見渡す先々に所狭しと並んでいる。桜と桜の間から、桜が覗いているような状況だ。見た感じではソメイヨシノに似ている。そんな桜塗れの一帯を、一本線を引くように伸びているのが川だ。川幅は四、五メートルはあるかもしれない。底が見えるほどの清流で、しかし魚は見当たらない。その隣には石造りの遊歩道があり、川の隣を何処までも伸びている。北から南に、あるいは西から東に。とにかく一本、真っ直ぐ伸びている。
カノンはこの遊歩道の上で寝ていたらしい。忙しなく動くゴールデンレトリバーの爪がカッカッと音を鳴らしている。
「いや、ほんとに何処なの・・・・・・」
桜並木といえば北海道の稚内公園か、あるいは青森県の弘前公園か。川沿いなので、東京都の目黒川沿いの方もあるか。しかし何れも違うと、カノンは思う。そのどれも桜の密度が足りない。これだけの量の桜は、テレビでも写真集でも見たことがなかった。
「バフっ!」
ゴールデンレトリバーが吠えている。カノンが起きた場所の少し先、川上の方にいる。
それを呆けて見ていると、ゴールデンレトリバーはもう一度鳴いた。
「バフっ!」
「・・・・・・ついてこいってこと?」
「バフっ」
カノンが歩き出すと、ゴールデンレトリバーも歩き出した。
まぁ他に当てもないしと、カノンは思う。この不思議な金の犬しか当てはない。犬をよく見てみると、きちんと首輪が付いている。赤い首輪だ。
嘘か真か、犬には帰巣本能というものがあるらしい。あのゴールデンレトリバーに着いていけば、飼い主の元に帰るかもしれない。人に会えれば電話を借りれる。電話を借りることができれば迎えを呼べる。
カノンは中学二年生なのだが、今時珍しくスマートフォンを持たされていなかった。今ポケットに入っているのは、千円札が二枚と五百円玉一枚の入った財布だけだ。
「頼むよ、えと、ワンちゃん」
「バフっ」
名前は分からないが、ゴールデンレトリバーはきちんと返事する。もしかしたら、首輪に書いているかもしれない。ついでに迷子札も付いていれば、ここがどの辺りにあるのか分かるかもしれない。
カノンは少し早歩きでゴールデンレトリバーに駆け寄った。後ろから優しく掴むと動きを止めた。
首輪の辺りを弄ると、確かに迷子札らしきものがある。どうやら、きちんと住所まで書かれているようだ。
「えと、えっ」
そこに書かれていたものは、あまりに想像からかけ離れていた。英字が書かれていたので、どうせローマ字だろうとタカを括って解読に挑んだのが間違いだった。
「S、a、n、F・・・・・・さ、サンフランシスコ?」
アメリカ西海岸、カルフォルニア州北部。カノンの住む福岡市から、飛行機でおよそ十四時間である。
カノンの持つ最後の記憶は、海での記憶だ。家族間での付き合いのある友人と共に、二家族で遊びに来たのだ。その友人は泳ぎが下手で、ドーナツみたいな浮き輪を付けていた。確か、その浮き輪が波でひっくり返されたのだ。それを見たカノンは日焼け対策に着ていたワンピースもそのままに、海へと──
「いつまで歩けばいいの? ピーナッツ」
「バフっ」
しばらく経って、ピーナッツはそれしか言わない。ピーナッツとはこのゴールデンレトリバーの名前だ。迷子札には、住所の他にきちんと名前も書かれていた。
「ねぇ、ピーナッツ、今何時?」
「ワンっ!」
つまりは一時。嘘つけっ!
空を見上げると、雲一つなく晴れ渡っている。しかしなぜか、何処にも太陽は見えない。桜に邪魔されて、天蓋の一部しか見えないからというのもあるだろう。しかし、空は偏りなく青空だった。白と青のグラデーションは見当たらない。
カノンは小一時間ほど歩いてくる中で、ようやくここが普通じゃない、どこかの異世界なのだと理解した。
一度そう理解すると、如何ともし難い恐怖が湧き出てくる。先ほどまでは困惑が勝っていたのだ。時間と観察で冷静になり、そしてそこには未知しかないのだと分かると、もうダメだった。
涙を堪えながら、カノンはピーナッツについて行く。
俯いてスカートの端をギュッと握った。ピーナッツの鳴らす、爪が遊歩道に当たる音だけを聞きながら、カノンは一歩ずつ踏み出している。
すると突然に、その音が止んだ。
驚いて顔を上げると、ピーナッツは止まっていた。止まったまま、尻尾をブンブンと振っている。
ピーナッツの視界の先、カノンの目指す川上の方から、犬と男の子が歩いてきている。
カノンは両手で乱暴に涙を拭くと、改めてその姿を認める。
「・・・・・・ブルドッグ?」
白の生クリームでコーティングしたケーキに、上から茶色のチョコレートをかけたみたいなブルドッグだった。舌を出しながら懸命に歩いている。
ブルドッグがそんなにも甘そうな一方、一緒に歩く男の子は紛れもなくビターだった。
赤地にポップな英文字が書かれたタンクトップに短パン、しかし何れも煤けており、足元に至っては裸足だった。近づくにつれて、その肌が随分と傷ついていることが分かる。カノンは写真でしか見たことがない格好だ。その写真は、社会の教科書で見た。開発途上国の子どもたちの格好だ。
ピーナッツの目の前まで来て、ブルドッグは立ち止まった。男の子も合わせて立ち止まる。不思議そうに首を傾げている。
「──、────、──」
「えと?」
男の子は何か話しているが、意味が全く取れない。カノンはつい先月、英検三級に合格したばかりである。そもそも英語かどうかも判断がつかないほどのリスニング力しかない。
「──、ネーム──ジキル───」
「ジキル?」
ふと聞こえた単語を呟くと、男の子はパッと顔を明るくした。ネーム、ジキル。この男の子はジキルと言うらしい。
「えと、マイネーム、イズ、カノン」
「カノン」
「うん。カノン」
自分を指差しながら言うと、きちんと伝わったようだ。しかし、また色々と喋り出されると全く聞き取れない。
こちらが全く分からないことを感じとったのか、ジキルはそのうちショボンとして黙りこくってしまった。
どうしよう、全然英単語出てこない。友人に英検三級を誇っていた自分がバカらしく感じてくる。カノンもカノンで、中々喋りかけることが出来ない。
そんな人間二人をよそに、犬たちは親しげだ。お互いの鼻をつつき合い、スンスンと匂いを嗅いでいる。一回り、二回りは大きさが違うので、うちのピーナッツが襲ってしまわないか心配だ。いや、ウチのでは無いのだけれど。
そんな風に二匹の犬をカノンが見ていると、ジキルが口を開いた。二匹を指差している。
「ドッグ」
「え、と。そうだね、ディス、イズ、ドッグ」
カノンは自分の間違いに気づかない。けれどジキルはそんなこと気にせず、嬉しそうにはしゃいでいる。
「ドッグ! ドッグ!」
何がそんなに嬉しいのか、カノンにはさっぱり分からない。しかしそうして笑顔を見せるジキルを見ていると、カノンはなんだか幸せな気持ちになった。
犬たちは、次はお互いのお尻の匂いを嗅ごうとぐるぐると回っている。
その時、カノンは一つ気がついた。ブルドッグも首輪をしているのだ。
カノンはしゃがむと、戯れているブルドッグの首元を探る。迷子札は付いていなかったが、名前は書かれていた。
「G、e、o、r・・・・・・ジョージ?」
それを見たジキルは不思議そうに首を捻る。
「えと、ディス、イズ、ジョージ」
カノンはブルドッグを指して言う。ジキルは首を振ると「ドッグ」と言った。
「あーいや、そうじゃなくて、ドッグズ、ネーム、イズ、ジョージ」
するとジキルはようやく理解したのか「ジョージ、ジョージ」と繰り返す。呼ばれたと思ったのか、ジョージが「ぱふっ」と鳴いた。ピーナッツより随分と軽い。
カノンは次にピーナッツを指した。
「ドッグズ、ネーム、イズ、ピーナッツ」
「ピーナッツ」
今度は一度だけ言った。するとジキルは順番に指を向けていく。ブルドッグに向けて「ジョージ」ゴールデンレトリバーに向けて「ピーナッツ」と言う。どうやら、一つずつ確認しているようだ。
そして最後に、カノンを指差す。
「カノン」
カノンはそれに、笑顔で「イエス、ベリーグッド」と返した。英検三級を持っていたって、出てくる言葉はそれだけだ。しかし、それだけでジキルもカノンも笑顔だった。
すると、ジョージとピーナッツは突然に離れた。先ほどまであれ程くっ付いていたのに、本当に唐突に。
ピーナッツは川上へ、ジョージは川下へ。出会う前と同じ方向に歩き出した。
「バフっ」
「ぱふっ」
そして二人の人間を促すように鳴いた。早く来いと、そう言っているようだ。得体の知れない騒めきが心を襲う。自分はあのゴールデンレトリバーに付いて行かなければならないと、そんな思いが沸々と湧き上がる。
それはジキルも同じだったようだ。一つだけ違うとすれば犬種だろうか。
ジキルは悲しげな表情を浮かべ、仕方がないと目を伏せた。そして改めてカノンの方を向く。
「バイ、バイ」
それだけ言って、ジキルはカノンに背を向けた。ジョージがテクテクと歩き出す。
「あっ」
言葉が上手く出てこない。「バイバイ」とそれだけ言えば、それで伝わるだろう。それでお別れだと伝わる。でもそれだけで良いのだろうか。
実のところカノンはジキルに感謝していた。折れそうになっていたカノンの心は間違いなくジキルによって救われた。感謝を伝えるのに「バイバイ」じゃ足りない。
カノンはとある日の社会の授業を思い出した。
開発途上国とは経済的に貧しく、これから豊かになるために頑張っている国である。
カノンは自分の財布を取り出すと、千円札を一枚抜き取った。
「ジキルっ!」
ジキルが驚いて振り向くと、カノンは問答無用でジキルの手を取った。彼の手に財布を握らせる。自分のポケットには千円札が一枚あるだけだ。
呆気に取られるジキルに背を向ける。それはジキルの物、もうカノンの物ではない。そうアピールするために、カノンは足早にピーナッツの元まで駆けた。
そしてピーナッツの隣でようやく振り返る。
「バイバイっ!」
大仰に手を振る。千切れそうなほど大きく、強く。
それを見たジキルもまた大きく手を振る。その手にはカノンのピンク色の財布が握られている。その中には日本円が千五百円入っている。
ジキルは外国人だ。それは一目見た時からカノンには分かっていた。だから日本円を渡すことは無駄なんだろうか。その行為はただの自己満足で、偽善なのだろうか。
そうじゃないと、カノンは思う。そうじゃない。だって、ジキルはあんなにも笑顔だ。あれはただのお金じゃない。人が人に何か渡すという行為には、金銭の損得以上の文脈が必ずある。
「行こっか、ピーナッツ」
「バフっ」
そして、二人と二匹はそれぞれの道を行く。誰も彼も、その道の先を知らないまま、ひたすらに歩き続ける。
千円札だけカノンが残したのにも理由がある。カノンはまだ諦めていない。もしも現実に帰ることができたなら、お金は強力な力になる。確かそんな風なことわざがあったはずだ。
地獄の沙汰も金次第。世の中、金があれば何でも解決できるらしい。
カノンはふと思う。じゃあ天国はどうなんだろう。天国は何次第だろうか。
カノンはまだ知らない。答えは、道の先にある。
【天国と地獄】
人によって天国と地獄、
感じ方、受け取り方が違う。
だからこそ、
自身の物差しでコトを測るの事なく、
誰かの地獄に寄り添える人でありたい。
「大丈夫ですよ。」
コノセはことり、と静かに笛を置き、膝をついて真っ直ぐにその魂を見つめた。
鎮魂の言葉が紡がれようとしている。
空気に凛と響くこの声が、オリヤは好きだった。
「天国も地獄も、この現世にしかありません。そして、あなたの居るべき場所も。」
そう、時に残酷に聞こえるかもしれないけど、ひとの居場所は現世のみ。
別世界は存在しないか、存在しても決して行くことはできない。
たとえ、死んでも。
「ひとは生きてこの現世に意思を為して形と成し、死して生者の心に其の場所を移し、言霊を借りてやがて緩やかに大気に、大地に解ける。」
この世で生きてこの世で死に、この世に解けるひとの摂理。
「だからあなたの言うような、死者の逝く国は無いんです。」
悲しむような、悼むような、それでいて澄んで惑いのない、微かな笑みがコノセの口元に浮かぶ。
「わたしたちがあなたを、真の死へとお送りします。」
-天国と地獄-
この世界こそが天国と地獄だ、と僕は思う。
だってそうじゃないか。
誰もが、些細なことに天国だ!と感じたり
地獄だ、と嘆いたりする。
だからこそ人は願う。
天国を。
地獄がない、天国だけの世界を。
けど、地獄という場所でも
そこでいかに
幸せを見つけることができるか。
それが今僕らに求められているものだと
思っている。
天国と地獄も、表も裏も、生も死も、対にあると思ったら大間違いかもしれないね
天国も地獄も紙一重
正反対に見える天国と地獄だけど
そうではない
すぐ隣にあるもの
自分にとって天国でも
誰かにとっては地獄だったりする
天国にいたと思ったのに
地獄になることだってよくあること
その時の気持ちや過ごし方で
天国か地獄か
なんてすぐに変わる
人によっても見方によっても
捉え方は違う
だから
天国になるか地獄になるかは紙一重
天国と地獄
死んで、天国へ行けるか地獄に落ちるか。人によってはとても気にするかもしれません。
わたしなら、天国や地獄はあるの?と考えてしまいますが。
わたし、よく連れ合いに地獄に落ちるよ!と言われてます。それだけ酷い人間なんでしょう。でも全然気にしてません。お互いさまよ、と思ってますから。
でも、信頼する人にそれをいわれたら、気にするだろうな。天国に行けるとか地獄に落ちるとかより、その相手に自分がどう思われてるか、が大問題。
人としてまともか、を問われる気分になります。
そうなんです!死んだ後を思い倦ねるより、今の自分の行動や、思考に気をつけて暮らすのが先決なんです!
天国と地獄
昔読んだ芥川龍之介の蜘蛛の糸で、お釈迦様が天国から地獄の様子を見ておられた、と言う下りがあった。お釈迦様は、毎日その風景を見てくださるのか…きっと地獄で追い立てられるだろうけど…蜘蛛の糸が届くかな…
今日のテーマ「天国と地獄」
貴方は天国と地獄って聞くと何を思い浮かべますか?
大抵の方は死んでからの話だからあまり考えたことなどないとお答えになるかと思います。
ですが本当に天国と地獄とは死んだ時のみにしか感じないのでしょうか?
答えは否、だと思います。
学生さんであれば学校という名の檻の中で色々な事を学び、人間関係を形成していきます。
その中で立場の弱い人間は虐められ、死にたくなるような思いを抱えて生きてる子もいます。
社会人であれば頭ごなしに説教をする上司、気に入らないからと言ってクレームばかり出してくるお客様。
いつも文句ばかり、仕事を押し付けてくる御局様やベテランさん。
深夜までサービス残業を言い渡される職場。
そんな場に長く居れば生きる希望を失いただ仕事と睡眠だけをこなす屍となります。
死にたいと思うほど思い詰める学生さん、社会人にとって地獄は死んだ後の話ではなく現在進行形でもあります。
天国だとすれば好きなものや好きな人を楽しそうに推し、人生の一時でも幸せと感じる瞬間がある。
果たして自分が死んだ後、天国に行くのか地獄に行くのか分かる者は誰も居ない。
だが苦しい事から逃れたくて自分を殺しても救いがあるとは限らないことを私達は覚悟していないといけないのかもしれない。
『天国と地獄』
ソレは対を成すもの
天を舞うコインのように不確定で不規則な表裏一体
気紛れにその顔を変え、手のひらを返す
故に油断はしない
万全を期して、石橋を叩いて渡る
慎重に、されど大胆に
けれど、どうしたってその時は訪れる
幸せは一転、不幸のどん底へ真っ逆さま
逃れられない運命(ウンメイ)と、導かれた運命(サダメ)
何もソレは死後だけの話ではない
密やかに、されど確実に、此方に迫ってくるのだから
それがあなたの生きた道だ
さぁ、天国か地獄
選んでみな
【お題:天国と地獄】
二人きり
過ごしてるとき
天国で
他人に見られ
地獄に変わる
誰かにとっては天国でも、誰かにとっては地獄かもしれない。人の心なんてわからない。自分の心さえもわからない。
〖天国と地獄〗
死んだら天国か地獄に行く。
そう言われてきた。
でもネットは言う、
自殺する人は
天国に行きたかったわけじゃない。
この人生という地獄から
抜け出したかったんだ。
と。
死んだ世界にしか地獄は存在しないというのは嘘だった
今日のテーマ
《天国と地獄》
五月晴れの日曜日。
近所の小学校からは賑やかな音楽とマイクでの放送、時折そこに歓声が加わる。
風に乗って聞こえてくるそれに様々な思い出が蘇り、懐かしさに顔が綻ぶ。
『続いては、5年生による、障害物競走です』
アナウンスから暫くして、聞き慣れた軽快な音楽が流れ出した。
運動会の競技中に使われる定番曲だ。
たしか『天国と地獄』といっただろうか。
「やっぱり障害物競走はこの曲だよね」
「今の障害物競走ってどんな感じなのかな」
「感染症予防の観点からパン食い競争とか飴探しは絶対ないだろ」
「だよね。じゃあ、今はどんな感じなんだろうね」
我が家と小学校は、近所とはいっても少し距離があって、競技内容の説明は途切れ途切れではっきりとは聞こえない。
互いにスマホをいじっていた手を止めて、思いつく競技を上げていく。
「網をくぐったりしなかった?」
「あったかも。あと、ズタ袋みたいなのに足突っ込んでピョンピョン跳ねながら進むやつとか」
「あったあった! あと跳び箱とかハードルとか」
「ハードルはあったけど、うちは跳び箱はなかったな。高校の時はスプーン運びがあったような気がする」
「スプーン運び?」
「知らない? スプーンにボール乗せて運ぶやつ」
「ああ、テレビか漫画でみたことあるかも。うちの学校ではなかったけど。あとは、たしか後ろ向きに走るのがあった」
「あるある! よろけて隣のレーンの奴とぶつかったり」
「コストかけずに笑いが取れるネタだよね」
こうして少し話すだけでも学校によって特色があるのが面白い。
そのまま話題は運動会や体育祭自体の競技内容に移り、話は尽きることなく盛り上がる。
そうして話をしながら、時折、彼女のお腹を撫でる。そこには二人の愛の結晶ともいうべき大切な命が育まれている。
「おまえが小学校に上がる頃には、どんな競技をやってるんだろうな」
「いくら何でも気が早すぎるでしょ」
「そんなことないだろ。きっとあっという間だよ」
つきあい始めてから結婚までの期間。
そして結婚してから今日までの年月。
楽しい日々はあっという間に過ぎ去ると相場が決まっている。
可愛い我が子の成長の日々もまた、きっとあっという間に過ぎ去っていくことだろう。
いつか、この子が小学校に通うようになって、今日のこの会話を懐かしく思い出したりするのだろうか。
それともこんな会話を交わしたことすら、数々の思い出に上書きされて忘れてしまうのだろうか。
天国のようだと感じる日も、地獄のように思える日も、きっと沢山経験することになるのだろう。
それを待ち遠しく思いながら、僕はあのお馴染みの『天国と地獄』を口ずさんだ。