『大切なもの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
大切なものはたくさんある。
家族、友達、音楽、本、仕事、健康、…あとなんやろな。
無理矢理挙げてはみたものの、正直そんなにしっくりくる感じではない。
隣で静かにすやすや寝ている男の顔を見る。
気持ちよさそうに寝てるなぁ、と思いながら悪戯心が湧き上がり、徐に形のいい鼻梁をつまんだ。
イチ、ニィ、サン…
「ンガっ…んん??なにぃ??」
半覚醒の状態のまま目も開けられず、もごもごと文句を言う男。
「くく…っ。すまん、なんでもない」
ポンポンと布団を叩くと、もにゃもにゃ文句らしきものを言いながらまた眠りについた。
歳下だけど妙に包容力があって。
優しさと芯の強さを兼ね備えていて。
年相応に甘えてくる可愛さもあって。
何より気負うことなく自然な自分を出せるこいつの側で過ごす時間。
それが今の自分にとって一番……
そこまで考えたら途端にむず痒くなり、若干顔を顰めつつ男の隣にそっと潜り込んだ。
【お題:大切なもの】
「大切なもの」
大切なものは?と聞かれると
少し困ってから「彼女」
そう答えた。
だが少し考えると人は「もの」ではないな。笑
自分で言ったがなんだか笑ってしまった。
いやでも俺の「もの」って意味だったら
ある意味"もの"かもしれないな。
そんないつも通りのような想像をしながら、
今日も俺は𝕏(旧Twitter)を開き
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今日こそ彼女作ります。
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また同じ発言を呟くのだった。
※この話は少し昨日の話と繋がっています。
春は、出会いの季節だ。
部活には新たな後輩が入ってきたり、新しいクラスになって、新しい友達ができたり、、。
出会いの数が一番多い季節だ。
春は、別れの季節だ。
卒業する三年生、転校する友達、違う学校へ行く先生‥。
私も今年の春は、一番信頼していた国語の先生との別れがあった。
でも、その先生を一番信頼していると気づいたのは、別れの時だった。
いつもいるから、その大切さに気づけなかった。
その信頼に、感謝に、気づけなかった。
先生は、前に私に言った。
「〇〇(私)さんの文章が好き。」
先生にとっては、何気ない一言だったのかもしれない。
でも私は、そう言われたことが、すごくすごく嬉しかった。
私の唯一の特技である文章を褒めてもらえたのは初めてだったから。
もう、会うことはないけれど、私は絶対忘れない。
一番身近で一番信頼していた先生。
人生はやっぱり、一期一会だった。
出会いに感謝して毎日を過ごさなければならなかった。
私は先生から最後、出会いを大切にしなければならない理由を学んだのだ。
学年合唱
アルトパートだった私は
男声アルトを歌う男子のすぐ隣の立ち位置だった
初めての合同練習の日
すぐ隣に立っていた男子は隣のクラスの
まだ話したことのないバスケ部のイケメン君だった
その日は何を話すこともなく終わった
2回目の合同練習の日
歌と歌の合間のざわつきの中、イケメン君の方から
声めっちゃ出るね、と突然言われた
歌うことが好きな私は合唱でものびのびと歌っていた
え、あ...うん頑張ってる、とドキドキしながら焦って答えると
俺も頑張んなきゃー、と
指揮者の先生の方を向き直して言った
うん、がんばろ...っ!
ドキドキが収まらずそれがバレないようにと意識して小声になってしまった
聞こえていたのかは分からない
その日から、合同練習以外でも
廊下ですれ違うと言葉こそ交わさないけれど
お互いに目が合って「...っす」という感じで
周りが気づかないくらい小さな会釈をし合うようになった
合同練習をする度に、
歌の合間で課題の話や
今度のレクリエーションの話、
合唱を披露する本番の日の話...
盛り上がることもないけど
たぶんお互いこの時間をちょっとだけ楽しみにしていた気がする
そんなふうに、ぽつぽつと話すようにもなった
そして、日常と練習を重ね、
学年合唱を披露した本番の日
歌い終わり、合唱隊形の外側の人からステージを降り始めた
拍手とざわざわとした空気で包まれた体育館
そのときに、トントン、と肩を小さく叩かれた
振り向くと隣のイケメン君が少し笑いながら
お疲れ様っした、と右の手のひらを私に見せてきた
あっ、お、お疲れ様っした、
目の前のことを滞りなく処理することに必死で、
なのに言葉には詰まりハイタッチもちょっとだけズレた
彼が見せてきた手のひらに
小さくハイタッチした私の右の手のひらが汗ばんでしまっていたことに
直後気付いて恥ずかしくなった
そしてまもなく私と彼は
それぞれ反対方向に向かって歩き出し、ステージから降りた
練習を重ねてきた合唱曲【大切なもの】が無事に成功して安心していたはずなのに
ドキドキが収まらない
私はこの文字並びと合唱曲を見るといつも必ず
この“青春”を思い出す
私の大切なものは私
家族も友達も恋人も大事だけれど
1番大事なのは、私自身
『……僕の大切なものは…太陽です』
クラスのみんなに笑われた。だから言いたくなかったのに
あいつらにとって僕は他人…
なんで好き勝手言うかなぁ
ほんっと、大切なものぐらい胸張って言わせろっつーの
はぁ…きれいだな
太陽見ると、やっぱり落ち着く
「……!」
「……お!」
「…れお!」
『っあ…!』
『ごめん…なに?』
「急にごめん、私は、れおの言ってることめっちゃ良かったと思う…!」
「みんな…なんであんなに馬鹿にするんだろうね」
「大切なものに限らずだけど、好きなこととかさぁ、ひとそれぞれじゃんね」
「胸張って言える世界になってほしいのに」
『……!』
『(そっかぁ…なんでも、人それぞれだもんね
胸はって言ってても、何も悪くない…)』
““大切なものは人それぞれ””
だね…!
テーマ:大切なもの
あとがき
読んでくださった方、ありがとうございます
太陽ってすごいですよね。地球を照らしている希望の光みたいで
僕も誰かの役に立つ、希望の光のような存在でありたいです
このアプリで書いているのも1つのことですね
内容が少しでも心に残ってくれたら、読んでくれたら、それで満足です
2024/4/2
大切なもの
時とともに薄れていくもの
簡単に手から漏れていくもの
何かを決断するときに枷になるもの
淋しい夜に黙って寄り添ってくれたくまのぬいぐるみ
弟が生まれたときに譲れなかったおしゃぶり
小学生のときに友達からもらったシールやメモ帳
夕暮れ時の下校中に撮った気の合う仲間とのセルフィー
憧れの先輩がくれた第4ボタン
成人式に向かう車の中で見た母の涙
大学生の時にサークルでよく飲みに行った居酒屋
最愛の人
時間が経つにつれて
古びてボロボロになり
色褪せしわしわになり
ときには壊されたり捨てられたりしてわんわん泣いた
自分の夢ややりたいことを諦めた時もあった
だけど
必要なかったものは一つもない
全てが幸せな記憶じゃないけれど
忘れてしまえたらと思うものもあるけれど
失われたものや時間そのもの 想い
そしてそれをふと思い出す日常での一瞬
全てが愛おしく
全てが今のわたし
大切 【たい-せつ】
〔形動〕最も必要であり、重んじられるさま。
丁重に扱って、大事にするさま。
急を要するさま。
「お金が一番大切とかいう奴って何考えてるんですかね?」
「は……?」
隣の席の会話から話題をつまんだせいで、当の男が若干怪訝そうな顔をする。同時に砂糖漬けのアイスコーヒーを啜っていた私は密かに傷ついた。
「お金サイキョーでしょ……」
「じゃ、お金の何が好きなんです?」
「え、何でも買えるじゃん?」
化粧品も愛も彼氏も、幸せはいつだって金(¥)の上に乗っている。当の男もうんうんと大袈裟に頷いていた。ポエマー後輩の奥の席なので私からはよく見える。
「それはお金が好きなんじゃなくてその何でもが好きなんですよね?」
「……はぁ?」
「だからその人の大事なものはお金じゃなくて『何でも』なんです。人生の全部ですよ! 自分の傲慢さをひた隠しにしたいからお金って言葉でくくるんです」
……奥の席で男が突っ伏しているのが見えた。
人生には捨てられるもののほうが多いが、その全てが大切じゃないかと問われれば微妙だ。
プライドは捨てやすいが、それだけで生きているような人間もいるし、誰もが捨てがちな処女を、大切にされたくない女は居ない。
しかし、いくつか大切だったかもしれないものを捨てると、形ある代替品を欲しがるようになる。万物になりうる紙の価値はそういう風に仕上がる。
私にとってやっぱりお金は大事だ。
私には、プライドも処女も残ってないんだから。
【大切なもの】2024/04/02
こんな題名の合唱曲があった気がする。
誤字はずかしい!!
【大切なもの】
子供の頃、大切だったもの。
今、大切なもの。
この先、大切だと感じるであろうもの。
すべて等しく大切だと思えることが、
きっと優しさなのだと思う。
『大切なもの』
この言葉を聞いて最初に思い浮かんだのは合唱祭
普段はまとまりの悪いクラスなのに、
この曲を歌っている時だけは1つになれた気がした
離れ離れになっちゃうのが寂しいな。笑
私の冴えない高校生活に素敵な思い出をくれたこの曲が
私にとっての ”大切なもの”
失ってから大切なものに気づく
人、物、環境etc
失ってから気づくのではもう遅い
捨ててしまう前にほんの少しだけ
距離を取ろう
本当に大切なら恋しくなるだろう
新婚当時
マリッジリングを彼女が無くして
「大切にしてくれなかったの!?」って
僕は棘のある口調で叱った
けれど20年経った今
……心の奥底から後悔している
「黙って出て行くほど辛かったのかい?」
彼女に苦労させないように
困らせないように
大切に大切に
彼女を置いておいた結果、居なくなった
大切なものほど
大切に扱い過ぎてはいけない
彼女のマリッジリングは
大切に大切に
身に付けていたから不慮の事故が起きたんだ
#大切なもの
あなたへとつながっていたこの糸の切れ端今もつかんだままに
[大切なもの]
「お兄さん!少しお時間いいですか?」
後ろから急に話しかけられて少し驚いてしまう。
「私ですか?」
「はい」
「…なんのようですか?」
一応聞いてみたものの、インタビューのようなものだろう。
話しかけてきた女性はマイクを持っており、その後にはカメラマンがぞろぞろと。
「皆さんの大切なものをインタビューしております」
「はぁ」
大切なもの?
「早速いいですか?」
「え?あ、はい」
「貴方の大切なものを教えてください!」
「少し待ってくださいね、考える時間を」
「はい」
………。大切なもの……。大切なものか……。何かあるだろうか?私はまだ20代。
人生経験も豊富とは言えない。
そんな私の大切なもの……。
「あ」
「なにか思いつきましたか?」
「まぁ、ぶっちゃけた話し、お金ですかね」
「お金は大切ですよね〜!」
「そして、私にとってお金の次に大切なものは「時間」なんです」
「時間ですか、理由を伺ってもいいでしょうか?」
「理由?…そうですね、理由…ぱっと思いついた事でも良いですか?」
「勿論です」
「私はまだ20代なんですけど、趣味も子育ても仕事も、時間が足りなくなってきて…」
「すみません、質問があるんですが聞いても大丈夫でしょうか」
「答えられる範囲なら…」
「では、まず趣味は何をなさっているのですか?」
「…料理作りですかね」
「成る程!いつ頃からですか?」
「いつ頃から…小学生くらいからですかね」
「そうなんですか〜、次にお子さんは何歳くらいなんですか?」
「1歳です」
「奥さんとはうまくいっていますか?」
「うまくいってますよ」
「家事って分けてたりします?」
「子育ては妻がやってくれているので、その他の家事はすべて私がやっています」
「奥さん、不満とかを言ってくることは無いんですか?」
「いえ、一応子育てもできる事は手伝っています」
「夜泣きはどのようにしているのですか?」
「3時以降は私が対応しています、といっても家の子はそこまで泣かないのでやったことは数えられる程度なのですが」
「お仕事は何を?」
「すみません、控えさせていただきます」
「ありがとうございました、続きをお話し下さい」
「あ、はい。っと、さっきも言った通り時間が足りないんですよね」
「……」
「…だから、これからも一日一日を大切に使っていきたいと思っているんです」
「はい」
「でも、手に入らない時間を求めるのは余にも時間の無駄なので、少なくとも役にはたつお金が大切かなって思っています」
「だからお金の次に時間が大切なんですか?」
「そうですね」
「因みに時間の次ってなんですか?」
「………知識、ですかね?もっとも、私は頭が悪いんですけどね」
「偏見なのですが、「愛」と答えると思っていました」
「なぜですか?」
「貴方には奥さんも子供もいるじゃないですか」
「そうですね」
「愛がなければ奥さんも子供もできないんじゃないですか?」
「私はこう考えています。知識があればお金も愛も手に入ると、時間は無理かもしれませんけど」
「本当に知識で愛が手に入るんですか?」
「はい、自分が本当に愛した人に、今までの知識を使って愛してもらう…ではダメですか?」
「それは、今の貴方なのですか?」
「昔、友人がそうやっていたのを見ていただけです。さっきも言ったでしょう?私は頭が悪いんです」
「そうですか」
「もしも本当に私の頭が良かったら、時間の手に入れ方も分かったかもしれません、大切な用事があるので失礼します」
「失礼ですがどちらに?」
「頭の良い友人の所に会いに行くんです」
「今日はインタビュー有難うございました」
「いえ、ではこれで」
私は笑顔で立ち去った。
まぁ、全て「頭の良い友人」の受け入れなのだが。
ー大切なものー
300字小説
時を越えた贈り物
流行病に効く薬草を懐に魔の森を抜ける。
これを飲めば病の妻が助かる。産まれてすぐ引き離された子を抱かせてやることが出来る。……しかし、やはり魔の森の魔物は強かった……思った以上に深手を負ったようだ……足が動かなくなり……目の前が暗くなる……頼む……誰か……この……薬草……を……俺の……大切なものに……。
十年ぶりに流行病が村を襲った。僕の父は病の薬草を採りに魔の森に行って帰らず、その後、母は亡くなった。
その病に幼馴染がかかった。周囲の反対を振り切り魔の森に向かう。
森の入口に緑の繁みが。よく見ると薬草の葉だ。森の奥にしかないはずなのにどうして? いや、今はとにかく。
僕はその葉を摘むと村へと走り出した。
お題「大切なもの」
僕が何よりも大切にしているものは…
考えてみたけど、やっぱりあなたです。
嘘じゃありません
馬鹿にしてもいません
僕はあなたが何よりも大切だ
口説き文句だとお思いですか?
それとも純情だと?
いいえ、これはそんなに綺麗でも単簡でもないんです
もっと肚の下から湧き上がってくるような、粘着質なものです
フェルマーの最終定理より複雑で、いじましいものです
今だって、それを吐き出さないようにぐっと堪えてる
ねえ
僕はあなたが好きなんです
愛しているんです
いいえこの感情を知らなくていいんです
あなたはただ呼吸をして咀嚼して嚥下して生きてそれで
ただ、僕に笑いかけてください
大切な人なんです
本当です
お題『大切なもの』
あなたの大切なものが知りたい。
あなたの大切なものを、私も大切にできるようになりたいから。
#30【大切なもの】
捨ててきてしまった
取りに行くのは めんどくさいな
片道切符を探しても
なかったとき どうしよう
探してたら むだな時間が経っちゃって
戻る切符がないの きづいちゃったんだ
わーん わーん
むせび泣いても、帰ってこない
幸せをくださいな
叩いた手は からっぽ
そのときは大切だと思ったのに。
大切に仕舞い込んだらしき貝殻。メモ帳の切れ端。コートについていた予備のボタン。
時が経てば色褪せてしまうのは何故だろう。愛しく思った気持ちはどこへ行ったのだろう。
蒸発した気持ちも、雨になってどこかの誰かに降っていたら、少しは救われる。明日はところにより雨。
大切なもの。
自分が育んできたものは、
突然壊されることもあるけど
それでも心を忘れず、
育み続けて。