『大切なもの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「あなたの大切なものってなあに?」
のんびり過ごす休日。テーブルで3時のおやつを食べていると、目の前のキミが不意にそんなことを聞いてきた。
「何?急に」
ドーナツを食べる手を止め聞き返すと、今読んでいる雑誌に、あなたの大切なものは何ですか?というアンケートの結果が載っている。とのことで、俺にも聞いてみたそうだ。
「うーん、そうだなぁ」
ドーナツを一口かじり
「アンケートの結果はどうなの?」
気になったので聞いてみると
「お金だって」
と言われる。
「ふうん、お金ねえ」
ドーナツをもう一口かじり、飲み込んだあと、俺は口を開く。
「確かにお金は大切だけどさ、俺の大切なものは、キミとの生活かな」
「私との生活?」
「そう。愛するキミがここにいてくれる。一緒に笑ってくれる。同じ道を歩いてくれる。本当に毎日幸せで、かけがえのないものなんだ。そのかけがえのないものを失わないために、仕事も頑張れるんだよ。だからさ」
俺はキミの手を取り
「一緒にいてくれてありがとう」
笑顔を向けると
「こちらこそ、ありがとう」
キミも微笑んでくれたのだった。
「見て、懐かしいもの出てきた」
春うららかな平日の午後3時。濃いめに入れた緑茶といちご大福で素敵なおやつ時を過ごしていると、押し入れの整理をしていた母から声がかけられる。その手には表紙の端が少し破れたノートの様なものが握られていた。
「なにそれ」
「学級文集。あんたが小学生の時に書いたやつよ」
「えー、そんなの書いたっけ。というか掃除途中でしょ、戻りなよ」
「手伝い免除したげてんだから、話し相手くらいにはなりなさい」
そう言って母は私の隣に腰を下ろし文集を開く。相変わらず強引な人だ。まあ、思い出に浸るのも悪くはない。粉まみれの手をウェットティッシュで軽く拭きながら文集に目をやる。
「ん、」
すかさず母が私の横腹を肘でつついた。何事かと軽く睨めば急須の方に視線を向けている。溜息をつきながら彼女の分のお茶を入れた。
学級文集は小学二年生の終わりに書かれたものらしい。題材は『将来の夢』とまあありきたりなものだった。警察官に看護師さん、お花屋さんといった一般的な職業から怪獣やクレヨンのような荒唐無稽なものまで様々で、各々の自由な発想が感じられる。大人になって擦れてしまった私にとっては、小さな彼らの夢物語はとても輝いて見えた。
「あ、あんたの書いた奴見つけた。どれどれ〝わたしのゆめは〟……」
「ちょっと音読しないでよ。流石に恥ずかしい」
「少しくらい良いでしょ。えーと、〝きらりちゃんとおかしやさんをやることです〟だって。かわいい夢じゃないの」
楽しそうにけらけら笑う母。忘却していた過去の夢を暴かれた、何とも言えぬ恥ずかしさが頬を熱くする。我が親ながら無遠慮なものだ。ただ、悪意はないのだろう。 笑い声からは馬鹿にしている、というよりは我が子の成長を懐かしんでいるような柔らかさが感じられる。そんなところが憎めない。
口に出そうになった文句を緑茶で流し込めば、少し熱めのそれは体温と同化するかのように染み渡った。うん、やっぱり渋い緑茶は良いな、ほっとする。
それよりも〝きらりちゃん〟か。 彼女のことは覚えている。 気づいた時には友達で、いつも一緒におままごとやかくれんぼをして遊んでいた。いちごが大好きでよく笑う、 そんな子だったはずだ。
4年生になる直前に引っ越しか何かで離れ離れになってしまったが、今頃はどんな人生を歩んでいるのだろうか。 何だか無性に気になった。
「きらりちゃん、 今どうしてるんだろうね」
そう何気なく呟けば、母は一瞬きょとんとした顔でこちらを見る。そして、またけらけらと笑い始めた。
「なに笑って。 何かおかしいこと言った?」
「ごめんごめん。そっか、言ってなかったか」
「言ってないって何を」
「きらりちゃんはあんたのイマジナリーフレンドって奴なのよ」
イマジナリーフレンド、 空想上の友達。 意味を理解するのに数秒かかった。しかし納得はいく。 いくら幼少期の記憶とはいえ友達になったきっかけや家の場所、彼女の家族や離れ離れになった理由、そういった個人情報がごっそり抜け落ちているのだ。
それに先程から文集の中に〝きらり〟と呼べる名前の子が書いたものが見当たらない。特徴的な名前だ、存在するならば気づかないわけがない。もちろん同い年じゃない可能性も残っているが、そんな微かな可能性より何故だか母の一言の方が何倍も信じられた。
「きらりちゃんが来たからジュース出して〜とか、きらりちゃんのお母さんに挨拶して〜とか、お母さん大変だったんだから」
「なら、 どうして今まで言ってくれなかったの……」
「あんたが信じてる大切なお友達を、ほんとは居ないだなんて言えないでしょ」
「そりゃそうかもしれないけど」
形容しがたい感情に思わず机に突っ伏す。 忘れてしまった幼少期の夢、見えなくなったお友達。当時は何でもないものだったそれらは、今となっては得ることの出来ない、純粋で特別なものだ。少し切なくて、どこか温かくて、なぜだかむず痒い。
記憶の底に埋められたタイムカプセルの威力は、なかなかに凄まじいものだった。
「大人になるってちょっと残酷だね」
「なに知ったような口きいてるんだか。 私から見たらまだまだ子供だよ」
「まあ、でもさ」
顔を上げ、 半分残っていたいちご大福を口に運ぶ。 いちごのさわやかな甘酸っぱさがこし餡の甘さに包まれて、先程までの思い出話に似てるなとぼんやりと思った。
「こうやっておやつ食べながら話している時間も、十年後思い返したら大切な思い出になってるのかな、とか考えた」
「そうかもねえ」
母はうんうんと頷いてお茶を口に運ぶ。 カーテンが揺れ、温かな風が室内に取り込まれる。風に紛れて下校中だろう子どもたちの、弾むような話声が聞こえてきた。
【大切なもの】
当たり前に近くにあったもの
失って大切だと気づく
失って当たり前じゃないと気づく
何気ない一言で全て変わってしまうかもしれない
言葉は取り消せない
くれぐれも慎重に
僕らのようにならない為に
「大切なもの」
大切なもの自分で作るものではない。
大切なものはできるものなんだよ。
『大切なもの』
私の大切なものはいつも財布に挟んでいる2枚のチェキカメラで撮った写真だ。
私の15歳の誕生日の前日に撮った最初で最後の家族写真
私の家は家族皆仲が良いって訳では無かった。
祖父と母と私の三人家族。
母と祖父は仲が悪かった。
私と母は仲が悪かった。
母は祖父から逃げるように家にほとんどいなかった。
私は母に会いたくなくて会いに行かなかった。
私が母に会わなくなって一年以上経ったある日母が癌で春まで持つか分からないと言われた。
だから最後に会って欲しいと祖父から凄いお願いされたけど大好きな祖父からのお願いでも私は母と会うのは嫌だった。
私はまだ母を許せていないから、いや許せないから
だから会いたくないんだと思った。
ある日祖父にドライブに行こうと言われた。
私は久しぶりにら大好きな祖父とドライブに行ける!と張り切りっていた。
しかし着いたのは病院で、
お母さんと会いなさいと強制的に病室に連れてこられた。
私の名前を呼ぶ声が聴こえた。
何かを耐えているような弱々しい声だった。
私は病室の前で気がついたら泣いていた
人の目なんて気にしないで病室のドアの前で泣いてひたすら許せなくてごめんなさいと泣いた。
その日はそれで終わった。
祖父が何回も会わせに行くしお願いするから私はついに母に会うことにした。
扉を開けて俯いていた顔を上げてチラッと見てみるとそこには母だけど母では無い誰かが居た。
あれ?
こんなにガリガリだったっけ?
こんなに弱弱しい声だったっけ?
こんなに呂律が回らなくなってたっけ?
こんなに無理して笑う人だったっけ…
話してみるとやっぱり母で
ジャニーズが好きで祖父が大嫌いで可愛いものが好きでお菓子が大好きないつもの母だった。
でもトイレもお風呂も自力で出来なくなっていた。
喋るのも一苦労で元々統合失調症でそれが酷かったけどもっとそれが酷くなっていて寝返りも起き上がるのさえも出来なくなっていた。
久しぶりに見た母は随分変わっていた。
話す時久しぶりすぎてどう接していいか分からなかった。
でもその時はまさか次会う時が最後になるなんて思ってもなかった。
12月の初めに私の誕生日がやってきた。
誕生日の前日が日曜日でその日祖父と母と母の病室でお祝いしてチェキカメラを貰った。
さっそく私の誕生祝いという事で撮った。
1枚は3人で撮った写真
1枚は母と私のツーショット写真
次会うのは再来週になった。
来週は修学旅行の準備やらで忙しくて日曜日は荷物検査があったからだ。
「お母さんにお土産買ってくるね」
「ほんと?!待ってるね!!」
そんなやり取りをして修学旅行に行っていた2日目
昼の三時頃私はお母さんに買うお土産を選んでいた。
手がカサカサだったからゆずの香りのハンドクリームにしようと思って買って何事もなく修学旅行から帰ってきたらお迎えの車が叔父さんの車だった。
嫌な予感がした。
母が亡くなった
結局渡せなかったゆずの香りのハンドクリームは棺桶に入れた。
亡くなったのはちょうど2日目の三時頃だったらしい。
私の手元に残ったのは2枚の写真だけだった。
私の大切なものはいつも財布に挟んでいる2枚のチェキカメラで撮った写真だ、きつい時辛い時泣きたい時はいつもそれを見ている。
何故かそれを見ると元気を貰える気がしてくるから。
ふふっ
いいおかお
そのために私は
仕事をして
ご飯を作る
ほらほら
ほっぺにごはん粒ついてますよ
𓏸︎︎︎︎𓈒 𓂃大切なもの
私の大切なものは、
貴方の幸せです
元から、自分が幸せになるより
人が笑顔になってる方が幸せだった
それが シアワセだもんね
当たり前の日々
自分に与えられた時間
健康なココロとカラダ
あとは、時々めんどうに思う家族
そういえば、感性だった
私が1番の理解者でいたかった
私が1番の信仰者でいたかった
しかし、世界を知って私を知った
「私はどこにでもいる人間であろう」
大切なものすら、思い出すまで忘れていた
#大切なもの
『出逢えたこと自体奇跡なんだと思う。
お互い人間として生まれたこと、何億人といる人間の中で
巡り会えたこと、その中でこうやって関わりあっていること。全てが運命的で、奇跡的で、神秘的なんだって。』
-僕の大好きな君へ、
出逢えて良かった。巡り会えて良かった。
君は僕にとって、かけがえのないたった一人の愛する、失いたくない大切なひと-
大切なものを地面に埋めた。
大切なものはいつも元気を与えてくれた。
大切なものを埋めるための穴を掘った。
大切なものは生きる理由をくれた。
大切なものを地面に埋めた。
大切なものはいつもそばにいた。
大切なものに土をかぶせた。
大切なものと、、、
あなたはどうかお大事に。
#大切なもの
自分の大切なものを考えた時
物ではなく人を思い浮かんだ
『 私の大切な者 』
それは貴方だなぁっと
何故なのかな…
君との関わりは
恋愛モノでも友情モノでもないのに。
〜大切なもの〜
私の大切なものは推しです。
なぜなら、私を救ってくれたからです、
私には推しが二人いて1人目が莉犬くんです。
彼は私が病んでる時に救ってくれました。
2人目は穂波ちゃんです。
彼女は、私にいつも元気をくれます
彼女がいると頑張れて、ずっと笑っていて欲しいです。
自分との対話
今まで自分の心は何処かに置き去りにしてきたようなところがあったなって…。
大切なものはたくさんあるけど、これからはちゃんと自分も観てあげようと思う。
『大切なもの』
アニメやドラマを見たとき、
漫画や小説を読んだとき、
音楽を聴いたとき、
心の中に溢れる想いを失くさないで。
私もあんな作品を作りたい。
私もそちら側へ行きたい。
私の世界も見て欲しい。
誰かの作品は私の人生を支えてくれたから、
私も誰かの人生を支えられるような作品を作りたい。
思ってるだけじゃ何も始まらないし、
才能がないくせに努力もしないから、
実現するのは難しい。
それでも、その想いだけは忘れたくない。
忘れようとしたって忘れられない。
キラキラとした大切なもの。
それを夢と呼ぶのでしょう?
大切なもの
私は、物の扱いが雑い。
この先ずっと、大切にしていきたい。
No.42『無題』
散文/掌編小説
生まれたときも一人だったのだから、当然、死ぬときも一人なのだと思っていた。
「————」
しっかりと握られた手。君が何か言っているのは分かる。だけど、もう君の声は、ぼくには聞こえない。薄れ行く意識の中で、ぼくは君に出会った頃のことを思い出していた。
あれは高校の入学式。緊張に吐きそうになりながら席に座ったとき、
「なあ、あれが校長かな。スポットライトが当てられてるし」
隣の席に座っていた君が言った。君の視線が示すほうを見やると、確かに眩しい頭をした校長先生がそこにいて。
「ぶっ!」
緊張が解れたと同時に周りの注目を浴びてしまったぼくは、声を掛けてきてくれた君のお陰で、たくさんの友達に恵まれた。
あれから卒業、就職、いろんなときを経て、みんな散り散りバラバラになった。ただ、君はずっとそばにいてくれて。そうしてぼくは、寿命を迎えた。
「————」
相変わらず、君が何を言っているのかは分からないけれど、ぼくは君といられて幸せだった。大切なものを胸に向こうで待ってるから、また向こうでも一緒にいようね。
それじゃ。先に逝ってるね。
お題:大切なもの
大切なものって何ですぐ、
壊れるんだろう。
友達が大切なものって思ってたら、友達と
ケンカした。
恋人が大切なものって思ってたら、突然別れを
告げられた。
なんでだろう。
私の人生に大切なものは“必要ない”って事なのかな。
そんな事ない。
必要なくてもいつかはきっと出来るもの。
“大切なもの”は自分の心を癒すもの。
“大切なもの”は自分を楽しませてくれるもの。
きっと“必要”って思える日が来るよ。
大切なものこそ怖いものってあるよね。
例えば
触れてしまえば壊れてしまいそうで怖い
大切なものを大切にするのが難しくて怖い
大切にしたいけど、どう扱えばいいのかわからなくて怖い
なくなってしまったら怖い
とか、いろいろある。
そんな不安の中で共通してるのは
『大切にしたい』を
『大切にしたかった』
『大切にすればよかった』
にしたくないことなんだよね。
大切なもの
それは時間。時間の価値は、年齢によって異なる。
受験生のラストシーズン。
大学生の学期末休み。
社会人の連休。
しかし時間的価値は往々にして、過ぎ去った後に気付くものだ。あの時ああしていればとよく後悔する。
なので私はいつもこう考える。
私はタイムリーパーであり、この時間に戻ってきた。もう二度とあんな悲惨な結末は辿らせないと。
至極滑稽な、妄想癖を拗らせたような言い分だが、今を大切に生きようと思うとそれくらいの覚悟が必要だろう。