『夜景』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夜の帳がおりて、
静寂に包まれた街
輝いてる灯りが、
あの人を思い出させる
あの頃の君と手をつなぎ
肩を並べて、歩いたときも
あぁ今日も一人か
やはり今は独りなのか
建造物の隙間から、
垣間見える月
冷たいようで
あたたかい光
この夜景は、
孤独とともに生きる
だが、その美しさに
ひとたび癒やされる
消えることのない光の数々を見てると
まだ起きてる人がいて
一つ一つの明かりから
それぞれの人生があって
ただ綺麗なだけではない人々の物語をみてるようで
みんな頑張れ!自分も頑張るよ!って
夜景を見てるとそんな風に思う。
夜景
私は、田舎の夜が大好き。
殆ど人が通らない細い道を通れば、
虫の鳴き声、月の明かり、風の音。
とても平和で私の心を癒してくれた。
欲を言えば、貴方と一緒に見たいな。
「月が綺麗ですね。」
あぁ、貴方が来ないと知っていたら、
躊躇わずに寝てしまったのに。
貴方を待っているうちに、
夜が更けて、
西の空に傾くほどの月を見てしまった。
でも、月が傾く前に、
会えてよかった。
月の光は私たちの道になってくれる。
顔をあげて、笑顔で貴方の顔を見つめる。
「また、月の光を辿って会いに来てくださいね。」
- 夜景 -
「夜景」
いつも別れ際君は「またね」という。
それが当たり前になって僕は君のまたねを聞くのが好きだった。
でもある日君は「じゃあね」といった。
僕が「あれ?今日はまたねじゃないの」と聞くと
君は「今日はちょっとね、」と言って背中を向けた。
次の日君は星になった。
近所の人達は余命3ヶ月だったらしいと噂していた。
それからずっと僕は毎晩夜景を見ながら空に(君に)話しかけている。
ネオン街
千古不朽の月遥か
「夜景」
子供の頃の話。
夜、初めて外にお出かけした日
車の窓から見える景色に、私は釘付けだった。
遠くでキラキラと光る明かり
昼に見るのとは違う、真っ黒な世界にきらめく景色。
まるで秘密の冒険をしているようで
胸がドキドキした。
夜は怖いものだと思っていたけれど
その日から私は、夜が好きになった。
#夜景
夜景
明るい画面
そっと落として
目を閉じる
強く強く念じて
世界を広げる
君と夜景を見たくて、
丘を登った。
丘を登ると君はいなかった。
そうだ、今日は君の命日だっけか。
僕はそう思うとと後ろにいた君に空を見て
静かに微笑み、
「綺麗だね」と呟いた
作品No.171【2024/09/18 テーマ:夜景】
キラキラ輝く、夜の観覧車を見るのがすきだった。
点いていない電気が目立つようになっても、それを見れば、なんとなく安心した。
今はもう見られない、隣町の景色。
世界中
何処にでも綺麗な夜景は
沢山ある
人の夢や願いも世界中の誰もが
心に秘めてる
キラキラ輝かせながら
努力してる
部屋で見る夜景
貴方も世界中の何処かで
見てるのかな
夢を選んでわたしの元から
去った人
夜景
夜だから暗がりだからこそ
街の明かりがキレイに映える。
明かりがなくては、ただの暗闇。
ただの暗闇は無で不安で恐怖。
明かりがほしい。
この暗闇を夜景にしてほしい。
私の願いをそっちのけに
52ヘルツの鯨が夜海を泳いでいる。
山の麓から
ロープウェイで上がって行くと
たくさんの人達
皆 夜景を見に来ている
展望台は吹きっさらし
夜の冷気は
10月とは思えない
夕闇から日没
そして
海に囲まれた街の夜景が
徐々に煌めきだす
私達は
寒さと風に抗いながら
ふたりで
それを見た
夜景
夜景はきれいなのかもしれないけど
誰と見るかによって、もっときれいに見えるよ
私の兄は猫になったらしい。
私には本当は兄がいたのだという。
母が急に子猫を連れて帰ってきた日のことだった。
「なんとなく、直感でしかないんだけどね。
あ、この子私の子だと思ったのよ。」
どうやらこの子は捨て猫らしい。
残念な話だが、この辺りは何故か捨て猫がよく保護される。
今までも何度か保護してボランティア団体に引き渡したことがある。
かわいいけど飼うのはちょっとね、とよく母が言うのは、幼少期に飼っていたインコとの別れが相当トラウマだったかららしい。
だから今回も同じだと思っていた。
「この子は家族として迎えたい。」
「えっ?」
「直感だけど、私の中では確信してるの。
この子はお兄ちゃんの生まれ変わりだって。」
「…えっ?」
「あなたが生まれるずっと前、実はね」
母は思ったよりサクサクと話を進めた。
25年以上経って傷が大分癒えていたことと、母の中では姿形を変えて戻ってきたと思っているから悲観的にならなかったのだろう。
何度も猫を保護していたので最低限のものは揃っていたので、あっという間にこの子は家族になった。
カイと名付けられた猫は、
今日も私の部屋に来ては出窓に居座った。
カイというのは私が男の子だったらつけられる予定だった名前だと聞いていたが、恐らくお兄ちゃんの名前候補だったのだろう。
すっかりおとなになったカイは時折私のことを歳下だと思っているような行動を取った。
朝時間になると枕元で鳴いて起こしにくるし、
抱っこされるのは苦手で抵抗するくせに、私が手を伸ばすと嫌そうにしながらも抱っこ待ちしてくれる。
玄関まで送り迎えするし、お風呂がいつもより長いと扉越しに大声で鳴く。
母はもうカイを兄と重ねた発言はしなくなっていたが、
まるで世話焼きな兄のような行動をするカイが本当に兄の生まれ変わりのような気がしていた。
猫の色覚は赤を見分けることができず、青は見分けることができるのだという。
ここ数日で兄のように感じていたカイと見えている世界が違うかもしれないと知って、ほんの少し寂しく思えた。
ふと出窓に目線をやると、カイは静まった外をじっと眺めていた。そういえば夕方より日が沈んでから出窓に来ることが多い。
もしかして、カイにとって夜はとても神秘的な美しさで見えているのかもしれない。
小さい頃から当たり前で感動すらなかった景色。
猫の目を通して兄も見ているのだ。
きっと、私が見ているよりずっと綺麗に。
【夜景】2024/09/18
夜風が吹き抜けていく。
夜は随分涼しくなった。
チカチカと光る信号機が見える。
仄かにオレンジの街灯が照らす漆黒のアスファルト。
向こうのビルの窓から、蛍光灯の光が漏れている。
ぼんやりと夜景を眺めて、飲み物を一口飲む。
冷たいアルミ缶の曲線を撫でる。
カフェインの甘ったるい苦味が、喉に染みる。
色とりどりの灯りで彩られた地上から、空を見上げる。
星一つない真っ暗闇だ。
西日で目を覚まして、夕焼けで空が真っ赤に染まる頃に家を出て、ここまでやってくる。
書類をまとめて、時計のネジを巻いて、今日の仕事の段取りをして、デスクに座る。
そんな、完璧な夜行性の生活を始めて、もう2年が経つ。
この時間の外は、寂しい。
賑やかな灯り以外は、何もかも夜の帷に包まれて、すっかり沈黙を守っている。
星も月も夜に埋もれていて、夜の空気は静かに張り詰めている。
遠くから、土木作業の点検車の音が聞こえる。
最寄りの駅では、回送列車の点検でもしている頃だろうか、夜の張り詰めた空気に、低い駆動音がかすかに響いている。
この寂しい、人気のない夜景は嫌いじゃない。
夜の街、この夜景の、蝙蝠のような主張のない静けさが、むしろ好きだ。
そして、この仕事も俺はすっかり気に入っている。
缶を傾けて、中身をすっかり飲み込んでしまう。
ランドマークがぼんやりとライトアップされている。
そろそろ仕事に戻らなきゃな、休憩は終わりだ。
カフェインを一滴残らず飲み干して、そう思う。
まだ、翻訳しなくてはいけないメールが幾つもあるのだ。
それにあんまり遅くなると、向こうで定時が来てしまう。あの国は、みんな定時が来ればさっさと帰ってしまうから、至急の仕事は早くやってしまわなくては。
缶の腹に親指を添えて、グッと力を込める。
ぐしゃり、と音を立てて、アルミ缶が撓む。
俺の仕事はメールの翻訳だ。
仕事場に着いたら、時差の少ない国から順に、外国から届いた問い合わせメールやビジネスメールをできるだけ分かりやすく、自然な正しい日本語に翻訳し、逆に外国人向けに日本語で書かれたメールを、分かりやすくて自然で正しい外国語に直す。
日本語に直したメールは、それぞれの宛先の受信ボックスに、原文メールに添付してしまう。
外国語に直したメールは、時差を考慮して、現地の常識的な時間に間に合うように送りつける。
翻訳は、簡単なようで難しい。
そして、結構楽しい。
送り主のメールから、送り主が伝えたいことを読み取る。
文化や言い回し、単語の微妙な違いを踏まえて、送り主の伝えたいことをピタリと言い表せる言葉を探す。
メールを組み立てて、送信する。
そうしてやっと作り上げたメールを読み返して送信する時には、達成感と愛着が心を満たす。
試行錯誤して出来たメールが、送り主の伝えたいことを巧く表せていれば表せているほど、それは俺の言いたいことではないはずなのに、メールがなんとも愛しくて、俺の芸術や表現という感じがして、なんだか作品のような気さえする。
自分で一から何かを書こうとは思わない。
なぜか俺には、ピタリと単語がハマって、誰かの言葉を巧く綺麗に取り持てた時が、一番楽しいのだ。
変わっているな、と知り合いや友人からはよく言われる。
夜勤なんて寂しいな、と言われることもある。
だが、俺はこの仕事が、生活が好きだ。
寂しい夜景に彩られた、孤独の地味なこの仕事が。
天職なんだと思う。
俺は、夜景が肌に馴染む人間なのだ。
帳を、黒子の衣装を纏っていたい人間なのだ。誰がなんと言おうと。
空は相変わらず真っ暗だ。
アルミ缶をゴミ箱に投げ入れて、踵を返す。
蛍光灯で眩しい、自分の仕事場に向かって歩き出す。
夜景は相変わらず、独りぼっちで静かに、とても眩しく瞬いていた。
夜景
あなたと見る夜景は絶景。あなたがいれば普通のものでも全て夜景みたいに華やかになる。恋じゃない。愛よ。
君と見た夜景。
凄く綺麗だったな。
この世のものとは思えないくらい綺麗だった。
そして今は彼氏じゃなく、旦那さんになった貴方と、この景色を見ていた。
夜景
たまたま生徒会の仕事が進まず、終わったのが6時だった。
夏ならまだ明るい時間だが、冬なのでもうすっかり暗くなっていた。
先生が送ってくれると言うので、少し待っていることにした。
不意に窓の外を見る。
私は目を見開いた。なぜなら、あまりにも綺麗だったから。夜の学校、満月の光、街の灯り、これほどロマンチックな景色は無いと思った。それ以上に私は驚いていた。学校でこれほどまでに綺麗な夜景を見ることができるとは思っていなかったから。学校はどうやっても映えないことが多い、映えるところもあるけれどやはり私の目には映えるものには見えなかったのだ、がその考えがこの夜景を見て一瞬にして消え去った。
この景色を目に焼き付けんばかりに見ていると、遠くの方から先生の呼ぶ声が聞こえてきた。その声にハッとして、私は小走りで廊下を進んだ。
―また、見れたらいいな
【夜景】
最上階のレストラン
ほらみてごらん
わぁーすてき、まるで星空のようね
君の方が素敵だよ
きゃー
別の階、別の部屋
おい見てみろ、夜景が星空のようだ
わー、この明かりの数だけ働いている人々がいるんだなー
願わくば、皆が心穏やかに安らげる日が来ることを願おう
そうだな…で、この書類なんだが…
同時刻、同じビル、別の階、語られる会話
夜景って、ようはみんな働いてるんだろ
綺麗というより気が滅入るね