『夜景』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
陽が落ちて、街に明かりが灯る。
ここから見る景色が何故だか、寂しい。
鞄からスマホを出して、画面を見つめる。
特に通知はなく、ため息をついてカメラを起動させた。
カシャリ。
無機質な音は、私を余計に孤独にさせるのに、
画面に写された景色はとてもとても温かかった。
オレンジの家の灯り、青い街灯、車の黄色いライト、
商店街のネオン、全てがキラキラとして、
闇ですら寄せ付けない気がした。
あの中に戻れたら、
寂しさはなくなるのかな…
戻りたい。
でも、このまま闇に消えてもいいような気もする。
~~~♪
突然鳴ったスマホを見て、私の頬が弛んだ。
「もしもし?
…いま?夜景見てた。…うん。いつもの所。」
通話が終わると、ベンチに腰掛ける。
もうすぐ、私をあの灯りの中に連れ戻してくれる人が来る。
嬉しいような、残念なような、
なんとも言えない気持ちだけど…。
今はもう少しだけ、外側の闇から温かさを見ていよう。
045【夜景】2022.09.18
夜。裏山の農道を弟の軽トラでのぼり、見晴らしのいいポイントで止めた。運転席から外に出て、バタム、と扉を閉めると、足下に、ふるさとの「夜景」が広がっていた。
あそこが実家、あそこは同級生のだれそれの家、等々とはっきりと見てとれる、光の粒もあらく、数もまばら、さほど見栄えもせぬ程度の夜景ではあるが、その灯りのすべての下に、顔を見知ったあの人この人の暮らしがあるのだ、と想像すると、自然に涙がしたたり落ちた。
祖父母の代にはランプ暮らしだったこの村に、電気が通ったのは父が子どもの頃だったという。四季を通じてこうこうたる電気の光と、電線を伝わるようにして流れ込んできた新しい都会的な暮らし。しかし。その便利さと引き換えるように、この村も私たちも、とりかえしのつかぬものを失ってもいた。
家並みのへりに沿い、点々と街灯に縁取られている暗い帯が、用水路。あそこはかつて、蛍の光であふれかえっていたのに。夏になっても、いまはただ、人工の光に照らされるのみだ。
裏山からのこのささやかな「夜景」ですら、このしばらくはずっと、一軒二軒と空き家が増えて、歯抜けになってきているのだという。
村を出た私も、その流れをうながしてしまった一人、なのである。
【夜景】
夕暮れからの数時間。あの、空が静かに表情を凍らせていく時間が好きだ。
いつもの丘の上、そこは誰も居ない特等席。一つだけ、麓の工場地帯を一望できる位置にベンチがあるので、それに腰掛ける。
良かった、誰もいない。時々紛れる木々が揺れる音以外は、僕と空の2人きりなのだ。そうであってほしい。
一方的なこのやりとりで数える指を折るくらい、友達と言えるような存在はいない。心のどこかで強がりながら、ただ自分の狡さゆえであることはわかっていた。それでも何を口出しするわけでない空間は、シンプルに居心地がよかった。
ただ来ては黙って見つめる僕が、勝手に許されたい気持ちになるのは、相手が手を出せない自然そのものだからだ。ついぽろっと、弱々しく言い訳をしたくなってしまう。闇がじわじわと周囲を覆うように、心の端から墨が滲んでくるのだ。
ゆっくりと染み出すように僕の中心目掛けて、たくさんの腕が伸びてくる。ノスタルジックな怠さというよりは、泣き出す直前のあのツンとし始める鼻の痛さのようなものを感じる。
やがて斜め後ろに広がっていた影は、この場の空気に溶けていった。
夜は冷たい。この頃急に冷え込んできて、風が髪を弄ぶ。ぴゅうっと細い空気の束が、冬の訪れをくすくすと囁きながら伝える。
今日も麓で煌々とする光の一部として、両親が働いている。両親だけじゃない。先生に卒業した見知らぬ先輩に、道ですれ違う誰かの家族。この町に限らず、生活するために他を選べる人はほぼいない。仕方のないこととわかっていても、冷えたおかずを家で一人で食べる時は、薄暗い休憩室で食べる時は、何も考えずに文字通りの糧を得ているに過ぎない。
夜景よ、そろそろ僕らを家に帰してくれ。
窓から地上を見下ろすと、暗く、重い黒に広く、薄く撒かれた光の粒が見える。
某会社の社長の息子である俺が唯一共にいきたい人を逢引に誘い、来たレストラン。極一般人の家系に生まれた君と御曹司の俺。立場が違いすぎてどこに行けば君が喜んでくれるのか分からなかった。
「そんなもの、これから知っていけばいいでしょう?」
そう、自信ありげに君が言ってくれて俺は安心した。
中々肝心の食事が届かなくて暇潰しになるかと思い、窓の下を見下ろすが、何度も会食で見慣れた光景がそこに広がっていただけだった。これを綺麗と思うこともなくなった。
「綺麗…!」
その言葉を聞いて、俺ははっとする。目の前に座っていた彼女から発せられたものだった。これを綺麗だと思える彼女が美しい。そんな事を思いながら彼女に悟られぬよう、彼女を見つめる。
あ。きれいだ。そう思った。何よりも。頬を紅潮させ、子どものように無邪気な表情を見せる。そうした君の瞳に映る、光の粒一つ一つが。星みたいで。儚くて。眩しくて。
見た事あるのに見た事なくて。俺は財力があって、なんでも手に入れてきた筈なのに。君は俺が知らないものをいっぱい持ってる。
また、君の瞳に映るそれがみたい。俺の全部をあげるから、君の全部もおれに頂戴。
「大好き」そう言ってくれるのに
私から喧嘩の原因を生み出してしまう。
「ごめん」ってたった3文字を言えばいいのに……
口に出そうとすると、喉の奥で詰まって、出せない。
心の中では何度でも言える。
「好き」がこんなにも苦しいんだ……
こんなにも愛しい彼がいるのに、私は「ごめん」も、「大好き」も言えないままなの?
そんなの嫌!!
今伝えに行くから 「ごめん」も「大好き」も「ありがとう」も、伝えに行くから待ってて。
あなたの1番になりたい。私の今の夢!!
不倫てぇ〜のは夜のカーテンだと思う。
開けなくていいんだよ。本当は。
開けない方がいいんだよ。本当に。
眠れなくなっちまう。
それを、開けちまうから、堪らなくなって、飛び出して人の道を外しちまうんだよ。
夜景なんざ、夢の中だけで見るがいいのさ。
貴方と一緒に見た、オレンジや黄色に輝く夜景。
夜景とはいえやけにぼやっとしてるなと思っていたの。
でも今になって分かったわ。
あの時きっと私、泣いてたの。
美しい景色が、貴方と一緒に見れることでもっと輝いているように見えたんだと思うわ。
こっちではもう一緒に夜景は見られないけれど、
もう少ししたら私も天国へ行くから。
そうしたら世界中の夜景を空の上から一緒に眺めましょうね。
「夜景」
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一人で見た夜景は
儚くもありそして綺麗だった
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Theme:夜景
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夜景を誰と見るかでその場の気持ちは変わる。
友達と見れば、穏やかな気持ちになる。
嫌な人と見れば、不穏な気持ちになる。
恋人と見れば、儚く、感傷的になる。
時間が過ぎていくのが惜しい、
今日という日が終わるのが惜しい、と思えるのか。
そんな相手を見つけるのが生きるということなのか。
「先輩、歯の浮くようなセリフってどんなのですかね」
背の高い彼が少し腰を曲げて私の顔を覗き込むように聞いた。
「この宝石より綺麗だよ、とか?生まれ変わっても一緒になろう、とか?」
「成程。それで先輩はそう言うの嬉しいんですか?」
「好きな人に言われたらそりゃ多少は嬉しいんじゃない?」
彼は私の目をじっと見て、それから指を指した。彼の長い指がさした先には、ネオンライトの灯が色とりどりに光っている。
「この100万ドルのナンチャラと言われるものも、先輩の美しさには敵わない」
「なんちゃらって...締まらないなぁ」
ふふっと笑う私の右手をぎゅっと握った彼は歩き出した。
「先輩は地上に舞い降りたエンジェルですね」
「それはすごい酷いね」
「僕たちの出会いはまるでディスティニーのようだ」
「チョイチョイ言うその英語なんなの」
ははっと声を出して笑った私を彼は嬉しそうに見下ろしている。
「それじゃあ…」
そう言うと私の前に跪いた。片膝を立ててポケットから四角い箱を取り出した。コレは......テレビなんかでよく見る、アレじゃないの....?
「僕は先輩に会う為に生まれてきました。貴方の全てが愛おしい。必ず幸せにします。結婚してくれませんか」
「わ...勿論...すごい素敵...」
「泣かないで。ですが先輩の宝石のような涙はこの夜の景の何倍も綺麗です。」
「ああ、さっきは良かったのに...!今のはダサい...!」「なんと...難しいですね」
「もう普通にプロポーズしてっ」
「ははは」
#夜景
女性は男性よりも認識できる色の数が生まれつき多いんだって聞いたんだけど、ほんとかなあ?
と、話してくれたのは果たして誰だったっけ。
思い出したい、でも思い出せない。
「いま、何考えてる?」
夜景を眺めながら、彼氏が言った。
「え、いや、きれいだなと思って」
当たり障りのないことを私は言う。
思い出したい、でも思い出せない。
夜景はキラキラと滲んでいる。
#夜景
俺は夜景が好きだった。
都会の人工的な明かりが煌めく夜景も、田舎の星がキラキラと光っている夜景も。
でも、きみと出逢ってから見る夜景はもっと好きだった。
そこで見えるものは夜景だけじゃなくてきみの笑顔もあったから。
街路灯やネオンライトに照らされるきみの笑顔は太陽に照らされるのとは違う美しさがあった。
星空の下ではきみが星になってしまったのか、と思ったことすらある。
でも
もう、
きみの笑顔を見ることはないだろう。
「せめて最期は、きみと綺麗な夜景を見たかったなぁ、、、」
いつ見ても夜景だけは綺麗だ。
暗い夜に少しだけ住宅の光がちらちら輝いている。
私の顔面もそんなふうにならないかな。
いつまでも綺麗で輝く自分。
そう、『 夜景』のように。
「夜景より君の方が綺麗だ」
ベタなこと言うだろ?
でも本当のことだからさ
それどころじゃない方々
みんな無事でいてね
《 夜景 》
遠く離れた海辺の街で。
夜景を見ながら君と歩いた。
今まで、悩んで悩んで、自分を責めて、心底自分が嫌いになって。
それでも誰にも言えなかったことを。
美しい夜景を眺めながらなら、なんでもないことのように吐き出せた。
美しい景色には。
そっと優しく背中を押してくれる、魔法のような力がある。
夜景
今の夜景はとても綺麗だ
街全体が明るくて、夜でも街は活気にあふれている
でも、人工的な明かりが一切ない
いつもの風景が漆黒の帳に覆われたような
そんな中で見る月明かりに照らされた夜景も
美しくて、神秘的で
私は、とても大好きだ
『夜景』
きちんとした
ただしい よるだった
夜景をみにいったね
よるのくうきは こく つめたかった
まちのあかりは うつくしく つめたかった
タクシーのうんてんしゅさんとなかよくなったね
あのよるの いっしょにいた ひとたちにも
あのよるの うんてんしゅさんにも
あのよるの わたしにも
そして あのよるの あなたにも
もうにどとあえない
きちんとした
ただしいよるだったのに
誰かは 人工的 だと言って
隣の恋人たちは、とても嬉しそうに見ていて
僕は、その夜に沢山の人たちの中が同じものを見ている
その事がとても素敵に思えた
「君と見る夜景はとても綺麗だ。」
この時はまだ彼に浮気をされるなんて思ってもみなかった。
全財産彼にあげて一生そばにいようと思っていたのに。裏切られた…
私はあなたを許さない
今あなたの隣にいる女も浮気をしたあなたも私の手で殺す。
「あなたの血は夜景のように美しく光っている」