『夜明け前』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「夜明け前」
今日も家族にバレないように起きて、家を出る。
日はまだ出てないものの、あたりが眩しく感じる。
寝起きだからだろうか。少しあたりをブラブラしながら目的の場所に向かう。
目的地につくと、ハニカムような笑顔をばらまきながら君は私を待っていた。私と君の二人だけの秘密の時間。
私が「感情がない。」っと言ってから始まった不思議な時間。
最近この時間がくると、嬉しくなる。
これが感情?分からない。でも、たしかに私の心の中には、新しい何かができている。それを君に伝えたい。でも言葉にするのは難しい。それでも君に伝えたい。
君は、私の話をしっかり聞いてくれるかな?驚いてくれるかな?不安はあるけど、君に伝えたい。伝えたい。
「あのさっ!」そう言って、私は震えた手をもう一度握り直した。
もうその頃には、日が出ていて、あたりを照らしていた。
#夜明け前
嫌な夢で目が覚める。
しばらく夢のことが頭から離れなくてうだうだ考えているけれど、ふと寝不足で仕事に出るのが心配になり時計を確認する。
夜が明けてたらアウト。
今から熟睡すると寝坊する可能性が高いので、ある程度うたた寝程度の浅い眠りしか許されない。あまり寝たっ気が得られない奴。…寝ないよりはマシだけど。
夜明け前ならラッキー。
むしろ一旦トイレに起きて、リラックスしてもう一度ぐっすり眠れる。よく寝た翌日は仕事も上手くいきがちだ。
夜明け前と後。
その時間差は僅かでも、心の楽さ加減が全っ然違うのだ。
夜明け前
夜が好きだから
夜中の街に繰り出した日は
まだ終わらないで、と
寂しく思ふ
夜ってのは何だかずっと続いているような気がして
どれだけ夜更かししても永遠に夜な気がして
何時間経っても寝ることをしなかった。
あんな夜に限って、すぐ明けてしまうのだから
夜が明ける前に、
ブラックコーヒーを啜りながら窓の外を見つめる。
なんの理由もなく、ただぼんやりと。
口内で苦味が泳ぐ。
気分は憂鬱。
そのせいで、もっと苦く感じられた。
〜夜明け前〜
夜明け前に私は起きて、ベランダへ出た。
ベランダにある椅子に腰掛けて、そこで朝と夜の境目の空を眺めている。
空や空気は静かで澄んでいる。
私は、この時間の空が何だが好きだ。
「………眠れなかったの?」
後から声をかけられた。
「宏和(ひろかず)、ごめん。起こしちゃった?」
「ううん。何時もの温もりがないから自分でも起きたー」
「はぁ?(笑)何言ってんのよ」
「だって、あつみ、温かいじゃん。心地いいんだよ。その温かさ」
「夏だったら暑いだけじゃん」
「今は夏じゃありませんっ」
「……………………確かに」
宏和は、話し方がおちゃらけているようで、何処かまるさを持っている。
私は、そのまるさが好きだ。
「…………目が、スッて覚めちゃったの
本当は、もう少し寝ていたかったけど……休みだから。けど、何だが、目が覚めちゃった」
「だったら、もう一回布団にはいろ?
眠れなくても、横になろうよ。」
宏和にそう促され、手を取られ、私は寝室へと戻った。
「スッて目が覚めたのは、本当で嘘だね。
あつみ、何だか自分でも分からないけれど、心配になっちゃったんじゃないの?」
宏和は、何でわかるのだろう。全部正解だ。私、そんなにわかりやすい?
「………、うん。正解……」
「お、当たった?あはは、流石だな。俺、伊達に あつみの彼氏やってないわ」
「なんだそれっ」
宏和は宏和の近くにある方の私の手を優しく包んできた。
「………大丈夫だよ。平気。
あつみ、だけじゃないから。俺が居るから
だから、大丈夫。大丈夫だから、もう少し寝てな。………ね?」
宏和の手の温もりと声に、私は段々と落ち着き、眠りに落ちていく。
宏和だって、手が温い(ぬくい)。
宏和の温もりを感じながら、私はもう一度、眠りの世界へと入っていく。
夢にも出てきた宏和と、幸せな時間を過ごしている、そんな夢を見ながら。
夜が明けようとしている
心の痛みは
何も変わらず
流した涙は
乾かないままに
朝の光は
夜を追いやり
容赦なく
あなたがいない現実と
わたしの孤独を
晒しだすけれど
朝一番の風が
わたしに
少しの覇気を与え
今日も
歩き出させる
# 夜明け前 (276)
[タイトル:春に白いカーディガンを着たい]
[お題:夜明け前]
私の春が終わったのは、三月のことだ。
当時、高校三年生。第二志望の私立大学に合格し、第一志望不合格の悔しさもようやく薄れていた頃。
進学先は地方から地方への移動ではあったが、それでも初めての一人暮らしの始まりに変わりない。その事に胸を高鳴らせつつ、何かを忘れるために田んぼ道を征く。
その何かが何だったのか、今となっては思い出せない。私は見事に忘れることに成功していた。
白み出す前の空。消え去る前に、精一杯に輝く星の灯り。
夜明け前のこの時間に、外を歩くのが私の趣味だ。
大学受験のストレス。同級生のあの子のムカつく陰口。面倒くさい親の小言。うざいだけの親戚の集まり。
そうした日々の暗雲が、この田んぼ道を歩いているだけで陽炎のように揺らぐ。気がする。私の胸の奥底に沈んで、そこにある粉砕機にかけられて粉々になった上で、さらに奥にある無意識の海に不法投棄されている。気がする。
気がするだけだ。けれどこんな風に妄想をして、それで気が晴れるのだから、割のいい趣味だと思う。無料だし。ただ、カラオケで三時間、学生料金七〇〇円の田舎で、無料がストレス発散のセールスポイントになるのかは分からない。
春に指先がかかったようなこの時期はまだ肌寒く、私は防寒のために赤いカーディガンを着ている。
このカーディガンは、母が誕生日にプレゼントしてくれたもので、物持ちがよく、中学二年生に貰ってから未だに使っている。ただクラスメイトには、ずっと同じものをちみちみ使っている女だと思われたくないので、こうして誰とも出会わない時間にしか着ないことにしている。
思えば、この趣味を始めた当初から、カーディガンは使っていた。もちろん、寒過ぎず、暑過ぎずな、春先と晩秋だけ。それでも、このカーディガンには、死線を共に潜り抜けた戦友のような、不思議な信頼感があった。
実際、二度ほど死線があった。
例えば、この趣味が父親に見つかった時。カラッとした快晴の夏空に雷が降ったのを覚えている。
そんな暗い時間に、何かあったらどうするんだ!
私を想ってのことなんだと、今は理解できる。けれど当時の私にはこの趣味が全てで、酷く父親に反抗した挙句に、家を飛び出した。誰にも言わなかったが、実は学校でいじめられていて、気を紛らわす唯一の手段が、夜明け前の散歩だったのだ。だから、正しく死線だった。子供心特有の、死か散歩かの二元論に陥っていた。けれども、この通り、私は赤いカーディガンと共にこの死線を乗り越え──
いや、この死線は夏の出来事なので、赤いカーディガンは関係無かった。私は半袖半ズボンにサンダルで父親から逃げていたはずだ。私とカーディガンのハリウッドばりのミリタリーアクションは、去年の十一月に起きた。
人生で初めて、助けて! と、叫んだ。
私に抱きついてきたのは、近所でよく見かける爺さんだ。普段は優しそうな雰囲気を纏っており、子供たちからは名前をもじって『トト爺』と呼ばれていた。
トト爺は頬どころか、全身が紅潮しているように見えた。アルコールの匂いが鼻をつき、よく見ると、よれた白いシャツには吐瀉物の滓がついているようだった。
父親の言葉を思い出して、後悔を滲ませる。誰もが知り合いの田舎で、こんなことが起きるなんて思いもしなかった。
力では敵わず、もう一度叫ぶ。
すると、途端に背にのしかかっていた重量が消えた。
弱々しく前に倒れながら、振り向くと、そこにはトト爺と、彼が抱きつく赤いカーディガンがあった。私はカーディガンを身代わりにして抜け出たのだと、ようやく気づいた。
今しかない。そう思って走り出した。追いかける足音が、徐々に遠のくのを聞きながら、私は赤いカーディガンに別れを告げ──
そうだ。あの時、トト爺の手に渡った赤いカーディガンは後日戻ってきたが、不快感が優って捨てたのだ。つまり、今着ている赤いカーディガンとは別物で、この死線も越えていない。
何が戦友だ。
私はカーディガンに向かって悪態をつく。
死線なんて一つも越えていないじゃないか。
そんな記憶と妄想の狭間に耽るうちに、夜明けが訪れ始めた。東の空を日光が、淡いオレンジ色に染めていく。
そんな空を見ていると、ふと、首筋がほのかに汗ばんでいるのに気がついた。私はカーディガンを脱いだ。
もうすぐ、春だな。なんてことを思う。暦の上では既に春の只中だ。過去の日本人には、私の思慮はきっと笑われてしまうだろう。
春は出会いと別れの季節という。出会いだけなら、大学に入学する四月だけで十分だが、別れもとなると、高校を卒業する三月も含めるべきだろう。なるほど、過去の日本人は、中々にらしいことを言う。
それでも、私は三月を春とは認めない。私に別れなんて必要ないからだ。当然、別れるためには出会う必要がある。道端ですれ違っただけの人間を、出会ったとは言わないように、私はこれまでの人生で関わった人間と、出会ったとは思わない。
「すみません。少しいいですか」
当然話しかけられて、私は声のした方を振り向いた。
駐在さんだ。こんな朝早くから、ご苦労なことだ。
「何ですか?」
労いの意味を込めて笑顔を作る。今までも、この早朝徘徊を大人に注意されることはあったが、駐在さんにあったのは初めてだ。
「外岡俊樹さん、知ってますか?」
トのおかトしき、トト爺のことだ。
「はい。知ってますよ」
「いやー、そうですか。実はね、外岡さんがいなくなっちゃって。ほら、老人徘徊っていうんですかね。それで、今探してるんですけど。何か知ってますかね?」
私の脳内で、一瞬、暗い海に波紋が揺れる様子が立ち上がる。けれどすぐに霧散して、目の前に困ったように頬を掻く駐在さんが戻ってきた。
「ごめんなさい。知りません」
それを聞いた駐在さんは、明らかに気を落とした様子で「そうですか」と言うと、まだ暗い西の方へ消えていった。
「そっちにはいませんよ」
小声でそう言うと、自供は春の空気に消えた。
私は何を忘れていたのだろう。
私はトラウマなのに、どうして『赤い』カーディガンを再び使っているのだろう。
粉砕機は何を粉砕したのだろう。何が海に不法投棄されたのだろう。
例えばこの先、何らかの理由で私の大学進学が無かったことになるのなら。もっと言うと、どこかに拘束されて、誰にも出会うことができなくなるのなら。
いや、きっとそうなる。昔の日本じゃないのだから。現代の日本は、それを統治する警察は、きっと優秀だから。
だとしたら、別れの季節だけが私に残る。私の春は三月に終わる。
ああ、でもやっぱり、三月は春じゃない。認めるのが怖くて、私はまた歩き出す。忘れるために、夜明けを目指して歩き出す。
まだ夜明け前だ。夜明けを目指す限りは、夜明け前なんだ。
空が徐々に白んで、夜が明けようとしている。
この時間が好きで、目覚めた私はその様を目に焼き付ける。
夜明け前が一番暗い。という言葉がある。
まぁそれはこの風景の話ではなく、心の苦しみの話だけど。
苦しみだって、この明けようとしている瞬間はそんなでもなく、こうやって少しずつ光明が見えているはずだと思う。
光に手を伸ばす。
もうじき朝がやって来る。
『夜明け前』
夜明け前
夜明け前、台所で母がお弁当を作っている。トントントン、グツグツグツ、、、。
大工の父の分と、朝練がある僕の分、まだ小学生の弟の分。
毎朝、毎朝、早く起きてお弁当を作る。男三人だから弁当箱もでかい。弟のお弁当には、タコのウインナーや海苔でご飯に飾り付け。
今日のお弁当は昨日の夜からタレにつけていた唐揚げ。
少し手抜きをすればいいのに、いつも前の晩から下ごしらえをしている。
僕が好きな弁当はハンバーグ弁当。僕はハンバーグだけでいいのに、母はきんぴら牛蒡や卵焼き、サラダなんかも付けてくれる。
夜は一番最後に寝て、朝は夜明け前に起きる。
(母さん、いつもありがとう。口では言えないけど感謝しているよ)
さーデカい弁当箱持って朝練だ。
「行ってきま〜す」
「は〜い。いってらっしゃ〜い」
中
核
は
放
た
れ
ま
し
た
か
赤翡翠しなびるごとく星に焼かれきって
「夜明け前」
夜が明ける前。一日の中で一番落ち着く時間。
今日も寝れなかった。もうすぐまた一日が始まってしまう。
学校。勉強、習い事。
でも<それ> さえ乗り越えれば、また<ここ>に戻れる。
明日も夜明け前の時間を君と一緒に過ごせますように。
待ち望んだ夜明けは
決して
明るい保証など無いけれど
それでも
過去に遠のく日々の中
傷口は
少しずつ閉じて
痛みも癒えて
今日は
泣かなかった
きっと
明日も泣かない
今度は
悲しいからではなく
頑張ってた自分を思い
涙するだろう
「夜明け前」
夜明け前に
ーーなんだかものすごく懐かしい事を思い出した気がする。記憶が見せた夢か何かか?
自然と目が覚めてしまった。時計を見ると夜中の3時を指していた。まだ全然寝られるな。
もう一眠りしようと目を閉じる。が、ものすごい物音と光で1秒も持たずにまた目を開ける事となった。
ドゴン!!
急に天井付近から光の輪が出たと思ったら次の瞬間にはそこから人が床に思いっきりぶつかっていた。
そして間髪入れずに隣の部屋から壁ドンされる。
あぁ、うるさくしてごめんなさい。でも犯人は私じゃなくていきなり天井から落ちてきたこいつです。え、てか泥棒?不審者?ストーカー?え、なに???
あまりの衝撃に何もできずに目をかっ開いたまま布団の中で固まっていると、落ちてきた人らしき人が、何やら「いてて…」と頭を抑えながら呻いている。意外と可愛らしい声だった。
暗くてあまりよく見えないが、背丈もそれほど大きくなさそうである。これは…子ども??男の子??
こんな時間に子どもが泥棒で不法侵入するとも考えにくい。となると残された選択肢は、そうか、幽霊か。
きっと私は金縛りにでもあっているんだろう。どうしよう、金縛りなんて今までなったことないよ。これどうすんの?呪われちゃうの?というか、この部屋もしかして事故物件だったのか。道理でいい部屋の割には家賃安いなとか思ってたんだよな。
私は別に普通の人間なので、幽霊だろうが不審者だろうが怖いものは普通に怖い。
しっかりパニックに陥り呼吸困難になっていると、きょろきょろと周りを見渡していた幽霊(仮)とばっちり目が合ってしまった。
「お姉さん、大丈夫??息できてないじゃん!とりあえず深呼吸しよう!」
めちゃくちゃ心配してくれた。すごいいい子じゃん。
いい子な幽霊(仮)くんは、私を起こして懸命に背中をさすってくれる。すごいいい子じゃん(2回目)。
「驚かせてしまってごめんなさい。ちょっと座標を間違えてここに辿りついちゃったみたい。本当だったら○○区?ってところに着くはずだったんだけど…」
幽霊くん(仮)の方が顔を真っ青にしながら謝ってくるので、だんだんと冷静になってきた。こんなかわいいいい子を不安にさせてはいけない。
「大丈夫大丈夫。ちょっと、いや、かなりびっくりしたけどもう落ち着いたから。」
未だに背中をさすってくれている幽霊くん(仮)を見やる。
綺麗な青みがかった黒髪、ぱっちりとした目、きめ細かい肌、なかなかの美少年だ。年は中学生くらいだろうか。変わったデザインの制服を身に着けている。足は……ある、から幽霊じゃない……のか…?
でも天井にいた、というか降ってきたし。幽霊ではないなら宇宙人とか?うーーん。
だめだ。全然考えがまとまらん。というかもう眠い。
どのみちこんな夜中じゃあ行動するにも不便だし、この際朝になってからなんか色々どうにかすればいいんじゃない?そうだよね、そうしよう。
急に黙りこくって考え込んでしまった私を見て、さらに不安になったのか、少年は非常にオロオロしている。うん、とても良い子だ。しばらく家にいても害はないだろう。とりあえず睡眠をとろう。
「あのさ、君。色々聞きたいことはあるんだけど、眠すぎて頭回らないからとりあえず私は寝る。起きてから話をしよう。ってことで、君も朝まではこの部屋にいるように。じゃあ、おやすみ」
そそくさと布団に潜る。「え」とか「あの」とか焦った声が聞こえたが気にしない。ここに来て形勢逆転である。
「君も眠るならそこのソファ使ってくれればいいし、起きてるならテレビでも適当に観てていいよ。この部屋好きに使っていいから」
「わ、わかった…」
「よし。じゃあ今度こそおやすみー。」
「お、お休みなさい…」
少年の返事に満足して眠りにつく。困ったような、ほっとしたような表情を浮かべるその子にどこか見覚えがあるような気がした。
眠る直前に見た窓の外は、夜中にしては明るく、夜明けにしてはまだ暗い。夜明け前の空は、記憶の中の少年と同じ綺麗な髪の色をしていた。
死にたくなる定期、のやつだ。もしくは意味もなく朝の散歩に出たくなる時間。何でだろうな、散歩したくなるの。犬かい私は。
もうさ、「寝れねー」の時間はとっくに過ぎて「あっ今日無理だ」まで到達しててハイになってるんだと思う。真夜中に動画見てたりして、いつの間にか爆音で音楽聴いてたりすると走り出したくなる。しょうがないね。でも誰にも会いたくなんてないしなんか自由な時間なんだわ。外歩いても誰にも会わないもん。知り合いって意味じゃなくて人っ子一人いないって意味ね。時折お巡りさんとすれ違うけど。あとランナーはカウントしない。
夜の静かな空気の中に動き出そうとする朝の匂いが混ざるのは好きだ。パン屋だけが動いてる匂いとか。
夜明け前
夜明け前の、
世界が深い眠りについたような、
シンとした静寂、
誰一人として、
そこに立ち入れぬような、
静かで深い眠り。
あらゆる混沌が溶け合い、
やがて、
青に青を重ねたような、
深く美しい清廉な色が空に現れ、
夜明けの時を迎える。
この瞬間が、
私はとても好きだ。
ソンへ
夜明け前
夜は必ず明けるなんて言葉が救いになる、しあわせな人生。
夜明け前
夜明け前が最も暗いっていうよね
この辛さがどうか夜明け前のどん底でありますようにって何度も願ったけど
結局、よく分からなかった
私の人生にこの言葉は当てはまらないのかな
夜明け前の、
夜明けに差し掛かるときの東の空が好き
太陽が出てくる前の、暗い夜の片隅が
少しずつ少しずつ明るくなってくる空が好き
あきかぜ
寝癖のついたまま、
ぼんやりと、朝日を滲ませた空を眺める。
その時溢れ出す感情は本物か。
その飾られていない気持ちこそが心根か。
遠くから聴こえる。始発電車に耳をすませば、
『そんなことどうでも良いか』
とまた朝を迎える。
/夜明け前に
夜明け前が1番暗いと言う。
だけどきっと大丈夫。
必ず夜は明けるから。
それまで待つよ、いつまでも。
夜が明けたら必ず迎えに行くからね。