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「夜明け前」


今日も家族にバレないように起きて、家を出る。
日はまだ出てないものの、あたりが眩しく感じる。
寝起きだからだろうか。少しあたりをブラブラしながら目的の場所に向かう。


目的地につくと、ハニカムような笑顔をばらまきながら君は私を待っていた。私と君の二人だけの秘密の時間。
私が「感情がない。」っと言ってから始まった不思議な時間。

最近この時間がくると、嬉しくなる。
これが感情?分からない。でも、たしかに私の心の中には、新しい何かができている。それを君に伝えたい。でも言葉にするのは難しい。それでも君に伝えたい。

君は、私の話をしっかり聞いてくれるかな?驚いてくれるかな?不安はあるけど、君に伝えたい。伝えたい。

「あのさっ!」そう言って、私は震えた手をもう一度握り直した。

もうその頃には、日が出ていて、あたりを照らしていた。

9/13/2023, 9:54:23 PM