『夜の海』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夜の海で
荒れ狂うで
思い出すのは
ベートーヴェン
テンペスト
十一年前、貴女とご伴侶は、「旅先の夜の海辺で、寄せては返す波打ち際をゆっくり二人で歩きたい」と夢想したものでした。
ええ、それも勿論叶いましたし、貴女が五年前にご伴侶との暮らしとして望んだことは、全て叶いました。
貴女には、是非とも叶ったことを「ああ、私の望みがひとつ満たされた」と受け止めて、喜んでいただけたら嬉しいです。
貴女がどう思おうと、俺たちは貴女の望んだことを叶えるため、粛々と努力します。けれど、叶ったことがあれば、貴女にも喜んでいただけたら…と思ってしまうのも確かです。
どうか、渇望に呑まれないでください。
望むことを止めろというのではありません。
望んだことが叶った時に、それを喜び祝福し、ひとつの願いが満たされたという幸福感を味わってください。
それを忘れた終わりなき望みは、貴女の心を癒すことのない、ただの渇望です。
幸福に、どうか幸福に生きてくださいね。
俺たちのいちばん愛しいひと。
夜、1人で海を見に行く
誰もいない道をいつもより早く歩く
道路にも岸辺にも誰もいない
海と自分との対話の時間
波の音が自分の悩みに答える
水は冷たいはずなのに温かく感じる
こんな人に私はなれるだろうか
『夜の海』
砂浜に寝っ転がって、流れ星を見る。
私んちは、海が近くにないから、無理だけど。
夜の海ってやっぱ憧れ・・・
終
チャレンジ26(夜の海)
夜の海には月に続く道ができる。伊豆は初島の月夜の伝説である。
こんな風に暮らしていけたら
楽しいよねとか
どんな子供だったとか
何気ない話をして
手を繋ぎながら砂浜を歩いた
どこで間違えたのかな
間違えてなんかないよ
僕達は誰よりも素直に生きてきた
今は幸せ?
幸せだよあなたがいるんだから
……そうだね
じゃあ
来世でまた逢おうね
「夜の海で」
暗くて見えないし冷たい
そこから見つけよう
美しい貝のような
輝かしき未来を
探さないと暗く冷たい未来しかないよ
さざなみだけが聞こえる夜の海。それは胎児がお母さんのお腹の中で聞く母親の鼓動に似ている。さざなみによって夜の海を確認するように、暗闇にいる胎児は鼓動によって母親の存在を確認しているのかもしれない。そして、今、生きている僕は鼓動によって、命の親を確認する。
夜の海
真っ暗で苦手
明かりがあると違う
でも暗くない方がやらかす
時々転びかける
気をつけてない普段の道で
海は嫌いではない
特に好きでもない
遠くから眺めるくらいで良い
夜も朝もなく
ただの海はある
満ち引きがあるのは海にではない
海以外のモノ達にある
満ち引きも海そのモノだから
夜も朝も海には関係がない
私達、人間には関係あるんだけどね
一応は私も人間なので
でも一般的な人間
それからはハズレてるはず
でもそれは
私の問題ではない
あと同じになりたいとも思わない
そんな考え方がまず間違えてる
何かになりたいなんて
全く考えていない
やりたいことはあるから
やれるようにやってるだけです
夜の海は
何処まで行っても
海のままで何処までも行く
静かな夜に、海の波打つ音が、心地良い。
朝とはまた違った、表情を見せる、海。
朝は、キラキラと日差しが反射し、眩しくて。
夜は、海の深さが分からないくらい、真っ暗で。
思わず、吸い込まれそうになる。
それでも、怖さはなくて。
裸足になって、海へ入る。
ぱしゃぱしゃと足を遊ばせて、夜の海を楽しむ。
夜の海
きっと君は川のほうが好きだろうけど。僕川には苦い思い出があるから、だから我慢してね、笑わないで聞いてほしいんだけどいつだか薬草を摘みに行った山で綺麗な小川を見つけたんだ僕はその時、薬草を摘んで土で汚れていた手を洗おうと思って川の近くまで行ったらぬかるみに足を滑らせてしまって川に落ちちゃってね、思っていたより深いらしくせっかく摘んだ薬草も籠ごと全て流されてしまったんだよ、あの時は泣きべそかきながら帰ったよ、今度は君も一緒に山に行こうよ、そして川を見にいこう。君と手を繋いで話しながら歩けば僕は何処えだって行ける気がするんだ、だからさ絶対この手は離しちゃ駄目だよ。
ぽかぁっ と口開けて ざざぁっ て鳴いて
(なんでも飲み込むよ。
(なんでも秘密にしとくよ。
って そんなふうにも聴こえる
誘われてるよう 拒絶されてるよう
あぁ空のうんと冥いトコ 海のうんと闇いトコ
交り合って境もなくて
そこその隙間に すぅ と往きたい
✼•┈┈夜の海┈┈•✼
深夜の海に何度か見かけた人
いつも泣いてた 恋を終わらせた?
答の出ない記憶が誰かの涙を今日も誘う
にんぎょは よいよい
おばけは こわい
きれいな にんぎょさん
てのなるほうへ
お盆の始まり、迎え火を焚いた日から、私は毎夜家のそばの海へ出掛けている。
家から出て10メートルも行けば浜に着く。今はお盆期間だから、海の近くには誰もいない。そもそもここは海水浴場から少し離れた場所だから、人がいないのはいつものことだった。
今週はずっと快晴で、まんまるになろうとする月が海の上に静かに佇んで海面を照らしていた。
夜の海は穏やかで、月光が明るいせいか怖さを感じない。
私はゆっくり波打ち際に近づき、濡れるのも構わず腰を下ろした。あたりには波の音だけが響き渡り、視界が海でいっぱいになると、まるでこの世界が滅んで私だけが生きているみたいだ。
実際、去年の5月に姉が交通事故で死んでから、私の世界は終わったようなものだった。たった1人の姉妹。歳の離れた姉は私の憧れで、どこへ行くにもついて行った。煩わしいときもあっただろうに、私の記憶にある姉はいつも笑顔だ。絵が得意で、いつも浜に行って海の絵を描いては私に見せてくれる、海を愛する人だった。事故の日も、海へ向かう途中だったらしい。
姉が死んで初めてのお盆の日、今日のような月の眩しい夜に私は人魚をみた。人魚は穏やかな海を大きな尾鰭で悠々と泳ぎ、ふとこちらを向いた。
息が、時間が、世界が止まった気がした。
間違いなく姉の顔だった。逆光なはずなのに、まるで浮かび上がるかのように顔がはっきり見えた。
"おねえちゃん"
口が動くが声が出ない。ヒューヒューと息が吐き出され、言葉を紡ぐことができない。
私をじっと見つめると、姉の顔をした人魚は音もなく海中に潜り、その後姿を見せなかった。
にんぎょは よいよい
おばけは こわい
きれいな にんぎょさん
てのなるほうへ
海を愛した姉は、死んで人魚になったのかもしれない。
海の神様が若くして死んだ姉を不憫に思い、海に魂を連れて行ったのかもしれない。
私は今日も姉に会いたくて、夜の海で人魚を探す。
[夜の海]#113
海とは空の姿見である。
もしかすると、空は年頃の少女やもしれない。
夜の海を眺めるなど、私達はなんと野暮だろう。
登る日は染まる頬であろうか。
星が煌めく夜空と静かに波打つ海をバックに
光る星座がモチーフになったイルミネーション。
その光は海に映りゆらゆらと揺れ海に星座を作った。
夜の海は怖いけどこんな綺麗な海なら悪くない。
そんな事を思いながら少し先を歩いてく君の手を掴んで笑った。
「ねえ怖いよ。早く行こう。」
習字の授業に見た硯に注がれた真っ黒な墨汁。
夜の海はロマンもときめきも無かった。
「そっちに行かなきゃいいんだ。大丈夫だよ。」
「そうだけどさ…。」
こいつが無駄に怖がってくれて良かった。
僕も怖い。だから良かった。
「お前は普通だよ。まとも。」
「ええ…何?何の話?怖い話はやめてね。」
この黒い水に手を伸ばしたくなったら誰かに話せよ。
それは良くない時だ。
「僕は話したよ。あの人に。」
「うん、よかった。」
夜の海
題【夜の海】
(前の夏祭りもこの2人で書きました!)
「夜の海に行ってみたいです!」
「どうしたのですか?すみれ様。」
「夜の海に行って、景色を楽しんだりしたいのです!」
「また、夏祭りのように私と行きますか?」
「はい!」
ーそして、その日の夜ー
「よし!準備も終わりましたし、行きましょう!」
「はい。では、車にお乗りください。」
「やった~!」
「着きましたよ。すみれ様。」
「わ~!夏祭りとは違う感覚ね。」
「気を付けてください。」
「分かってるわ。」
わぁ。冷たくて、水がとても気持ちいわ。
ザバーン、ザバーン…。
音も綺麗で、貝殻なども綺麗なのばかりね。
「あの~、すみれ様。そろそろ帰りませんか?もう1時間もいますよ。10時でございます。」
「えっ、そんなにいるのですか!?」
「はい。ですので…。」
「あっ!ごめんなさいね。帰りましょう。」
また、行きたいです!
今度は、どんな良いところがあるのかしら?
たのしみ!!
それは怖い。
夜の海は怖いよ。
彼は言った。
何か、怖い目にあったことがあるの?
私の質問に、彼は遠い目で話し始める。
幼い頃、夜の10時頃かな、父が突然、
「海を見に行こう」
と言い出したんだ。
母は、こんな時間に?と困惑していた。
真っ暗な海辺の道に車を止めて、砂浜を三人で歩いた。
波の音が巨大な生物の咆哮のように、夜の大気を震わせ辺り一帯に響き渡る。
父は、何も言わずに波打ち際まで来ると、静かに海の向こうを指差した。
「…行ってみるか?」
「…え?」
そして父は歩き出す。波に逆らい、海に入ってゆく。
「ちょっと、待って」
父の足に縋りついた。だが、力では勝てない。
手首を掴まれ、振り返ると、母が思わぬ力で私の腕を引いて、海へと引きずり込んでゆく。
「離して、母さん」
深い方へ、暗い方へ。どうすることも出来ない。
その時。
強い力で肩を掴まれ、引っ張られ、砂浜に引き戻された。
「何やってるんだ!」
…見知らぬ男の人。
懐中電灯を持って、私の顔を照らしながら、
「こんな時間にこんな小さな子が…親はいるのか?」
聞かれたが、答えられない。
海はどこまでも暗く、私達二人の他に、人の姿は見えなかった。
「何の…話をしてるの?」
「子供の頃の、夜の海での話」
「あなたの…記憶なの?」
「そうだよ。…母さんは覚えてないの?」
『夜の海』
真っ暗闇の中、
独りぼっちになれた気がして。
私の全てを受け止めてくれる気がして。
すすり泣く私の声も、
波の音でかき消された。