『夏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夏ー
夏が来る。
何度目か、そんなことは知らない。
あの頃と同じように見える積乱雲が
あいさつするように青い空に現れた
僕はあの頃とだいぶ変わったように思う
この世界もずいぶん変わった
僕の知っている夏はもうここにはない
楽しみで家路を走った
揺れる緑に心が騒いだ あの夏は
もう今はない
夏なのに高い空 青が薄れて消えそうだ
笑えないほどぬるい風
いつまでも冷めない熱
力が湧いてくるような光でなく
力を全て奪われるような光に差される
マントルってなんだっけ
三角関数が笑ってる
黒板のチョークの音はもう聞こえない
僕にはもう聞こえない
あの頃 窓の外を眺めてる後ろで鳴ってたんだけどな
今はカタカタカタカタ......
昼も夜もない空を見つめて笑っている
「夏」
おまえがさ
もうそんな季節かぁって言うから
夏だよなぁ〜って思い出したよ
Tシャツが体にへばりつくような暑さで
って歌詞
タイトルが思い出せないけど
暑いってことうまく表すよね
要はさ
暑くて暑くて
自然に汗が吹き出て
嫌でもTシャツが肌に密着しちゃう
って感じの暑さだろ
なんか流石!って感じ
あれ?アイツは?
いつの間にあんなに高い所へ
お〜い
桜井!
ちょっとまってよ。
夏に潜む切なさの正体が知りたくて。
世界から夏を奪った男はそう言ったらしい。
地軸が平行になった世界では、日本に夏は訪れない。
空気の循環が狂って、寒冷化しどの季節も少し寒い。
反抗するように私は水着で海に繰り出して、かき氷を食べる。
赤道付近の国や、極地に近い国が領土を奪うため戦争を始め、基本的に世界はめちゃくちゃになった。
敗色濃厚の中、自国の管理機能すら働かなくなって、国内は思うがまま暴徒が暴れているらしい。
彼がこんなことをしなくても、私はその切なさの正体が分かる気がしていた。
熱狂のさなかに身を置くと、それが終わってしまった後の
彼を失った私には分かる。
世界をこうしてしまおうとしていた私達はきっと熱狂の中にいて、冷めることが怖かったのだ。
馴染めない世の中に戻らなきゃいけないのが怖くて、全部めちゃくちゃになってしまえばいいと思ったんだ。
夏といえばプール。
ということで、私はさっと水着に着替えるとプールにダイブした。
華麗に。
まるでトビウオのように。
「ぐっふぅっ?」
しかし着地は散々なものだった。
というかプールに水が入っていなかった。
「はーはーハヒィーふーふー」
痛すぎて言葉が出ない。
アバラを何本かやってしまったようだ。
足も変な方向に曲がっている。
いい年した大人が学校のプールに忍び込んだ罰だろうか。
考えてみれば今は12月だ。プールなど使われるわけがない。
何が夏だ。調子に乗りすぎた。
恥ずかしいが助けを呼ぶしかない。
私はスマホを探そうとして絶望した。
荷物は脱衣所にある。
助けが来るのを待つか。
そこまで考えて私はさらに絶望した。
今は深夜1時である。
朝まで待ってたら凍死してしまう。
というかすでに痛みが洒落にならない。
しかしそこに奇跡が起きた。
「大丈夫かー?」
人が来たのだ。見回りに来た警備員だろう。
私は必死に存在をアピールした。
神は存在したのだ。
「今助けるぞー」
警備員はプールに飛び込んできた。
え?ちょおま。
警備員はプールが空であることに気づかなかったらしい。
一行目の私と同じノリでプールに飛び込んできた。
2人は激突し息絶えた。
終わり。
「もうすぐ夏だね」
梅雨の終わりかけに 君はそう呟いた
蒸し暑い温度に 涼しげなみんなの服装。
わたしにとって 夏はトラウマ。
むかし好きな人に裏切られた季節。
もう 恋をすることは怖さでしかない。
なのに凝りもせず 君に恋をした
━━━君なら他の人たちとは違うかもしれない。
「そうだね」
何度も経験したこの感情に
僅かな希望を抱きながら
静かに 静かに、
キミ達とは違う 君なら、
なんて…
馬鹿みたい。
自嘲しつつも人生が輝いてみえた。
#夏
土砂降りの雨
生温い風が私の思考を溶かしていく
濡れた髪が肌に張り付いて鬱陶しい
早く帰らねば
#101 自由律俳句
おろしたての
麻シャツに抜ける
風は初夏
お題「夏」
夏の太陽
大きな入道雲が空に映える
海と白い砂浜
横目に自転車をこいでいく
風が気持ちいい
木陰に入れば、せせらぎの音
木々の涼しさと、水の冷たさがよぎる
蝉時雨をあとにして、帰路につく
縁側に置いてある蚊取り線香
扇風機を回してスイカを食べる
チリン、と風鈴の音がした
今日は夏祭り、花火も上がる
浴衣を着て、かき氷を食べよう
コップの中の炭酸が、シュワシュワと弾けた
カラン、と氷の音がした
午後3時冷えた麦茶も汗をかく
浴衣の金魚だけが涼しげ
お題:夏
タイムマシンの針を壊して、
永遠にあの夏を回避出来たなら。
止まった時間の中で、
君とふたり笑っていたかったよ。
たとえこの先何も手に入れられなくても、
大人になれなくても、君の傍にいられたのなら、
僕はそれだけで良かったのに。
目が覚めると、チクタク進む針の音。
ジリリと鳴り響く目覚まし時計。
引き忘れたカーテンの隙間から差し込む光が
今日を昨日にして、明日を今日にする。
平凡な毎日、変わらない日常の中に、
君だけがいない。
君を忘れた夏が、またやってくる。
絵の具をそのまま塗ったような青に、線を引いたようにくっきりと映える入道雲。私はこの空が好きだ。暑さなんて忘れそうになるほど、この涼しげな色が。
高校最後の夏。この教室から見られるのは今年が最後だ。来年はどこからこの空を見上げるのだろう。まだ進路は決まっていない。やりたいことも分からないけれど。この講習にどれだけ集中できるか次第だよなあ、なんて。ぼんやり考えて、私は目の前のテストに向き合うことにした。
私は夏が嫌いだ。
好きな人との思い出が沢山詰まっているから。
私は来年も同じ夏が来るって思ってたから。
でもそんなことなくて、いつか終わるものだった。
もう私はあの人の腕の中にいることはできない。
だからね、今年は別の人の腕の中で泣きながら毎日過ごすよ。
湿気の強いじめじめする部屋
雨のカーテンを開けたら
まぶしい太陽の外に出た
夏が来る
/6/28『夏』
ギラギラとした太陽が、容赦なくこちらを照り付けてくる。額や首を何度となく汗が伝い落ち、湿ったTシャツが肌に貼り付いてうざったい。
俺は夏が嫌いだ。
暑いし、蒸せるし、寝苦しいし、いいことなんて何もないくらいに思っている。
「私は夏って好きだよ」
俺のすぐ隣をついてきていた彼女が、そう言って楽しそうに笑った。
「・・・・・・へぇー」
こちらがすごく興味がなさそうな返事をしても、彼女はやはり楽しそうだった。
「ほら夏ってさ、夜もどことなく騒がしい気がするじゃない? そこかしこで生き物がいる気配ががするの。私、あれ好き」
だって、寂しくないもの。
そう締めくくって柔らかに笑った彼女が、ふわりと跳ぶ。
俺はそんな彼女の横で、早くクーラーの効いた室内に入りたいと切に願っていた。俺が無言になったのが気になったのか、彼女が俺の前へと回り込んだ。
「・・・・・・君は本当に変わってるね」
「いや、俺から見れば、夏が好きなお前のほうが変わってると思う」
俺の正面でくるりこちらに反転した彼女と向かい合う。「私にそういう自然な返しをしちゃえることが、すでに変わってるよ」なんて言葉が聞こえたが、俺は暑さのせいで、もはや何かを思考するのも限界だった。
「あ」
そこで俺は、はたと気付く。
「そうだ、お前、ちょっと俺に触れてみろ。この際乗り移ってもいい。お前、幽霊だから体温ないし、俺が涼むにはちょうどいいかもしれん」
こうしている今も、強い日差しと茹でった気温に俺は体力を奪われている。
自分としては何ていいアイデアだろうと思ったうえでの発言だったが、俺の目の前にふわりと浮いていた彼女は「バーカ! 死んじゃえ!」と何とも辛辣な言葉を投げ掛けた後、ぷいっとそっぽを向いた。
【夏】
57夏
市ヶ谷にある予備校の窓からは釣り堀が見える。駅裏の一等地を戦後からずっと不法占拠しているという、年季の入った釣り堀だ。都会のオアシスなどと呼ばれて人気があるらしいが、不法占拠は不法占拠じゃないか。どうかしている。サボりのサラリーマン、だらしない恰好のカップル、近隣の専門学校の派手な学生。正しくない場所で正しくない遊びをしている人間がどうして楽しそうなんだ? 僕はそれに納得がいかない。だけどなぜだろう。今無性に、あそこに降りて行って釣りがしたい。生まれてこの方、一度も釣りなんてしたことがないのに。生きた魚なんて触ったこともないのに。ただひたすら、東大合格だけを目標に生きてきたのに。最近、模試の成績が下がっているせいだろうか。無性にあっちに「降りて」行きたくて仕方ない。『降りて』なんて言い方は傲慢だと思う。だけど東大を目指すと決めたときから、僕の生き方は決まっている。高みに行くことや居続けること。それが人生の目標だ。なのに。カップルが大きな魚を釣り上げて、嬉しそうで、自分も魚を釣ってみたくなっている。こんなのはおかしい。ああ、どうしてだろう。僕はあっちに行きたいのだ。
おかしな願望を振り切るように、テキストに向かった。何も考えるな、と自分に言い聞かせながら、過去問を解いていく。この夏が大切なんだ。来年こそは、受かるんだ。
中2
夏
ねぇ〜聞いて〜(´;ω;`)
給食の時間に、陽キャが、
夏休みいつ遊ぶ〜?
とか、話してました、、、、
みんな予定がつめつめだそうです!
私の予定、、、、、、、
なし!!!!!!!!!!
フリーターです〜(*^^*)
ゲームします!
【夏】
君と春に出会い、夏に恋をし、
秋にお互いの誕生日を迎え、冬に別れを告げた。
君との思い出を振り返ると
夏が一番煌めいて、輝いてた。
ただ、僕の好きな季節は秋だ。
君の誕生日は歳をとっても忘れたくない。
仕事を終え、オフィスから出るとさすがに暗いのだけれど、ぬるい空気に浮かれた気持ちになる。
このまま帰るのはもったいない。友人に「飲み行こう」と連絡してみる。急な誘いにもかかわらずオッケーしてくれる人がいるラッキーな人生。
待ち合わせの時間まで繁華街の大型書店で時間をつぶす。目を合わせないようにしていた本と目が合ってしまいしばらく逡巡する。
呑兵衛の友人とは絶対二軒目に行く。なんだったら味変と称して三件目も行く。そしたら一万円くらいよくわからないうちになくなるのだ。ここで二千円ちょっとの本代をケチる意味があるだろうか、いやない、反語。
本を購入し約束の店まで歩く。アスファルトから熱はまだ放出されていて、空気が冷える気配はない。
きっとレモンサワーが美味しいだろう。
路地にある店のドアに手をかけたところで、室外機の熱風を浴びた。支度は万全。
#夏
【夏】
「ゴメンなさい、遅くなって」
人混みに紛れて、聞き慣れた声がした。それでも僕は目聡く待ち合わせの相手を見付ける。
「ううん。僕もさっき着いたとこ」
「私、ここの七夕祭り来るの初めてだから、何だか嬉しくて」
待ち合わせの相手―――付き合い始めてまだ間もない恋人は顔を上げて、ふわりと笑った。藤色の地に菖蒲の花模様の浴衣に抹茶色の帯を締め、髪には同色のピン。優しい色合いが涼しげで、彼女の雰囲気にも合っている。
「僕も祭りなんて久し振りだし、浴衣姿のキミも可愛いし、テンション上がるよ」
「……有難う。折角だし、浴衣の方がお祭りらしい雰囲気出るかなって」
夏休みどころか盆休みもない職業柄、僕は二人で過ごす初めての夏だというのに彼女を何処にも連れて行ってあげられそうになかった。
休み前ではあるけれど、せめて何か夏らしい事を……と思っていた矢先、隣町で七夕祭りがある事を知り、奇しくも休みだった僕は彼女を誘ったのだ。
正直人混みは苦手だが、こんなに喜んでくれるなら、誘って良かったと胸を撫で下ろす。
「人出、多くなってきたね」
「この混雑だと、はぐれたらもう会えなくなりそうだなぁ」
スマホがあればどうとでもなるけど敢えてそう言って、彼女の手を握る。彼女も黙って従っていた。
暗がりでお互いの顔はよく見えない。熱くなってくる掌と、脈打つ心臓の音が耳にうるさくて、汗が噴出してくる。
少しして、彼女がそっとハンカチを差し出してきた。
「ずっと外で待たせちゃったから……暑いよね。何か飲む? ラムネ持ってる子が居たから、近くで売ってるのかも」
「あー、そうだね。ちょっと喉渇いたかな」
汗が繋いだ手のせいだとは微塵も思っていないのか、彼女は真面目な顔でそんな事を呟いた。
喉を潤して、食欲を満たした頃にはだいぶ自然に手を繋げるようになったかなと思う。時折手に力を入れると、彼女もそっと握り返してきた。
そんな事を何度か繰り返していたら、頬を染めた彼女が僕を見上げ幸せそうに微笑み掛けてくれるのが可愛い。
手から伝わる体温だけが、僕の意識の中心を占めていた。街に戻って二人きりになったりしたら、抑えが利かなくなりそうで、少し怖くなった。
そんな僕の心配をよそに、彼女はもう眼をキラキラさせて露店を見回している。特定の店を探しているようにも見えた僕は、彼女に尋ねてみた。
「さっきから何か探してる?」
「うん、やってみたいのがあるんだけど……出てないのかな。――あ、あった! 私、あれやりたかったの」
彼女が小走りで駆けて行った先を見ると、それは意外な出店だった。
「え、射的!?」
穏やかな彼女と射的が結び付かない。
しばらく呆然と見守っていたけれど、彼女の弾は景品にかすりもしない。いくら初めてとは言え――絶望的に下手クソだ。
「ぷ……っ!」
抑えたつもりだったが、少しだけ僕は笑ってしまった。しかし彼女はその表情を見逃さなかった。
「笑う事ないじゃん、初めてなんだからさ……」
拗ねた様に、僕を睨む。
「だって、いくらなんでも下手過ぎ。……ホラ、貸してごらん」
多分、次で弾は最後のはずだ。
「え?」
「一発で仕留めてあげる。何が良い? こういうのはさ、始めから狙いを定めた方が――」
「え、私……始めからずっとドロップ缶狙ってたんだけど」
「そうなの!? 手当たり次第に撃ってたのかと思ったよ。当たればラッキー、みたいなさ」
「うぅ……」
「オッケー、一番上のドロップ缶ね」
(これでも僕、射的はガチで得意だったしチョロいチョロい!)
「あっ、本当に当たった! 有難う!!」
「どう致しまして」
僕としてもちょっと良い所見せられたし、子供の様にはしゃぐ彼女の姿を見ると、素直に連れて来て良かったと思う。
一通り露店を回り終え、僕は彼女を促した。
「そろそろ戻り始めた方が良いね。下りの電車も混んでくるだろうし」
「うん」
駅に着いてからも彼女をアパートまで送る道中、手は繋いだままだった。少しして、不意に彼女が僕に呟いた。
「あのさ、腕……組んでも良い?」
「ん、良いよ」
すると彼女は甘えるように腕を組んできた。瞬間、感じた柔らかい感触……完全に胸が当たっている。
偶然? わざと? そんな考えが頭の中を駆け巡る。けれど彼女は僕の知る限り、恋愛事における計算とか駆け引きとか、そういう事が出来るタイプじゃない。やはり偶々だろう。
(最後の最後にこの接触って……我慢出来なくなりそう、もう)
無自覚で、隙だらけな彼女に、僕はこれまで何度手を出そうとしたか知れない。
けれど、どう考えてもそういった事に免疫の無い彼女に、欲望に任せて勢いのまま触れ合ってはいけないと我慢してきたつもりだ。
とは言え、具体的な欲求がないかと言えば嘘になる。
しかし焦らず、自然の流れでそうなるように安易に手出しはしない、傷付けたりしない。
腕に当たる柔らかい感触が気になりつつも、僕は頭の中で繰り返し自分に言い聞かせた。
「ハイ、無事到着~」
何とか持ち堪えてアパートに着くと、嬉しそうに彼女から礼を言われた。
「今日は一緒にお祭り行けて楽しかった! 誘ってくれて有難うね。あと……これも」
そう言って、ふふふと笑うと、彼女は僕が射的で取ったドロップ缶をカラカラと軽く振る。
「はは、どう致しまして」
この雰囲気のままなら、じゃあまたねとスマートに帰れると思ったのに、彼女は僕に更なる一撃を仕掛けてくるのだから酷い。
引き止める様に僕のシャツの裾をくいくいと引っ張ったかと思うと、彼女は爽やかに誘ってきた。
「部屋でちょっと飲んでいく? ビール冷えてるし……」
「え? でも」
「帰りの電車も座れなかったし、少し休んでいって」
「そ、そう? じゃあ折角だし」
(ああ……何て意志弱いんだ、僕は)
ずっと我慢してたのに。結局彼女には適わない。
部屋に上がり込んで酒まで入ったら、僕のなけなしの理性なんて簡単に吹き飛んでしまうんだよ。
まさか、判ってて挑発してないよね……?
「すぐ枝豆茹でるねー」
そう言って先に階段をカツカツと上がる彼女の後ろ姿を見詰めながら、僕は小さく溜め息を吐く。
(多分、全然休まないと思うよ……)
夏
夏はあまり好きではない。私は暑いのが得意でなく、日焼けをするのも好きではないからだ。
けれども太陽のでている時間が長いのは好きだ。
仕事からの帰り道を空が明るいのを見ながら歩く時間は、明日もいい一日になるといいなと考える時間になる。
家についてもまだ窓から光が差し込み、今から出かけようかと思わせてくれる。
全身を包み込む熱気も、後から後悔することになりそうな日焼けも好きではないのに、それらを退け外へ誘い出す魅力が、夏の青い空にはあるのだ。