『夏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夏
夏。君と会ったのも、付き合ったのも、別れたのも、また会ったのも、夏。だから結婚するのも夏にしようなんて言って笑ってたのも、いつかの夏。
【夏】
「ミンーミーンミンー」もう夏かぁ夏休み入ったら何しようかなあーあ、やば宿題あるわめんど宿題やりたくないー友達と遊びたーい青春したいー!
夏になると、あの夜のことを思い出す。
茜色に染まる夕暮れの空の下。広がる田んぼには、もう誰の影も見えない。
蝉の声が遠ざかり、代わりに低い太鼓の音が風に乗って流れてくる。
やがて、村の奥から小さな影がいくつも現れる。
村の子供たち。松明の火を頼りに、細い畦道を一列に歩いていた。
――虫送り。
あの日。私は友人と一緒に、初めて列に加わったのだった。
「緊張してる?」
「うん。ちょっとだけ」
太鼓の音に身を竦める私を、友人は楽しそうに見ていたのを覚えている。
「虫よ、外へ出て行け」
そう皆で唱えながら、暗い畦道を歩いていく。
ふと田んぼを見れば、子供たちの影が水面に伸びて揺れている。
松明の炎が揺れるたび、影もまたゆらゆらと揺れて。それがまるで生きているように思えて、怖かった。
「ちゃんと前を見てね」
繋いだ手を揺らしながら、友人は忠告する。
「絶対に後ろを振り返っちゃだめだよ」
「どうして?」
「怖いモノが着いてきちゃうから」
怖いモノ。びくりと肩を揺らして、繋いだ手に力が籠もる。
後ろには今、何かがいる。振り返ってくれるのをずっと待っている。
そんな想像をして、余計に後ろが気になった。怖くて泣きそうになるのを、友人は笑って見ていた。
やがて、歩く先に小さな川が見えてくる。
田んぼの端。この行列のおしまいだ。
川の手前には、すでに大人たちが待っていた。
子供たちは皆立ち止まり、大人に促されるまま手にしていたものを川に流していく。
小さなわら人形。紙の船。虫の象徴に見立てたものたち。
太鼓の音が止んだ。
「さあ、虫を送ろう」
松明の炎を川に向けて掲げる。合図を送れば、皆が声を揃えて唱えだす。
「虫よ、遠くに流れていけ。村には戻ってくるな」
炎が揺れる。影が揺れて、流れていく虫の象徴を惜しんでいるように見えた。
誰かが松明の火を落とした。それに続いて、次々に火が落とされていく。
急な暗闇。思わず小さな声を漏らせば、友人が繋いだ手を引き、そっと側に寄り添った。
皆に続いて、友人に手を引かれ、ゆっくりと村へ帰る道を歩いて行く。
「暗いけど、月明かりがあるから大丈夫だよ……でも、絶対に後ろは振り向いちゃだめだからね」
念を押されて頷いた。
今になって思い返せば、友人の声はどこか固かったようにも思う。
暗がりを友人に導かれながら歩いていく。
皆の声が遠い。夜道に慣れていない私とは違い、皆の歩く速度は松明があった時と然程変わらない。
暗闇の中、二人きり。何の音も、声もしない。
不意に、友人の歩みが遅くなった。私に合わせているからではない。どこか落ち着かず、後ろを気にしているように思えた。
「どうしたの?」
「うん。ちょっとね」
言葉を濁しながらも、やはり後ろを気にしている。
後ろに何かいるのだろうか。何か得体の知れない、怖いモノ。
想像して怖くなり、足が止まってしまう。
「――あ」
するり、と。友人と繋いでいたはずの手が解けた。
数歩先で、友人も立ち止まる。慌てて追いかけようとして、けれど友人の様子がおかしい事に気づいた。
俯いている。何かに耐えるように、両手で耳を塞いで首を振る。
「いや……違う。だめ。振り返ったら……」
普段とは違う友人の姿。呆然と見ていることしかできない私の前で、だめだと泣きそうに声を震わせ否定する。
そして友人の動きが止まり。
嫌な予感に、友人の元へと駆け寄る前に。
ゆっくりと、振り返ってしまった。
「――あぁ」」
友人の見開かれた目から一筋涙が零れ、月明かりを反射して煌めいた。
手を伸ばす。縋るように抱きしめた友人は、私が見えていないかのように後ろだけを見て。
「ごめん、なさい」
たった一言。
小さく呟いて、その姿は黒い影になって消えてしまった。
「っ、やだ……!」
反射的に振り返った。
後ろにいる何かが、友人を連れて行ってしまう。
それが怖かった。怖いモノが着いてくるよりも余程。
「待って!」
川の手前に、友人と手を繋ぐ黒い影がいた。
こちらに背を向けて歩き出す二人を、必死になって追いかける。
けれどどれだけ走っても、二人には追いつけない。段々と離れて、その姿が暗闇に溶け込んでいってしまう。
「いやだ、待って。置いてかないで」
叫んでも手を伸ばしても、友人には届かない。
そのまま友人と黒い影は暗闇に溶け込んでいき。
その後のことを、私はほとんど覚えてはいない。
「さあ、戻るぞ。最後まで後ろは振り返るなよ」
誰かの声にはっとして顔を上げた。
気づけば虫の象徴は川を流れて、他の大人や子供たちは村へと帰っていく。
今年の虫送りも終わりを迎えた。
もう参加することはないと思っていた虫送り。友人の存在を消してしまった怖ろしい風習に、どうしてか、私は再び子供たちの列に加わっていた。
そっと溜息を吐く。辺りに誰の姿も見えなくなってから、村へと続く道に足を向けた。
あの後。友人の姿が見えなくなって、気づけば自室のベッドで朝を迎えていた。
どうやって戻ってきたのか、まったく覚えてはいなかった。それどころか、友人のことを誰一人覚えてはおらず、記録にも残っていなかった。
二人で撮ったはずの写真は、私一人だけが写っている。
俯きながら、ゆっくりと道を歩いていく。
友人と手を繋いで歩いていたはずの道。暗闇を怖がる私の手を引いてくれた友人は、どこにもいない。
時折、不安になる。友人は本当に存在していたのだろうかと。
もしかしたら、友人とは私の作り出した幻なのではないだろうか。
忘れられないあの夏の記憶がそれを否定するのに、どうしても考えてしまう。
私はもう、友人の顔も声も、名前すらも覚えていないのだから。
「――ねぇ」
不意に、後ろから声をかけられた。
ぎくりと体が強張る。虫送りに参加した子供たちも大人たちも、私より先に歩いていってしまっている。
後ろから声をかける誰かはいないはずだった。
「待って」
どこかで聞き覚えのある声。
そんなはずはないと、首を振る。
気のせいだ。もしくは誰かのいたずらだろう。
だから振り返ってはいけないと、歩く足を少しだけ速めた。
「行かないで。置いていかないでよ」
声は着いてくる。
一定の距離を保って、泣きそうに声を震わせて、私を呼び止める。
振り返ってはいけない。何度も繰り返し、自分自身に言い聞かせる。
「酷い。忘れてしまったの?」
思わず足を止めた。
忘れているものは、何もない。
ないはずだ。
「ずっと一緒だったのに。暗闇の中で、手を引いてあげたのに……本当に酷い」
「いや……違う。だめ。忘れてなんか……」
耳を塞ぎ、首を振る。
これ以上は聞きたくない。早く家に帰りたい。
それなのに、足は少しも動かない。声は手をすり抜けて、直接鼓膜を震わせる。
「酷い……ずっと待ってたのに。一年後、迎えに来てくれるって信じてたのに……友達だって、そう思ってたのに」
「あ……あぁ」
びくりと肩が震え、崩れ落ちた。
膝をついて項垂れる。涙が溢れて頬を伝い、地面を濡らす。
もう、誤魔化せない。
今、私の後ろにいるのは、あの日消えてしまった友人だ。
「待ってたの。あなたもあの日、振り返って私を追いかけてくれたから。禁忌を破って穢れを取り込んで、溜め込み続けていたから、来てくれるって思ってた」
するりと、後ろから伸びるのは白い腕。
左手は腰を抱いて、右手は顎に添えられる。
「私もね。あなたと参加する何年か前に、振り返ってしまったの。その時は兄さんと一緒で。兄さんは私を守るために振り返って……一年後、消えてしまった」
添えられていた右手が顎を掬い、強制的に上を向かされる。
抵抗はできない。
友人が言うように、私はあの日、振り返ってしまった。禁忌を破ってしまったのだから。
だから、きっともう逃げられない。
「あの日、ずっと兄さんの声が聞こえていた。責める声じゃなくて、心配する声。そして顔が見たいって、誘う声」
見上げる夜空が陰っていく。
長い黒髪が頬にかかり、滑り下りて。
「――おかえり。私の大切な人」
嬉しそうに笑う友人と、目が合った。
「兄さん!」
川の手前で待つ兄に、妹は笑顔で歩み寄る。
その右手は、彼女の友達である少女と硬く繋がれていた。
「ごめんね。この子、怖がりだから。振り返るまでに時間がかかっちゃった」
笑顔を浮かべる妹とは異なり、少女は何の表情も浮かんではいない。
ただ虚ろに開いた目で、ぼんやりと兄を見つめていた。
「嬉しいなぁ。大好きな兄さんと、大好きな友達と。これからずっと一緒なんだもの。兄さんもこの子のこと、気に入ってたものね。兄さんも嬉しい?」
兄は何も答えない。
そもそも、兄は人ですらなかった。
川面に映るその影の輪郭だけが、僅かに人の形を留めている。
その周囲を、時折、夏草を揺らす羽音と小さな緑の影が舞う。
近づくと、微かにイナゴの羽音が耳元を擽った。
「よかった。兄さんもこの子のことを好きになって、この子もきっと兄さんのことを好きになって……皆好きになるって、とっても幸せ」
それでも妹は聞こえる羽音に破顔して、左手を兄に差し出した。
兄はその手を取り繋ぐ。
「本当に嬉しい。二人がいてくれれば村に帰れなくてもいいし、他には誰も、何もいらない……ずっと、三人一緒にいようね」
妹は笑う。
兄も少女も、何一つ語らない。
ただ妹と手を繋ぎ、寄り添って。
そうして三人。
流れていった虫の象徴を追うように。
川の向こう。誰も知らない夜の中へ。
手を繋いで、ゆっくりと歩いて行く。
20250714 『夏』
君と特別な関係になりたくて
今生分の勇気を振り絞ったのに
君は既読無視...
今私最高に青春してるよね?
一途な乙女はまだまだ負けない
《夏》
うだるような暑さが支配する昼下がり。
縁側で一人、亜麻色の髪を揺らす少女が空を眺めていた。風鈴の音が静けさに響く。
同色の尻尾をパタパタと動かし、ふと、耳をピンと立てる。そのまま勢いよく立ち上がったかと思うと、玄関まで駆けていく。
「おかえんなさーい!」
出迎えられたのは、神職と思しき和装の青年だ。薄茶色の髪より少し暗い色の瞳が、少女の姿を認めて笑顔をつくった。
手にした風呂敷包みを少女に手渡しながら、汗を手巾で拭っている。
「これ、冷蔵庫に入れてくれませんか?」
「わかった! ……暑そうだな? 透」
「ええまぁ……霞さんは涼しそうで、何よりですがね」
少女——霞は、受け取った風呂敷包みを開きながら台所へ移動し、箱ごと冷蔵庫に入れる。
冷たい麦茶を二つのコップに注いで居間に行くと、青年——透は、エアコンの効いた空間で扇子を仰いでいた。
「あぁ、霞さん。ありがとうございます」
「暑かったろう、特に今は」
「ええ、今朝方よりも随分と気温が高くなっていました。お陰でたくさん疲れちゃいました」
「この程度で疲れるとは、軟弱だなぁ〜」
「暑いんですって、本当。……さっき拭きましたけど、僕今綺麗ではないと思いますよ? 離れて下さい、霞さん」
汗が引いたとは言え、人と引っ付いて座るにはまだ暑い。透は逃げようとするが、こうもベッタリと隣に来られては動きにくい。
「嫌だ! どうだ、暑いだろ〜」
「引っ付かないでー……というか、あなたも暑いでしょうに。あっ、暑くないんでしたね」
「そうだぞ! ふふん」
「なら、そんな悪い子におやつはなしですね。今日は武田のおばあさんから頂いた、先程の箱を……って、本当に霞さんは甘いものが好きなんですねぇ」
ドヤ顔で隣に座っていたかと思えば、ローテーブルを挟んで対面に座っている。見事な早業だ。
「ふふ、まぁ、冗談ですよ? 武田のおばあさんからは霞さんが気に入るだろう、と頂いたので。……ふぁ〜あ……眠くなって来ちゃいました……」
「透? こんなところで寝たら風邪引くぞ! 人間は脆いんだからな〜」
畳の上に寝転がった透の耳に届いているのかいないのか、「はぁい……」という返事があって少しして、
「もう寝入ってるじゃないか。相変わらず寝つきがいいなぁ……よし、仕方ない!」
霞は押し入れからブランケットを取り出して、透と自分とに掛ける。そのまま、一緒になって昼寝をするのが好きなのだった。
小一時間ほど経って、透は目が覚めた。
だが、どうにも寝心地が良く、無意識で掛物を手に取る。
ふわふわとしていて、実に触り心地が良い。ほど良くあたたかさもあって眠りを誘う。
「……あたたかい?」
違和感に気付いて目を開く、と、透は自分の手が何を掴んでいるのかを理解した。
尻尾だ。霞の、大きな尻尾。
慌てて手を離し、起き上がろうとして、
「……あがっ?」
「あっ」
今しがた起きたばかりの霞と目が合った。
尻尾を触られるのは苦手らしく、ご機嫌ななめの霞の誕生である。
透はどうしたものかと悩んで、時刻が三時を回っていることに気がついた。
「……そうだ、霞さん。一先ずおやつにしませんか? きっと、とても美味しいですよ」
「……そんなことで私の機嫌は直らない」
魂胆がバレてはいるが、いつものことだ。
透が昼寝をすると大抵霞が隣で寝ている。そして、よく彼女の尻尾を触ってしまうのだ。
こうなったときは好物に頼る他ないのだ、という事実を知っているのだから。
「まぁ、そう言わずに……少し待っていて下さい」
一言断わってから席を立ち、台所へ行き冷蔵庫を開ける。すっかり冷やされた箱を開封、中身を皿に載せる。包丁とフォークを共に載せた盆を手に、居間に戻る。
「……綺麗」
「えぇ、そうでしょう?」
本日のおやつは、星の浮かぶ羊羹である。
半分より下はこしあん、上は綺麗に細工された星々が彩りを見せていた。
「……あ、ちゃんと切るので待って下さい霞さん!」
「え? はーい」
見蕩れながら手を伸ばそうとした霞を止め、何切れかに分ける。
「どうぞ、いただきましょう」
「いただきます! あー……ん! 美味しい! 綺麗で美味しい!」
「忙しいですね……甘さが優しくて美味しいです」
透が一切れ食べる間に、霞は三切れも食べていた。余程気に入ったのだろう。
「……僕はもう一切れいただいたら十分なので、残りはどうぞ食べちゃって下さい」
「本当にいいのか?」
「はい、もちろん」
「じゃあ、遠慮なく! んー! 美味しい!」
星を散らせたかのように笑顔を浮かべる霞を見て、透は機嫌が直ったことを密かに確信した。
夏の菓子に助けられたと言えよう。
《夏》
書けたら書く!
2025.7.14《夏》
夏
蒸しかえるような暑さ。
とめどなく溢れてくる汗でベタつく肌。
ギラギラ照りつける太陽。
どこから聞こえてくるのかも分からない蝉の声。
夏ってのはいつもそうだ。
クソ暑いし汗はベタベタくそほど気持ち悪いし太陽クソ眩しいし蝉の声もくそうるせえ。
詩的に書いたところで少しもマシにはならない。
なんて馬鹿な試みだ。なんだって一年に二、三ヶ月もこんな思いで生活しなきゃなんねえんだよ。
まだ一生冬の方がマシだ。
田舎すぎて帰り道に駄菓子屋すらねえし。
見渡す限り溢れんばかりの自然じゃねえかクソ。
風流の塊かちくしょう。
八月三十一日、夏休み最終日の定番だ。
だが今の時代温暖化だのが進んで気温が上がり続けたところでクーラーだとか扇風機だとかの冷房器具が散々でてきたし、夏休みが三十一日まであるなんてどこのどの学校ならあるんだと思うほどだ。
かくいう俺の通う高校はもちろん24日で終了。
ここ四年は変わらないなんとも悲しい事実だ。
それもこれも駄菓子屋すらねぇド田舎のくせして高校にクーラーなんてのがつけられたから。
朝クソ暑い中登校して教室に入った時には給料を出してやりたいほど感謝するものの、八月のことを思い出すと消しゴムをぶん投げてやりたくなる。
そんな日を続けたが夏休みに入り、大都会東京にあるばあちゃん家に行った頃には全ての恨みが消え去っていた。それでめいっぱい楽しみ満喫し帰ってきたらまたこれだ。
クソ暑い中登下校を繰り返す。
夏なんてクソくらえだ!滅びちまえ!って。
俺のきらいな夏っていうのはそんな季節だった。
六年前の一日までは。
小学四年生の七月十七日。
学校の帰り道にある空き家に人が入った。
友達が言うにはチュウガクセイのやつがいるんだと。同い年のやつだったら遊んでやってもいいかもな、なんて考えていた矢先のことだった。
それが年上!絶対関わることはないんだろうと思った。
夏休みに入った七月二十五日の昼間。
今までが比べ物にならないほどに太陽が照っていた。
友達と遊んで、昼を食べに帰っていた途中だった。
気まぐれに少し見上げた先に、黄色い光が見えた。
太陽みたいに光って、でも太陽よりずっと綺麗で、太陽に照らされるために太陽の方を向いている。
見入っていた。
漫画とかによくある目を見開いて、瞬きもせずに見つめている嘘くさいと思っていた描写のように。
思わず見入っていたそれは、あの空き家だった家の庭に生えていた、たくさんの向日葵だった。
雑草とその近くに生えている小さな花はあるものの、実物の向日葵を、それも規格外の大きさのものなんて見たことがないものだから、それはそれは珍しくて目を見開いて見つめていた。
その目を瞬かせたのは飛び込んできた水だった。
「うわっ」
思わず声を上げて、飛んできた水の先を振り返ると誰かがいた。
「目が焼けそうだったから冷やしてやったぞ」
そう言い放った背の高いやつを、俺はすぐにこの空き家に越してきた中学生だと察した。
顔の特徴とか、どんな服を着てたかだとか、そんなのは覚えていない。けれどその後その中学生とした会話が今までにしたどんなことより面白かったのだけは覚えている。
いや、仕方がないだろう六年も前でしかも小学生だったんだから。小説の主人公じゃあるまいし。
それからたまに世間話をした中学生の子は、その夏の終わりに引っ越して行った。びっくりするほど短いと驚いたが、そいつにしてみれば良くあることなんだと、
……言っていた気が、しなくも、ない……
人が消えた家はがらんとしていたけれど、あの向日葵は今でもまだ残っている。
近所のおばちゃんが水をやっているんだと。
夏じゃないと見られないわけじゃないけど、俺の出会った時のあの花は夏にしか居ない。
ライトノベルの様に引っ越してきてすぐ消えていったあの子の記憶がくっきりと残っていたりはしないけれど、夏になるとあの花がまた見える。
そこだけで、それだけで、俺の1番好きな季節だ。
夏
夏
2021年8月の終わり頃に私の夢の中で春馬が出てきた
とても素敵な夢で
私の部屋の中に春馬が現れた
女性のような女性もいた
そして彼と私は空中浮遊して空へと出た
宇宙まで飛んで、高所恐怖症の私は下を見ると
雲の上まで来ている。もうすぐ宇宙に行く
スターウォーズのような宇宙空間の光に包まれながら
小さな滝の音と女性巫女と神主たちは一緒に
巫女舞をしていた。春馬と共に、雲でできた階段を登り
いろんな巫女に導かれながら
天界とも呼べそうな光輝いている宇宙空間の
テーマパークのような場所へと降ろされた
床は雲で、できて
大きな滝と、小さな滝が流れる音
湖畔の音
バーカウンター
中世ヨーロッパにありそうな城や、屋敷もあった
春馬と手を繋いで、彼の手は冷たくなかった。
温もり溢れる温かさだった
魔女宅のキキの家にありそうな
ハーブがたくさん置いてある部屋へと2人で入って
喋ってキスされた
目が覚めたら夢だった
だけど、その夢は1番すてきな夢
夏
暑いから苦手だけど夏がなければあの場所にもあの人にも出会うことがなかった
疲労にまみれた心と体じゃ、
きっと、夏を感じきれないさ。
まわりのノイズなど弾き飛ばせ。
さあ、この夏を始めよう。
新しい自分になるんだ。
きっと未来は、
まばゆいばかりに輝いているさ。
大丈夫だから。
絶対大丈夫だから。
君はもっと大きい。
思うままに生きてやれ。
夏
🍧🎐🎆
夏
子どもの頃は
色んなところに遊びに行ける夏が楽しみだった
大人になるとそうでもない
夏休み中は
いつどこに行ったって
他人であふれている
遊園地、観光地、
スーパー、ショッピングモール、レストラン
カップル、親子、友達同士
人人人人人人人人人人人人人
独り身には 刺さるんだ
これが
緑のカーテン。
蝉の音のシャワー。
くぐり向かうは君のもと。
夏に吹く風がさわやかなのは、きっと弾む心のせい。
【夏】
夏
今年は特に暑い
皆様
お身体
ご自愛下さい
冷却品が
必須になってきた
UFOキャッチャーにも
小型扇風機
ん~…
残念
取れなかった
あと100円
挑戦して
ダメだったら
買おう!
✴️454✴️夏
心だけ、逃避行 風鈴の音 隠された真実 です。
すみません、夏は、後日書きます。
心だけ、逃避行
「あ~、終わらねえ」
デスクに積み上がっているファイルの山。少しずつではあるけれど、片付けているはずなのに、一向に山は低くならない。
「仕事がないよりマシでしょ」
なんて友だちは言うけど、仕事がない方がいい。と今の俺には簡単に言えてしまうほど、心身ともに疲れていた。
「…休憩しよ」
ファイルを1つ片付け休憩を取る。休憩のときだけは、心だけ、逃避行させ、自己を保つようにしていた。
「…はぁ、やるか」
休憩が終わると、俺はまた、逃げられない現実と向き合うのだった。
風鈴の音
風に吹かれて、響く風鈴の音。
チリンチリンという澄んだ音に、束の間だけでも、暑さを忘れられる。と、俺は思うのだけれど…。
「仕方ない…か」
風鈴の音がうるさい。と、隣の部屋の方から苦情を言われ、渋々、軒下から風鈴を外す。
「風流が理解されない、淋しい時代なのかなあ」
外した風鈴を見つめ、俺はため息を吐くのだった。
隠された真実
「今日こそは負けねえから」
ニヤリと笑い、俺に宣戦布告してくる俺のライバル。
「今日も俺が勝つ」
対抗するように俺もニヤリと笑ってみせるけれど、今日は勝てる気がしなかった。というのも、彼がケガをしている。という情報を聞いたから。彼が隠している、隠された真実を知り、どうするべきかを悩みながら、俺はスタートラインに立つのだった。
ミーンミンミンミン・・・・
ジーーーーーーーー・・・・
あ、暑い・・・。
家にいるだけなのにもうすでに暑い。
今日の気温設定したの誰!?神様!?
リモコンで設定できるなら、わたしに貸してほしい。
21度とかにするから。
セミもコロコロしててかわいいなって思うけど、この暑さの中こんなに鳴かれると気が狂いそうだから一回休憩挟んでほしい。
ティータイム?ティーブレイク?みたいに。
冷房してても湿度やばいし、風鈴はセミに負けるし。
空は青いし、今日は快晴。
あと3日で夏休み!
花火も海もプールも祭りも山も!
こうなったら全部満喫してやるんだからな!!!!!
2025/07/14 夏「夏への意気込み」
蝉の声。
道に群がるトンボの群れ。
アイスに素麺、スイカに海。
夏を彩るものは多数あれど、やっぱり私はあれ。
大好きな人との線香花火。
/7/15『夏』
「夏」(全て一行詩)
蚊取り線香、アクエリアス、冷やし中華のお世話になる季節
「隠された真実」
何年先になってから明かされた真実には何度も塗り替えされた真実の中に埋もれて
「風鈴の音」
喇叭の音が聞こえたら風鈴屋の夏の音
『夏』
春はあけぼの
夏は夜
秋は夕暮れ
冬はつとめて
確かに夏は、昼間よりも夜のほうが風情を感じる。
闇の中をふわりふわりと飛び交う蛍なんて、そりゃ目を楽しませることだろう。
けどそれも、団扇一つでやり過ごせる程度の暑さなら、だ。
子供の頃は町内会で肝試しが催されたりしていたが、今なら余計な汗をかきに、わざわざ外へ出る気になれない。
そういえばその肝試しで近所の墓場まで行かされたものだが、あのときふよふよと浮いていた青白い火は…………まあ、いいか。それも夏の風物詩だ。
海にプールにお祭りに
夏と言えば色々なお楽しみがある
あるけれども…
こんなに暑い夏は嫌だ!
扇風機だけで凌げていた昔の記憶は
間違えていたのか?
サウナと思って我慢していたら
間違いなく病院行きとなる
寒い冬よりも夏の方がよかったのに
これではどちらも嫌いな季節になってしまう
もう少しだけでいい
どうか気温を下げてください…
「夏」
透き通ったものは、なんて魅力的に見えるのだろう。
暑くなると、透明なグラスやカップに入った飲み物がひときわおいしそうに見える。
たとえば、アイスコーヒーのグラスの、氷が重なりあって浮かび、ほのかに薄茶色に見えているようす。赤みを帯びたオレンジ色が氷の光でところどころ薄く輝くようなアイスティー。グラスの表面には、水滴が浮かび、揺らすと聞こえるカラカランという氷の音も透き通った感じを引き立てる。
夏のデザートもそうだ。
ゼリーや、水羊羹、金魚の模様が浮かぶ和菓子。液体のように透き通ってはないけれと、すりガラスのようにちょっとだけ曇った感じがいい。器にもって、光を受けると控えめにきらめくそれを、そっとスプーンにとる。
暑い夏の楽しみの一つだ。
「夏」