声が枯れるまで』の作文集

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声が枯れるまで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

10/21/2024, 2:25:27 PM

歌には、不思議な力がある。

歌を歌うには意味があって、届けたい想いがある。

だから私は歌うよ。

【No.35 声が枯れるまで】

10/21/2024, 2:23:10 PM

【書く練習】
 
 気持ちのイライラが押さえきれない
 
 仕事で腹のたつことがあった
 誰が悪いとかではない
 ただただ腹立たしかった
 
 それを人にぶつけてしまいたくてしかたがない
 自信の感情をコントロールできない
 夜も眠れないほどだ
 
 おかしいのはわかっている
 でも、止められない
 薬を飲んで押さえるが、
 こんな自分をどうしていいかわからなくて、辛い
 
 おかしい私が悪いのだろうか…

10/21/2024, 2:22:30 PM

*声が枯れるまで

(一旦残し。最近創作の時間がない…悔しい…)

10/21/2024, 2:22:00 PM

歌が上手くなりたければ
声が枯れるまで一回練習してみては?

10/21/2024, 2:22:00 PM

声が枯れるまで、飲んで。歌って。
ひとり行き着いた、馴染みのバーの端っこの席。
終電はとうにない。時刻は午前2時。
酔いも覚めてきた。目がしぱしぱするからコンタクトを取りたいけど、メガネは家だ。全く見えないわけではないけど、視界がぼやけるのは心許ない。

あー。なにやってんだろう。

あー。どうしようもないなー。

あー。ねむい。かえりてぇ。

「あ゛〜」

「すごい声」

そう言いながらマスターは、私の前に透明の液体が入ったグラスを置いた。頼んでないなーって思いながらグラスとマスターを交互に見る。

「お水です」

「なるほど!」

急に喉が渇いた気がして、クラスを手に取り一気に飲む。

10/21/2024, 2:21:30 PM

スタートと同時に後ろから声援が飛んでくる。
「ベンガベンガベンガベンガベンガ!!」
うるさい声援から少しでも遠ざかるように足に力を込めて走る。
「ベンガ」とはスペイン語で「早く」等を意味する言葉だ。
今の状況だと「行けっ!」っていう意味の声援になる。
後ろで声援を飛ばしながら着いてくる監督は、声が枯れるまで「ベンガ」と叫び続けるつもりだろう。
走っているこちらとしてはかなりうるさい。
思わず声が枯れる勢いでうるせえー!と叫び返す。
「ベンガ」の声援はいっそううるさくなった。
(声が枯れるまで)

とあるアニメ映画へのリスペクト。

10/21/2024, 2:21:25 PM

【声が枯れるまで】


後輩達に誘われ久しぶりのカラオケに

若い頃はよく行ってたし

飲みの席で1曲2曲歌う事はあったけど

しっかりカラオケの会は

随分と久々な気がする


今時の歌は歌えなくとも

後輩達にも分かりそうな歌はそれなりにある

何なら気にせず

好きな歌連発でも良いか


昔取った杵柄

耐久力なら若い衆にもまだ引けは取らない

とりあえずリクエストに応え軽く1曲


迫力満点の歌で後輩達の度肝を抜いてやろうと

2曲目に誰も知らないであろう曲を選択


サビに辿り着く頃にはもう声は出なかった


あぁ

老いって


その後は

携帯していたのどぬーるスプレーと

ソフトドリンクで喉を潤し

孫を見つめるおじぃの笑顔で

穏やかな時間を過ごした

10/21/2024, 2:21:14 PM

叫べ。叫べ。
思いの丈を叫べ。
心に溜め込んでいた思いを、感情を。
大切な人ほどいなくなる。そう思い込ませてしまったのは私のせいだ。
だから彼女は時々仲間たちに辛くあたったり、不自然に距離をとるなど素っ気ないこともした。
仲間たちを大切な人たちだと認めたくなかったから。
認めてしまったら失ってしまうかもしれないと思い込んでいたから。本当は大切な人たちだと心の奥底では認めているのに。
あるきっかけから彼女の思いを知った仲間たちは彼女にまっすぐぶつかってきた。
もう大切な人を失うことはない。自分たちは決していなくなったりしないと……。
その真摯な思いと言葉は少しずつ彼女の思い込みを溶かし、彼女は仲間たちを本当の意味で受け入れた。

声が枯れるまで泣き叫べ。
彼らは私の分まで、いいえそれ以上にあなたを幸せにしてくれるから。

10/21/2024, 2:18:44 PM

『声が枯れるまで』

30年ぐらい前に
私の通っていた学校では
春の体育祭で
それぞれの学科を応援するための
応援団があった。

入学して1ヶ月も経たないうちに
上級生が私たちの教室に入ってきて
ジャンケンで負けた男子生徒が
応援団になるという徴兵制度のような
伝統を告げられた。

私は、じゃんけんに負けてしまい
強制的に応援団に入れられた。

放課後に、
先輩達の指導の下
体育館や校庭の裏で
騎馬立ちをしながら
応援の練習を強いられた。

じゃんけんの勝組は
仮入部でどの部活が良かっただの
と新たな学生生活を満喫している最中
負け組の私達は
「気合いだ!」
「根性だ!」と
先輩達にイビられ
「気合が足りん!」
「腰が高い!」と
怒鳴られ
ときに蹴られという
なんとも悲惨な日々を
入学早々に強いられた。

応援の練習では、
大きな声でエールを送るため
練習後は、いつも声が枯れ足腰がガタガタだった。

今となっては
青春の思い出の
エピソードの一つである。

ちなみに
色々問題が発覚したのか
私達は、その応援団という伝統の
被害を受けた最後の学年となった。

翌年からは、
体育祭ではなく
スポーツ大会と名を改め
応援団自体が
結成される事もなくなった。

10/21/2024, 2:17:24 PM

声が枯れるまで叫ぶほど打ち込めるのは幸せだと思う。
最近声が枯れたといえば、
飲み会終わりのカラオケで叫びすぎたぐらいだ。

お酒と同期の盛り上げに全力なんです。
これぞ大人の青春

(声が枯れるまで)

10/21/2024, 2:14:56 PM

作品No.204【2024/10/21 テーマ:声が枯れるまで】


 この声が嗄れるまで、私は、私には、何かを伝えたい相手がいるだろうか。
 この声を嗄らしても構わないと思えるほどの、そんな相手がいるだろうか。

10/21/2024, 2:06:49 PM

声が枯れるまで

叫んで泣いて怒って

次の日声はガラガラで

その繰り返し

10/21/2024, 2:03:36 PM

え、ない。なんかある?思いついたら編集で書き直します。
「声が枯れるまで」

10/21/2024, 2:01:55 PM

—打てよ、打てよ。打て打てよ。お前がやらなきゃ誰がやる。
「かっ飛ーばせー!たーかちほ!」
固く結ばれた指が、祈りを乗せて一層締め付けられる。
—さあ、フルカウント満塁。ピッチャー振りかぶって……。
キィン、と響く鋭い金属音と共にドッと湧き上がる歓声。
ピッチャーが青ざめた顔で振り返る。客席も、カメラも、茶の間も、一斉にその視線の先を追った。
美しい放物線を描いた打球は些か伸び悩み、天高く掲げられたグラブへと吸い込まれて行った。

学校総出で応援に行った甲子園地区予選決勝。9回裏、逆転のチャンスが訪れたが、センターフライでゲームセット。敗退してしまった。
瑞樹は散々日焼け止めを塗ったものの、顔も腕も真っ赤に腫れ上がってしまった。
今日は振替休日であったが、日焼けで身体が怠いからと、瑞樹は冷房の効いた部屋で二度寝をしていた。
だが母の言葉で飛び起きる。
「みずきー。リョウタ君来てんで」
「…は?!」
慌ててパーカーを羽織り、瑞樹は玄関まで向かう。
「うっす」
「っす…」
ランニング途中で寄ったのか。涼太は上下ランニングウェアを身に纏っていた。少し汗ばんでいる。
すぐ瑞樹は後悔した。寝起きそのままで出迎えてしまったし、なにより。
「いや、自分声枯れ過ぎやろ」
「……うっせ」
昨日応援で叫び過ぎたせいか、喉はささくれ立って聞き取りにくくなってしまった。
「…ごめんな。応援してくれたんに」
「…ぇぇょ」
カッスカスの声で答える。わざわざ謝りに来たんだ。そう思うと、胸がギュッと苦しくなった。
もっと気の利いた事を伝えたいのに。瑞樹は必死に唾を飲み込み声を発した。
「…また来年で、ええよ」
同時に鼻の奥がツンとした。ウチが泣くんは違うやろ。そう言い聞かせ、俯く。
「…おう。来年は絶対連れてったるよ」
チラリと目をやった涼太の顔は、瑞樹よりもっと日焼けして黒々としていた。肌が坊主頭と一体化して、まるでタピオカみたいだ。
気を揉んだかと思ったが、少し目が赤くはあるもののその表情は清々しいものであった。
「お前ん声、めっちゃ聞こえたわ。来年も頼むで」
「アホ。聞こえるかいな」
軽く小突くと涼太は嬉しそうに笑い、踵を返した。軽く手を振りその背を見送る。
(来年も、いくらでも応援したるから。やから)
がんばれ。瑞樹は小さくなる背に檄を入れた。

≪声が枯れるまで≫

10/21/2024, 1:58:47 PM

「へへ、いくらでも叫んでいいんだからな…仲間どころか地上にすら届きやしねえよ」

見つかってしまった

1年間、ダイルさんの家で隠れて暮らしてきた。
見てはいけない隣国の秘密を知ってしまったユマ達4人は殺されそうになって、そのうちの1人、ランナウが他の3人を逃した。
そしてランナウは……。

とにかくユマ達は逃げてきたんだ。この状況にだけはならないようになんとか逃げてきた。

でももう終わりだ。こうなったらどこまで知ったか吐かされて殺されて、周りの関わった人達まで口を塞がされる。モセウさんも、ヘキさんも……ダイルさんでさえも、きっと国には敵わない。

「そいつは騒ぎそうだから下でヤるぞ」
「嫌だ!やだやだやだ殺さないで!やめて!嫌だあたし何も知らない!話してないからやめて!」
腕を乱暴に引かれるセリの叫び声に心臓が更に大きく跳ねる。
既に気絶するまで殴られたオチホは床に転がされて動かない。
殺されるんだやはり。
あのときの記憶が蘇る。

「逃げろ!」
叫ぶランナウ。彼の魔法で飛ばされるユマ達。
ランナウの胸から飛び出る、鮮血。
「うあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁ!!!!!!」
「おっと狂っちまったか?静かな嬢ちゃんだと思ったが流石に刺激が強すぎるよなぁ」
「いやあ゙あ゙あ゙ぁ……!!」
「オレはあのヒゲと違って叫び声は嫌いじゃねえから存分に叫びな、諦めと痛みで叫び声がかすれて来る時が堪らねえんだよ……全くあいつは分かってねえな……」

「ゔゔゔ……うあああああああ!」
涙でぐちゃぐちゃで、もう最後の足掻きだと思ったとき。

「叫び声に興奮するとかキモすぎうるッせぇだけなんだよそんなの」

ユマの顔を覗き込んでいた男が後ろを振り返って、そこにはそのひとが立っていた。
「何だおま……うわああああ!!!」
ゴッ
「ッせえなだから静かにしろっつってんだろ!」
男に強い一発を食らわした。
「っ……ダイルさん!!」
来てくれた……!通常運転なダイルさんを見てほんの少し落ち着く。
「ユマ、こいつ死んでねぇよな?」
オチホを指さす彼。
「う、うん。でもセリがまだ下に!何されてるか分からない!!」
「アあすぐ回収して来る。助けが遅れたのはまあ……すまん。あとは安心してオチホ見とけ」
「あ、え、うん」

へたんと座り込むユマ。
下の階からすごい音がして、すぐ止む。

こんなに頼りになる人だなんて、思っていなかった。
そういえば、ダイルさんは事情を知っていたモセウさんが安心して任せるほど、とても強かったんだ。
とりあえず全部仕留めたけど、どうすりゃイイんだ……?という声が近づいてきて安心したユマは、そこからの意識がない。

気がつくと当たり前のようにダイルさんの家にいて、ユマはまた泣いてしまった。

10/21/2024, 1:57:26 PM

昨日の休日はファミレスに行った
モーニングセットがお手頃だ
朝が早い私達は
7時半には到着している
ホールの女性は時々見かける人
1人でホールを回してる
「いらっしゃいませー」
「お料理少々お時間頂いてます」
「大丈夫ですか」
「お好きなお席 どうぞ」
来る人ごとにこのセリフ
少々声もかすれ気味

後ろの席に
ツーリングの団体客
なるほど これは大変だ
声が枯れるまで
がんばるこの人に
あまり無理は言えないね

10/21/2024, 1:55:47 PM

『声が枯れるまで』


周りの声に紛れて、口だけを動かす。
顧問に怒られたくないし、
あいつを応援してない奴になりたくないから。

たった0.1秒の差だった。
学校の練習で負けたことがあっても、
大会では全て勝っていた。
当日のコンデションだって悪くなかったのに
それなのに、なんで…。
よりによって3年最後の大会で

わかってる。最後だからたくさん練習したんだろうなってことも、少し油断してた俺も。

あいつの勝ったと分かった時の顔が忘れられない。
咄嗟に見た顧問の顔、横で喜ぶ部員達。


観客席からあいつを見るのは始めてだ。
いつも俺がいたはずのスタート位置にあいつが立つ。

途中

10/21/2024, 1:54:13 PM

張り切って髪を金髪にし、眼鏡からコンタクトに変え、ピアスを開けたものの、高校デビューには微妙に失敗してしまった。
いや、野暮ったい前髪に分厚い眼鏡であだ名が『メガネ』だった中学時代を思えばだいぶ良くなったというべきか。
どうして、いつの時代もクラス分けは理不尽なのか!
俺はアイツの隣に立つために、足りない学力を必死の受験勉強で補い、家から少し離れた学校に通うことに反対する両親をあの手この手で説得し、兄のファッション雑誌を読み漁ってイメチェンし、ここまで来たのだ。いっそのこと、学力順に振り分けられているのであれば、諦めがついたのに。
(どうしよう)
考えていると、アイツが
「オレ、軽音部に入るわ」
と言っていたので即入部を決めた。
音楽は、授業以外で触れたことがなかった。
小さい頃に少しだけピアノを弾いていたが、女子が多い中に男子が1人だけだったので、気恥ずかしくなってすぐにやめた。
初めて触れたギターに、心が震えた。入部した動機は不順なのに、俺は音楽に夢中になった。
文化祭ではバンドを組んで好きな曲を演奏した。
とても盛り上がった。
幼なじみのアイツに、彼女ができた。
引き攣る表情筋を無理やり操って
「そっか、おめでとう」って言った。
今日は部活は休みで、アイツはバイトだ。
なんとなく家に帰る気分じゃなくて屋上に来た。
昼休みにはよく来るが、放課後に来るのは初めてだった。日差しが弱くて少し体が冷える。
今日は風が強い。俺のちっぽけな歌声なんてあっという間に攫われてしまう。むしゃくしゃして、どうしようもない感情を歌と共に吐き出すが、ぜんぜん減る気配がない。それどころか、次々と腹の底から湧いてきて心を揺らす。挙げ句の果てに涙まで出てきた。
そのまま声が枯れる歌い続けた。気がついたら暗くなっていた。体はすっかり冷え切りっている。
案の定、次の日は風邪を引いた。

10/21/2024, 1:47:51 PM

「失恋ぐらいで泣いたりしないし」
鼻を鳴らして、友人はたった今運ばれてきたレモンソーダを吸った。
「じゃあなんで呼んだの」
「は、何、泣かないと呼んじゃダメなの?」
「そうじゃないけど、こういう時って辛いものでしょ。慰めて欲しいのかなって」
ガンッ、と趣のある純喫茶で鳴っちゃいけない音がした。木製のテーブルにすごい勢いで落とされた彼女の拳が原因だ。衝撃で注文した飲み物たちがコースターからちょっとずれて、なみなみだった私のホットコーヒーは大さじ1杯ぶんくらい飛び散った。
「ふざけんな。あたしはそんななよなよしい女じゃない、人を馬鹿にするのも大概にしてよ」
明らかに、かなり怒っている。それでも声のトーンは控えめで、彼女が最大限周りに配慮してるのだと分かった。既に拳の音で周りのお客さんはぎょっとしてるんだけど。とにかく私は慌てて口を動かす。
「ごめん、怒らせるつもりじゃなかったの。辛くないのかなって思って……」
精一杯の弁明の言葉である。本気で怒らせるつもりはなかった。珍しく友人から「失恋したから話聞いて」なんて連絡をもらって、ちょっとだけ浮ついていた。まさか頼ってもらえるなんて思ってもいなかったから。大泣きしている彼女を勝手に頭に思い浮かべて、元気づけようと張り切りすぎたのが裏目に出たらしい。交友関係が下手くそなのは自覚があった。頭を下げると舌打ちの音が聞こえる。
「まじ、有り得ないから。あんたのそういうとこまじで嫌い」
「うん、ごめんね……」
「あんたが昔から思ったこと言っちゃう奴って言うことは知ってるけどさ、もうちょい自分の使う言葉のニュアンス気にした方がいいよ。友達無くすわよ」
「友達はあなたしか居ないもん」
「だっる」
 綺麗な顔をぐちゃっと歪ませて、友人はそう吐き捨てた。どうしたらいいか分からなくなって、私はコーヒーを一口飲む。味の善し悪しは判別つかないが、インスタントのよりは匂いが濃い気がする。
「……」
気まずい空気が流れた。友人は不機嫌そうにカウンターの方を眺めている。もう一回謝った方がいいかな。さすがに落ち着かなくなって来た所で、「……別に」彼女が先に口を開いた。
「悲しいよりムカついたから誰かに愚痴りたかっただけ。……あんたいつでも暇そうだし、そんなんで誘って悪かったわよ」
いつも強気な彼女には珍しく、紡がれる言葉はぼそぼそと歯切れが悪い。
「ムカついたの?」
「だって2人で映画見に行ったり旅行までしたのに、『彼女がいるから』って振るのよ!?意味わかんない」
再びテーブルに拳が振り下ろされる。ごん、とまたいい音が響く。ウェイトレスがなにか言いたそうにこちらを見ているのが尻目に見えた。
「彼女いるって知らなかったの?」
「知らない、言われてない。絶対遊びかキープだったんだわ」
「言語化したら余計ムカついてきた!!」なんて口調を荒らげながら、友人は残りのレモンソーダをぐいっとあおる。もはやストローが意味を成していない。段々声量も上がっているし、そろそろお店側に何か言われても文句は言えないかもしれない。でもさっきの今で余計なことを言って怒らせたら元も子もないから、私は大人しくウンウンと頷くに留めておいた。
「しかもあたしが繋いだ後輩ちゃんと付き合ってるって何なの、もー絶対奢ってやんない」
「うん、紹介した後輩ちゃんと付き合うなんて酷いね」
「何その機械みたいな返し、絶対思ってないでしょあんた」
とりあえず頷いているだけなのはあっさりバレた。申し訳ないが、私は恋愛はおろかお悩み相談さえ経験不足である。ごめんと謝ると、「そんなすぐ謝るな」とまた怒られた。
「……ああ、でも口に出したらちょっとましになった。今度は絶対騙されるもんか」
 いつの間にか、険しかった表情はだいぶ普通の顔になっている。自分の中で解決してしまったらしい。「あークソ!クソ喰らえ!」かなり子供っぽい捨て台詞を吐いて彼女はぐっと伸びをした。
「聞いてくれてありがと、一応お礼しとく」
「何もしてないけどね」
「まあ、あんただったからなりふり構わず吐き出せた気もするわ」
「……結局泣かなかったね」
 あまりに綺麗に吹っ切れてしまっているさまをみて、私はぽろっと言ってしまった。友人が強い人間なのは知っていたけども、まさか失恋トークがこんなあっさり終わってしまうなんて。「まだそんなこと言ってんの」友人はまた眉間にしわを刻む。
「こんなので泣くわけないでしょ。泣くのはめちゃくちゃ心底惚れちゃうような人に振られた時に取っとくのよ」
 友人はそう言って、今度は笑った。生命力に溢れていて、夏の花みたいな笑顔だ。私は見蕩れた。
「……うん、うん。それがいいね」
「振られるは否定しろ馬鹿」
 あーもう、景気づけにデザート頼んじゃお、とメニューを捲り始めた彼女をぼんやり眺める。いつか彼女が本気の恋をしたその日、私はまたこうして呼び出して貰えるだろうか。
 もしもの未来について想像する。彼女がたった一人を想って、声を枯らすほど号泣する。不機嫌な顔と笑った顔しか知らない私は、彼女の泣き顔を上手く思い浮かべることができない。きっと綺麗だろうということだけがわかる。鮮やかに怒って笑う人だから、泣き顔もきっとそうだ。
 隣に居る人間を心底羨ましく思った。それが私だったら良いのに。
 彼女に言えばだるいきもいって言われそうだな、なんて自分の思考にちょっと笑った。

(声が枯れるまで)

10/21/2024, 1:42:47 PM

声が枯れるまで



あなたは
声が枯れたことが
ありますか

それは
どんな理由でしたか
いつですか

声が枯れるまで
年々、そんなことから
遠ざかる

声が枯れるまで
それは、若さの残照です
酒と煙草は別です

叫びたい!
横浜ベイスターズが
勝ったぞ!
(巨人が勝っても良かったけど笑)

雄叫びは
私を少年少女にしてしまう
「おめでとう!」

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