『声が枯れるまで』
30年ぐらい前に
私の通っていた学校では
春の体育祭で
それぞれの学科を応援するための
応援団があった。
入学して1ヶ月も経たないうちに
上級生が私たちの教室に入ってきて
ジャンケンで負けた男子生徒が
応援団になるという徴兵制度のような
伝統を告げられた。
私は、じゃんけんに負けてしまい
強制的に応援団に入れられた。
放課後に、
先輩達の指導の下
体育館や校庭の裏で
騎馬立ちをしながら
応援の練習を強いられた。
じゃんけんの勝組は
仮入部でどの部活が良かっただの
と新たな学生生活を満喫している最中
負け組の私達は
「気合いだ!」
「根性だ!」と
先輩達にイビられ
「気合が足りん!」
「腰が高い!」と
怒鳴られ
ときに蹴られという
なんとも悲惨な日々を
入学早々に強いられた。
応援の練習では、
大きな声でエールを送るため
練習後は、いつも声が枯れ足腰がガタガタだった。
今となっては
青春の思い出の
エピソードの一つである。
ちなみに
色々問題が発覚したのか
私達は、その応援団という伝統の
被害を受けた最後の学年となった。
翌年からは、
体育祭ではなく
スポーツ大会と名を改め
応援団自体が
結成される事もなくなった。
10/21/2024, 2:18:44 PM