九至 さら

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『声が枯れるまで』


周りの声に紛れて、口だけを動かす。
顧問に怒られたくないし、
あいつを応援してない奴になりたくないから。

たった0.1秒の差だった。
学校の練習で負けたことがあっても、
大会では全て勝っていた。
当日のコンデションだって悪くなかったのに
それなのに、なんで…。
よりによって3年最後の大会で

わかってる。最後だからたくさん練習したんだろうなってことも、少し油断してた俺も。

あいつの勝ったと分かった時の顔が忘れられない。
咄嗟に見た顧問の顔、横で喜ぶ部員達。


観客席からあいつを見るのは始めてだ。
いつも俺がいたはずのスタート位置にあいつが立つ。

途中


10/21/2024, 1:55:47 PM