『声が枯れるまで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
声が枯れるまで。
喉がおかしくなるくらい。
歌う。
曲に合わせて。
叫ぶように歌ったり。
泣きたくなるぐらい、歌詞に共感したり。
大好きな曲で、気分良くなったり。
好きなように、好きなものを。
好きなだけ。
ひとりだけど。
ひとりだからこそ。
日々、溜まってしまった気持ちを晴らすため。
気がすむまで、声が枯れるまで。
歌い続ける。
声が枯れるまで
世界の全てを憎んでも
生まれたことを後悔しても
過ちを犯しても
涙が海になっても
何したっていいから
死を、死そのものを疎んではいけない
其れは生者の驕りでしかない
声が枯れるまで
二人の少女の歌声が夕方の空に響く。歩道橋を渡る二人は手を繋ぎながら、楽しそうに歌っていた。
数日後、一人の少女が歩道橋の前にいた。小さく息を吸い込み、歌い出す。弱々しい歌声に嗚咽が混じる。
しかし、少女は歌うことをやめなかった。大きな声で、天にまで届くように歌う。涙が流れ落ちるのをそのままに、声が枯れるまで歌い続けた。
視線を下げ、少女は握りしめていた花束をそっと横断歩道の脇に置く。置かれたたくさんの花束に埋もれるように置かれたそれにはもう一人の少女が写っていた。
ずっとあなたを見ていました。
あなたは高嶺の花で、僕なんかが告白出来る訳もなくて。
ただあなたの背中を、目を細めて見ているだけでした。
だからなんでしょうね、認知さえされないのは。
けど、もし…もし、僕が声が枯れるまで叫び続ければ、あなたは僕を見つけてくれてましたか?
「声が枯れるまで」
叫び続けたい
この思い、苛立ちを晴らしたい
渚りょうすけ君
黄瀬りょうた君
木咲ひなた君
暁月りょうげん君
ゆとぴ君
もとぴ君
ちゃま君
声が枯れるまで
追いかけたかった
けれども
声を残す以外に道は無いと
悟っていた彼女は
追いかけることを諦めた
声が枯れるまで____
2022/10/21 小説日記
私は喋るのが苦手。友達からもよく「不思議」と言われる。別に悪口を言ってるんじゃない。わかっているけれど言われていい気分にはなれなかった。
頭の中では2つの自分がいる。夜の自分と昼の自分。夜では弱くて自分勝手で泣き虫。昼では馬鹿でなんにも考えてなさそうでお人好し。
最近、区別をつけるのが難しくなっていった。夜の自分と昼の自分がぐちゃぐちゃになっていてついおかしなことを言ってしまう。夜の秘密を誤魔化すために変な発言をしてしまう。
だから嘘をよくつくし不思議な子になる。自分が昔ついた嘘と今の嘘がぐるぐるしてどう答えればいいかわからない。わからなくて相手を傷つける。
小説ってすごく素敵だと思う。
文章ってすごく便利だと思う。
言葉ってすごく厄介だと思う。
文にすれば言いにくいことも言えるし、何より自分の気持ちがここに残る。誰かの記憶が消えてもこの言葉だけは消えない。
声が枯れるまで笑うことはよくある。それって幸せなことだと思う。でも、私の願いは自分の書いた文を声にして誰かに伝えることだ。そんなの願いでもなんでもないかもしれないけれど、私にとって実現するのは とても難しいんだ。
誰かと話してみたい。
ゆっくりと馬鹿やってる昼の自分じゃなくて、
ちょっと重くて昼の私じゃない自分で。
誰かと声が枯れるまで話したい。
声が枯れるまで
もっと元気でいて欲しかった、と思う人が何人かいます。まだ、そんな年齢じゃなかったのに、彼岸に渡った人たち。
心の中で世話になったと祈ってみたり。でもきちんと感謝を伝えたい、と思うことが今でもあるんです。
三途の川岸で、彼岸に向かって大声で叫ぶんです。
聞こえてますか?わたは元気にしてます。あなたのお陰で、ここまでやってこれました。もう少し、こちらで頑張ってみます、と。
声が枯れるまで叫んでみたら、伝わった気がするかもしれません。
声が枯れるまで叫んだり泣いたりするのは人間だけなのか。人間以外の枯れた声は聞いたことがない。自分が知らないだけなのか枯れないのか。
自分は人間だけど声が枯れるまで声を出し続けたことはない。
しかし、これは全力で声を出したことがないということではない。
全力を出せばその結果が必ず現れるわけではない。
全力を出しても何も変わらないこともある。
しかし、全力を出し続けていたら声が枯れるように結果もいつか現れるはず。がんばろう。
目的地も決めぬまま、沈みゆく太陽を追い詰めながら俺は歩いていた。
陽光を庇うように立ち塞がる坂を、足を引きずって息を切らし、少し後悔しながらも登り切ると、太陽は既に地平線の彼方へ逃げ切る寸前であった。
どっぷりと海に浸かり、燃え尽きる手前で一段と輝き出した今日の太陽に目を焼かれそうになり、慌てて逸らす。太陽から滲み出た絵の具を溶かした空と海は、毎日数分限定で橙に染まっている。
何の感情もなくそれを眺める。ふと、何故だか無性に叫びたくなった。
理由は不明だ。多分、今なら何を叫んでも夜の訪れと共に消えて、無かったことになるとでも思ったのだろう。それか、年甲斐もなく青春の真似事がしたくなったか。
思い切り息を吸い込んで、目と口を大きく開けて前のめりになる。
……が、特に叫びたいことが見つからなかった喉はただ息を吐き出し、それは大きな溜め息となって潮風に溶けていった。
そんな今の俺は、傍から見れば相当滑稽で不審な姿に映るだろう。
何だか馬鹿馬鹿しくなって、誰かが来る前にさっさと踵を返す。
見下ろす世界からは既に橙は消えていた。
しかし、もし、声が枯れるまで、何かを叫べていたら。
……少しだけ、この馬鹿馬鹿しさを嗤えたかも知れない。
声が枯れるまで
声が枯れるまで泣き叫ぶよりも
押し殺すことの方が上手くなった
不器用なのは果たしてどっち
声が枯れるまで叫んだ記憶は
はるか遠い昔のこと
今はなかなかそれを行う機会もない
だから代わりに文章で書いている
歌うよ。喋るよ。
声がかれるまで。
配信してるの。
アウトプットするの。
ごめんね.下手くそだけど。
私の居場所のひとつ。
死にたいとか、消えたいとか、やめたいとか、
死んでとか消えてとか、やめてとか、
そういう言葉人生で聞く必要ないよね。
言われる筋合いなんて無いし、
言う意味もない。
そんな言葉知る暇があるなら、
政治とか学ぶ時間にしたら?
ニュースを見るのが面白くなるよ。
『死にたい』の言葉は、簡単に言える言葉じゃなくて
なにか死にたい理由がその時にあったから
死にたいが生まれて、
『消えたい』も、
消えたら現実から目をそらすことができるから、
死にたいじゃなくて消えたいになる。
だって、死んでしまうより消えてしまうほうが、
楽だもの。
泣けなくなったのは、
声が枯れてしまうほど泣けなくなったのは…
泣くことがなくなったからじゃなくて、
泣ける場所がなくなったから。
月。
*ただのつぶやき
出かけた先で見かけた君。
久々に会えた喜びで、お話をしに近づいてみた。
もう何年ぶりかな。
小学生の時より身長はすごく伸びてて、
あんなにモサモサだった髪も刈り上げて、
声はびっくりするほど低くて、
穏やかな顔立ちもこんなに男前に変わっていて、
マスク越しで、何年も会っていないのに君だとわかる。
私は君を忘れてないよ。
君は私を、覚えているのかな。
「__もしかして、○○くん?」
声が枯れるまで
泣いた。
叫ぶように泣いた。
私の中にあるモヤモヤを吐き出すために。
声が枯れるまで。
「あの葉はいつ枯れて落ちるのだろうか」
イチョウの葉を見て呟いた私に、
小さい声が横から聞こえる。
「秋の終わりには落ちるでしょうね、
気づけば空も高くなりましたから」
そういう君の幼い横顔には老木の様な、
終わりに近づいた時の諦めに似た、落ち着きが見えた。
君はイチョウの葉を見上げて続ける。
「イチョウは良いですね、枯れて落ちる時が一番綺麗で」
純粋な羨望に満ちた声が嫌に悲しかった。
「時期に声も出なくなるそうですよ。
自分の声だけは好きだったんですけどね」
ただ終わりを待つ君は枯葉に似ている。
「せめて声が枯れるまでに落ちれたら良いのに」
秋風が吹いて、薄く色付いた葉を散らしていく。
「あぁ、やっぱり綺麗ですね」
その通りだと、私もそう思った。
#声が枯れるまで
「声が枯れるまで、愛を叫ぶ」というようなフレーズをよく目にする。
私はそれがどうも、独りよがりなパフォーマンスに思えてしかたがなかったのだが。
あの人に出会ってからは変わった。これが恋なのか。
今にも崩れ落ちそうな崖の上でだって愛を叫べる、燃え上がって止められない情熱。
でも、あの人なら言うだろう。
「そんなことしなくていいよ」って。
どうして?なんて、聞かなくてもわかる。
「叫ばなくたって、わかっているから」
声がする。私の頭の奥の方で君のざらついた声がする。声の好き嫌いは性格の相性に関わるんだって。じゃあ私たち、一体何がいけなかったんだろうね。
どんなに綺麗な花だってすぐ枯れてしまうなんて、知りたくなかった。