『喪失感』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
心の中の大きな何かが抜けてしまったよう。
何が抜けてしまったのか、今の僕に知る術はないけれど
ただひとつ言えるのは、生きたいという気持ちがなくなったということだけ。
『喪失感』
娘が幼い頃、知り合いから貰ったぬいぐるみがお気に入りだった。
その名も「ニャニイ」ちゃん。
いや、娘がアンパンマンの映画から拝借して付けた名前だが。
クタクタのぬいぐるみで、持ち運びやすいのもあってか、どこへ行くにも一緒だった。
公園に遊びに行く時も、家族で旅行に行く時も、必ず持っていったから、写真にはたくさん残っている。
時が経つにつれ、薄汚れていったのも見て取れて、それだけ愛されていたんだなと伝わってくる。
そんなニャニイちゃんは、ある日、電車のシートに置き忘れられて、サヨナラとなった。
もちろん、問い合わせて探してもらったが、見つからず。
娘はグズって泣いたが、その反応は親が思っていたほどではなかった。
興味が次のグッズに移るのは早く、親の方も元気付けようと奮発したおかげか、それほど引きずることもなく、ニャニイちゃんは我が家から姿を消した。
むしろ、ショックが大きかったのは親の方、いや、父親の私の方だったかもしれない。
なんだか、家族の一人を失ったような…いや、そこまではなくとも、娘の友達が行方不明になってしまったような、なんとか探し出してあげたい気持ち。
一人、電車のシートに取り残され、どこまで連れて行かれたのか。
汚いぬいぐるみだと処分されたか、どこかにひっそりと保管されているのか。
何も分からない。
喪失感だけが残った。
あの後、同じようなぬいぐるみを買いたいと探し回ったが、これだ!ってのは見つからなかった。
残されているのは、幼い娘が大事そうに、もとい、振り回すように手に持って写された写真のみ。
クタクタのぬいぐるみだったから、いつもギュッと握りしめられて…ずっと離さずに一緒だと思ってたんだけどな。
ちなみに、アンパンマンのニャニイちゃんは、その名の通り夢猫の国の住人だったが、我が家のニャニイは、小さなバッグに入って顔を出すタイプの虎だった。
猛獣だった。
幼い娘は、いつも公園で猛獣を振り回してた。
小屋見れば 揺れる尾探す
前足を かけていた柵戸 開けたまま
ただいまの 声かけていた 立ちつくす
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看取った時も、ペットのお葬式をした時も、泣かなかった私達は、家に帰ってきた時と小屋を処分する時に泣いた。
テーマ 喪失感
生きていれば
人は必ず何かを失う
大切な人、大切な物、大切な時間など
そのたびに喪失感が襲ってくる
無理に埋めようとしなくてもいい
無理に代わりを作らなくてもいい
無理に前を向かなくてもいい
今は失った人、物、時間と向き合えばいい
道の真中にいきなり現れるのが
喪失感という穴
人はいつかはと恐れるが
忘れていることの方が多い
歩いていて その穴に囚われる
思いがけない強さで
後ろから押されていた
喪失感なんてまだ味わってないし、正直よく分からないけれど
そんな気持ちがある人には
あなたは頑張ったと褒めてあげたい
〘 喪失感〙
《 喪失感 》
身体はまあまあ動くんだけど
頭が働かない今は考え事はちょっと無理ね
自分では大丈夫と思っていても
胸にぽっかり空いてしまったものは
時間薬でしか治せない
前に一日だけ、いつもの時間を過ぎてもあなたが帰らなかった日がある。連絡もつかなくて、居そうなところを探しまわって。結局ひょっこり帰ってきたあなたの右手には、ちょっと高いプリンがありましたね。
/喪失感
喪失感
「貴方を失ってから、この心の喪失感は消えません。
毎日僕に向けてくれていたあの笑顔は、昨日が最後でしたね。急な出来事で戸惑ったし混乱したよね。それは僕もだよ。だって、昨日プロポーズしたばっかなのに…なのにこんな感じになっちゃって…神様はどうして君を連れて行ったんだろう。僕が何かしたのかな?…。こんなの酷いよね。通り魔に刺されて…この世から居なくなるなんて。僕を置いてかないでよ…。二人で素敵な家庭を築こうって話したばっかだ…よ?。
貴方の最後に僕がいなくてごめん。間に合わなかった。なのに貴方は涙ぐみながら微笑みながら、"貴方からのプロポーズ…嬉しかった。…"そう最後に言ってくれたんだよね。貴方のお母さんからそう聞きました。僕も貴方にプロポーズして、こんな僕を受け入れてくれて本当に嬉しかった。だから言わせてください。
"黄泉の国でも、来世でも、ずっと僕と一緒に居てくれますか?"
」
僕は、彼女の仏壇に泣きながらそう言った。返ってこない返事を待つかのように…。
もうダメだって、とことん落ちても
めちゃくちゃ泣いて、もがいても
いつかは時間とともに回復するんだ
人間って、思ってるより弱くない
#喪失感
彼女は朝の日差しが差し込む窓辺に座り、手に持ったコーヒーカップから立ち上る湯気を見つめていた。香りが心を少しだけ和ませる。しかし、その温もりも長くは続かず、心の奥に渦巻く喪失感が再び顔を出す。数ヶ月前、彼の突然の死から、日常が一変した。彼と過ごした時間は、まるで夢のように鮮やかで、かけがえのないものであった。それなのに、今はその記憶が彼女の心を締め付ける。彼の笑顔、優しい言葉、共に過ごした何気ない瞬間が、まるで影のように彼女を追い回す。
彼女は立ち上がり、無意識に二人の思い出が詰まった部屋を見渡す。彼の趣味であったギターが静かに壁に寄りかかっている。彼はいつも、ふと気が向いた時にストロークを始め、心に浮かぶ歌を歌っていた。彼女の好きなメロディーを弾くときに見せた、無邪気な笑顔が今、彼女の胸を苦しくする。喪失感は、まるで冷たい風のように彼女の身体を包み込み、温もりを奪っていく。
彼女はギターに手を伸ばし、そっと弦に触れてみる。かすかに感じる振動は、彼の存在を思い起こさせた。彼女は深い呼吸をし、指を動かすが、音色はいつも通りではない。彼の音楽が消えた空間で、彼女の音楽もまた途切れてしまったようだ。ささやかな喜びの瞬間が、喪失感の影によって塗りつぶされていく。日常は続いているのに、自分だけが立ち止まったままの気持ちが、彼女の心を押しつぶす。
彼女は一人、外の景色を眺める。周囲の人々が笑い合い、手をつなぎながら歩いている姿が、まるで遠い世界の出来事のように感じる。彼女だけが、孤独な影に包まれたように立ち尽くしている。彼の声が心の中で繰り返される。「大丈夫、君は一人じゃないよ。」しかし、その言葉の意味が、今は彼女には届かない。彼の声を思い出そうとするたびに、現実は厳しさを増すばかりだった。
日が暮れ、薄暗くなった部屋の中で、彼女はふと思いつく。彼との思い出を、一つの物語として綴ることができるのではないか。記憶の断片を繋ぎあわせることで、彼の存在を再び感じられるかもしれない。喪失感に飲み込まれるのではなく、その中に光を見出す方法があるはずだと信じ始めた。彼女はノートを取り出し、ペンを握りしめる。彼との出会いや、小さな幸せ、そして別れの瞬間を言葉にすることで、彼を忘れることはないと誓った。彼の音楽が再び心の中で響き渡る日を夢見ながら、彼女は物語を紡ぎ始める。
テーマ-【喪失感】
もう一度
あなたの存在が
襲いかかってくる
それが
喪失感
喪失感
大切な何かを失ったときにやってくる。
やつがいるから、
失ったものが自分にとってかけがえのない存在だったのだと気づかされる。
その時大切な何かはもうないのに。
いじわるだなぁ。
なんて思ったりもするけど、
やつがいるから、
今の自分にとっての大切を
守ろうと思えるのかもしれない。
過ぎていった日々に、想いを馳せていた。
無くした物を数えるように、残された時間を数えていた。
旅立ちまでのカウンドダウンは、とっくに始まっている。
私は、楽しかった日々に、別れを告げられるだろうか?
喪失感
子供たちが大学を卒業した。
小さい頃はお兄ちゃんも妹の花菜も私の後ろを付いて回っていたのに、反抗期には話しかけてもろくに返事もしなくて本当に手がかかった。
毎日お弁当を作り、朝は子供たちを起こして朝ごはんを食べさせ、お弁当を持たせて送り出す。そのあと自分も仕事に向かい、帰ってきたら夕食を作り、片付け、明日の準備をしてからやっと休む。そんな生活を20 年以上続けて来た。今までは本当に子供中心の生活だった。
そんな生活がやっと終わった。
これからは夫婦2人の時間が持てる。夫婦で食事や旅行に行ったり、私は趣味のパッチワーク出大作を作りたい。
ワクワクして楽しみだ。そんなふうにに思っていた。
それなのに妹の花菜が家を出て一人暮らしの生活を始めて1週間が経った頃から、なんだか落ち付かず、家に1人でいると喪失感で押しつぶされそうだった。
自分の時間、夫婦の時間ができると思っていたのに、子供たちの存在がかけがえのないものであったと思い知らされた。
でも、子供たちには子供たちの人生がある。母親である私がそれを歪めてしまう訳にはいかない。ずっと子供たちのための生きてきたのだから、これからも子供たちの応援団でいたい。
そして、子供たちが私を必要とした時に全力で手助けが出来るように心構えと体力は作っておかなければならない。
まだ喪失感からは抜け出せないが少しずつ
埋めて行きたいと思っている。
私は今日自分の性格について改めて理解した。私は好きな人に対して嫌いな感情を抱いていると勘違いしてしまうらしく、好きな人のことをめちゃくちゃ嫌いと周りに言いふらしてしまう節がある。そうなると好きな人にも耳に入ってしまい。私の恋というのは自分でぶち壊す形で失恋してしまうのだ。それに気づいた今日、私はとても心がぽっかりと空いてしまったように感じた。
喪失感、私には円の無いものだと思っていた。
だが、やはり、私の元にやって来た。
私には大切な友達が居る。
その人に、押し倒された挙げ句の果てに
私の初めてを奪われてしまった。
目はギラギラしていて、何処か悲しそうな顔を
しながら私の隅々まで食べられたのだ。
まぁ、初めてをその友人にあげられたことが
唯一の利点だったかしら。
その人に散々された後、
私は気絶するように眠っちゃったらしいわ。
その後は、起きて机を見るなり
普段はしないような朝食や手紙まで置いてあった
友人ならではの償いかしら?
手紙を読むなり、その友人の元に行ったわ。
コンコン。
"どうぞ。"
そんな事を言ってたので遠慮なく入った。
そして、気持ちを伝えた。
"あー、あのね、昨日の事を怒ってはないわ。
逆に嬉しかったもあるかしら…。
漸く、貴女に手を出してもらえたんだから。
だから、その責任取ってよね…。"
赤らめながら告白をした。
すると、驚いたように顔を隠していたが
真っ赤になった耳を見て確信した。
やっぱり、両思いじゃない。
良かった。
告白をされた。
ヤってしまったことを、嬉しいとまで言われて
そして、両思いだなんて、思っても無かった。
嬉しすぎて何処かへと飛んでいきたい。
なんて幸せな恋だろう。
だけど、順番間違えたな。
別の世界線ではこうはならないことを祈ろう…。
喪失感
心にぽっかり穴が空いた感じ
悲しいでもなく
悔しでもなく
何かが足りない感じ
君が離れていってしまった感じ
側にいないだけでなく
心の距離が遠くなった感じ
【喪失感】
⚠ネタバレ注意 進撃の巨人
視点:リヴァイ・アッカーマン
壁外調査に行くたびに仲間が減る。
こちらの事情もあり、死人を行方不明者として処理するくらい朝飯前だ。
だが、それほど親しくなくとも知人が死ねば悲しくなる
思い出しては度々
あいつらの家族はどんな人だったか。
帰りを今も待っているのか。
どんな気持ちで我が子を手放し戦場へ行かせたのか……
こんなことを考えることがある。
「リヴァイ兵士長!娘が世話になってます!
ペトラの父です!娘に見つかる前に話したいことが――――」
耳が痛くなるほど聞いたか。
名前や内容は違ったが…
どんな面して聞けと言っている。
そんなことはもう慣れたものだった……
「それで、巨人の生態を探っていると次の発見が――」
「おい、クソメガネ。もうモブリットと俺以外聞いてねぇ…。おまけに内容も先が見えねぇ」
「あぁ、そうだねごめん。まとめるよ。とりあえずここから言えることは巨人の―――」
毎月のように行われるこの巨人の実態調査の報告会は地獄と化す。
耐えられるものがなかなかいないもんだから、毎度真新しい顔がある。
5年も付き合えばこの長話も慣れたもんだが、
新兵上がりの中等は椅子に座っているのもままならないだろう
揃いも揃って死人の顔をしていやがる
こんな18時間以上も話すような異常な面を持ったやつがいたりするが、5年の信頼感は高い。
一番死に急いでいる気がするが
お前はまだだと言わんばかりに
毎度いきて返ってくる。
そんなやつでも、どうしてかもういなくなってしまうらしい
「今、最高にかっこつけたい気分なんだよ
………このまま行かせてくれ」
なんと声をかけるべきだったのか、
分からなかった
「心臓を……捧げよ」
「………
ハハッ、君が言ってるの初めて聞いたよ」
目の前でいなくなるやつにかける声なんて、
用意したくない
エルヴィンには申し訳ねぇことをしちまった
そして、これがこいつの顔を見る最期なのか
どこか寂しく思うのは
あの長話がもう聞けないからだろうか
追記作品【楽しみ】
こんな世界に生まれても、
人間は楽しむことをやめることはできなかった――――――
「ほら行くぞー!!!オ゙ラっ!!」
ぼふっ!!
白い雪玉が誰かの顔面に当たる
「あたり~!次鬼はエルヴィンねー!!」ヒャフーーーー!
ハンジの軽快な声が響く
「全く、こんなことをしていて良いのか。エルヴィン」
リヴァイが眉を潜めながら話す
「今、我々はこれしかできない状況にある。
時が経つまで待とう」
エルヴィン・スミス
目も眉も鼻も口も、雪に埋もれて全く何も見えないが
何処か強い声を響かせながら一人佇んでいた。
「おい…あれはどうなってんだ……
エルヴィン団長の顔面が真っ白に…」
「ジャン、隣にいるリヴァイ兵士長の方がもっとやべぇぞ…」
2人で話していると真後ろからハンジの声がした
「二人とも何棒立ちになってるだい、
このままじゃやられ――――」
言葉が終わる前に、ジャンとコニーは雪だるまになっていた。
「リヴァイ…、いつ鬼になったんだい…」
「あぁ?お前らがそこでのんびり会話してる間だ」
「いや、私さっきエルヴィンを鬼にしたよね?つい数十秒前」
「エルヴィンはそこで紅茶をすすって進まねぇから俺が鬼になった」
「で、次の鬼がコニーとジャン…?」
もはや雪景色に同化している2人が攻撃する様子はない
「こいつらが動かなきゃまた俺が鬼になる」
そう話すリヴァイの手には雪には見えない白い物体が握られていた。
47日目
何かを得るたび元々持っていた何かを失う
生きやすくなるたび正しさを喪っていく
志向と現実の乖離が大きい今はまだ喪失感がある
でもきっといつかはこの思考すら飲み込まれてしまう
正しさを喪失したことすら気づかなくなる
そんな未来を今は1番恐れている