『君は今』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私には中学生の頃から仲の良い友達がいた。
高校も違ったけどよく一緒に遊びに行った。
社会人になってからも、カラオケに行ったり、食事に行ったりした。彼女が仕事を急に辞めたと聞いては心配し。
彼氏ができたからと聞いては良かったねって自分の事のように喜び、彼女が結婚し、友人代表として挨拶もした。
子供が産まれたって聞いては、病院まで駆けつけたり、出産のお祝いも渡した。
でも、ある日突然音信不通になった。
私、何かしましたか?
どこにいるのかしら?
探さなくっちゃ。
【君は今】
君は今、何をしているのかな
君は今、何を思っているのかな
君は今、何をしたがってるのかな
僕の手の平に収まる小さな君。
大丈夫かな?ちゃんと寝ているかな?
君は今、寝ているのかな?
起きているのかな?
君が幸せなら、それで良い。
僕は君に全てを尽くすよ。
ありがとう。ありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
ずっとずっと大好きだよ。
「君は今」
日常から消えたあなたを想う
私ではない誰かが隣にいてくれますように
“君は今”
『君は今』
「このピヨピヨの毛、風を感じるんだよ」
クルンと巻き上がるように跳ねた前髪の一束を、まるで王冠のように戴いてご満悦の君。
そんな君の出で立ちは、洗いざらしのTシャツに、穴の開いたジーンズ。
背が高くてショートヘアの君は、一見少年のように見えるが、上品な仕草と小さくて高音の可愛い声がフェミニンな魅力も感じさせる。
そんな変わり者の君が、休日の街を闊歩する。
人の目など、まったく気にならない様子で。
4歳上だけど同期だった君。
本当に魅力的な人だったと、今にして思う。
偏見の塊だったあの頃の私には、それが分からなかった。
私とは真逆だったから。
つかみどころがないようでいて、現実的で落ち着いていて、君のそばは、陽だまりのように居心地が良かった。
君という存在は、ものすごく私を励ましてくれていたのに。
連絡も取れなくなってからそのことに気付いた。
君は今、どうしていますか。
時々、君を無性に懐かしく思うよ。
君にはいつまでも、あの屈託のない笑顔でいて欲しいと願っている。
【君は今】
駒形あたりほととぎす
coming soon !
「君は今」
1日に何度考えるだろう
今何してるの
いつ連絡くれるの
でも
待ってるなんて言わない
何してるのなんて聞かない
返事が来なかったら
立ち直れないから
忘れた頃に
必ずくれる
そう信じてる
君は今
何をしてるんだろう
どんなことを考えているんだろう
君は今
誰の顔が頭に浮かんでいるんだろう
どんな思い出が蘇っているのだろう
君は今
涙に濡れる夜を過ごしているのだろうか
明日なんか来ないでと、
心で悲鳴をあげたりするのだろうか
それでもまた、
必死に笑顔を作って、
僕が知ってる君になろうとするのだろうか
僕は今
君の顔が頭に浮かんでいるよ
君との思い出が蘇っているよ
僕は今
君の助けになれるように
君の光になれるように
君のもとへ、
走っているところだよ
君は今
何をしているのかな
何を思って生きているのかな
そんなことを思って
今日の夜空に問いかける
答えの返ってこない問いを投げかける
星たちは逃げ隠れしていて、
果たして私の問いを聞いているのかなど
わからないが
君の今に私はいないのだとわかって
胸が少し痛くなる。
「ごめん」最後の言葉さえ届かずに
今を生きている
呼吸すら苦しい
咳が止まらない
少しの水で死ぬかと思った
君は今から猛省しなさい
そうでないと君の人生詰む
もう嫌だ
母親辞めたい
君の感情を空に押し付けるなよな。
【物憂げな空】
世界にライバルなんてそう多くない。
たいてい、私が踏みつける凡人か、私を踏みつける天才か。肩を並べてくるやつなんてそう居ない。
そういう中途半端な天才が私で、そう、奴もそうだった。
二人で全国に、なんて陳腐な約束は過去の青写真として、ときの濁流に侵食されつつあったそんな頃。
『期待のルーキー』として奴の名前を聞いた。
テレビで特集が組まれていて、界隈を退いて、腫れ物のように情報を拒絶していた私でも知っているくらいの有名チームへ、新人として入ったらしい。
「昔、約束した奴が居るんです。全国で敵同士で闘おうって。ソイツ私より超上手くて! 学生時代は負けまくったんですけど、見返してやります。このチームで、全国で!」
記憶にないと言われれば、奴を私を踏みつける天才と認識して言い訳ができた。
……それなのに、奴は今でも私を目標にしている。
奴は今でも、学生時代の上手い私と闘っているつもりだ。でも、そんな私はもう居ない。アイツが目指す影はきっと私ではなく、奴の理想だ。学生時代の理想だった私にその役目を押し付けているだけだ。
――安心しろよ。あんなの長くないよ。スポーツでやっていける歳なんてたかが知れてるじゃないか!
「……今何してるんですかね。全国で会うまで連絡は無しなんです。でも、アイツなら必ず上がってきますよ!」
地方の大天才は、もう死んでいる。
学生時代つけた筋肉は、都会の飲み屋でのビール運びによく活きた。毎日毎日これだけ。甲斐甲斐しく過去の努力だけが私に残っている。
……私は今何してるんだろ。
両手に掴んだ瓶ビールをそのままに、せり上がってくる何かを必死に飲み込んだ。
【君は今】2024/02/26
【君は今】
君は今、何をしているだろうか。
そう思う時がある。
風呂に入っているとか本を読んでいるとかテレビを見ているとか、そういうのじゃなくて、君は今、僕の知らないところでどういう人生を歩んでいるのか。
それが気になる時があるのだ。
高校一年生の時だ。
僕は別に最初は君のことが好きだとか気になっているとか、そういう気持ちはなかった。
ただ、一人のクラスメイトとして、顔の整ったというより、僕好みの容姿をしていて、「可愛いな」と思うくらいだった。
三年に上がると別のクラスになって、ただ選択授業は同じで、週に二、三度顔を合わせた。
君はやはり、べらぼうに可愛かった。
可愛いから思わずチラ見してしまい、その度に無性に恥ずかしくなって首を振ることが何度もあった。
そんなことを繰り返していると、だんだん好きとでもいうのだろうか、そんな感じになってしまった。
結局、僕は告白をしなかった。
しようと思ったが、今はそうじゃない。
それが幾度となく繰り返されて、もしかしたら向こうから? なんて妄想を続けて、気づけば卒業してしまっていたのだ。
臆病なのか、はたまた、人任せなのか。
全く今頃になって後悔するなら、あの時呼び出してでもなんとでもして、告白しとくべきだった。
しかしまあ、何度戻ったって、同じことを繰り返してしまいそうだ。
そんな気がする。
僕はそんな回想というか後悔の念というか、そういうのを時々、風呂に入りながらじっくり考える。
どうしているだろうか。
知ったって、どうということにもならんさ。
そうに違いない。
◇◆◇
君は今、どうしているだろうか。
私は時々、昔懐かしいクラスメイトのことを回想する。
大学一年になって高校生の時のクラスメイトのことを回想するくらいだから、さぞかしクラスの中心人物だったに違いない、などと騙されてはいけない。
彼は間違いなく普通のクラスメイトだった。
多分、彼の友達以外は、「あー、あの子いたね!」などと、言われて初めて思い出すくらいの人物だ。
私の方はといえば、はっきり覚えている。
高校二年生の時に同じクラスになったというだけ。選択授業も同じだったっけ。
それだけだ。
別に仲良しの友達というわけでも、ましてや元カレというわけでもない。
ただ、気になっていた。
背が高くて頭が良い。
無駄口を叩かず黙々とやるべきことをこなしている彼が最初は少し、近寄りがたかった。
でもだんだんと、例えば廊下ですれ違った時とか、高いところにあるものをさりげなくとってれた時とか、そういう優しいところに、どうやら私は心奪われてしまったようだ。
結局告白とかそういうのはしなかったけれど、今になってしとけばよかったなぁと、思う。
何してるかな。
彼女とか出来たんだろうか。
それだったら少し、モヤっとする。
まあ、今頃そんなこと考えたってどうしようもないのだけれど。
私は時々「また会えたら良いな」と、彼のことを想う。
一期一会とはよく言うが、
私の言葉にすると、出会いとは衝突だと思う。
出会いたくもない奴ほど何度も勝手にぶつかってくるし、
一度しかなかった縁を、もう一度、もう一度と
手繰り寄せる様は、まるで実験の再現性を確かめる
物理学の検証のようだ。
この世の中、ひとは簡単にいなくなる。
だからこそ、意図の如何に関わらず、衝突していくことと
その一つ一つを大切にすることに意味がある。
翻って、別れや音信不通などの衝突しなくなった状態は、
私の中では死に等しい。
例えば、墓の中のひとは、帰省したり、
墓の前に立って初めて存在を思い出す。
写真の中の笑顔だけで、声や性格は思い出せない。
これは、昔住んでいた町の住民等も同じではなかろうか。
顔を見れば思い出せれど、あなたがその町で
思い出して探さなければ出会えはしない。
声も性格も、何も、ひとりでに思い出すことはない。
私が嫌なら、どうぞ離れてお行きなさい。
連絡を寄越さないうちは、君を僕の鬼籍に入れておく。
お題「君は今」
【君は今】
小さい頃よく抱きついていた汚れまみれの大きな犬のぬいぐるみ
大人の背丈くらいはあったんだよな
確か洗濯で落ちないくらい汚くて捨てられちゃったんだよね
今頃どこにいるかなあ ゴミ処理場で燃やされた後の灰ってどこに行くんだろう
やっぱり今頃土かなあ
「君は今」
君は今、忙しいかな?
久しぶりに会いたいな。
ご飯食べに行きたいな。
おしゃべりしたいな。
どうかな?
いつなら大丈夫?
君は今、失敗した
ここからどうする?
それは君次第
君は今スマホを見ている。
いつ話しかけようと
うろうろしている僕に気づかないまま。
こうして時間だけが過ぎていく。
君は今、明日に向かって、希望と共に歩み始めようとしている。そう、明日という未知の世界を希望の光で照らそうとして、想像力豊かに膨らまして。もう、明日は君を待っている。
「我慢」
我慢は良いこと、それとも悪いこと? もう我慢の限界、って言うけど、それなら我慢しない方がいい。バネのように、エネルギーを貯め込む我慢は素晴らしい。そんな我慢ができたらいいね。
袖振り合うも多生の縁、とは言うけど
いくら歳月を重ねようが
幾年の輪廻を繰り返そうが
きみがいま、どこにいるのか
わたしにはわからない
諦めかけていた数多くの人生の今生で
やっと出会えた
しかし開口一番
「何度も潰しやがってー!」
…は?
目の前をぶんぶん飛ぶ蚊が、
流暢な日本語でぶんぶん怒っている
…え、なに、真っ赤になった蚊が喋ってる。
それ、わたしの血?
あ、気がついたらかゆい。
べしっ。
反射的に、喋る蚊を潰してしまった。
一寸の虫にも五分の魂とはいうけど
何で血を吸う前に、喋らないかな
ムヒを塗りたくり
せめてのお詫びに、汚い水を用意する
これで
きみがいま、どこにいるか分かったよ
君は今。
君は今
何してるんだろ?
大阪の
空の下で。
君は今、なにをしていますか。
小さいころ、この町に引っ越してきた君。
すぐにみんなに馴染んで友達ができた君。
いつもリーダーシップがあった君。
わたしと学校がわかれた君。
あの時、わたしと偶然再会した君。
ごめん無視して。わかんなかったの。
変わってしまったから。君じゃなくて、わたしが。
わたしはあのころにはもう戻れない。
楽しかった昔には戻れない。
でも、あの時、やっと気付いて言った言葉。
届いていたかな。
「ごめん、待って」って。
なんでそんなこと言ったんだろう。
きっと寂しかったの。
恋愛感情じゃなくて。
尊敬とか、友情とかでもなくて。
あのころが好きだったの。
またみんなと遊びたかった。
みんなきっと全然変わっちゃってる。わたしも変わった。
もう、あのころの弱くて馬鹿なわたしじゃない。
社交辞令、つくり笑顔。お世辞、諦め。
いろんなこと知ったよ。
でもあのころのみんなに戻りたい。
だから、いつかまた会おう。
また会って遊ぼう。
まだわたしの中に残るあのころを思い出そう。
ねえ。
みんなは今、なにをしていますか。