『君に会いたくて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
どれだけ風が吹いて寒い日でも、太陽が照って肌を焼くような暑い日でも、心が苦しい日でも、君に会うためなら此処で待っていられる。
「君に会いたくて」
桜の花びらが静かに舞っている。
大きく枝を、花を、広げているその桜を見上げて、そっと思い出す。
君のいなくなった季節がまたやって来たよ。
あれからどれだけの時間が巡ったのだろうか。
暖かい陽射しが僕を包む。そんな、優しい季節がまたやって来た。
君はそちらで元気にしていますか?
随分ともう、姿を見ていないけれど。もう、二度と君には会えないけれど。
君がいなくなって、そうして、僕らの心にちくりと、棘のように残していったものが痛い。それは、僕らの罪だろうか。君を救えなかった罰だろうか。
あの頃、「苦しい」と泣いた君が、今、もうここにはいない。
あの頃、「会いたい」と泣いた僕は、今、この季節を、この世界を噛み締めている。
せめて――君の旅立ったその先が、こんな風に暖かい場所でありますように。桜の花びらが舞う、そんな優しい場所でありますように。
『君に会いたくて』
【君に会いたくて】
どんなに『会いたい』と望んでも、
結局は会えなくて、
ただただ虚しくなって。
ねぇ、
もし私たちが再開出来たら、
君はその出会い、運命だと思う、??
何かと偶然の共通点が多い君と私。
君とまた出会うことができたら、
そのとき私はきっと、"運命"を
信じるんだろうな、。
王座の前に翳す者
地の底深く、永遠の闇に沈む城があった。
風も光も届かず、ただ静寂だけが支配する“忘却の王国”。
岩を穿ち築かれたその空間は、誰の記憶にも残らぬまま、長い時を眠り続けていた。
黒鉄の階段の先には、空の王座がひっそりと置かれている。
その周囲には、数え切れぬ鎧たちが整列していた。
皆、片膝をつき、剣を伏せ、盾を抱え、祈りの途中で時を止められたかのように沈黙している。
壁は深紅に染まり、ただの石ではない。
それは、かつてこの城を守り散った者たちの血と誓いが染み込んだ“記憶の壁”。
誰のための誓いだったのか、今となっては誰も知らない。
だが、その色だけが忠誠の深さを物語っていた。
そして――
その静寂の中で、ただ一体だけが膝をついていなかった。
その鎧は、他の者たちよりもわずかに前へ進み、
剣を地に突き立てた姿勢で、永い永い時を過ごしていた。
名を持たぬ守護者。
何を守るのか、誰を待つのかすら忘れられた存在。
だが今は、まだ動かない。
城の奥深くには、かすかな水音だけが響いていた。
滴る音が、遠い記憶を呼び覚ますように、暗闇に溶けていく。
---
来訪者
その頃、地上では、冒険者たちが偶然この城へ続く穴を見つけていた。
洞窟を抜け、崩れた石段を降り、気づけば戻れないほど深く潜っていた。
「……空気が変わったな」
「光が吸われてるみたいだ」
やがて彼らは巨大な扉の前に辿り着く。
扉は開いていた。
誰かが開けたのではない。
“最初から閉じる必要がなかった”かのように。
扉をくぐった瞬間、冒険者たちは息を呑んだ。
果てしなく広がる大広間。
空の王座。
整列する無数の鎧。
「……なに、これ」
「生きてる気配はない。でも……死んでるとも思えない」
そして彼らは気づく。
ただ一体だけ、立っている鎧があることに。
「……やめよう。ここは俺たちが来ていい場所じゃない」
だが、背後の扉はいつの間にか閉ざされていた。
音もなく、気配もなく。
ただ、気づいた時には出口が消えていた。
広間は静寂を保つ。
鎧たちは動かない。
守護者もまた、剣を地に突き立てたまま沈黙している。
---
落下の来訪者
その緊張の中で――
突然、天井のどこかから石が転がるような音が響いた。
――ゴロゴロゴロゴロッ……!
「……え?」
次の瞬間。
ドシャァァァンッ!
天井の裂け目から、ひとりの人影が勢いよく落ちてきた。
砂埃が舞い、鎧の列のすぐ横に派手に転がり込む。
「いっっっってぇぇぇ……!」
広間に似つかわしくない、あまりにも人間味あふれる声。
冒険者たちは呆然とし、鎧たちは沈黙したまま。
落ちてきた本人だけが痛みに悶えていた。
「……誰だあいつ」
「仲間じゃないよな?」
主人公はむくりと起き上がる。
服は土まみれ、髪はボサボサ、小石が肩に乗っている。
「……あれ? ここどこ?
さっきまで森歩いてたはずなんだけど……穴……落ちた……?」
完全に状況が飲み込めていない。
そして、よりによって落ちた場所は――
立ったまま沈黙していた守護者のすぐ横だった。
冒険者たちが青ざめる。
「お、おい……そこ……!」
「動くな! そいつの隣は……!」
主人公は振り返る。
黒鉄の鎧。
地に突き立てられた剣。
微動だにしない守護者。
「……でっか……」
主人公は無邪気に手を伸ばし、
守護者の肩の埃をぽんぽんとはらった。
その瞬間、広間の空気がわずかに震えた。
鎧たちは沈黙を保つ。
守護者は動かない。
だが、確かに何かが変わった。
主人公だけが気づかないまま、
「いやー死ぬかと思った……」と頭をかきながら立ち上がる。
静寂の城に、ひとりの落下者が現れた。
それは偶然か、必然か。
まだ誰にも分からない。
---
王座の前に翳す者
主人公が砂埃を払いながら立ち上がると、広間の空気は微妙に揺れていた。
冒険者たちは武器を構えたまま固まり、守護者は沈黙を保っている。
ただ、主人公の落下によって生まれた“乱れ”だけが、静寂の中に残っていた。
「……あの、ここって……遺跡? 城?
ていうか、なんでこんなに暗いの……?」
主人公は完全に状況を理解していない。
その無防備さに、冒険者たちは逆に不安を覚えた。
「おい、そこの君」
戦士が慎重に声をかける。
「ここは危険だ。下がれ。そいつの隣は……」
「え? このでっかい鎧のこと?」
主人公は守護者の肩をもう一度ぽん、と叩いた。
冒険者たちが一斉に息を呑む。
だが守護者は動かない。
剣は地に突き立てられたまま、姿勢も変わらない。
「……動かないじゃん。なんだ、ただの置物?」
主人公がそう言った瞬間だった。
――カン……。
広間のどこかで、金属が触れ合うような微かな音がした。
冒険者たちは一斉に周囲を見回す。
「今の……聞こえたか?」
「誰か……いや、何かが動いた?」
主人公だけがぽかんとしている。
「え、なに? なんか鳴った?」
「お前のせいだろ!!」
冒険者たちの叫びが広間に響く。
だが鎧たちは沈黙したまま。
守護者も動かない。
ただ――
主人公の落下と接触によって、
“完全な静止”にわずかなひびが入ったのは確かだった。
広間の奥で、滴る水音が変わる。
一定だったリズムが、ほんの少しだけ乱れた。
まるで、長い眠りの中で誰かが寝返りを打ったように。
冒険者たちは気づかない。
主人公も気づかない。
だが城は、確かに反応していた。
来訪者を認識したのだ。
---
王座の前に翳す者
広間の空気が揺れた。
主人公が守護者の肩をぽんぽん叩いた、そのわずかな接触が引き金だった。
――カン……。
再び、金属が触れ合うような音。
今度はひとつではない。
広間の奥、左右、天井近くの影……
あらゆる方向から、微かな震えが伝わってくる。
冒険者たちは青ざめた。
「……おい、嘘だろ」
「まさか……動くのか……?」
主人公だけが首をかしげている。
「え、なに? なんか変な音してるけど……」
その瞬間だった。
ガシャンッ!
ひとつの鎧が、膝をついた。
続いて、隣の鎧も。
そのまた隣も。
ガシャン、ガシャン、ガシャン……!
まるで波が広がるように、
広間に整列していた数百の鎧が、
主人公の方へ向けて一斉に膝をついた。
冒険者たちは叫び声を上げる。
「な、なんでだよ!!」
「お前……何したんだ!!」
主人公は完全にパニック。
「え!? え!? ちょっと待って!?
俺なんもしてないよ!? 落ちただけだよ!?」
鎧たちは沈黙したまま。
だがその沈黙は、もはや“眠り”ではなかった。
敬意。
服従。
そして――認識。
広間の中心で、ただ一体だけ立っている鎧がいた。
最初から膝をついていなかった、あの守護者だ。
守護者はゆっくりと、主人公の方へ顔を向けた。
黒鉄の兜の奥は闇で、表情は見えない。
だが、確かに“見ている”と分かる。
そして――
「……我が主君。」
低く、重く、地の底から響くような声が広間に満ちた。
冒険者たちは凍りつく。
主人公は固まる。
「……え?
……え??
……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」
広間の鎧たちは、膝をついたまま動かない。
ただ、主人公に向けて沈黙の忠誠を捧げていた。
守護者だけが立ち、
主人公を“主”と呼んだ。
静止していた城は、
ついに“選んだ”のだ。
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王座の前に翳す者
鎧たちが主人公へ向けて一斉に膝をついたその光景は、
冒険者たちにとって“理解を超えた異常”だった。
「……やっぱり、危険だ」
戦士が剣を構える。
「このままじゃ、俺たちがやられる」
「待ってよ! なんでそうなるの!?」
主人公が慌てて手を振るが、
冒険者たちの警戒はもう止まらなかった。
「鎧が動く前に、壊すしかない!」
「ここで終わらせる!」
勇者一同は、恐怖と焦りのままに突撃した。
その刃は、最も近くにいた鎧へと振り下ろされる。
だが――
鎧たちは、動かなかった。
動かないまま、ただ静かに膝をついている。
それでも、彼らの周囲には“触れてはならない領域”のような圧があった。
次の瞬間、広間の空気が変わる。
鎧たちは剣を抜かない。
盾も構えない。
ただ、存在そのものが壁のように立ちはだかった。
勇者たちの攻撃は、
まるで“見えない力”に阻まれるように弾かれ、
彼ら自身がその反動に耐えきれなかった。
「な……なんだ……これ……!」
「くっ……身体が……!」
鎧たちは一切動かない。
ただ、侵入者を拒む力だけが働いた。
そして――
勇者一同はその場に倒れ伏した。
静かに、淡々と。
まるで城が“必要な処理”をしただけのように。
主人公は震えながら後ずさる。
「……え、ちょっと待って……
なんで……なんでこんなことに……?」
守護者が、ゆっくりと主人公の方へ向き直る。
「恐れることはありません、主君。
彼らは、ただ“この城に選ばれなかった”だけ。」
主人公は言葉を失った。
広間には、再び静寂が戻る。
ただひとつ違うのは――
この城が、主人公を中心に動き始めたという事実だけだった。
---
王座の前に翳す者
広間に静寂が戻った。
ただし、それは先ほどまでの“眠りの静寂”ではない。
今は、主人公を中心に張りつめた空気が満ちていた。
守護者は主人公の前に立ち、深く頭を垂れる。
「……我が主君。」
その声は、地の底を震わせるように重く響いた。
主人公は後ずさる。
「ちょ、ちょっと待って……主君って何……?
俺そんな偉いもんじゃないよ……?」
守護者は答えない。
ただ、主人公の言葉を“否定する必要がない”というように静かに佇んでいた。
そして、守護者の背後で――
ガシャン……
一体の鎧が立ち上がった。
膝をついていた無数の鎧の中から、ひとつだけがゆっくりと動き出す。
冒険者たちが息を呑む。
「ま、また動いた……!」
その鎧は、守護者とは違う。
より軽装で、細身の造り。
だが動きは滑らかで、まるで生きているかのようだった。
鎧は主人公の前に進み出ると、
胸の前で拳を握り、深く頭を垂れた。
「主君の御命に従い、宝物庫へご案内いたします。」
主人公は完全に混乱している。
「え、いや、命じてないし……
宝物庫って何……?」
鎧は答えず、静かに歩き出した。
まるで“ついてくるのが当然”というように。
主人公は戸惑いながらも、
冒険者たちの死角に立つのが怖くて、仕方なく後を追った。
---
宝物庫
鎧に導かれた先は、広間の奥にある巨大な扉だった。
扉には無数の紋章が刻まれ、中央には古い鍵穴がある。
鎧が手をかざすと、
鍵穴が光り、扉が静かに開いた。
中は、広間とは違う空気だった。
冷たく、静かで、何かが“眠っている”気配。
宝物庫には、武具、宝石、巻物……
さまざまなものが整然と並んでいた。
だが鎧は迷わなかった。
まっすぐ奥へ進み、
ひとつの台座の前で立ち止まる。
そこには、古びた黒革の本が置かれていた。
鎧は両手でその本を持ち上げ、
主人公の前に跪いた。
「主君。
この書は、あなた様にのみ開かれるもの。
どうか、お受け取りください。」
主人公は震える手で本を受け取る。
黒革は冷たく、
触れた瞬間、微かな脈動を感じた。
「……なにこれ……?」
鎧は静かに答える。
「あなた様の“来訪”を記した書。
そして――
あなた様が何者であるかを示す唯一の記録。」
主人公は息を呑む。
「俺が……何者か……?」
鎧は深く頭を垂れた。
「はい、主君。
あなた様は、この城が待ち続けた“鍵”でございます。」
宝物庫の空気が震えた。
本の黒革が、かすかに光を帯びる。
主人公は、まだその意味を知らない。
---
王座の前に翳す者 — 隠された名
主人公は震える指で、黒革の本をそっと開いた。
ページは古びているのに、まるで今書かれたばかりのように鮮明だった。
文字は黒いインクではなく、淡い光を帯びて浮かび上がっている。
「……なにこれ……読める……?」
見たこともない文字なのに、意味が自然と頭に流れ込んでくる。
まるで“思い出している”ような感覚。
そして、最初のページに書かれていたのは――
『───〈名:〖アイリス•ノヴェル〗』
主人公は固まった。
「……え?
いやいやいやいや、待って待って待って……
これ俺の名前じゃないし……!」
ページの文字は淡く脈動し、主人公の胸の奥が同じリズムで鼓動する。
まるで本が“お前だ”と告げているようだった。
鎧は静かに頭を垂れる。
「主君。
それが、あなた様の“真なる名”。
封じられ、忘れられ、そして今、再び記された名でございます。」
主人公は後ずさる。
「ちょ、ちょっと待って……
俺、そんな名前じゃないよ!?
普通に村で育って、普通に……!」
言葉が震える。
胸の奥が熱く、痛いほどに脈打つ。
本の次のページが、勝手にめくれた。
『記録:主は一度この世を離れ、
再び来訪する時、城は目覚める。』
主人公の顔が真っ青になる。
「……離れ……?
来訪……?
いやいや、俺そんな大層な……!」
鎧は静かに告げる。
「主君。
あなた様は“戻られた”のです。
この城が、あなた様を認めたのです。」
主人公は本を抱えたまま、膝が震えた。
「……俺……そんな……
そんな存在じゃ……」
だが本は、淡い光を放ち続けていた。
否定を許さないように。
“真名”を思い出させるように。
広間の奥で、守護者が静かに膝をついた。
「アイリス•ノヴェル様。
どうか……お戻りください。」
主人公は叫ぶ。
「戻らないよ!!
俺はアイリスなんとかじゃない!!
ただの村人だってば!!」
だが城は、もう主人公を“主”として扱っていた。
そして――
本の光は、さらに強くなる。
---
王座の前に翳す者 — 鎧が選ぶ者
黒革の本が淡く光り続ける中、
主人公は震える手でページを閉じた。
「……俺が……アイリス・ノヴェル……?
そんなわけ……ないって……」
胸の奥が脈打つ。
本の光が呼応するように強まる。
その時だった。
――カシャン。
宝物庫の奥で、何かが動いた。
主人公と鎧が同時に振り返る。
「……え?」
暗闇の中から、ひとつの鎧が浮かび上がるように姿を現した。
他の鎧とは違う。
黒鉄に金の縁取り、胸には古い紋章。
まるで“王の側近”のような威厳を放っている。
鎧は、誰も触れていないのに――
宙に浮いた。
主人公は叫ぶ。
「ちょ、ちょっと待って!?
なんで浮いてるの!?
なんでこっち来るの!?!?」
鎧は音もなく主人公の前へ滑るように飛んでくる。
まるで主人公を“迎えに来た”かのように。
「主君。
その鎧は、あなた様のために造られしもの。」
案内役の鎧が静かに告げる。
主人公は後ずさる。
「いやいやいやいや、着ないよ!?
絶対重いし怖いし無理だって!!」
だが鎧は止まらない。
胸当てが開き、
籠手が広がり、
兜がゆっくりと主人公の頭上へ降りてくる。
「ちょ、ちょっと待って!!
俺まだ覚悟とかできてないから!!
やめ――」
ガシィンッ!!
鎧が主人公の身体に吸い付くように装着された。
胸当てが閉じ、
籠手が腕に巻きつき、
脚甲が脚を包み、
兜が頭にぴたりと収まる。
光が走り、
鎧が主人公の体格に合わせて形を変える。
「うわあああああああああああああああ!!
勝手にフィットしてくるぅぅぅぅぅ!!」
宝物庫全体が震えた。
鎧が完全に主人公を包んだ瞬間――
黒革の本が強く光り、
主人公の胸の紋章が淡く輝き始める。
案内役の鎧が深く頭を垂れた。
「……主君。
その鎧こそ、あなた様の“証”。
城があなた様を認めた証明でございます。」
主人公は震える声で言う。
「……いや……いやいや……
なんで俺が……?」
だが鎧は静かに告げる。
「あなた様は、戻られたのです。
この城が、ずっと待ち続けた“主”として。」
---
王座の前に翳す者
アイリスの胸に刻まれた紋章が、
脈打つように淡く光り始めた。
最初は心臓の鼓動と同じリズム。
だが次第に、光は強く、熱を帯びていく。
「……な、なんだこれ……
胸が……熱い……!」
鎧の内側で、光が皮膚に触れるような感覚が走る。
痛みではない。
けれど、確かに“何かが目覚めていく”感覚。
宝物庫の空気が震えた。
壁に刻まれた古い紋章が、
アイリスの胸の光に呼応するように淡く輝き出す。
案内役の鎧が深く頭を垂れた。
「……主君。
紋章が……応えております。」
アイリスは息を呑む。
「応えるって……何に……?」
鎧は静かに答える。
「あなた様の“帰還”にございます。」
その言葉と同時に――
ドン……!
宝物庫全体が低く鳴動した。
まるで巨大な心臓が鼓動したかのように。
アイリスの胸の紋章が、さらに強く光る。
「うわっ……!
ま、眩しい……!」
光は鎧の隙間から漏れ、
宝物庫の床に紋様を描くように広がっていく。
その紋様は、
まるで古代の魔法陣のように複雑で、
しかしどこか懐かしい形をしていた。
鎧が静かに告げる。
「主君。
その紋章は、あなた様の“真名”と結びついております。
アイリス・ノヴェル様。
あなた様が名を思い出したことで……
城が、完全に目覚め始めました。」
アイリスは震える声で言う。
「……俺……思い出したわけじゃ……
ただ、本に書いてあっただけで……!」
だが紋章は否定しない。
むしろ、光はさらに強くなる。
宝物庫の奥で、
封印されていた扉がひとつ、ゆっくりと開いた。
冷たい風が吹き抜ける。
その奥には、まだ誰も知らない“何か”が眠っている。
鎧が静かに膝をついた。
「主君。
紋章が示す先へ……どうかお進みください。」
アイリスは胸の光を押さえながら、
震える足で一歩を踏み出した。
その瞬間――
城全体が、まるで呼吸を始めたかのように震えた。
---
王座の前に翳す者 — 王国の灯火
アイリスの胸の紋章が脈打つように光り始めた瞬間――
宝物庫の空気が震えた。
光は鎧の隙間から漏れ、床に広がり、
古代の紋様が淡く浮かび上がる。
その光は、宝物庫だけに留まらなかった。
---
王国全土
地の底に広がる忘却の王国。
長い長い時の中で、誰にも見られず、誰にも触れられず、
ただ沈黙だけが支配していた。
だがその静寂を破るように――
ボッ……!
ひとつの街灯が灯った。
古びた鉄柱に取り付けられた、炎の灯り。
続いて、遠くの通路で。
ボッ、ボッ、ボッ……!
階段の踊り場で。
広場の端で。
崩れた城壁の影で。
ボワァァァァッ!!
まるで火の波が走るように、
王国全土の街灯が一斉に灯り始めた。
暗闇に沈んでいた街並みが、
一瞬で黄金色の光に包まれる。
長い眠りから覚めたように、
王国が息を吹き返した。
---
宝物庫
アイリスは胸の光を押さえながら叫ぶ。
「ちょ、ちょっと待って!?
なんか今、すごい音しなかった!?
ていうか……光が……!」
案内役の鎧は静かに跪いた。
「主君の紋章が目覚めたことで、
王国の灯火が再び灯りました。」
「灯火って……街灯!?
あれ全部!?
俺、ただ光っただけだよ!?」
鎧は淡々と告げる。
「主君の存在そのものが、
王国の“起動”にございます。」
アイリスは頭を抱える。
「いやいやいやいや……
俺、スイッチじゃないって……!」
だが宝物庫の奥から吹き込む風は、
確かに“目覚めた王国”の息吹だった。
遠くで、街灯の炎が揺れる音がする。
まるで王国全体が、
アイリスの帰還を祝福しているかのように。
---
そして――
守護者が静かに現れ、
アイリスの前で膝をついた。
「アイリス・ノヴェル様。
王国は、あなた様の光に応えました。
どうか……次の間へ。」
アイリスは震える声で言う。
「……次って……まだ何かあるの……?」
守護者は静かに頷いた。
「はい。
王国が灯った今、
“本当の目覚め”はこれからでございます。」
「君に会いたくて」
熱冷まし飲んでベッドに潜り込む元気になって君に会うため
【君に会いたくて】
終電に飛び乗る金曜日の夜。
一抱えの荷物を手に、ガラガラの座席に身体を沈める。
走ったせいで疲労を訴える足、整わない息。
それでも心が疲れていないのは、きっと。
あのかわいい笑顔に会えるからなのだろう。
嗚咽だけがする悲しみに包まれた葬儀。
棺桶には、愛しい彼女が眠っている。
どうしてこんなことになってしまったんだ?
「あんたがストーカーして追い詰めたからよ!」
彼女の知り合いらしき女性が、俺に言い寄ってきた。
俺が彼女を追い詰めた?
俺はただ、好きだから追いかけていただけであって……。
「責任とりなさいよ!」
女性に胸ぐらを掴まれる。
外から、パトカーのサイレンが近づいてくる。
そうか、彼女は天国へ行ってしまったのか。
なら、この世界にいる理由はない。
彼女に会いに行こう。
警官から奪った拳銃を頭に当て、引き金を引いた。
君に会いたくて
去年突然ハマってしまったミュージシャンがいて
そのタイミングでライブツアーが発表された
倍率は高いだろうけどダメ元で申し込んだ結果
なんと当選
まだ実感がわかないけれど
君に会えるのかと思うとジワジワ体温が上がる
こんな気持ちは久しぶり
10代の頃はたくさん聴いていた音楽
いろんなバンドのライブにたくさん行った
大人になるとだんだん足が遠のき
音楽に心動かされるようなことも減っていった
感性が鈍ってしまったことは確かだけれど
今まで聴いていた音楽は体に染み付いている
その結果新しい音楽に出会えたのかなと思う
まだ少し先のライブ
君に会えるのが本当に楽しみだ
会いたくって
会いたくって
いつもは、後回しにしてしまうことも進んでやり、
頭の中をフル回転させどうしたら早くできるか考え
やっと君に会えたよ
これから一緒にいようね
「君に会いたくって」
毎朝乗り換える駅で毎回会う男の子に会う
その子に会うために毎回その電車に乗ってる
最寄りから7時2分の電車に乗って乗り換えるとエレベーターの横にいつもいる男の子
前期の時は別に気にしてなかったのに
後期になってなんか気にするようになった
毎回紺のブレザーの中からフードが見えるし、
同じ服だからきっと高校生だ
朝は時間もないし話しかけるなんて到底できない
たまに私の方を見てる気がして、自意識過剰かも
肌が白くてかっこいい
それが毎朝の楽しみ
前は始めて真正面から見て目が合ってドキドキした
別に進展は起きないだろうけど、髪型気にしたり、服もオシャレにしたりしちゃう
毎朝駅で見る男の子とか漫画の世界だと思ってたけど
あるもんなんだな。
君のことが大好き。
美しい横顔も、優しい吐息も、温かい腕の中も。
僕を呼ぶ声が聞こえたら真っ先に君の元へ向かう。そうしたら君は嬉しそうに笑うから。
君に会いたい。
君の元へ帰りたい。
僕も君のようにこの大地の一部になりたい。
何かの拍子に
ふと思い出す
君に会いたくて
一緒に遊びたくて
次々約束を取りつけて
いた頃のこと
良かった事は
思い出さない
あんなこんなの
自分の失敗
謝りはしたけれど
許してはくれたけど
小さな針の点々のように
私の胸にとどまる
何十年も前のこと
いきなり持ち出すのは
不審
心の中で謝る
もう一度
君に会いたくて
夢の中で 君を探す
呼び続けても
君がいない
暗闇に取り残された寂しさで
目を覚ます
君がいない現実が
また始まる…。
おはよー
ってどうした?
震えてんじゃん
風邪?
……たく…
今日、どうせどの授業も期末の返却だけだろうし
無理に行かなくても良いんじゃね?
……いや、違うの
まじ?
でも目に見えるほどガタガタ震えてるけど
会いたくて、会いたくて、震えてた
え、あたしに?
違う
じゃあ誰に?
推し
……
推し
2回も言うな
聞こえてるわ
だって!
今日推しのライブなんだよ!
ほんとはこんな呑気に通学路を歩いてる暇なんて無いはずなのに、どうして今日も今日とて飽きもせず学校があるの!
あたしゃ悲しいよ!
朝っぱらから大声出すなって
ほらいくぞ
赤点必至の数学があんたを待ってる
うるさいやい!
世界史なら絶対あたしのほうが上だから!
理系なもんで世界史はとってないんですわ
なんてこった!
はい、じゃあ今日も元気よく登校しましょうねー
この世は残酷だ!
赤点なんて見たくない!
それなら次回はもっと頑張りましょうねー
正論で返すな!
そしてカバンを引っ張るな!
このあたしを引きずっていくなあああ
平日も
君に会いたくて
急いで帰り支度
車で国道を
駆け抜ける
赤信号に
何度も遮られながら
流行る気持ちを
押さえつつ
約束も無いのに
会えたらラッキー
ぐらいの勢いで
片道50キロ弱
…
若かったな…
もうできない🤣
✴️640✴️君に会いたくて
会っても何も解決しないと知っている理性。
楽しませることを引き受けないという選択。
それでも、向いてしまう意識。
それらはすべて、
昼のあいだは
きれいに整列している。
夢は、その整列を崩す場所だ。
そこでは
「会ってはいけない理由」も
「会いたいと言わない誠実さ」も
効力を失う。
ただ、
意識が畳み損ねたまま残した余白に、
すっと入り込んでしまう。
無意識が、
未完のままでも成立する接触を
夢の中で試している。
朝になって、
胸が、少し重い。
題 君に会いたくて
今はまだ誰にも会いたくない。もっと立派になった姿を天国のお婆ちゃんに見せてあげたいな。一緒にいた頃は、あまり優しくしてあげることが出来なかった。最後の日まで怒ってしまった事を、ずっと後悔している。もっと会話を交わして、手を繋いで寄り添ってあげたかった。今更そんな風に考えるなんて都合が良すぎると思う。過去の思い出を美化し過ぎているのかも。それでも、もう一度会って「お婆ちゃん、あの時はずっと怒っててごめんね」って伝えたい。
題『君に会いたくて』
会いたい人がいるような
そんな予感を抱えて生きていた
スキもキライも
よくわからないままに
周りがカレシカノジョと言い出して
騒がしくなり
僕も恋をしてるフリをした
運命の人っているのか
本当の愛ってどんなものなのか
僕は知らない
だけど
僕の世界をひっくり返す
そんな君に会いたくて会いたくて
僕はあの子にサヨナラを告げる
キミジャナイミタイ
そんなこと言えないんだけど
君に会いたくて会いたくて
あぁ、どこへ行けば
誰に聞けばわかるんだろう
寂しくて僕は面倒になって
君じゃないなら
ダレデモイイミタイ
そんなこと言えないんだけど
いつか出会うはずの
君に会いたくて会いたくて
存在するかもわからない君を
待ち続けている
(テーマ 君に会いたくて)
君に会いたくて
今1番会いたい人は、あの男の子。
中学でバラバラになってから1回も会ってない。クラスのムードメーカーで彼が居るその場が楽しくて好きだった。今頃何をしているだろうか。頭いいし勉強かな。勉強だろうな。彼の問いかけは面白かった。「確かに、どうしてだろう?」と共感できるものばかりで、面白かった。
もし会えたら話をしたい。色んなこれまでの話、きっと彼が話す話はどれも面白いんだろう。
人の運命は簡単に変えてしまうもの
私はあの人の運命を変えた
私は後悔をした
あの人に会いたくて、早く帰ってきてと伝えてしまった
そんなたった一言の重みを知らなかった
私はあの人の笑顔が好き、ずっとみていたい
あの人に会いたい
あの日私はあの人を急かしてしまった、
あの人の運命を変えた
私はあの人が帰ることを、家で一人楽しみにしていた
いつもなら帰ってるのにね
どうしてか帰ってこない、ほかの女と居るのかな
憎さが強まってあの人LINEし続けた
既読もつかない、帰ってこない
「早く帰ってきてって言ったじゃん。」
イライラして一人でベットに入って私は寝てしまった
真夜中に目が覚めてしまった
いつもあの人は隣にいるのに今日はいない、イライラも落
ち着いた
知らない人から電話が来ていた。
警察から知らせを受けた
今日は私にとって最高で、人生で一番聞きたくない言葉を
耳にした日だった。
「ああ、そうなんですね……」
今日も幸せに過ごしていたらテーブルにケーキがあって
その上にロウソクが飾ってあって、あの人と一緒私の誕生
日を迎えることができてた。
彼は、花束とケーキを持ちながら家に向かっているところ
事故に巻き込まれたと
私があの人に
「今日は早く帰ってきてね」
なんて言ってしまったから
君に会いたくて
後悔した