川柳えむ

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 桜の花びらが静かに舞っている。
 大きく枝を、花を、広げているその桜を見上げて、そっと思い出す。
 君のいなくなった季節がまたやって来たよ。
 あれからどれだけの時間が巡ったのだろうか。
 暖かい陽射しが僕を包む。そんな、優しい季節がまたやって来た。
 君はそちらで元気にしていますか?
 随分ともう、姿を見ていないけれど。もう、二度と君には会えないけれど。 
 君がいなくなって、そうして、僕らの心にちくりと、棘のように残していったものが痛い。それは、僕らの罪だろうか。君を救えなかった罰だろうか。
 あの頃、「苦しい」と泣いた君が、今、もうここにはいない。
 あの頃、「会いたい」と泣いた僕は、今、この季節を、この世界を噛み締めている。
 せめて――君の旅立ったその先が、こんな風に暖かい場所でありますように。桜の花びらが舞う、そんな優しい場所でありますように。


『君に会いたくて』

1/19/2026, 10:36:57 PM