『向かい合わせ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
向かいあわせの人と目を合わせるのは少し怖い。どうしてこんなに怖いと感じてしますのだろう。家族や友人ならばまだマシだ。しかし、知らない人と電車などで向かい合わせになり、たまに目が合うと怖いと思う。これはなれない。どうしてこんなふうに感じるのだろう。
世界は貴方だった。全ては貴方だった。それを思い出すのに、随分時間がかかってしまったような気がする。
始めは囁きで、時には形を持って私を慰める。誰、と顔を上げると消えてしまう。だからずっと気の所為だと思っていた。誰かに愛されたい、その願いが映し出す幻。
私はアイスコーヒーの、純度の高い氷の中に、その答えを見つけた。愛されたかった。その願いを叶えていたのはいつも、私だった。氷が溶ける。プリズムが光る。
ずっとそこにいたんでしょ?
氷が溶ける。水と交わる。貴方はいつも物の姿を借りている。氷が溶ける。氷は言う。貴方のこの世界が、少しでも天国に近づくようにと思ったから。
透明を通して世界を見ている。
氷はやがて完全な水となって、静かに私の中に溶けた。
向かい合わせ
向き合うのはこわい
向き合うことで
敵を味方に変えることも
出来る
敵と味方が混ざり合い、
手を取り合い…
前に進む
言葉では簡単に言える
でも…実際はむずかしい
向かい合わせ
「向かい合わせ」
小学生のときの図工の時間、友達とペアを組み似顔絵を描こう!という授業があったそうだ
先生からは漫画絵を描かずリアルに描くよう指示があり、その時鼻の形も指定があったらしい
「小学生がよく描くニンニクみたいな鼻を描けって言われて描いても不細工にしかならんし、友達もキレるし理不尽」というエピソードを聞いた
絵を学んできた身として思うのは、そもそも顔に輪郭線など存在せず、ほぼ面でできているので線で描いてやろうというのが無謀である。とくに鼻なんか線で描けないから漫画だと“く”みたいな感じになってるんじゃないかと思う
化粧をするときも目や唇には線を描いても鼻には普通陰影しかつけないだろう。絵も同じである
恐らく、ニンニク鼻を描いた時点で小学生がよく描く絵にしかならないので描かれる側も覚悟しておいた方がいい
きっと私もお前も死ぬんだろう。
それはどっちも分かっていた。
これは何も生まない。私たちはこんなこと望んではいない。
それでも私たちは向かい合わせになって、互いを睨み付ける。
ナイフを突き刺すのも同時だった。
きっとこれでいいんだ。これがいいんだ。
双子の私たちが愛し合っているとバレるくらいなら、バレて引き離されるくらいなら、
お互いずっと憎んでたってことにして、堂々と一緒に死のう。
人が集まったお城の裏庭。
姫たちの争いの結末を見に来る使用人ども。
幸い父様と母様はいない。
「「またね」」
そっと呟いて、同時にとどめである心臓にぐさり。ナイフを突き刺した。
─向かい合わせ─ #44
ねぇ?
いつからだった?
それとも最初から?
2人離れてても繋いでくれたその箱。
今、隣にいる私とあなたを隔ててるなんて皮肉ね。
私を見ていないことだけがハッキリして居る。
きっと2人近づきすぎたのね。
離れたらようやく向き合える?
それとも、その箱に慰めてもらうの?
ねぇ?あなた。
便利な世の中だけど。
あなたとはもう向き合えないのかなぁ。
向かい合わせ
一日の終わり
唯一 向かい合う時間
クリーム色のマグカップみたいなお風呂は
二人だと少し狭い
今日の出来事 や 好きなアニメについて
たくさん話をしてくれる君の顔を見て
無事に今日が終わったと 思う
良かった日も 悪かった日も
どんな日だって
この時間の尊さを忘れない
横並びがほとんどで、向かい合わせに座ることはない。いつも横顔の表情ばかり見ている気がする。
だからだろうか。時々、外食時に向かい合わせで座ると少しだけ新鮮な気持ちになる。
太ったなぁとか、疲れてないかなぁとか、いい男に育ったなぁとか。そんなことも思う。
相手も同じらしく、肌荒れしてるねと言ってきた。それは黙っててほしかった…。
【向かい合わせ】
君のあふれるような笑顔、怒って上がった眉、悲しくてこぼれた涙とか。
いつもちゃんと注目していないと分からない君のいろんな表情がある。
向かい合って見たら君の事を少しずつ知っていけるかな?
不器用だから、真っ直ぐ向かい合わせになって、一つずつまだ知らない君の魅力を知っていけたらいいな。
向かい合わせ
久しぶりに電車に乗った
向かい合わせの座席に目を向けると
7-8人の乗客のその殆どが手元のスマホに目をむけ
何やら指を動かしている
学生や社会人問わずである
更には立っている乗客も
つり革や手すりにつかまったりよりかかったりしつつも同じ様相
ゲームなのか情報収集なのか
はたまた何かの勉強中なのか
なんだか忙しないな…と感じて
思わず私は目を閉じた
向かい合わせ
向かい合わせに座る人って
けっこう仲良しでないと私は緊張してしまい座れない
相手は何も気にしてないはずだから私も気にしなければよいのだが
緊張してしまう
人見知りなのか?
小心者なのか?
どっちもなのだろう
笑える
可愛いではないか
すぐに人と仲良しになれない私を私はけっこう好きだ
なぜなら仲良しになった人とは本当に仲良くなれるからだ
それでいい
これが私の味なのだから
鏡と向かい合わせて見てみると、やっぱりよく分かる
小じわ出来てる〜
#14 向かい合わせ
気になるあの子と向かい合わせ。
緊張して目が合わせられない。
手が震える。
体は向かい合っていても、
顔だけがなぜか逸れてしまう。
会話も途中までは盛り上がっていたけど、
話題が尽きてしまってお互いに気まずい……。
やばい、逃げ出したい。
向かい合わせで慣れるのって時間がかかりそう。
この後どうしよう……。
しぐれ
向かい合わせ
色んなものと向かい合わせになると色んなものが見えてくる。例えば鏡であれば自分。自分はどんな顔して見てる?私には嫌な顔して座ってるのが見えた。友達であれば?その親密度にもよるけど大抵他愛のない話をして時間を忘れることが出来る。
親だと?親だったら人にもよるけどきっと勉強の事とか課題の話とか将来とかそれ以外にも沢山の事とか向き合わされる。
現実と向かい合わせになると僕だったら逃避しようとする。だって見たら嫌なことしかないじゃん。
いやきっとその中に微かでも希望はあるよ。とかいつまでも夢見てんじゃないよ。とか言う人がいるけどそんな事言われてもどうしようもないよ。
だってその微かな希望に縋ってもそれ以上の嫌なことだったり絶望が覆いかぶさるから。夢見てんじゃないよとかだと夢を見ないとやりたい目標は出来ないしまだその夢に向かって歩を進めてる方が余っ程マシな生き方だと思ってるよ。
まあそれが本当に夢のまま実現できない事を知った時の絶望と焦燥感には堪えがたいけどね。
アクリル板があった時の方が気兼ね無く座れた気がする。あの時どこの飲食店でも見掛けたアクリル板、どこに行ったんだろう??
END
「向かい合わせ」
晴ればっかり好きなわけじゃない。って言ったらちょっとは嘘になるけど、雨宿りの時間まで嫌いになったわけじゃなかったよ。君のいなくなった公園の向こうに、明るい未来があるんだって君は信じてる。
桃色の風船みたいに膨らんでふわふわ浮いて、い続けるために弾けるまで笑って足を絡めて転んでも笑っていた。どこまで行っちゃうの?「幸せにしよう。」なんて結構手酷い宣告なんだとしたら二人の間に傘は必要なんだろうか?
止まない雨なんてないんだって。「この雨が辛いんだよ。いつまで降り続くのかわかんないんだよ。」それでも絶対終わるんだって。こんなの永遠じゃないんだって。
向かい合わせって人と対面になるから恥ずかしいというか
きついよね
正直
面と向かって興味ないのに話さないといけないしめんどくさいし良いことってあるのかな?
向かい合わせに座るって相手とのことを考えないといけなくなる。
自分と相手を隔てているものは?
考えてみよう
【向かい合わせ】
目の前の鏡に自分の姿が映っている
話しかける
あなたはだあれ?
鏡の自分は答えない
もう一度話しかける
あなたはだあれ?
やはり答えない
質問をかえる
こんにちは、あなたと友達になりたいの
答えない
…ダメかな?
…ダメに決まってるだろう、自分とお友達とかイタすぎるだろ
─── 向かい合わせ ───
私達は二人で一人だった
一つの文明が誕生し滅びるのを何度も見てきた
それほど果てしなく長い時を一緒に過ごした
二人でずっと守ってきた均衡
何故それを破ろうとするの
今になってどうして
理由なんか聞きたくない
知りたくもない
どうしても破ると言うなら
この場を離れると言うのなら
私の手で壊してあげる
血塗れで動かなくなった片割れ
それを見つめながら
同じく動かず倒れる血塗れの片割れ
二人一緒に永遠に
決して破られる事のない均衡を