きっと私もお前も死ぬんだろう。
それはどっちも分かっていた。
これは何も生まない。私たちはこんなこと望んではいない。
それでも私たちは向かい合わせになって、互いを睨み付ける。
ナイフを突き刺すのも同時だった。
きっとこれでいいんだ。これがいいんだ。
双子の私たちが愛し合っているとバレるくらいなら、バレて引き離されるくらいなら、
お互いずっと憎んでたってことにして、堂々と一緒に死のう。
人が集まったお城の裏庭。
姫たちの争いの結末を見に来る使用人ども。
幸い父様と母様はいない。
「「またね」」
そっと呟いて、同時にとどめである心臓にぐさり。ナイフを突き刺した。
─向かい合わせ─ #44
8/25/2024, 12:55:19 PM