『友達』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
友達
友達は昔から三人ぐらい居るのが丁度いいと思っている。
自分に同調してくれる友達
自分に意見してくれる友達
自分と全く価値観の違う友達
私は困り事があると一人では抱えていられない人間だ。
そんなときは、これらの友達にそれぞれグダグダ泣き言を言うことにしている。
一人は寄り添ってくれ、一人はアドバイスをくれ、最後の一人に至ってはとんちんかんな物言いをして私をさらに困らせる。
でもこれくらいでいいのだ。
どうせしなければいけないことも、だいたいの道筋もすでに自分の中では決まっているのだから。
この三人はあくまでも私と一対一の関係性であり、この先も直接交わることはない。
もし、何かの拍子にこの三人が顔を合わせることになったとしても、おそらく友情は芽生えないだろう。
それでも、私にとってこの三人はなくてはならない大切な友達なのだ。
お題
友達
※ポケモン剣盾二次創作 マクワとセキタンザン(タンドン)
※幼少期妄想
「もどれユキハミ!」
モンスターボールから光が伸び、今しがた戦いに出てくれたポケモンがボールの中へと吸い込まれていく。母親との毎日の厳格な訓練の成果はしっかりと発揮されていて、野生のポケモンとひとりで戦うのも慣れ、ずいぶんと気持ちは楽になった。ユキハミも余力を十分残したまま、襲ってきた相手を追いやることが出来た。
山肌の白い急な斜面は太陽の光を反射し、ちかちかと輝いて目が痛いくらいだった。きちんとゴーグルを持ってくるべきだったな、と後悔しながら、少年は自分の吐く息が木々の中へと白く登っていくところを見上げていた。通いなれた洞窟の横穴はもう目前で、この坂を下った先にある。積もった新雪をゆっくりと踏みしめて、枝をかき分けながら進んでいけば、自分の頭すれすれの高さの入口に辿り着いた。暗がりの方からほんのりと生暖かい風が吹き、マクワの赤くなった頬を温める。外の雪の香りとはまた違う、湿った砂といわの香りがほのかに届き、静かに息を吐いた。
天然の洞窟の天井はむき出しの岩でごつごつしている。少しだけ頭を下げ、ぶつけないように気を付けながら少し進めば、すぐに背よりも高いドーム状の小部屋に辿り着く。
そしてその岩窟の隅っこで、石壁に向かい頭を下げている小さな石炭のいきものがいた。
「タンドン?」
ちょっと驚いたようにタンドンは振り向くと、すぐに笑顔を見せた。足元には前一緒に集めた石ころとともに、小さな枯れ枝や枯れ葉がたくさん落ちていた。拾い集めた食料を整理しているところだったらしい。
マクワはしゃがみ込み、並べて置かれた小枝のひとつを持ち上げた。
「……この時期はおいしそうな葉っぱがありませんね……」
「ゴゴ」
「……食べなくても平気だとしても……ああ、そうだ」
背負ったリュックを下ろし、中から小袋を取り出した。ジップロックの中には小粒に分けられた固形のポケモンフーズがぎっしりと詰まっている。
加工したポケモン用フーズの香ばしい匂いがひとの鼻孔を擽った。なんとなくおいしそうな気がしてくる。幼い頃、うっかり食べてしまった時はあまりのまずさに大泣きしたのだと母親に教えられたことを思い出した。
「これをどうぞ。これも味はよくないかもしれませんが……」
「ゴオ」
「……ごめんね、ほんとうはいわポケモン用のものがあればよかったのだけど」
袋の中身を掌に開け、タンドンに差し出した。タンドンは興味深げにじっと見つめた後、今度はマクワの目を見る。
「……食べてみます?」
少しだけ頭を傾げて、タンドンは車輪を回して動き、マクワの手にぴたりとくっつく。
「そうか、タンドンのくち……どこだろ。ユキハミもわかりづらかったのですが」
湿った岩床に膝をつき、タンドンの下側を覗き込もうとした瞬間、掌をまるで舐めるとするかのように車輪がぐる、ぐるりと動き出す。
「ええと、引っ掛けてるんだっけ……」
マクワも小さな手を傾けて車輪の動きに合わせ、彼が体内にポケモンフーズを食べられるよう乗せてやる。するすると小粒のご飯は吸い込まれていった。
ごり、ごりとすり潰す音を立てた後、タンドンはマクワを見上げて笑った。
「フフ、おいしい? それなら……安心しました」
マクワは小袋をカバンにしまい、代わりにピクニックシートを取り出し、その場に広げて座った。ポリエステルの厚みのあるシートごしに、ひんやりとした冷たさが尻に伝わってくる。
そしてタンドンの頭を軽く撫で、ポケットからちいさな赤と白のボールを取り出した。
「……きみを……きみを家に迎えても……だいじょうぶ、ですね」
「ゴ?」
「……ぼく……ぼくは……」
湿っているはずの洞窟で、喉の奥が渇く。口の中に唾が溜まる。手が震えて、ボールがカタカタと音を立てる。いつもならここでのんびりと呼吸をしにくるものだ。
けれど今日は違う。普段の日常を乗り越えるためにここまでやってきた。マクワは目を瞑って一呼吸置くと、タンドンの紅い瞳を覗いた。
「きみと……友達以上に……なりたい」
掌に乗った小さなボールはタンドンの紅い輝きを受けて鈍く光る。
「……でもね。ぼく……なんか変なんだ。きみがいると……なんだかぞわぞわして、どきどきして……すごく……おかしな気持ちになる。これが……これが、くるしい……怖いって……いうのかな。
きみがいなければ……ぼくはたぶん、なにも感じることなんてなくて……お母さんの……」
「ゴオ……?」
マクワは思い出す。トレーナーになる訓練の一環として、ジムチャレンジ前であるというのに、既にユキハミを連れている。けれどもつい先日師匠である母は、さらに自分のラプラスを譲るつもりだと言い出した。
わかっている。自分がこれまでずっと訓練し続けてきたのも、厳しく教わってきたのもすべて母の後を継ぐためだ。それがごく当然だと思ってきた。
母の切り札であるラプラスを自分のポケモンとして迎えられれば、戦力として何より申し分ない。
きっとこのガラルリーグの世界での自分の立場は絶対のものとして保証されるだろう。だがしかし。
どうしてもしっくりこないものがあり、そしてその空いた穴のような部分には、もう既に嵌まり込んでいる誰かがいて、気が付いてしまった。
気が付いてしまったものは柔らかな輝きとともに、積み上げてきたものをぼろぼろと崩してゆく。拾い上げるにはマクワはまだ幼く、そして長らく感情を共有し続けてしまった。
「ううん……。……ぼくのクラスメイトは……みんなもうすぐ初めて自分のポケモンを持つんだって。ずっとどのポケモンにしようって、この子がいいな、って話してる」
訥々としゃべる言葉はバラバラで、繋ぎ合わせようとしているのに、なぜかすぐに霧散してしまう。それでもタンドンは揺るぐことなくマクワの様子をじっと見つめていた。
「……ぼくはもうずいぶん前からポケモンを、ユキハミを連れている。だから……彼らのことなんて別にうらやましくなんて……。……おかげでこうして……きみに、タンドンに……会いに……来れています」
雪が解けて雫が落ちる音が洞窟内に反響した。
「こわいけど……すごく……よくわからないきもちになるけど……。
だけどきみと一緒にいるのは……。……一緒にいたい……これはきっと、好き……だから……。……おかしいですよね。もう兄なのに……ぼく、気持ちってよくわからなくて……」
タンドンはくるくると車輪を転がして、座り込むマクワの足にぴたりとくっついた。ざらざらしていて硬い感触と、ほのかな温かさが伝わってくる。この彼の持つものが、マクワにいつも安心と勇気をくれていたのだ。だから寒い寒い氷のなかの訓練だって越えてきた。
「……きみとなら……お母さ……。……いや母とも……向き合える。そんな気がしています。……これがぼくの……反抗、かな」
「ゴ」
「……ああ。……ぼく、ずっと母のいうことを聞いてきたから……母がよろこばないことをするのが……こんなにも……こわいのか」
正直、タンドンに出会わなければよかったと思った夜は数えきれない。彼のことを知らなければ今もマクワは冷たくて温かな氷の腕の中にいて、選び抜かれた将来の道を歩んでいたに違いない。
悩むことも、母に反旗を翻すこともなかった。けれどこうして今もタンドンと一緒にいる。何度だって彼に会いに来た。
この先の道も同じくらい選び抜かれて美しい将来の道がある。それを母ではなく、自分の力で証明してみせたい。
洞窟の中をふらふらと彷徨っていたマクワの瞳が、ようやくタンドンを捕まえる。そしてモンスターボールを前に差し出し、石床の上に置いた。
「……きみに……ぼくの……ぼくの初めて選ぶポケモンになってほしい……!
そしてぼくが輝かせる最高のバディになってほしい……いや、してみせます。ぜったいに」
紅い瞳は奥底で静かに燃えている。タンドンはボールとマクワを交互に見やる。そしてくるりと車輪を動かし、マクワに背を向け離れていった。
「た、タンドン……!?」
少年ががくりと肩を落とす。タンドンは再び先ほどの洞窟の隅に戻り、落ちているものを拾い集めていた。
マクワは慌ててタンドンの近くに駆け寄った。彼はせっかく集めたばかりの小枝たちを放置し、転がる小石を頭にのせて、笑う。
前、雪もなく天気の良かった日、珍しくタンドンと一緒に外で小石拾いをした。マクワにはちっともよくわからなかったが、小道の中にタンドンが気にいる石があり、それを共に探してまわったのだ。
どうやらタンドンにとって大切なものになっていたらしい。
「……それを持っていきたいのですか?」
タンドンは首肯する。マクワは安堵とともに大きく息を吐き、その石を受け取った。
そして再び車輪はくるくると洞窟を駆け抜けて、紅白のボールに触れた。優しく揺れるボールは静かに収まった。
「ありがとう。ぼくの勇気。……ぼくのバディ。きみを……かならずぼくの運命にしてみせる」
少年はボールを拾い上げ、荷物をまとめた。見慣れた雪山は険しく怜悧に聳えている。
温かなひかりと硬い意思がマクワの背中を押していた。
友達
大人になると、友達を作れなくなる。
幼い頃は、隣同士や同じ班、
出席番号が近い、
それだけで友達になれたのに。
就職、結婚、出産、引越しetc etc
人が離れるきっかけはたくさんあって。
仕事に出る、趣味の集まり、ボランティア、
友達を作ろうと思わなれければ作れない。
それも何か哀しくて。
「友達100人できるかな」
呑気に歌っていた頃が懐かしい。
近付きすぎて見えなくなるものだってあるよ。ずっと友達でいようね。って、ほんとうの友達ってなあに。の散弾を飲み込んで遥かに遠くまで至ったのに。死に至らないためにも随分前に臨んでおいたほうが、紳士然としているのかなあ?
不必要な上手さが、曖昧には足りないんだと思う。明日を迎える最低基準は、両手を上げて喜べたのに。いい人でいたい。そのためだけの前借りだった。開いた心の扉が痛む。それでも君の所為ではない。
友達
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.10.26 藍
bl注意。
「それは、君の友達かい?」
突然、そう言われて首を傾げた。
浮かべる笑顔が黒い気がするのは何故なのか。
目線の先には、俺が腕に抱えたぬいぐるみ。これは先日、二人で行ったゲームセンターで、こいつが捕ってくれたものだ。触り心地が良いので、最近はずっとこのぬいぐるみを撫でている。
「それ、オレじゃないんだけど」
言いながら、ぬいぐるみを抱える俺の手を、この男の大きな手が捕まえた。
Theme:友達
あまりにも酷く傷ついてしまったときや、自分にとって辛い出来事が連続して起きると、「辛い」「悔しい」「悲しい」といったネガティブな気持ちが急に感じられなくなって、「何もかもどうでもいいや」「人生なんてもうどうでもいいや」という気持ちになった経験はありませんか?
あるいは、今そのような気持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
そのときの私はそんな状態でした。
昨日までの世界は恐ろしいもので溢れていて…上手く表現できませんが、刃物で囲まれた部屋の中で本当に存在するのかも分からない小さな小さな部屋の鍵を探しているような…そんな感じでした。
でも、ある日、刃物に触れても何も感じなくなりました。同時に、その部屋のドアも窓も消えてしまって、触っても何も感じない刃物と一緒に部屋に閉じ込められてしまった感じでしょうか。辛さも悲しさも、嬉しさや楽しさも、何も感じなくなってしまったんです。
「もうどうでもいいや」という気持ちだけが唯一残っていました。
今考えれば、この時点で休養するなり心療内科を受診するなりすればよかったんでしょうね。
そんなときでした。「なっちゃん」と再会したのは。
「なっちゃん」は私がずっと幼かった頃の友達です。と言っても、彼女は実在しません。いわゆる「イマジナリーフレンド」です。
内気で人見知りだった私は、いつしか「なっちゃん」という空想上の友人と親しくなっていました。
なっちゃんは活発でよく笑い、よく泣き、よく怒る、感情表現の大きな子でした。自分の憧れが投影されていたのかもしれませんね。
ご存じの通り、イマジナリーフレンドはある程度の年齢になると、見えなくなってしまいます。もちろん、私もそうでした。
でも、なにもかもがどうでもよくなってしまった大人の私には、一目でなっちゃんだと分かりました。
「久しぶり!元気にしてた?」と屈託なく笑うなっちゃん。本当にそこにいるような、現実感がありました。
そのせいもあったでしょうが、私は本当に久しぶりになっちゃんに会えたことが嬉しかったんです。
色のなくなってしまった世界で、なっちゃんは目印のように咲いた大輪のヒマワリのような存在でした。
私はなっちゃんといろんな話をしました。なっちゃんが見えなくなってからの時間を追うように。
なっちゃんは例によって、うんうんと大きなリアクションをしながら私の話を聞いてくれました。
そして、話が現在の状態まで追い付いたとき、なっちゃんは大粒の涙を流していました。
「なっちゃん、どうして泣いてるの?」
「だって、Sちゃん(私の名前です)が泣かないから、代わりに涙が出てきちゃうんだよ。辛くて苦しくて、それなのに泣くことも忘れちゃったの?涙が止まらないよ」
「なっちゃんが泣くことないじゃない。私はなんとも思ってないんだからさ」
「…Sちゃんの『助けて』って声が聞こえたから来たんだよ。そっか、泣き方が分かんなくなって困ってたんだね」
そう言って、なっちゃんは色んな手を使って私を泣かせようとしてきました。
とても怖かった怪談話、通学路の家で飼われていた大型犬の話、なっちゃんの(つまり子供の頃の私の)大嫌いだった玉ねぎがたくさん入ったカレーの話…どれもこれも当時はなっちゃんと一緒に震え上がったものですが、「昔の私はそんなものが怖かったのか」と却って面白くなってしまいました。気づいたら、私は笑っていました。
「なっちゃん、それはそんな怖いものじゃないよ」
「Sちゃんは大人だから怖くないの?」
「そうだよ。大人になると、怖いものも変わっちゃうんだよ」
「じゃあ、大人になったSちゃんは怖いものがなくなって、泣き方を忘れちゃったの?でも、泣けないことが辛いの?」
むずかしいむずかしいと呟きながら、一生懸命に考えるなっちゃん。
その姿を診ていた私は、何故か涙を流していました。
「あ、やっと泣いた。でも、Sちゃんは何が怖かったの?」
「なっちゃんの言う通り、泣き方が分からなくなっちゃったのが怖かったんだよ」
「そんなの、怖かったり痛かったりしたら勝手に涙が出てくるよ。大人はそうじゃないの?」
「そうだね。大人は涙を流せないときがあるんだよ。でも、ずっと泣くのを我慢してると泣き方が分からなくなっちゃうんだよ」
「…大人ってむずかしいんだねぇ」
なっちゃんはやけに大人びた表情で考えていました。
「ありがとう、なっちゃん。おかげで泣き方、ちゃんと思い出せたよ」
そういうとなっちゃんはまたヒマワリのような笑顔を見せてくれました。
そこで、私は目を覚ましました。真っ白な天井が目に入ってきました。
そこは自宅ではなく、病院でした。睡眠薬のオーバードーズで搬送されたと医師から聞きました。
(あんまり関係ないですが、睡眠薬を体外へ出すための胃洗浄がとても苦しかったです)
私は今、会社を休職し療養に専念しています。
あれからなっちゃんを見かけることはありません。でも、彼女は今も私の友達で私を見守っていてくれる。
少しずつ色を取り戻しつつある世界で、そのことが私の依る辺になっています。
友達
元気かな、会いたいな。大好きだった友達。
大人になったら、あの頃のような友達ができなくなってしまった。
暮らし方が変わり、いつの間にか疎遠になってしまったけれど、あの頃の記憶は大事な思い出になっている。
でも、思い出のままにするんじゃなくて、
もう一度、連絡してみようか。
「友達なんていたって、面倒なだけじゃないか。僕はひとりでいいよ。ひとりのほうが気楽だしね」
僕はそう語る彼と縁側に並んでお茶を飲んでいた。
「そうかい。まあ、僕もひとりが好きなほうではあるけれど、君のことは友達だと思ってるよ」
そう一言述べて僕が茶を啜れば、隣の友人が何故か急に、ごほっ、ごほっ、と噎せ始めていた。
【友達】
・友達
元カレと、友達に戻れるか。
いくら議論しても、答えが見つかるはずもない命題。
私たちの別れは、昼ドラちっくでもなければ、ロマンティックでもなかった。
気づいたらデートの約束をしなくなって、次第に連絡さえ取り合わなくなって。自然消滅は後味が悪いから、形式的に別れを切り出した。
喧嘩したわけでもない、浮気されたわけでもない。私の場合、友達に戻ったところで、何の問題もなさそうだ。
でも…でもさ。
やっぱり、ケジメってのが、あるじゃん?
二人で映画。
二人でカラオケ。
寒かったら手を繋ぐ。
アイスクリームは二人でシェアして。
私にはもう、どこまでが「友達」で、どこからが「恋人」なのか、わからない。
恋人として、大好きで。友達として、大好きだった。
だからこそ。
さよなら。
タップひとつ。
…ブロックしました。
友達は、自分の事を話さない。
勿論、話すこともあるが知らない事も多い。
自分も話さない事も少ないがある。
歳を重ねて言わない事が増えた。
友達の形が変わったのだろうか。
たまに会えても昔が良かったと思う。
あの頃よりは楽しくなくて。
困った時は助けてくれて。
辛い時はいつもそばにいてくれて。
泣きそうな時、夜中に電話かけると絶対出てくれる。
いつもいつもキミに救われてる。なんて表わせばいいのかな、うちらの関係。
「別に、友達だから助けて当然じゃん?」
「そっか」
友達だからか。友達だから、夜遅い時は家まで送ってくれるし、テストで赤点取って大泣きした時はぎゅってしてくれるし、毎日おやすみなさいのメールくれるのか。
友達って言うか、なんか、これって。
「……ん?」
「やっと気づいた?」
まばたき多めでじっと見ていたら彼が急に笑い出した。そして、なんてことなく私を抱きしめた。別に今は悲しくなんかないのに。こないだのテストはばっちりできたのに。
「じゃ、そろそろ友達からランク上げてもらおうかな」
そう言って。私の額にキスをした。友達はこーゆうことしない。だから彼は友達じゃない。
今から彼とは友達やめる。
その代わりに、
「俺を彼氏にしてよ」
先に言われちゃった。
改めまして。
今からこの人、私の彼氏。
I have many friend who is so kind for me.
But when I talk with them,I feel boredom and not fun.Why am I so feel?I want to feel "fun".My action often discrepancies my reason.
友達 (10.26)
モブAとの距離約5センチ。
吹きこぼれるイライラのままにLINEを開く。
『最近ちょっとAと距離近すぎじゃない?』
送ってから数秒、すんと鼻の奥から背筋が冷たくなる。言いすぎた。慌てて送信削除を試みて、既読の2文字に固まった。
『別にいいじゃん、好きなんだもん』
それが良くないのに。
きゅうと縮まる心を抱えて、続いて送られた言葉に唇を噛み締める。
『応援してよ。友達でしょ?』
ちがう。貴女はそうでも、私は。
その時は訪れる。
『Aくんと付き合うことになった‼︎』
飛び跳ねるスタンプを睨んで滲んだ視界を恨む。おめでとう、と返してから数刻。血の気のない指先を必死に動して送信する。
『私たち、友達だよね?』
私は女だから。決定的な言葉で、この気持ちをはぎ取ってもらえるように。
『違うよ』
息が止まる。
いやだ、あいたい、すてないで。
吐きそうなほど突き上げる感情に声にならない悲鳴をあげる。
『親友でしょ?』
そう、彼女がはにかんだのが見えて。堪えきれず嗚咽した私はスマホを捨てた。
『ずっと大好きだよ!』
私には友達がいる。中でも一番仲良しなのが実花だ。
といっても今は絶交しそうなくらいの喧嘩をしている。
喧嘩の内容は本当に些細なことなのだが、口も聞かない状態がかれこれ1週間以上も続いている。
私も実花も意地っ張りだから謝ろうとしている気持ちがあっても素直になれないのだ。
来週の日曜日は一緒にショッピングに行く予定でなかなか予定が合わないからすごく楽しみにしていた。
どうにかそれまでに仲直りしたいと思い、私は明日の朝実花の家に行ってあやまろうと考えていた。
「やだ、怖いわねぇ。」
リビングでテレビを見ていた母が呟いている。
「どうしたの?」
「空き巣よ、この近くなの。貴方も気をつけなさいね。」
「はーい」
次の日、私は実花の家に向かっていた。天気が良くて気持ちのいい朝だった。
ピンポーン
「実花いる?私だけど…この前はごめんね。仲直りしたいの」
『帰って』
ドア越しに実花の声が聞こえる。
「どうして?仲直りしてくれないの?』
『いいから帰って!』
「なんで?顔だけでも見せてよ。」
ガチャ
実花が顔だけを覗かせている。すごく怒っているみたいだ。
「顔は見たでしょ?いいから帰って」
私は何も言えなくなり自分の家へ踵を返した。
どうして?せっかくこっちから謝ったのに!
もう実花なんてしらない
その後、実花が亡くなった。
私が実花の家を訪ねた日、空き巣が実花の家に居座っていたらしい。
実花は逃げようとして玄関まで怪我をしている足を引きずりながら私と話していたらしい。
怒っているように見えたのも痛がっていたかららしいかもしれない。
実花は私を逃がそうとして声を上げていたのだろう。
私はなんとも言えない気持ちになった。
友達
救われる、1人で抱えきれない事を渡せる、そんな存在。
自分の一部みたいな、人は自分に頼って生きているけどそれと同じように頼りあって生きてく感じ。
好きな人ばっかりで、
ふと気づくのはいつもあなたの優しさ
「ずっと友達だよ」
小さい頃、何度も言った言葉。
でもずっと友達だった子はいない。
たった一人、べとべとさんを除いては。
べとべとさんは妖怪だ。
道を歩いていると、“べとっ、べとっ”と足音を響かせながら、後をつけてくるだけの姿の見えない妖怪である。
初めて遭遇した時、怖さのあまり泣いてしまったが、べとべとさんが戸惑ったように足音を響かせていてすぐに笑ってしまった。
それから仲良くなった。
付き合いも長いと、足音の響かせ方で色々分かる。
嬉しときはなんとなく足音が軽いし、犬の糞を踏んだときはとても足取りが重かった
大学に受かった時は飛び回って一緒に喜んでくれたし、自分が失恋した時は、隣をずっと歩いて励ましてくれた。
正直な話、相手の事をよく知っているとは言えない。
でも、それでいいのだ。
言葉を交わせなくても一緒にいる。
それが友達だから。
ある日、近所の家電量販店で冷やかしをしていたところ、突然足音が聞こえなくなる。
振り返って、べとべとさんの気配を探る。
ここまで付き合いが長いと足音が聞こえなくても、気配でわかる。
近くに歩み寄り、べとべとさんの隣に立つ。
そこはテレビコーナーで、テレビでは渋谷のハロウィン特集をやっていた
「あー、もうハロウィンの季節か」
あまり騒ぐのが好きでない私は、こういったイベントに参加したことはない。
しかし、べとべとさんは何やら興奮している様子だった。
行ってみたいのだろうか。
少し考える。
べとべとさん結構人見知りで、家まで入ってこないし、修学旅行旅行も旅行先までついてこなかった。
しかしこういった他の土地のイベントや旅行番組はよく見ている。
興味はあるのだろう。
遠くに行けない理由があるのか。
あるいは行きたいが、行き方がわからないのか。
考えても仕方がないので、思いきって口に出してみる。
「行ってみる?一緒に?」
そう言うと、べとべとさんは飛び跳ねるような足音を響かせる。
あまりの喜びように自分も嬉しくなる。
思えば友人との旅行は初めてだ。
イベントに興味のない自分でも、だんだん楽しみになってくる。
友達と一緒ならなんでも楽しむことができる。
友達とは良いものである。
ハロウィンまであと6日
❖Friend
友達それは難しいコトバ
毎日登下校する仲だから友達なのか
辛い時苦しい時寄り添って呉れるから友達なのか
好きな事を共有出来るから友達なのか
ボクにはよく分からない。
友達って何だろう
友情って何だろう
クラスメイトって何だろう
君にとっての友達とは。
僕にとっての友達とは。
終。
#004 「Friend 」
友達関係が長くなり
お互いに家庭を持って
幼かった私たちを取り巻く環境は変わった
田舎の長男の嫁になる者
不妊症に悩む者
セーラー服を着て毎日笑い転げていたあの頃
今の私たちを想像することは出来なかった
なんとなく未来は不透明ながらも明るくて
楽しくてと想像はしていたかもだが
悩んだり泣いたり
時に現実から逃げる手段を考え
眠れぬ夜を過ごしたり
こころから溢れた思いは必ずお互いに
伝えて癒してもらったり喝を
入れてもらったり
苦楽を共有し夫婦以上の長い時を
重ねてきた心友よ
どうか私より長く生きて
私に死化粧をして欲しい
まだ死なないけどね