『半袖』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
少し出遅れた衣替え
ビシッと決まる重厚なコートや
抱きしめたくなるくらいふわふわのセーター
攻撃力高めのブーツetc…
君達とは一旦お別れ
それから夏のベストメンバーをお迎えする
収納ケースを開けると
鼻をツンと刺す樟脳の匂い
一年ぶり。
IQ高見えブラウスに
ユニオンジャックのTシャツ
深い青の贅沢フレアスカート
白のプリーツスカート
真っ赤なバレエシューズ
ミントカラーのバッグ…
今年も私を最高の場所に連れて行ってね
忘れられない夏が来るよ
◼️半袖
「ねーねー。風弥?」
「どした?」
〜「どうしていつも半袖なの?」〜
その一言で思い出が溢れてくる。
僕はかつて吹奏楽をやっていた。そして高校でベースを兼用するようになってからのことだ。
ある女子に言われた言葉が心に深く突き刺さった。
「制服にベースって似合わないね。」
いつもなら、高校に入って明るくなれた僕はその時だけ真に受けてしまった。直後に先輩が「去年の先輩も制服だから別に違和感ないよ」とフォローしてくれた。
あれ以来、校則ギリギリの範囲でしっくりくる格好を試行錯誤していた。だけども、気付いた時には冬になっていた。指先が冷たくてベースを弾くのが困難だった。
ある日、音楽室の暖房が壊れてなまら暑くなっていた。そして中に来ている半袖のパーカーを露わにして合奏に望んだ。
「ありがとうございました」
部員による顧問への感謝が溢れるミーティング。後に片付けをしていた時に言われた、
「その格好イイネ! 特に半袖パーカーつと学ランって相性イイ!」
あの時の女子だった。
とにかく嬉しかった。嬉しくて嬉しくてふわふわした感触を覚えていた。
……
「ちょっと、風弥?」
言われてハッと気づき、時が動き出した。
「ちょっと昔を思い出してたんだよ。」
あれから10年で地球の環境は変わってしまった。
極端な地球温暖化対策によって二酸化炭素濃度が激減し、日本でさえ夏に氷点下付近になってしまった。そうなると半袖はほぼ下着同然と化す。製造量が少ない半袖はそもそも貴重品になってしまった。
「ベースに半袖パーカーが似合うと言ったのは君だからね。責任取り続けてよ?」
僕は今日も趣味に没頭する。
喧嘩して、飛び出したあたしをきみは迎えに来てくれた。ものすごい怖い顔してた。でも怒られはしなかった。「帰るぞ」と、それだけ言って右手を掴まれ家までの道を歩いてる今。
無理矢理引っ張られて歩かされてるからきみの背中が見える。背中もやっぱり怒ってる。勝手に飛び出したこともそうだし、こんな時間に迷惑かけるなバカヤロって言いたいんだと思う。
ごめんなさい、って、言わなきゃダメなのに。つまらない意地がそうさせてくれない。喧嘩の原因なんてもうほとんど忘れかけてる。どっちが悪いかなんてどうでもよくなってる。ていうか多分、どっちも悪いんだと思う。
「寒いね」
ごめんでもありがとうでもなく、場違いなことをあたしが言ったから、きみは思わずこっちを見た。まるで珍獣を見るかのように凝視された。だって本当のことだもん。飛び出したのがかれこれ2時間くらい前。そこからずっと外にいたから身体が冷えちゃった。
なのに。
「全然。むしろ暑い」
よく見るときみの格好は半袖のTシャツ1枚だけ。まだ夜は冷えるのに、そんな薄着でよく彷徨けたね。心の声に留めておくはずが、無意識に口にしてたらしい。あたしの言葉を聞いてきみは眉間に深いシワを刻む。
「誰かさんが突然姿を消すから探して走り回ったせいで、今もの凄く暑い」
「あ……そ、なんだ」
「なんだその返事は」
「だって、そしたら、私のせいじゃん」
「そうなるな」
けど、そう言った時のきみの顔。斜め後ろからほんのちょっと見えた時、私には笑ってるふうに見えた。もう怒ってないのが分かったから、その腕に思い切り抱きついた。
「ほんとだ。暑いや」
「抱きつくな、暑苦しい」
ひどい。でも言葉と裏腹、引き剥がされるようなことはなかった。あれ、そう言えばなんでこんな時間にこんな所にいるんだっけ。忘れちゃうくらいだから、きっと大したことじゃないんだ。
「あそこのコンビニ寄ろ。アイス食べたい」
「お前の奢りな」
「財布持ってない」
「ざけんな」
きっとこんなふうに大したことない諍いが積み重なって、そのおかげでもっと好きになるのでしょう。今日のことも必要だった。そーゆうこと。
帰りにちゃんとアイス買ってもらえた。パピコ半分こして帰りました。
初めて半袖で外に出た。
今季、はじめて。
半袖ってあまり得意じゃなくて。
何か1枚羽織っていたくて。
それでも初夏の風は
気持ちよく通り過ぎていくから。
空の雲は
もう夏のかたちをしているから。
もっと私に夏を教えて。
「半袖」
ムダ毛の処理をしないと、子供の時程は迂闊に着れない。
半袖。
もういいか そう思ったら 寒くなり 失敗踏まえて 汗かく季節
お題「半袖」
はい
ん〜
そうですね〜
でも
半袖のパジャマはまだ早い気がします
※『半袖』で言葉遊びしました
半袖のパジャマだと夜中に寒いってなりません?笑
砂の上で大輪の花が
寄せては帰る波に洗われ
そっと微睡んでいる
向こうから聴こえる歌声に
心奪われて
少しずつその花開く
夜を閉じ込めた小瓶からは
懐かしい海の匂いがした
もうすぐ5月が終わる。
6月に入って梅雨も明けると夏が来る。
夏といえば半袖の季節だ。
押入れにしまってある半袖を出して夏になるための準備をしなくちゃね。
ストレスと夏と半袖と
5月の終わり、もはや夏。
衣替えの季節になった。
ゴールデンウィークの晴天と雨で
庭の草木は鬱陶しいほど覆い茂り
梅の木は青い実がなりている。
あっという間に春が終わってしまって、少し寂しい気持ちになる。
梅雨がやってくると湿気の混じった空気がなんだか気持ちが悪かった。
たった一月の間にこんなに気持ちが泳がされるのだ。
5月病にもなるし、疲れもする。
ぶっ飛んだ自律神経を調整するにも時間とコツがいるとさえ思う。
そんな日常にすら、小さなストレスを感じるのは人間も動物も同じだろう。
「ストレスを感じた事がない」
そういう人間がいる(いた)。
その人は生きていて今までにストレスを感じた事がないという。
私は信じられない。
例えば…満員電車で背中をぎゅうぎゅう押され、隣の人の体臭がきつかったりしたら?
自分のせいじゃないのに濡れ衣きせられたら?
挨拶されて無視されたら?
これは大抵の方がストレスだと思うのだが。
この人はそうではないのだという。
おそらくは虚勢だとは思うが、日常生活の不可抗力みたいなストレスさえ感じないのが本当だとしたら。
幸せな人だな。と思う反面。
可哀想な人だな。と思った。そして納得した。
この人の言葉選びのずさんさはここから来ているのだと。他人へこの言葉を言ったら嫌な思いをする。
きつい言い方。嫌みともとれる小馬鹿にしたような言い方。
そういう言葉選びがわからず、平気で通り魔のように傷をつけていく。
鈍感過ぎるとも違う、最初からわからないのだ。
場面での空気がわからない。
その人にとっての正解は一択。自分のみなのだから。
そんな大人がいるんだ、小さな子供だって場の空気を読むこの時代に。
どおりで狂っていってしまうはずだ。
季節も世界も。病気にかかっているようだな。と
今日は暑かったから半袖をだした。
外に出たら少し肌寒い。
その人からしたら、その変化すらもわからないのだろう。
私は今日も一つその人からストレスをもらったというのに。
日差しが暑い。5月上旬だというのに…。去年のこの時期はこんなに暑かった覚えがない。衣替えを早めにしておいて良かった、と過去の自分を褒めた。
5月上旬といえば、ゴールデンウィーク。暑すぎてどこかに出掛けたいと思えない。ほとんどの人は、実家に帰省したり、泊りがけの旅行に行ったりするのだろう。しかし自分の実家は無いも同然…。家族仲が悪すぎるのだ。父と母の3人家族なのだが、母は交通事故で自分が小さい頃に他界した。そのショックで、父はギャンブルにハマってしまい、今では借金ばかりを作っている。まともに働こうともしない父を好きになれず、大学入学を期に一人暮らしをすることにしたのだ。旅行に関しては、一緒に行く友人がいないこととバイトで生活費を稼ぐのが精一杯なので諦めている…。いつかは旅行に行けるといいな。
※フィクション
【お題:半袖】
半袖
突然小学生あるある教えて、と言われたらほとんどの人が共感するだろう。
年中半袖半ズボンの男の子。
【お見通し】
ある秋の日、同じクラスの女子生徒が聞いてきた。
「この時期にそれって寒くないの?」
あたしは半袖のシャツを着ている。だから不思議に思ったのだろう。
「結構平気よ」
「ならいいけど。風邪引かないようにね」
そう言って彼女は去っていった。普段ツンツンしている彼女が他人のことを心配してくれるなんて、なんだか意外ね。
「あのぉ」
次に話しかけて来たのは男子生徒だった。
「何かしら?」
「これ、貸すので着てください」
そう言って渡されたのは白いカーディガン。あたしは尋ねる。
「良いの?」
「明らかに寒いのに強がってるの、見てられないので」
「……よくわかったわね」
あたしが平気なフリをしていたこと、どうやら彼にはわかってしまったらしい。
そう、あたしは強がっていた。運悪く洗濯した長袖が今朝までに乾かなかった為、仕方なく半袖を着てきたのだ。
「ありがとう」
あたしは礼を言ってカーディガンに袖を通した。
半袖のシャツに身を任せて
私はどこかへ飛んでいきたい
限りある星の中で一つを探して。
[半袖]
まだ、夏じゃないのに半袖になるくらい暑い。
気温がすごく高いな~
高校生になって仲良い友達が4人できた。
友達がいるのはすごく楽しい。
一緒にゲームをしたり、アニメの話をする。
だけど、友達の一人いじめられている。
はっきりといじめって言えないけど...
お題: 『半袖』
「今日半袖で来るの忘れたー!」
もう、そんな季節だな。
私は、そろそろ来る季節が大好き。
この国に生まれて唯一誇りを持てることだ。
ものすごく楽しみなのに、過ぎた後は切なくてどこか儚げで、あのそよ風のようにうっすらと記憶から吹き抜けてゆく。
今年は、どんな夏にしようか。
体育終わりの、まだ長袖でいる私の制服の裾をめくり、そんなことを考える。
『半袖』
地方から東京の大学に進学して数ヶ月、私は勉強に励みながら一人暮らしを満喫したり、休日には友人達とあちこち遊びに行く事を楽しんでいた。
今日は友人5人で有名なパンケーキ屋さんへ行く日。ビルに着くと最上階のお店に向かってエレベーターに乗り込んだ。
「今日こんなに暑くなるなんて思わなかった」
の友人の言葉に、皆で半袖でも良かったね‥と口にした時、私は隣に立つ初老の女性に突然話し掛けられた。「あなたは長野の方?」
どうして分かるのだろう。驚いて見つめると
「突然ごめんなさいね、亡くなった主人と同じ話し方だったから」
半袖の独特の言い方が懐かしかったと言い残し降りて行った女性。もしかしたらあの時、本当はもっと色んな話しをしたかったのではないだろうか‥。
そう思うと、パンケーキにはしゃぐ友達の声がどこか遠くに聞こえた。
半袖から覗く、白い肌
暑い日差しを反射させて、きらきらとしている
それは、とても魅惑的で、私の思考を鈍らせる
それを見ていると、くらくらしてきて、ぼーっとしてきて、何も考えられなくなる
くるりと振り向く時に揺れる、ポニーテール
綺麗な黒髪がふわりと揺れて、その奥に覗く真っ白なうなじ
なんだかえっちで、ドキドキする
横を通り過ぎると、君から香る君の匂い
振り返って、少し高い君の顔を見ると、君もこちらを見つめてる
白い指を口元に、しーっの合図
そして最後にウィンクを一つ
それは毎晩私を見る目で、ぞくぞくっと、何かが背中をつたう
この学校には、私のような凡人と、高嶺の花の生徒会長が付き合っていること、さらには、あつい夜を過ごしていることを知る人は、私と、生徒会長以外、いない
今夜はどんな声でないてくれるのか、想像しただけでゾクゾクしてしまう
暑い空気に、ハアッと暑い息を吐く、
夏だというのに、吐いた息は、君の白い肌のように白かった
職業柄夏でもきっちり着込んでいることの多い彼が、家ではラフな装いでのんびり過ごしているのを見ると和むものがある。しかし、そのシャツは一体何だろう。言葉にし難い抽象的な、眼球のようにも見えるものが無数にプリントされている。文句があるわけではないが、さっきからずっとそれらと目が合っていてどうにも気になる。聞くと、それは人からもらったお土産らしい。しかも十年近く前というのだから多分、相応に気に入っている。自分の様子に何かを察したのか、ぼそりと「駄目か」と問い返された。その声が少し萎れていたから思わず、そんなことはない、と否定してしまった。この一夏、あるいはその先もこのシャツとはお付き合いがあるだろう。お手柔らかにお願いします、と描かれたそれらにこっそり挨拶をした。
(題:半袖)
いろんな事情で、お肌を晒せない方もいる。
点滴、シャント、自傷の痕とか。
だから、半袖を着て素肌を晒すって、それだけでも幸せなことなのかも。