『半袖』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
太陽の光が
強く照りつけている
多くの人は
半袖や露出の多い服を着ている
でも、ボクはみんなみたいな服は着れない。
肌が弱く太陽に長く当たれないボクにとって
みんなが羨ましい
"なんでボクが"
何度もそう思った。
けれど今が幸せならそれでいい
「なあなあ!何見てるんだ?」
教室の後ろに貼ってある写真を見てるとKが声をかけてきた。明るい活気のある声である。
「あーこれ、この前撮った写真か!もう貼り出していたんだな~」
Kは僕の神経を逆撫でするかのように無邪気に笑った。この写真は先月の四月に撮ったクラス写真で、端っこの方に僕とKが並んで写っている。
僕とKは特別仲が良いというわけではない。去年同じクラスで何度が話しただけである。彼はいわゆるムードメーカーで僕とは住む世界が違う。なのにKはずかずかと僕に話しかけてくる。気付いていないふりする僕の身にもなって欲しいものだよ。
「…そういや、みんなこの写真見て騒いでいたよなー。俺がふざけたせいで変な雰囲気になったからみんな怒っているのかな?」
みんな無表情で真剣な表情をしているのに夏服姿のKはにっこり笑ってピースをしていた。たしかにこの写真はKのせいでとても不自然になっている。
「……なあ、何でさっきら俺のこと無視するの?というかお前、大丈夫か?すごい震えているけど…。」
震えが収まらない僕にKは心配そうに僕の顔を覗き込む。
震えたくなるよ。だって今すぐ君から逃げたいのだから。怖いんだよ…!だって君は……
去年の夏、事故で亡くなったんじゃないか!
題名 夏服のK
『解説』
Kは去年の夏に亡くなった。ということは、語り手の前に現れたKは幽霊であり、語り手と同じクラスの学生でない、ということになる。
そりゃあ騒ぎにもなるはすだ。新しいクラスの皆と初めて撮った写真が、死んだはずの人間が写った心霊写真になったのだから。
Kは自分がふざけてしまったせいで写真が変なことになったと言っていたが、写真に写った皆は冬服の格好なのに、自分だけ夏服であるということに違和感を覚えなかったのだろうか?
私は半袖が好きだ。なぜなら動きやすく夏でも冬でも着られると思うからだ。長袖でも夏に着られるかもしれないがとても暑く着られる暑さではない。一方半袖は下にヒートテックを着ておけば冬も着られるため一年中着れると思うからです
半袖はまだ寒いぞ
でも昼は暑いんだもんな。
困るな。
もうすぐ夏だ、あの子の夏服はきっと可愛いだろう
私は長袖の服を着てるあの子しか見たことがない
半袖姿のあの子はきっと凄く可愛いだろう
服が薄くなるから私とあの子がハグする時もきっともっとあの子の暖かさを感じられる
あぁ、夏になるのが楽しみだ
真夏のある日に思い出す。
蝉時雨の中であの子と遊んだ夏休み。
半袖から伸びる腕は健康そうに日焼けして。
“バイバーイ!” “またね!”
そう別れたのが最後の記憶。
遊び場所で待っていても、新学期が始まっても、
あの子に会う事はなく、大人たちに聞いてみても、
あの子が最初から居なかった様にはぐらかされる。
何処かへ消えてしまったあの子の顔は
今では薄らぼんやり浮かぶだけ。
嗚呼…あの子の名前はなんと言ったか…
#半袖
半袖から見える細い腕…
君の腕は今にも折れそうで
僕の腕とは正反対…
僕が守ってあげるんだ!!
そう思った少年時代。
半袖
通常ならもう半袖の季節。
けれども今年はまだ少し寒いから長袖。
かと言って、このまま衣替えしないのも問題だ。
早く、半袖の季節こないかな。
「暑くないの?」
その問いかけは今週に入ってから3人目くらいだった。
周りを見渡せばみんな、真っ白の半袖から健康的に腕が伸びている。紺色のセーラーカラーと白のブラウス。紺色のプリーツスカート。男子は白のカッターシャツに黒のスラックス。教室に差し込む、季節を主張するような強い日差し。青春って感じだ。
対して私は長袖の合服のままだった。ところでこの合服、過去十数年のうちに生徒たちの意見でようやく実装された代物らしい。私は何度か目になる先人への感謝の念を放っておいた。
「ポリシーに反するので」
このポリシーは、セーラー服は合服が一番可愛いと言うものである。冬服の全身紺色よりもブラウスが白い方が可愛いに決まっている。そして、半袖よりも長袖の方が可愛い。
「ふぅん」
聞いておいてやる気のない返事が返ってくる。長袖の人間には体感温度がバグっていないか確認しないといけない義務でもあるのだろうか。
「去年もそう言って8月の2週目には夏服になってたよね。今年はいつまで持つかな」
「……なんで覚えてるの?」
具体的すぎる。私ですら覚えてなかったのに。ファンなのだろうか、私の。
「長袖の方がかわいいって言うけどさ〜」
意味ありげに右手を持ち上げる。オーバーサイズ気味の半袖から覗く腕が、ひどく細く、白くて艶かしく映る。
「半袖でがっつり腕出して、そこにブレスレットとかしてたら可愛くない?」
急に性癖みたいな話をされた。
「えっ可愛い」
すらりと伸びる腕の先にシルバーのチェーンを幻視して、私の脳内審査員が満場一致で両手を上げてしまった。なんで私の好みを知ってるんだ、やっぱり私のファンか。
「帰ったら夏服出すかぁ……」
ついでに指輪とか付けたい。さすがに怒られるか。
「おしゃ、今年の記録は7月1週目ね。私の勝ちだ」
「待って。誰かと賭けでもしてます?」
『半袖』
No.12『半袖』
暑い。何故こんなにも暑いのか。まだ5月のはずなのにだ。
正直半袖にしたい気持ちはやまやまだが、周りは日焼けを気にしてずっと長袖だ。だから、別に日焼けを気にしない私も長袖である。
結局こうして周りに合わせる私はこのままこうして生きないといけないのかな…。
#半袖
普段長袖の人の
今シーズン初の半袖姿を見た時
何とも言えぬ爽快感を感じた
毎年の出来事なのに
不思議ね
ショコラ
衣替えの時期はとっくに過ぎたのに、彼女は未だ長袖のままだった。
そんな彼女を無意識に目で追っていて、気づくと僕は彼女のことばかり考えていた。
ある日、買い出しに出ていると、彼女を見かけた。やっぱり肌は見せていない。
彼女は大きな男と一緒にいた。
なんか不思議な組み合わせだ。そう思ってもう一瞥だけして帰ろうとしたとき。
彼女が、上着を脱いだ。
下は、半袖だった。
短い袖からのぞいた腕には。
龍の刺青。
一瞬にして釘付けになる。
大男が慌てたように上着を彼女の肩にかける。その手を彼女は煩わしそうに払った。
どうしよう、とんでもないものを見てしまった。
それに。
彼女のことを、もっと好きになってしまった。
【半袖】
______
このアプリと出会って今日で一年。あのときのテーマもなぜか戻って来ました。一年周期なんでしょうか。
記念日と言うことで一年前のリメイク、ではないですが書きました。成長したんでしょうか。してて欲しいですね、書くの好きなので。
この一年でたくさんの短編を書いてきました。
文章を書いて、たくさんの人に見ていただいて、評価ももらって。
楽しいですね、とても。本当にありがとうございます。アプリの製作者様、見ていただいた皆様に感謝。
これからもよろしくお願いいたします。
『半袖』
何故着ないのかと問われたら、
単純に、訳ありだ。
もちろん、暑い。
半袖でねるねるねるねを練ると、
夏の色に変わった。
しかしその色とは、幼少の頃の夏の、
イメージに過ぎなかったのだ。
この季節になると思い出す
自分が自分を傷つけたこと
未だある痕跡をみて
今は許されない
見放されるだろう
これを見て見放されないだろうか
もう二度と消えないのか
後悔をする
【半袖】
✂ーーーーーーーーーーーー✂
「跡が消えんのかよ」
『1年経てば消えたよ』
「1年だろ、今すぐには消えないだろ!」
「お前は魔法使いなのか?あ?!」
『しょうがないだろ。苦しいんだよ』
君の警告も何もかも無視をした
「落ち着いて。過呼吸になるなよな」
『#@-いやだ!&2だれ91&\$\!』
自分が何を言ってたのかも分からない
「誰かいるの?落ち着いて深呼吸しよう、な?」
あーあ、、今頃後悔してるよ
跡が消えないんだ
半袖から伸びた腕との境界線がくっきりと出るのが嫌で、袖を捲り上げていた十代の頃。
筋トレを重ねても二の腕の逞しさが年々増すから、肘まで隠れる袖を選ぶようになった三十代の今。
『半袖』
『半袖』
半袖から覗くその腕には
墨が入っている。
あなたと出会うまでは
そういった人たちに少し怖いと感じていたけれど
あなたと出会って
優しいのだと知った。
今ではその腕を愛おしいとさえ思う。
半袖から覗く綺麗な腕。
題名『日焼け対策』
(裏テーマ・半袖)
ペットの小型犬の洋服を半袖にした。
短い腕と足だけど、これが可愛い。馬鹿親だ、嘘はつけん。
ついでに、寝たきりの親父のパジャマも半袖にした。
二の腕も太腿も折れそうな細さ。痩せ衰えて怖くなる。
娘が半袖を着ていた。
はち切れそうな若さの肉でパンパンだった。
「恋して痩せろ!」
などと言ったら殺される。
私も半袖を着た。
みすぼらしくて慌てて着替えた。
今年の夏は
日焼け対策の長袖で勝負する、決意をする。
半袖
一目惚れしたのは半袖の時期
アピールを始めたのは薄長袖の時期
初めて電話したのはセーターの時期
告白したのは半袖の時期
1年の片想いで実った初恋
夏を感じさせる短く白い袖から見える透き通った肌
扇風機を回しながらアイスを食べる君の姿
今年もまた暑い季節がやってくる。
そんなことを思いながら部屋で2人ゲームをする時間は、僕にとって最高の一時だった。