Open App

衣替えの時期はとっくに過ぎたのに、彼女は未だ長袖のままだった。
そんな彼女を無意識に目で追っていて、気づくと僕は彼女のことばかり考えていた。


ある日、買い出しに出ていると、彼女を見かけた。やっぱり肌は見せていない。
彼女は大きな男と一緒にいた。
なんか不思議な組み合わせだ。そう思ってもう一瞥だけして帰ろうとしたとき。



彼女が、上着を脱いだ。
下は、半袖だった。
短い袖からのぞいた腕には。

龍の刺青。
一瞬にして釘付けになる。

大男が慌てたように上着を彼女の肩にかける。その手を彼女は煩わしそうに払った。


どうしよう、とんでもないものを見てしまった。


それに。





彼女のことを、もっと好きになってしまった。


【半袖】




______
このアプリと出会って今日で一年。あのときのテーマもなぜか戻って来ました。一年周期なんでしょうか。

記念日と言うことで一年前のリメイク、ではないですが書きました。成長したんでしょうか。してて欲しいですね、書くの好きなので。

この一年でたくさんの短編を書いてきました。
文章を書いて、たくさんの人に見ていただいて、評価ももらって。
楽しいですね、とても。本当にありがとうございます。アプリの製作者様、見ていただいた皆様に感謝。

これからもよろしくお願いいたします。

5/28/2024, 1:15:25 PM