『半袖』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
何度目かわからない夏がやってくる。夏の虫の鳴き声はどれだけ嫌だったか今となっては覚えてすらいない。風鈴の綺麗な音だけでは片付けられないなんとも言えない音と雰囲気。どれもが夏を感じさせてくれた。まぁでも1番夏が感じるのはクーラーと西瓜なんだけど。クーラーの下で西瓜を食べるのは幸福すぎた。そして半袖短パンの自分は床に寝転がって床が冷たい、気持ちいいなんて言いながら瞼がだんだん重くなっていってしまう。いつもの事だ。何時間も寝たあと外は夕焼けに染まっていて自分の肌が少し焼けていて、今年も焼けたなぁなんて言いながら毎年毎年黒くなっていく自分の肌を見つめるんだ。そして、最期も夏。暑くて暑くて仕方がないからクーラーを奪おうと家まで来たらしいけど言ってくれたら入れたのになぁ。自分の耳元でどくんどくんと脈打つ音が聞こえる気がした。日が照っている。こんな時でも暑いななんて思ってしまう自分はとても呑気だ。でもそれも自分らしくていいんじゃあないかな。
あれ、そういえば自分って亡くならないんだっけ。
あぁ、なんだ不必要な心配しちゃったよ。
そりゃ、そうだよな。自分が何歳かわからない神さまなんだから。
でも、そんな事実から逃げたくてヒトの姿になったのに、こんな事になるなんて。ほら、相手もびっくりしてるじゃん。自分が何も無いような態度してるから、別に死にはしないよ。でも痛いもんは痛い。けど、何年も生きてると痛みには慣れないけど顔に出なくなった。あぁ、自分の行動とかって全部不必要じゃん。
誰か、生きてる意味も不必要にさせてよ。
神さまなんかやめたいなぁ。
半袖を作る工程、
長袖の服を買う。
袖を好みの長さで引きちぎる。
夏を迎える為の通過儀礼。
お気に入りのあの服も、
一緒に夏を迎える為に、
全部全部引きちぎる。
いやでも冬はどうすんだ。
捨てられた袖を集めて、
大きなお墓を建てました。
お墓に袖を埋めようか、
あら?火葬が先かしら。
袖をお墓に埋めるため、
みんなまとめて燃やします。
ぼおっと大きな火が登り、
全部全部燃えちゃった。
あれ?お墓は要らなくない?
大きなお墓を残してさ、
あたし一人が残ってる。
半袖小僧が残ってる。
夏も終わって肌寒い。
寒がり小僧が残ってる。
うーん、お墓をどうしましょ。
寒いのいったいどうしましょ。
少し悩んで閃いた。
少年は墓に頭を打ち付けて死んだ。
#半袖
いつの間にか外出も半袖で、もう羽織るものもいらないかと思った矢先暖が恋しくなるような寒空に包まれた。夏の季語を浮かべる脳は現の天気に右往左往して、暑い季節に居る気になって背中に汗して唸ってる。
放課後。部活前。
私は片想い中の相手に笑いかける。
「もう焼けてるね」
「そうかなぁ」
「あたしより焼けてるって。ほらほら〜」
腕を差し出すと、あなたも腕を伸ばす。
隣に並んで日焼け具合を比べるふり。その筋肉質な腕と私の腕をくっつけて、私はちゃっかり温もりをチャージ。
「俺焼けてきたかも。というか、相変わらず白いなぁ」
「そりゃあ、日焼け対策してますから」
「こうやって見ると、男女の腕って違うもんだな」
「ほんとほんと」
あなたの目がじっと私の腕を見つめている。私はちょっとドキドキしちゃう。少しは意識してくれるといいんだけど、やっぱりわからない。
号令がかかった。今日も練習が始まるらしい。
バイバイ、と私は手を振って友達の方へ戻る。
いつあの腕に絡みついてやろうかな。
炎天下の中、凍りつくあなたを想像して、私は可笑しかった。
白いシャツ
腕を伸ばして
太陽に
手をひらいた
何してるの?
え?、あ…、太陽をつかみたくて。
はは、つかめそう?
んー、 ギュッとグーにしてみた
まじ…
となりでマネをする
ふたりで、グーパーグーパー
お前ら、変だよ、自転車でおい越していった
あわてて教室に向かう
これ、出来たら報告な
そ、そうなの
ちゃんと着地しようぜ
うん、そだね
新緑の太陽は眩しかった
近頃は地球温暖化の影響で、春から大活躍することが多くなってきた。都心でもそうじゃなくても夏日。真夏日。
梅雨の一時は長袖を引っ張り出してくる事もあるけど、梅雨が明けたら、最近は10月中旬までお世話になりっぱなし。
今年もお世話になります。
半袖の話。
半袖
何故に長袖が基準なんだろう
着物が基準
どうなんだろう
まぁ実際どうなのか知らないけど
半袖や長袖のシャツくらいですむ
気温くらいがいいよね
出来れば暑くないほうがいいんだけど
半袖と言えばやはり夏
夏は暑い
暑いから冷たいモノが美味しい
暑い寒いも基準が
中央あたりにあるはず
でも中央ってレアなんだよ
基本的に中央って上にある
基準以下が通常なんだよ
上には上がある
だけど下には最低限の保護があるから
何処までも下には行けない
だから見上げるんだろうけど
まずは自分の足元を見て
それから考えないといけないね
夏って半袖じゃないとやっていけないよね
私は極度の暑がり。
夏はほんとに勘弁
海やプールもいいけれど
やっぱり冬が1番好きだなって常々おもう。
半袖を着ないのは、私の線の入った肌を見て知ったように話されないようにするため。別に自分の赤黒いような線だらけの体を恥じて隠してるわけじゃない。
何かを言われるのがめんどくさいだけ。
気がつけば立葵が咲いていた
もうそんな時期か
どおりで最近蒸し暑い日が続くわけだ
僕はじとっとかいた汗を
乱雑に拭った
夏の始まりを告げる花
箪笥の中にどのくらい夏用の服があったか
思い出す
あ〜ぁ
また暑さとの戦いが始まるのか
天へ向け咲き始めた立葵を横に
止めた足を前へ進めた
『半袖』より
─半袖─
たしか、今年で一番暑い日だったかな。
君は半袖の服を着て、縁側でスイカを食べていたよね。
私も暑そうな君の隣で、スイカを食べていた。
その後公園に行って、一緒に帰って、
私が見えなくなるまで笑って手を振っていた。
それが昨日の記憶。
そして今日。君が死んだ。
病気だったんだって。
何で私に言わなかったの?
そんなに信用なかった?
もう半袖で笑う君は見れないの?
私の頭は疑問でいっぱいになった。
昨日まであんなに元気で、明るく、
楽しそうに笑っていたじゃないか。
...私と遊んだせい?
私と遊んだから病気が悪化したの?
そもそも私が病気に気がつかなかったせい?
どちらにせよ君は戻ってこないのに。
私に笑ってくれる君は、もう居ないのに。
人は皆、平等です。
死ぬのも生きるのも、決められないんです。
もしかしたら、家族が明日死ぬかも。
もしかしたら、私が明日死ぬかも。
だから周りの人を大切に、そしてあなたも大切にされてください。
以上、作者より。
半袖
6月になると、衣替えになる。厚手の長袖制服から、白い半袖制服へと替わる。毎年、半袖セーラー服の女子を見るのが一寸ドキドキした。半袖は、袖が広く、冬のセーラー服にはついている胸当てがない。思春期の男子には、と言うか、凡そ女子とは交流のない僕には、刺戟的だった…そして、密かに片想いしていた後輩の女子には…
【半袖】
暑くてバテそう。半袖じゃなくてもはやタンクトップにするんだった。そんな、悪態を心の中で吐きながら自転車で10分。坂は無いけど信号が結構ある道を走っていく。暗い時間ならいいものの明るくてかなわん。
「よっ。」
信号待ちのところで声をかけられる。
「よくも、そんな清々しい顔できる。この暑さに半袖で。」
「さっきアイス食ったからさ。コンビニいたの。」
コンビニで買った証拠として袋を見せられる。アイス、いいな。元気に走り回る子どもが声を上げて信号を渡り始めた。青だ。
「じゃあ、図書館行くから失礼するわ。エアコンの素晴らしさ感じてくる。どこ行くか知らんけど倒れんなよ。」
「倒れんわ。ってか、行くとこ一緒だし。」
歩きと自転車。明らかにスピードは違う。だから、風も感じられない。この暑さに嫌な思いをするだけ。残り5分程の道を終わるななんてさっきとは真逆なことを思いながら歩みを進める。
白いセーラー服の袖から出ている白くて細長い華奢な腕が、いかにも病人って感じがしてあまり好きじゃなかった。実際にその子は体調を崩すことが多くて、朝礼があったりするとよく貧血で倒れていた。常に血色が悪くて今にも死んでしまいそうな女の子。それが彼女に対する印象だった。
それが変わったのは、三学期が始まった頃だった。六限目が終わり、先生に保健室で休んでいるあの子にプリントを届けて欲しいと言われた。保健委員だったから断れず引き受けたが、気が進まなかった。
保健室に入ると、その子はベッドに座って校庭を眺めていた。運動部の活動がよく見える。プリントを届けに来たことを伝えて、部屋を出ようとすると呼び止められた。
「図々しいかもしれないけど、お願いがあるの」
そう言って彼女が取り出したのは大量の封筒だった。どれも可愛らしい封筒で一つ一つにクラスメイトの名前が書かれている。思わず、なにこれと言ってしまった。
「私ね、もう卒業できないから最期の日にみんなにそれを渡してほしいの」
「死ぬわけじゃあるまいし、自分から直接渡しなよ」
そう言った瞬間、悲しそうな顔をして俯いた。微かに笑いながら、それができないんだぁと呟いたのが聞こえた。
「今日で学校は最後なの。明日から治療に専念するけど、延命できる見込みはなし。もう待つだけなの。もうみんなに会えないから」
「そんな重いこと私に頼らないでよ。そんなに仲良くした覚えもないし、ごめんだけど無理」
そう言って渡された封筒たちを返した。罪悪感はあったけど、あんな遺書みたいなものを彼女が死ぬまで持ち続けるなんて絶対に嫌だった。そのまま保健室を出て部活に向かったが、自分のしたことが正解だったのかどうかわからず集中できなかった。
あれから数ヶ月経って、新年度が始まった日。まだクラス発表がなくて去年と同じクラスに座って始業式が始まるのを待っていた。そして、教室に入ってきた担任の先生から配られたのは、新しいクラス表とあの日私が断った名前の書かれた封筒だった。その場で読む勇気がなくて私は家に持ち帰った。
帰宅後、微かに震える手で便箋を取り出した。便箋は二枚入っていた。大して話したこともないのに、私の長所や好きなところが書かれていた。本当はもっと仲良くしたかったと。そして、二枚目には震えた字で謝罪の文が書かれていた。これを読んで私は後悔した。あの日、私が引き受けていれば彼女がこんなふうに罪悪感を抱いて辛いのを我慢しながらこんな震えた文字の手紙を用意する必要なんてなかったのだと。遅すぎる後悔に私は泣くことしかできなかった。
次の日、彼女の家を訪れて線香をあげに行った。忘れてしまわないよう、毎年ここを訪れると彼女の母に約束した。
大人になって、十年以上経った今でも通い続けている。
見られるのが嫌だと隠した
それは何人かに知れ渡っている過去に似ていた
暑さは容赦なく布を剥ぎ取って
滲む汗が拍車をかける
仕方なく選んだ白
知らないコード進行に乗って
踊る半袖
怖くない
怖くないよと
叫んで
昔…
小学生の頃
必ず冬でも半袖半ズボンの男子が居たよ
決まってポリシーの如く
毎日毎日半袖半ズボン
よくよく思い出すと
風邪ひいて休んだことないなぁ
皆さんの学校にも居ませんでしたか?
おうちの事情なんてことも
あったのかもしれません
彼はとても楽しいいい子でした
今頃どんな人生歩んでいるのかな
幸あれ
いち早く 夏めく腕で指差した 飛行機の雲 深い青空
#短歌 #書く習慣 20230528「半袖」
頭と心が追いつかない...
頭で理解してても心が追いつかい
推し様やる事は応援したい...
けど会える機会があるのに会えないの辛い...
ただのわがままなのも分かってる
けどやっぱり会えないのは苦しい...
五月らしい爽やかな風が吹く公園で、ブランコに乗る子供の背を優しく押す。
キャッキャ、と嬉しそうな我が子の笑い声に破顔する。
父親になるという現実に右往左往している間に産まれて、気が付いたら寝返り、ハイハイ、二足歩行をしていて、オムツ交換に手間取らなくなってきた頃にオムツを卒業。
そして、今年から幼稚園の年小さんに。
あっという間だね、なんて子供の寝顔を見ながら妻と二人、寝落ちするまで語りあった。
2880グラム、あんなに小さくてフニャフニャのへにゃへにゃだったのに。
今では、抱き上げる為に「よいしょ」と声が出はじめる位には重くなった。
遊び疲れて電池が切れた玩具のように動かなくなった息子を抱きかかえて、家路につく。
夕方の涼やかな風が、むき出しの腕へと抜けていった。
テーマ「半袖」
〖半袖〗
もう暑くなってきたから半袖出さないとね、
と。
夏への準備がはじまった