つぶて

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放課後。部活前。
私は片想い中の相手に笑いかける。

「もう焼けてるね」
「そうかなぁ」
「あたしより焼けてるって。ほらほら〜」

腕を差し出すと、あなたも腕を伸ばす。
隣に並んで日焼け具合を比べるふり。その筋肉質な腕と私の腕をくっつけて、私はちゃっかり温もりをチャージ。

「俺焼けてきたかも。というか、相変わらず白いなぁ」
「そりゃあ、日焼け対策してますから」
「こうやって見ると、男女の腕って違うもんだな」
「ほんとほんと」

あなたの目がじっと私の腕を見つめている。私はちょっとドキドキしちゃう。少しは意識してくれるといいんだけど、やっぱりわからない。

号令がかかった。今日も練習が始まるらしい。
バイバイ、と私は手を振って友達の方へ戻る。

いつあの腕に絡みついてやろうかな。
炎天下の中、凍りつくあなたを想像して、私は可笑しかった。

5/28/2023, 2:54:26 PM