さとう

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何度目かわからない夏がやってくる。夏の虫の鳴き声はどれだけ嫌だったか今となっては覚えてすらいない。風鈴の綺麗な音だけでは片付けられないなんとも言えない音と雰囲気。どれもが夏を感じさせてくれた。まぁでも1番夏が感じるのはクーラーと西瓜なんだけど。クーラーの下で西瓜を食べるのは幸福すぎた。そして半袖短パンの自分は床に寝転がって床が冷たい、気持ちいいなんて言いながら瞼がだんだん重くなっていってしまう。いつもの事だ。何時間も寝たあと外は夕焼けに染まっていて自分の肌が少し焼けていて、今年も焼けたなぁなんて言いながら毎年毎年黒くなっていく自分の肌を見つめるんだ。そして、最期も夏。暑くて暑くて仕方がないからクーラーを奪おうと家まで来たらしいけど言ってくれたら入れたのになぁ。自分の耳元でどくんどくんと脈打つ音が聞こえる気がした。日が照っている。こんな時でも暑いななんて思ってしまう自分はとても呑気だ。でもそれも自分らしくていいんじゃあないかな。
あれ、そういえば自分って亡くならないんだっけ。
あぁ、なんだ不必要な心配しちゃったよ。
そりゃ、そうだよな。自分が何歳かわからない神さまなんだから。
でも、そんな事実から逃げたくてヒトの姿になったのに、こんな事になるなんて。ほら、相手もびっくりしてるじゃん。自分が何も無いような態度してるから、別に死にはしないよ。でも痛いもんは痛い。けど、何年も生きてると痛みには慣れないけど顔に出なくなった。あぁ、自分の行動とかって全部不必要じゃん。
誰か、生きてる意味も不必要にさせてよ。
神さまなんかやめたいなぁ。

5/28/2023, 2:57:07 PM