『勿忘草(わすれなぐさ)』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「勿忘草」
貴女に送った花は「勿忘草」
花言葉は「わたしをわすれないで」
貴女のことだから、すぐにワタシの存在を忘れるからね
この花の鉢にワタシの小指を埋め込んであるから、
ワタシたちずっと一緒だね
「忘れないで。ワタシのことを」
勿忘草(わすれなぐさ)
※前日の『ブランコ』と対になっていますのでよろしければ読んでみてください。
私はもう死んでる。死んだあの日のまま、ずっとあなたの横にいる。
私の十三回忌、似合わない喪服を着て私の両親に挨拶するあなた。それを遠くからぼーっと眺める。何も感じない体に、最近感じた自分の体の透明感。つま先があるようでない、氷が溶けるかの如く世界に同化していく感覚。
最寄りの駅まで歩いていたあなたは、不意に足を止める。目線の先には幼い頃よく遊んだ公園があった。今では遊具の色は塗り替えられ、撤去されたものもあれば新しく仲間入りしたものもある。それでもブランコだけは昔のままだった。懐かしいそれに腰かけるあなたの相向かいに座る。だが、ブランコの鳴き声はひとつだけ。それがたまらなく寂しい。
『もう、辞めてくれ。』
そう言って君は喪服を濡らしていく。
『気づいていたんだね。』
あえて生前のように笑って話かけたが、こちらの声は聞こえていない。それをいい事に私の感情が流れ出す。自分の終わりを悟って。
『あのね、私、子供の頃からずっとあなたのことが大好きだよ。ずっと、ずっと、これからもきっと。これが大人の言う《愛してる》なのかな。』
あなたの涙は止まらない。私が見たいのはそんな顔じゃないのに。
『ねえ、笑って。』
あなたの代わりに私が涙を流すから。
勿忘草:真実の愛、私を忘れない
勿忘草
勿忘草には花言葉がいくつかある
「わたしを忘れないで」
貴方は言った
可憐なチューリップや魅惑的な深紅の薔薇ではなく
蒼く 小さく この手で守らなければ と思わせると
私のようだ と囁いて 掌に届けてくれた この華
でも、気がつけば 私の手には 何ものっていない
貴方は いつの間にか 他の華に目移りしていた
儚い蒼い華にも 弱いけれど 毒があるの それ
「私を忘れないで」
今生では 忘れられない女でいてあげる
届けた勿忘草を見る度に 思い出させてあげる
貴方が似合うと愛した 裏切った私のことを
だけど、私は誰かと上書きする
過去のわたしに 束縛されてればいい
そっと
勿忘草の根もとに
埋めたのは
あなたへの
変わらぬ想い
胸の奥に
秘めておくのが
辛すぎて
勿忘草の花咲く季節が
巡る度
わたしのことを
少しでも
思い出してくれればと
儚い夢を
見続ける
# 勿忘草
『勿忘草』
別れ際、彼から白い勿忘草をもらった。
「私を忘れないで…」
白い勿忘草の花言葉を呟いた。
彼は寂しがり屋だったもの。
わたしに忘れられたら、きっと泣いてしまうわ。
タンスに飾られた彼の写真を見る。
写真の中の彼は笑顔だった。
どうして白の勿忘草なの?
わたしに忘れて欲しくないから?
わたしから離れていったのは彼のほうなのに?そう考えると胸がズシリと重くなる。
白い勿忘草、
こんなものなくても忘れたりしないわ。
わたしは貴方を愛しているから。
わたしは貴方を忘れたりしないわ。
ずっとずっと覚えているわ。
タンスに飾られた、彼の写真に掛かっている黒いリボンをきれいに直す。
今日も写真の彼は笑顔だ。
笑顔の貴方が一番好きなの。
忘れたりしないわ。
わたしは彼の写真の前に勿忘草を飾った。
-fin-
その小さな花に
私を込めて
ただ一つ気をつけて
熱さには敵わないから
《勿忘草》
勿忘草
勿忘草
忘れないで
真実の愛を
見つけるときまで
お願い
忘れないで
あなたが私と
隣同士になるまで
言えなかった言葉を
今日こそは伝える
忘れないで
私が隣にいたかったこと
たいそうな由来 Vergiss mein nicht! に負けない mein name はmutter の勘から
9."勿忘草"
この花を見る度に
私を思い出す呪いを君に。
『知ってる?』
『この花言葉は、私を忘れないで。』
勿忘草
花言葉は
私を忘れないで
私もガンダム好きなの。
私を忘れないで。
勿忘草。
私の暮らす地方にはヨーロッパ帰化種や在来種の花が多く見られる。山中へ行かなくても、けっこうそこらに咲くのだが、ここ10年ほどは休耕田(つまりもう稲作を出来ない地面)が勿忘草で青くなる。後継ぎが居ないのでそうなるのだが、花言葉を思うと、渡る風に寂しさを感じないこともない。各家の事情だから、私如きが言えることなど何も無いのだが…
地中の水気を好んで生える花だから、もと水田の地質がちょうど良いのかもしれない。以前は稲穂が風に波うっていたところ。大きな木も無く陽当たり良く、青くて小さな花が大きな面積で咲いているせいか、勿忘草の居る休耕田はもの悲しく荒れる様子も無い。
農家さんは毎年「博打」のように気候に対応する。全力を、ときには全力以上をかけてやるので、腹の据わったところが無いともたない。休耕田の辺りの家屋も、既に住んでいないところが増えた。勿忘草の花言葉が、過ぎた時の頑張りへの手向けのように思われる。
やっぱり、ご飯は大事に食べなくちゃね。
勿忘草をすぐに想像できなかったからネットで調べた。思っていたより可憐で綺麗な青い花だった。ピンクもあって、青い勿忘草と花言葉は違ってた。青い勿忘草は「私を忘れないで」、ピンクの勿忘草は「真実の友情」来年の親友の誕生日はピンクの勿忘草をプレゼントしようかな。
勿忘草が道に落ちている。
勿忘草色と言われる薄い水色の花弁が美しい。
手に取ってみると
すっきりと伸びた茎の瑞々しさが伝わった。
葉に虫食いの跡もなく、病気の跡もない。
丹精込めて作られた花だ。
その証拠に茎の先は、人工的な断面をしている。
きっと誰ぞの花束から落ちたものだろう。
勿忘草の花言葉は
「真実の愛」
「私を忘れないで」
この花はどちらの意味を持っていたのだろうか。
愛とお別れ。
相反する意味を持つ花が儚げにほころんだ。
ー勿忘草ー
また春がやってきた
あなたは今でも私のことを覚えているのかな
私ばかりあなたのことを考えていて
まるであなたの毒に溺れているようだ
私を忘れないで
ずっと気づかないようにしてた
目立たないように
浮かないように
嫌われないように
うまく笑えてるはずの毎日に
少しずつ消えてく何か…
忘れてはいけない何か….
なくなってしまう前に気づきなさいと
勿忘草…
【勿忘草】
聞いたことはあるけれど、何も知らない。
花言葉は私を忘れないでだとか、真実の愛らしい。
私には忘れたくない人がいる。理由はいくつかあるが、人間は忘れられた時に二度目の死を迎えるからだ。
この先も忘れないために、一日一日を、噛み締める。
「 勿忘草 」No.43
私は自殺する前に、大好きなあの人に勿忘草を渡した。
勿忘草の花言葉は『私を忘れないで』。
あの人はきっと、勿忘草を見るたび私を思い出す。
1人でいる時不安になったり楽だと思ったりするのってなんでだろう?不安に思うけど1人でいたと思うのも不思議。でもそう思っているのは自分だけかもしれない。
あまり人に曲をすすめられるのが好きじゃない。
よっぽど好みが合う人からのおすすめじゃないと、微妙な感想しか持てないから。
付き合ってる人から「今の自分の気持ちだよ」といって曲を送られるのも得意じゃない。
そんなのはクサく感じるし、あなたの事は好きだけど、あなたの好みを好きなわけじゃないんだよね。
と思ってるのに、送ってきた人がいた。
尾崎豊の「Forget-me-not」。
街に埋もれそうな恋人同士。
愛する君が教えてくれた花の名前。
踏みにじられるふたりの愛を、勿忘草に投影してるんだとしたら
忘れないで、って言ってる相手は恋人なのか、社会なのか。
尾崎豊にはぜんぜん興味が無くて
やっぱり感想は微妙ではあったんだけど
でも、この曲を送ってきた人の気持ちには興味惹かれて
得意じゃない事でも寄り添えるのが愛ってもんよね、とか思ったりしながら
また尾崎きいている。
______________________________
【48】勿忘草(わすれなぐさ)
300字小説
私を忘れないで
その青い花がどうして、ここで咲いているのかは誰も知らない。
地球脱出の混乱期、それ以前の移転先の惑星環境を厳守する、というルールは完全に無視されていた。
滅びゆく地球環境から植物や動物が持ち出され、あっという間に太陽系のあらゆる惑星、衛星に広まった。もちろん、故意以外のウイルスや菌なども。
だから、その青い花も誰かがいつの間にか持ち込んだものなのだろう。そこに意味などあろうはずもない。
月衛星基地。太陽系で一番地球に近い場所の展望台公園にその青い花が群生になって咲いている。
勿忘草。強化ガラスの向こうに浮かぶ、もう以前の青さの欠けらも無い、赤茶けてしまった地球が
『私を忘れないで』
訴えているかのように。
お題「勿忘草」