勿忘草。
私の暮らす地方にはヨーロッパ帰化種や在来種の花が多く見られる。山中へ行かなくても、けっこうそこらに咲くのだが、ここ10年ほどは休耕田(つまりもう稲作を出来ない地面)が勿忘草で青くなる。後継ぎが居ないのでそうなるのだが、花言葉を思うと、渡る風に寂しさを感じないこともない。各家の事情だから、私如きが言えることなど何も無いのだが…
地中の水気を好んで生える花だから、もと水田の地質がちょうど良いのかもしれない。以前は稲穂が風に波うっていたところ。大きな木も無く陽当たり良く、青くて小さな花が大きな面積で咲いているせいか、勿忘草の居る休耕田はもの悲しく荒れる様子も無い。
農家さんは毎年「博打」のように気候に対応する。全力を、ときには全力以上をかけてやるので、腹の据わったところが無いともたない。休耕田の辺りの家屋も、既に住んでいないところが増えた。勿忘草の花言葉が、過ぎた時の頑張りへの手向けのように思われる。
やっぱり、ご飯は大事に食べなくちゃね。
2/2/2024, 1:03:39 PM