『力を込めて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
力を込めて、あなたに伝えたい。
ずっとあなたのことが好きだった、って伝えたい。
あなたに全部伝えて、この気持ちに終止符を打ちたい。
自分勝手で迷惑かもしれないけど、いいかな。
ごめんね、これで最後にするから、ちゃんと聞いてね。
力を込めて
力を込めて
月に殴りかかる
今までのダメな自分を打開するのだ!
力を込めて。すべてを。
"力を込める"の、力とは一体なんだ。
なにも文字通り全身の筋力を込めるわけではないだろう。
いや、筋力も含まれているのかもしれないけれど。
全身全霊を込めて、心を込めてと言われているのだから、
きっとそれは自身の全てを、体を、命を、魂を込めることを指すんじゃないだろうか。
とりたてて熱心に何かを行いたいのであれば、"力を入れる"でもいいのではないか。つまるところ、力を込めるとは今、自身に持てる全てを一瞬で何かに捧げること。それは愛や情熱の証なのだとおもう。そしてその一瞬が少しでもあれば、どんなに素敵だろう。
"力を込める"と"力を入れる"の違いはなんだろう。と考えた時に、きっとそれはそこに流れる時間なのではないかと思い至りました。調べたら答えがあるのだろうなとは思いますが、言葉の正しさよりも心の納得を重要視して生きた方がずいぶん楽です。
心を映す言葉というものはこんなにも溢れているのに、
伝わるにはちっとも足りないなと日々思っています。
力を込めて
力を込めて
ほんの2週間前までは、ずっと半袖でいられた。今は寒暖差が怖くて、クロゼットから少しずつ長袖を引っ張り出している。
今年の夏は暑かった。おかげで体もほぐれてよく動けた。元気な太陽を見ると、何かしたい、じっとしていたくない、って感じで心も熱かった。
でもひとつだけ。心残り。
機会がなかったわけじゃない。帰りが一緒になることもあった。一緒に冷やし中華も食べたし、スイカも食べた。
でも言えなかった。一度言おうとしたけど。怖くて。
それが心残り。夏の落とし物……。
10月某日。日は落ちたけど、この日はまだ半袖で過ごせる。隣を歩く彼も、まだ半袖だった。
駅へ向かう。路線は別。だからいつも駅でさよなら。
今夜はまだ暖かい。心にもまだ、夏の熱が残っている。
じゃあ。 いつもの場所でいつも通り背を向けようとする彼。
私は夏の余熱の力を借りて、力を込めて一步踏み出した。
待って。話したいことがあるの。
ずっと閉じ込めてきた想い。今度こそ伝えなきゃ。
震える声。でも。今日こそ夏の落とし物を拾おう。
頑張れ、私。
力を込めて
起きてッッ、起きてくれッッ!!
力を込め、心臓マッサージをしている
額には冷たい汗が流れ、自分の心臓の
鼓動の音がうるさい。
大好きだった彼女は、俺が担当で検査をしていた
彼女は、俺の気持ちをわかってくれる、とても大切な人だった。
でも、その彼女は体が弱く、話すことすら困難だった。
だが、急に体調が悪くなり、倒れてしまったそう。
俺は今、人生で出したこともない力を自分の手に込めて、心臓マッサージをしてる。
彼女がまた、笑いかけてくれることを願って。
(力をこめて)
私はあの人の乗っている車椅子を力を込めて支える 坂を降りていく
安心は提供できるもの
安心っていいな
安心だけじゃ物足りないと感じる 私に。
好奇心旺盛だねと
車椅子を椅子の代わり 足の代わりにしている詩人の方に言っていただけた
大満足
蓄音機 クラシック音楽せめて1曲まるまる 聞きたいな
どうしたら全部聞けるようになるの
物語は中盤の終わりをさしている。
今日の為に、必死に練習してきたんだ。
メインではないけど、大事な役目なんだ。
初めは自ら選んだ道に後悔することはあった。
でも、家族にこう言われた。
「アンタが物語の最後と余韻を彩るんだ、やるなら本気で!しっかり締めるんだよ!」
よくある言葉も、言う人によって気持ちが変わる。
さあ、終盤に差し掛かってきた。
急いで準備をする。
道具を構えて、気持ちを整えて。
もうすぐ終わり、力を込めて叩く。
[バァーン!!]
叩いた後しばらく静寂が会場を包んだ。そして、割れるような拍手が全てを揺らした。
「力を込めて」
僕の力を込めて、僕の思いを込めて作った君へのアクセサリー。
君は喜んでくれるだろうかと思いながら、君に手渡す。
「わぁ!ありがとう!綺麗!」
喜んで笑顔になる君の表情を見て、僕は、アクセサリーを作って本当に良かったと思った。
束の間
2024/10/07㈪日記
お母さんに抱っこされて
バスを降りた赤ちゃんが
バスに手を降っていた。
無邪気で愛らしい姿。
バスの中から手を降ったら
お母さんが気づいてくれて
赤ちゃんに囁いたら
赤ちゃんも僕に気づいてくれた。
バスが出発するまで手を降って
お母さんは会釈してくれて
短い出会いだったけど
嬉しい時間。
3人共に、きっとすぐ、この出来事は忘れると思うけど、こうして日記に記しておく。
赤ちゃんは、1分1秒が冒険だろう。
赤ちゃんみたいな喜びを忘れていたなあと気づいた。
毎日楽しい、楽しいって。
(毎日、胃がおかしい人になってしまっている)
喜びを忘れると感謝もしなくなるんだって。
まあ、そうだよね。
「嬉しい、ありがとう」が
毎日ある人は「私は幸せです」でしょう。
バスが無事に目的地に着く。
運転手さんに「ありがとう」でしょ?
最近、お礼言わずに降りる人、増えたよねえ。
あなたの町はどう?
明日は寒露ですよ。
おやすみね。
題目:『力を込めて』
二年の放棄に亀の歩み、取り繕われた人の面。
暗がりは大して好きでもなくて、ネオンの光に身を惹かれる。
そんな無謀な思惑も、臆病風に吹かれてしまえばまるで砂山のよう。
計画を立てる。その瞬間が好きで。
実行に移す。その瞬間が嫌いで。
やってみれば案外大したことない。そんなことも多々あれば、悲惨すぎて何も言えないこともある。
自分のことが分からない。
自分の程度が測れない。
私は立派にやれてますか?
それとも駄目な人ですか?
誰も私を見ていない。
測ってくれる相手は居ない。
故に未だにわからずじまい。
途方も無いのだ二年とは。
布団に潜り、人を知り、音の摩擦に擦り切れる。
部屋のカーテンを開こうともせず、電子の光を好んで浴びた。
浪費に嘆き、寄生に呻く胸には栓をした。
さりとて、寝たれば終わるのだ。
この悩みも、あの憂いも、その反省も。
ならば今日の終わりにさあ一度、と気持ちを膨らませて叫ぶ。
言葉にならない、音の羅列を一声に。
力を込める。音は出ない。
力を込めて
「ちょっとした出来心じゃん」
「もう絶対しないって」
「俺にはお前だけなんだからさ」
典型的な浮気男のセリフをペラペラ発する彼氏…元彼氏の頬を力を込めて引っ叩く。
どいつもこいつも理解あるふりをしたクズばっかり。
もうひととの距離感もわからない。
そうして結局、一人を選ぶ。
※力をこめて
パンの種は時間勝負だし力仕事だ
捏ねる時、とても力をこめている
力強く捏ねておくと
ウチの看板商品のパンが美味しくなるのだ
外はカリカリ、中は少しモチっ!
他の村ではこの製法が伝わっていないらしく
旅商人の間で人気を得ている
手抜きは出来ない
毎日、美味しいパンを焼くために
メールが当たり前になった。SNSが当たり前になった。
今日鉛筆を握って手紙やら何やらしたためる機会は、勉学以外では珍しいと言っても良いだろう。たとえば便箋を選んで、何を書くか小一時間悩み、書き損じが積み重なる光景はデジタルに取って代わられた。
1番硬い鉱物であるダイヤモンドは、地下深くで高温と高圧にさらされてできると聞いた。永い時を経て、炭素は燦然と輝く石となる。
ふと手の中の鉛筆を見た。
いつか、これもダイヤモンドになるだろうか。握る力と冷めやらぬ熱が、積み重ねた跡が、私にとってそれであると言えるだろうか。
一つ頭を振って、目の前のノートに意識を戻した。
少しばかり強くなった筆跡、これも固い意志であるのだから。
力を込めて
力を込めて…
スクワットしたらお尻がつって呼吸困難
いまいち、「努力する」ってものがわからないんですよね。自分の我慢強さの無さとか、そういうのもあるんでしょうけど。
私の中だと、なんだか努力って、「苦労して苦労して、やっとつかんだもの。もしくはその過程」ってイメージがあるんですよね。
私にはまだ、そんなに苦しみぬいてまで手に入れたいものはないので、私自身が努力している感覚というものがないんです。面接とかで「学生生活で努力したこと」とか聞かれても、正直困ります。
今までの人生の中で力を込めて行ってきた活動とか。
努力が実を結んだ経験とか。
そういうのが大切だっていうのは、わかるけど。
まるでみんな努力してきたみたいな。
私だけ、努力しないで惰性で生きてるんだぞって言われてるみたいで。
みんなどうやって、努力してるんだろうなぁ。
【解けない呪い】
死んだ。
私は死んだ。
殺された。
アイツに殺された。
私は幽霊。
いや、アイツを呪う霊。
頭を殴られたから、当然痛い。
もうこの痛みは消えないらしい。
よくも奪ってくれたな。
私の命、未来、金も愛も総て奪いやがった。
これから、花束を持ってアイツの家に行く。
トリカブトの花束を持って。
力を込めて殴られた頭が痛いから、
アイツに同等の苦しみを与える。
「未来が消えていく苦しみを味わえ」
私は夜の街を進み、アイツの家に向かった。
『力を込めて』
周りの生徒が帰っていくのをぼんやりと見つめる。
委員会で居残りの憂鬱を吹き飛ばすため、風を浴びようと窓を開けた。
見慣れた後ろ姿が目に入り、私は力を込めて叫んだ。
君はこっちを見て目を見開いたあと、真っ赤になって俯いた。君のことはどこにいても簡単に見つけられる。
数秒後、君は私の方を見上げ「知ってる!」と笑った。
君にしては珍しい大きな声に、感化されたのか校舎の3階からもう一度叫ぶ。
「愛してるーー!!!」
ある日の放課後の出来事。
キミめがけ
「力を込めて」
投げた球
爪先直撃
なんでなん!?
(痛っっ!!!)
(ノーコン直せよ)
ぱきん。あの日、何かが割れた音がした。
それは、どんなに力を抜いて触っても壊れてしまう程脆く、繊細な物。それを、あの日に貴方に触れられ、貴方でしか満たされない、そんな使い物にならないガラクタにされてしまった。
誰と話していても満たされない。私はもう貴方といる時しか満たされない。そんな物を抱えてしまった。
嗚呼、神様。どうか、次に貴方に逢う時は。
: 力を込めて。
貴方のそれに触れたい。貴方も私でしか満たされない様に。そう願いを込めながら、今宵も夜を明かす。