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 題目:『力を込めて』

 二年の放棄に亀の歩み、取り繕われた人の面。

 暗がりは大して好きでもなくて、ネオンの光に身を惹かれる。
 そんな無謀な思惑も、臆病風に吹かれてしまえばまるで砂山のよう。

 計画を立てる。その瞬間が好きで。
 実行に移す。その瞬間が嫌いで。

 やってみれば案外大したことない。そんなことも多々あれば、悲惨すぎて何も言えないこともある。

 自分のことが分からない。
 自分の程度が測れない。

 私は立派にやれてますか?
 それとも駄目な人ですか?

 誰も私を見ていない。
 測ってくれる相手は居ない。

 故に未だにわからずじまい。
 途方も無いのだ二年とは。

 布団に潜り、人を知り、音の摩擦に擦り切れる。
 部屋のカーテンを開こうともせず、電子の光を好んで浴びた。

 浪費に嘆き、寄生に呻く胸には栓をした。

 さりとて、寝たれば終わるのだ。
 この悩みも、あの憂いも、その反省も。

 ならば今日の終わりにさあ一度、と気持ちを膨らませて叫ぶ。

 言葉にならない、音の羅列を一声に。

 力を込める。音は出ない。

10/7/2024, 12:36:46 PM