『別れ際に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「別れ際に」
目配せをした。
これまでありがとう。幸せになってね。
【別れ際に...】
最後にもう一度だけ...
あわよくば気持ちが変わって欲しい
情に絆されてくれたらいいのに...
でもあわよくやり直せたとしても
きっとまた同じことの繰り返し
引き止めることなく
お互いを尊重しよう
大好きなままサヨナラしよう
2024.9.28
別れ際に
たぶん、もう会わない。今日の、いまのこの時間がふたりの最後の時間。前からずっとそんな気配がしていた。
まだ隣りにいるのに、もうポッカリと胸に穴が空いている。
彼女のほうから口を開いた。
じゃあ、ここで。
ああ。
……さよなら。
さよなら。
男らしく、礼儀正しく言ったつもりだ。でもそんなものは胸の穴には無意味のようだった。
さよなら、の前の、彼女のわずかな沈黙。
別れ際に彼女が残した、そのわずかな沈黙が、ずっと頭を離れない。
別れ際に
僕が言い残したことがあるとするなら
愛してるという言葉だった
一度も口にしたことはなかった
愛などという簡単なひと言では表せなかった
その朝の最後の言葉は
じゃあね行ってくるよ
君は何も知らぬ微笑みで
行ってらっしゃいと言った
どこまでやれるか
できるところまで闘いたかった
だがそんな事は君に聞かせる事じゃない
いつも本気は本音では言えないもの
冷たいと君は泣くだろうか
それとも僕を憎むかい
もう少し待っていてね
届くはずのない返事を書くから
バイバイ。
そう言い放った君の瞳は、儚く濡れていた。
『別れ際に』
サッカーの育成の勉強をするために、
ドイツに旅立った生徒がいた。
別れ際に、一緒に彼が応援しているJリーグのチームの
試合を見に行き、
後日、他の生徒も一緒に二郎系ラーメンを食べ、
見送った。
(本人が、二郎系ラーメンを食べたいと言って、
店に行ったが、本人は半分残した。)
昨日、その彼から連絡が来た。
どうやら頑張って異国での生活を送ってるようだ。
この調子で頑張れ!
別れ際に
にっこり笑顔でバイバイした
帰宅後
歯に青海苔がついていた
という真実に気がついた🤣
それからは
人との食事の後は
思いっきり
笑わないように
気を付けている
✴️164✴️別れ際に
分かれ際には
何も残さない
言葉でも物でも
何か少しでも
相手に残してしまうと
意識的に
無意識的に
引きずってしまうから
引き留めてしまうから
相手にもそう願う
ほんのひとすじでも
希望を持ってしまう言葉は
どうか私に残さないでほしい
強い言葉もいらない
こてんぱんにされたらされたで
強烈な思い出を
抱えていかなくてはいけなくなるから
別れは
淡々と静かに
お互いが次に進むのに
何の障害もトラウマもないように
ただ別れていきたい
「別れ際に」
別れ際に、
「またあしたね」
と言える当たり前の日常。
いつも傍にいて、それが当たり前になって、おはよう、おやすみも言わなった。
当たり前に明日も傍ににいてくれる。
そんな当たり前。
いなくなってからでは遅いのに。
いつも私はそんな当たり前に甘えてしまっている。
いなくなってから気づく。
ふとした時の横顔、おいしそうにごはんを食べる姿、まくらに残る匂い、大きくて吸い込まれる瞳、あたたかくて優しい声。
日常のどこを見ても君ばかりが今も存在している。
私の日常にもう当たり前の君はいない。
別れ際にもっと抱きしめて、涙を流して、
大袈裟に毎日毎日感謝の気持ちを伝えればよかった。
今はもうない別れ際の君の笑顔が忘れられない。
君の残したすべてが私の人生。
【別れ際】
なんかよくネットでバイバイよりもまたねの方が良いと言うけれど
私はなんだかよくわからなくて
バイバイやじゃあねでも全然いいと思っちゃうのは
私がドライだからなんですかね
別れ際、後ろ髪引かれ振り返った先に見えた夕焼けはやけに赤かった。
「またね、次も楽しみにしてる」
そう言った彼女の顔はいつもと変わらない笑顔だ。
けれども、何故だろう。
会うたび会うたび、彼女の笑顔の仮面は、厚く強固になっているような気がした。そう感じるのはきっとーーー
#別れ際に
何気ない会話が弾んだまま
降車駅に辿り着く
ドアが開いても会話は途切れない
さり気なく脚は進みながらも
後ろ髪惹かれる想いでサヨナラする
日常のほんの些細な別れ際に
出会えた喜びに再会する
︰別れ際に
欠けているままでいいからね。馬鹿で阿呆で無知で未熟なガキの、良いカモのままで。
もう別れよう。恋人は親の代わりじゃないよ。君は「愛情が欲しい」と言うけれど“親からの愛情”が欲しいんだろう。親からの愛情は親でしか与えられないもの。恋人は恋人からの愛情しか与えられない。
「でも愛情がないよりいいじゃない。恋人からの愛情でも空っぽの心に愛情が注がれるなら願ったりよ」
他人に自分を満たしてもらおうという考え方は健全ではない。心が空っぽな人間が恋人を作るとろくでもないことになる。よくある話だよ、彼女に母親像を求める人とか、彼氏に父親像を求める人とかがいるというのは。それで成り立っているカップルもないわけではない。求められている方が精神的に大人だから求めてくる恋人の相手ができているよう思う。
「じゃあそういう人と付き合えば完璧ってことね」
相手がよほど心が広く、アンタの我儘も怒りも悲しみも全て受け止めてくれるスーパー人間を見つけられたらそうかもしれない。
稀だと思ったほうがいい。基本的に精神が未熟なまま恋人を作ると破局が待ってる。相手に苦しい感情を植え付けてズタズタに傷つける。幸せな感情が怒りや苛立ちに変わってしまう結末を迎える。
さあ、こんなの全部人から聞いた話だから当てにならないかもしれないけど、彼女をやってる人は「彼氏から母親の役割を押し付けられてしんどい。家事も全部やってあれこれ決めるのも全部自分、だらしないところも全部補って、って、しんどい。『お手伝いしてあげる。何したらいい?』って、もう、もう本当に無理。お手伝いって何よ! 対等でいたいって言っても『え?対等でしょ?』って。産んだはずのないデカい息子がいるみたい、しんどい」と言ってたね。彼氏をやってる人は「彼女があまりにも『もっとやってもっと分かってもっと察して常に私を優先して!』って、もう嫌だ。彼女の要望にはなるべく応えてきたつもりだけどもうそろそろ我慢の限界だ。やってもやっても相手が何か返してくれるわけでもなく、察しても相手はこちらを察してくれず、少しでも求められていることに応えられなかったらヒステリックに喚かれて、もう俺だって辛いよ」と。
彼氏をやっていた人はある日我慢の限界がきて彼女を怒鳴ったらしい。最初は優しく説明していたんだと、しかしあまりにも彼女が棘のある言い方で返して聞く耳を持とうとしないからイライラして怒鳴ってしまったと。そしたら彼女に「DV!モラハラ!」とワンワン泣かれたそうな。
メンヘラの素質、モラハラの素質、毒親の素質ってのは大勢の人が持ってる。その素質が表に出るか出ないかの違いだと思う。顕著に現れたとき、人は「お前メンヘラだな」「お前モラハラだな」「お前毒親だな」と判断するのだ。しかしそういうわけでもないのに「自分が傷ついたから相手が悪いんだ、相手がおかしいんだ」と決めつけ他人を非難できる人間も、世の中にはいるもんだ。
繊細で優しいから傷つきやすいというより、ただ傷つきやすいだけで優しくもなんとも無い人ってのをSNSで見かけたが、あれは精神状態が不健康で防衛本能が過剰に働いてる状態だと見受ける。やはり人と関わるときには心身共に健康な状態で関わるのが一番だと思うんだよ。
「でもちゃんとこちらも相手に愛情を注げばいいってことでしょ?相手を思いやって気遣って大切にしたらいいだけの話じゃない」
アンタ、それができないから人間関係で困ってきたんだろう。友人関係でどれほど苦労した?どれほど相手を傷つけ己も苦しみ自分の首を締めてきた?子供の頃からクラスメイトとも上手くやれず、部活仲間とも上手くやれず、友人とすら上手くやれず。職場や他のコミュニティでも上手くやれない。一番身近な人間関係である家族、家庭環境が崩壊していたり健全ではない中で育ってきたなら、そりゃ、できないだろうよ。勉強と同じように基礎がなってないまま応用なんてほとんど出来ない。家族という基礎がないのに家の外の人間関係という応用は出来ない。酷な話だと思うよ、悲しいかな、でも事実アンタはそうなってる。今でも他人と上手く関われないアンタはそれでも「恋人とは上手くやれるはずだ」と、そう言える自信と自尊心があるのかい。
「他人からの愛情さえあれば自信だってつくし自尊心だって育つはず!」
愛してくれる誰かと一緒に成長していくってことも一つあると思う。が、愛情を注いでもらえば注いでもらうほど不安になってどんどん怖くなるというのに、自信が付くと?それどころか自尊心はどんどん低くなっていく。「こんな自分で大丈夫なのかな、本当にこの人に釣り合ってるのかな、本当は自分よりいい人が現れるんじゃないか」って、アンタはそういう性分だ。それか調子付いてありとあらゆる人間を引っ掛けて反感を買って刺されるか。
恋愛は救いではない。むしろ自己を見つめ直す場所になる。何度も言うぞ、恋愛に救いを求めるな。これは恋愛以外でもそうだが求めすぎるあまり破滅に繋がるというのはよくある。「じゃあ求めなかったらいいのか!」とそれも違う。程度が分からないならやめておけという話だ。恋愛は自己救済の道具ではない。結果的に救済になることもあるだろうが、最初からそれを求めるのは危険だ。
「でも愛情ちゃんと返してきたよ!注げるよ!」
カラカラのオアシスからどうやって水を汲む?空っぽの心からどうやって愛情をコップに汲んで相手に「はいどうぞ」ができる?愛情を与えてもらって心に愛情が入ったとしよう、それをそのままコップに掬って相手に「はいどうぞ」と渡しても、相手から貰った分だけか、それ以下の量しか返せない。
「貰った分だけ返せたらそれでいいでしょ?」
等価交換だから同じ量で構わないと?その考え方ならもう既に無理だよ。人間関係、特にプライベートな人間関係はそんなんじゃやってけないんだ。ビジネスとして割り切ってる関係ならそれでいいかもしれないけど、そうじゃないなら、その考え方じゃやっぱり上手くやってけないよ。心の繋がりとか、信用信頼とか、そういう、アンタが味わったことがないものが存在している関係性なんだよ。恋人って特に。
「なんで味わったことがないの?なんで恋人だけ特にそうなの?友達とかとなんで別なの?」
恋人同士カップルの延長に夫婦があって、夫婦の先に家庭ができるだろう?恋人と家族ってのは繋がりがあるんだよ。
心の繋がりとか信用とか信頼とかってのを生まれて初めて感じるのは家族という繋がりの中でなんだよ。赤ちゃんの頃から少しずつ大きくなって幼稚園や保育園に通うようになって小学校に行って、そうやって成長していく中で、最初に心の繋がりを知ったり感じたりするのはほとんど家の中なんだよ。家族なんだよ。でもアンタの家庭環境はそれがなかったから心の繋がりとか信用信頼とかその他諸々人間関係において重要なものを体験したことがないんだ。知らないんだ。
友達からいきなり夫婦になることはないだろう。友達から恋人になって夫婦になったりすることはあるかもしれないが、友達からいきなり夫婦にはならないし、クラスメイトといきなり夫婦になることもないし「夫婦=家族」になる手前に“恋人”がある。例外はあるよ、恋人でもないし好き同士でもないけど結婚だけして夫婦になりましたとか、そういうのはある。多くの場合は“恋人”からだと言う話だ。
やめてほしいんだ。いいや、恋人が欲しい気持ちは理解できる。「一生恋人を作るな」なんて絶望に叩き落とすようなことを言いたくはない。ただ、アンタの心の状態が今よりもっと潤うまで、今よりもっと健全な思考ができるようになるまで少し待てと言いたい。自分の状態を知ろう、自分の思考の癖を知ろう、考え方を知ろう、他の人の心や思考を学ぼう、人間の心理を理解しよう、アンタは知識と情報があまりにも少ない。調べて、本を読んで、誰かの話を見聞きしよう。嫌な話だ、だが基礎がないなら自力で基盤を作っていくしかない。
「家庭環境さえ良ければこんな面倒なことしなくて済んだはずなのに、なんで、なんでなんで私ばっかり!」
そりゃそうだ、家庭環境が良ければこんなことしなくてよかったはずだ。しかし苦労はどの人生にもある。我々の苦労は「家庭環境」というものであった、ただそれだけの話だ。アンタの苦労はアンタだけのもんであるには違いないが、それを振りかざしすぎると嫌なことも言われるからそこだけ留意していろ。ああもちろんクソだと思うさ、人生のありとあらゆるところに影響して「なんだか上手くいかないな」の要因を見詰めていくと結局家族関係だの家庭環境だのの問題に行き着く。「あーもうまたかよ!!」と何度思ったことか。
アンタは「家庭環境さえ良ければこんな面倒なことしなくて済んだはずなのに、なんで、なんでなんで私ばっかり!」と思っているが、誰かに同じように思わせたいと思うか?精神が未熟で不健全なまま恋人作って結婚でもして子供産んだら、その子供にまったく同じこと言わせると、想像できるだろう。自分の親を見てみろ、未熟で、自分とそっくりではないか。自己を見つめ直すことをしないまま、恋愛に走って、このまま行けば親と同じようになりそうだと少し思ったりしないか?
虐待は連鎖するとよく言われる。遺伝だから?虐待を受けて育ったから?違う。己を見つめ直し、考え、より良くなれなかったからだ。より良くなろうとはしたのかもしれない、しかし結果的により良くなれなかった。今の考え方で良いのか、どこが欠けているのか、教えてくれる人が誰一人いなかったからかもしれない。孤独だったから正解も分からず手探りでやるしかなかったからなのかもしれない。それを「仕方がなかった」と、言うのかもしれない。
アンタはアンタの家庭環境や親を「仕方がなかったから」で納得できるのか?「仕方がなかった、自分が苦しかったのも仕方がなかった、なら自分も仕方がないんだ」と、親と同じ道を進みたいのか。
嫌だよ。そんなことして、そんなことする奴。苦しくて寂しくて悲しくて泣いている幼い頃のアンタをアンタが踏み潰してるみたいじゃないかそんなの。自傷行為と同じだ。自分を傷つけて自暴自棄になってもうどうせ自分はろくでもない奴だからと、親と同じように誰かを傷つけて人生歩んでいきたいのか。そのまま恋人できてもし子供ができて連鎖させて、そんなことしたいのか。
したいというなら、アンタは己の家庭環境や親の文句を二度言うな。二度と口にするな。思うことすら辞めろ。悲しかっただの苦しかっただの言うな。親と同じようになるってことは親の行いを許容する受容するということだ。なら文句なんざ言えねぇよ。
一生恋人が作れないわけでもできないわけでもない。虐待を受けていたけど今は家庭を築いて子供もいて家族仲良く幸せに暮らしているという人もいる。その為にはまずアンタ自身が己のことを見つめ直すことが必要なんだ。
「あー流石毒親育ち」と言われるのだけは……言われてほしくもない。「あ〜ハイハイ毒親育ちなんでちゅね〜大変だね〜だからそんな思考歪んでるんでしゅね〜さっすが!毒親育ち笑」と、言われる前に、アンタはせめて少しでもこういったことがないように、考え方や振る舞い方を見つめ直しておくれ。恋人作って関係が上手いこといかなくて相談するとか話し合うとかってときに「あーあやっぱり家庭環境悪かったらそうなるんだね」と言われる前に、アンタは己を見つめ直しておいてくれ。考え直してくれ、今の状態で誰かと関わって大丈夫なのか。大丈夫じゃないと思うぞ、改めてくれ。
アンタのことを大事に大切に思って好いてくれる人がいるのに、それを自らの手でぶち壊すようなことだけは、そんな悲しい結果に終わることだけはあってほしくない。
「そんなこと言われたって、できないよ、だってもう八方塞がりだよ、自分を見つめ直して成長なんて、そんなの、もう、だって、ただ愛されたいだけなのに」
そうだね。ただ愛されたいだけなのにね。「愛されたいなら改めれば?」なんて、それが苦しいんだってね。
「分かんないよ、誰も助けてくれない」
助けてはくれるさ。ただし大前提、自分の頭できちんと考えているか。己がなんとかしようとしていないのにただ他人に求めて助けて下さいなんてのは、そらないよ。アンタは「自分では走りたくないけどゴールに進みたいから私の肩支えながら貴方が走ってよ。貴方が背負って走ってよ」って言ってんだ。相手の体力をただ削り取ってるだけのお荷物って分かるだろ?
相手にすべてを放り投げて、相手がなんとかしてくれるというのは基本的にない。なんとかしてくれるならアンタ今頃人生苦しんでないだろ。救われてるはずだ。
肩を貸してくれる誰かがいるなら肩を借りればいい、ただし自分の足を動かせ。しんどいからと足を動かさずダラーっと相手にのしかかっていればそりゃ相手だけが重くなって体力削られて消耗する。アンタが言う「見捨てられた!」ってのは、アンタが相手を搾取した結果だ。相手に求めるだけ求めて自分は何もしない、もしくはやっているつもりになっているだけなら人はアンタから離れていく。
自分で頑張ってみようと、頑張ろうとしてみることが大事なんだよ。
「だってもう頑張りたくないただ愛されたかっただけなのになんでこんな苦労しないといけないの!!」
“ただ”とは言うけど愛されるなんてそうないことなんだよ。愛される方が珍しいんだ。愛されてないのが珍しいんじゃなくて、愛される方が。
突き放すのは簡単だ。切り捨てるのも簡単だ。「じゃあ一生恋人作らなければいい」と言うだけだ。それか「恋人作りまくって問題起こして荒れまくって破局しながらでもいいんじゃないか。それでより良い方向に進んだ人もいるし、アンタの親のようになった奴もいる」とも言える。「やるかやらないかなんて結局自分次第だ。いつまでもグズグズ言っていればいい」と。
ああ、嫌だな。
そんな酷な話聞きたくはないさ。人から愛されたいなと夢見ながら、着実な一歩を踏みしめて、己が自立できるようになるのが先だって、そんなこと、できることなら。
僕だってアンタに愛されたかったよ。
「じゃあ愛してあげる」って、アンタはちっとも他人を愛せなかったじゃないか。
「それも含めて私のこと全部愛してくれる人を見つければいいだけなんでしょ!?お前は全部を愛してくれないんだ!!最低!!」
何もかも受け入れられるほど精神が成熟していないこちらの落ち度だと、そう思うのか。最低だよねと言ってほしいのか。何もかも全部無条件で受け止めて愛してくれる存在って、結局アンタは理想の親を求めてるだけじゃないか。
「なんでそんな酷いこと言うの」
己の意見が通らなければ刺々しい言葉を返して、自分が正しいという根底は絶対揺らがず、嫌なことを言われたらキレ散らかして暴れる。それからさめざめと泣いて、さあ出来上がりだ、悲劇のヒロイン。アンタ、親とそっくりになったな。微笑ましい。
微笑ましい。
微笑ましい。
やっとだ、やっとここまで来た!!
ああなんて愛らしいんだろう!!なんて阿呆でガキで無知で未熟な人間だろう、ああ!かわいい!!お前はなんて良いカモなんだろう!馬鹿め!そういうところが好きだ!お前が欠けている人間で良かった!心底神に感謝している!!お前が生きてきた環境がクソで良かった!!お前が不幸で本当に良かった!!
こんなにも漬け込みやすい良いカモを見す見す逃すわけないだろう。慰めるのは簡単だ、共感も慰めも寄り添いもすべて技術なのだから。自ら弱らせた奴に自ら寄り添う瞬間がこの世で何よりも好きだ!!ああ楽しい!!!愉快、愉快!
なんて可愛いんだろう。人は生まれながらにして平等ではない。理不尽な苦しみや辛さもゴロゴロ転がってる。そんな中で、へ、はは、心がバッキリ折れて暴走しているほぼ救いようのない人間と関われるなんて、そうそうない。いい人を見つけた、これはなんて良い巡り合わせだろう。
僕も良い環境で生きてきたとは言えない人生だ。だから分かる。何を言われたら嫌なのか、なんと言われると嬉しいのか、ある程度察しはつく。
そうさ、搾取する方が悪いんだよ。僕が悪い?は、ははは!お前が無自覚でも搾取しようとしてきたからそのまま返してあげたんだよ。でも僕は心底優しいからね、僕が悪いなんて思ってないけど、ぜぇんぶ僕のせいにしていいからね。自分の不出来さを棚に上げて「貴方最低!」って非難してるところを見ると心底可笑しくて楽しいから、それでチャラにしてあげるよ。お前も人のこと言えないくせにねえ、なんて、黙っておいてあげるからね。
寄りかかっていいよ、君は考えなくていい、頭を使わなくていい、ただ身を任せていればいい。「私貴方のこと好き、だから貴方も好きになって」なんてぶつけることを烏滸がましいとすら思わない脳みそが可愛いらしい。君はそうやって感情の赴くまま過ごせばいい。僕に全てを任せればいい。そうして何もできなくなってただ感情のままに暴れるモンスターになった頃にはきっともう誰も助けてくれないしどこへも逃げられない。そこまでもっていくさ、ああ楽しみだ!いい暇つぶし、いい娯楽、いいサンドバッグになってくれよ。
人間育成が一番楽しい。特に欠けている人間が一番。だって捕まえやすいしコントロールしやすいし言うこと聞かせやすいしやりたい放題じゃないか。絶望してる人をさらに絶望に突き落とすのが心底楽しい。世に溢れている理不尽に苦しんでいる人をさらに苦しめて泣き喚く様を見ると妙な達成感が味わえる。欠けてる心が満たされていく感覚がする。うんうん、やっぱり人って満たされたいよなあ?僕もちゃ〜んと満たしてあげるからね。寄り添ってあげるさ。
欠けたまま成長して欠けたまま生き続けてくれてありがとう。美味しく食べられる為にまるまる太らされた鶏みたいだ。僕に搾取されるために君は欠けたまま生きてくれているんだよ。
君は欠けているままでいいからね。馬鹿で阿呆で無知で未熟なガキの、良いカモのままで。人から搾取され続ける欠けた人間であり続けていればいい。努力もしなくていい、頑張らなくたっていい、お前の不幸が僕の喜びだ。いいじゃないか!人を幸せにさせられるいい人で。僕に都合が良い人で。
出会いは不思議なもので
一瞬にして別れ際のことを想像させる。
この出会いは自分に何をもたらし
どこで潰えるのか・・
別れを待ち 新たな出会いを求めるその心は
きっと新陳代謝と呼ぶような 本能ではなく
ただの自分への
保護シートなのだろう。
なにかに依存し
傷つくことが怖い
怖さから目を背ける言い訳は
いくらでも湧いて出てくる
でもきっと逃げてるうちは
本当の自分にも出会えない
別れ際にまた思う。
出会ってくれてありがとう。
でも またいつか なんてなく
本当にさようなら
学校はよく1人で登校する。
誘ってくれる人もいなければ誘うような人間もいないし。なら1人で気楽に行きたいなって。
でも帰りとかは友達と帰ることが多い。
部活休んだり用事がすれ違う時だけ1人で帰るけど。
別れ際に、よく思うんだよね。やっと別れたって。
友情なんていつか壊れる。ずっと体験してきたんだ、一度体験すりゃ分かるよ。
ずっといるだとか一生親友だとか嘆いてたくせに。
人間はやっぱ嘘しかつかない。嘘をつくってつくってつくって、自分を守る。世間から、周りから。
それも1つの手段だよね。いいとは思うんだよ。
でもなんでそんな嘘つくんだよ。ずっといるつもりなんて、さらさらないくせに。
そういう嘘がいっちばん嫌い。
誰の得にも損にもならないような嘘。むしろ誰かを傷つけるような嘘。
こんな言葉、喜ばれるとでも思ってるのか。思ってるなら相当馬鹿なんだろうなぁ。
結局は行動でわかるのに。
人間ってのはずっと見ていれば、ずっと考えていればどんな人間かがある程度わかるもんだよ。
だから距離の詰め方とかもある程度わかるようになってくるんだよ。
だからこそ分かるんだよ。こいつ距離離してるんだって。
分かる時辛いよね、こいつとの距離遠かったんだって。
知りたくもない方法だけどね。人間観察っていうのかな。
どうせあの子も、僕のことが友愛でもなんでも好きじゃなくて。
何かに利用するとなった時、便利なものと思ってるんだろうな。
でもそれはそれで僕は嬉しいよ。だって、僕が求められてるんだもん。
求められるって、凄く嬉しい事なんだよ。
別れ際に
「さよなら」でも「またね」でもなく
別れ際…君にかけた言葉はもう思い出せない
「大丈夫」だったような
「愛してる」だったような
本当に好きだった
本当にずっと一緒に居たかった
なのに別れ際の言葉を
思い出せないでいる
あれから何度、季節が巡っただろう
今日もまた
君との別れ際の言葉を
必死に思い出そうとする
別れ際に
別れ際に行ってきますを行った
多分、きっと
戻ってくるかもしれない
でも楽しさを置いて
苦労も置いて、、
一旦赤面な過去も置いて
慣れも置いて
新しい所に行かないといけない
拠点は変わってさらに変わって
ここではないところで骨をうずめるでしょう
ふらっと影を落としにきたら
またくる別れ際が憎たらしいくらいに
お帰りなさいを言ってほしい
「言葉じゃ、案外心って伝わってくれないものだね。」
よく君が寂しそうに言っていた。
真っ直ぐな物言いで、曲がったことが許せない。
好き嫌いもはっきりしている君は、
誤解を招きやすい子だった。
君みたいに、人から言われた言葉を
そのまま素直に受け取れる子は少ないんだ。
言葉の裏に隠されたものはないか探ってしまう。
人間っていうのは君が思うよりずっと、
臆病で、繊細なんだよ。
そうやって偉そうに諭していた僕が、
君にどんな言葉を送れると言うんだ。
最後の日、君はいつものように笑っていた。
飾らない感謝の言葉を淡々と言い放ち、
別れの言葉を軽々しく吐き捨てた。
やっぱり君は不器用だね。
そんな君にかけてやれる言葉が見つからない僕も、
案外似た者同士なんだろうな。
言葉で想いを正確に伝えることは出来ない。
言葉とは、言う人にも、聞く人にも、
その背景や口調にも意味が左右されてしまう。
制御なんて出来たものでは無い、不安定なもの。
自分が発した言葉全てに気持ちが込もっていても、
他人に伝わる想いは何千倍にも希釈したほんの数滴。
だからと言って、何千倍にも濃くした気持ちなんて、
到底言葉にはならない。そして正しくもない。
そんなもので自分の想いを相手に伝えるなんて、
無謀にも程がある。
それなのに伝わっていると思い込むなんて、
烏滸がましいにも程がある。
ましてや言葉に不信感を抱いている君にとっては、
別れ際に放つ言葉なんて無意味なものだろう。
僕たちに必要なのは、君に必要なのは。
僕は無言で君を力強く抱き締めた。
君は無言で僕の背中に手を回した。
きっとこれでいい。
僕たちに言葉なんて要らなかった。
感謝も謝罪も、今までを振り返ることも。
ただ、この温もりだけでよかったんだ。
君は僕の推しだった。
教養英語で同じクラスになった君は、クールで近寄りがたい印象だった。ある日いつも隣にいる友達が休みで後ろの席の僕とペアワークすることになった。実際に話してみると、意外とふわふわしていて、人懐っこくて、話すたびに自分しか知らない一面を見たような気持ちになった。君の世界と接点さえあれば気づけるのだけど。事実、連絡先を聞くのは同じクラスの僕達だけじゃなかったし、君が友人達と無邪気に笑うのをよく見るようになった。
僕の存在が認知されてからは、学内で会えば挨拶すると返してくれて、授業のことなんかで時々LINEもした。来年はかぶる授業がなさそうだから、現場で会うことも少なくなるだろうし、推しからレスをもらう機会はなくなりそうだ。
春休みを目前に控えて、浮かない気持ちを抱える中、期末試験前の混み合う図書館で、君を見かけた。本当は少し離れたところにも空きがあったけど、隣の席に座った。別に不自然じゃないだろう。座る時に目が合って、手を少し挙げて合図する。控えめに微笑みながら、机の上に置いた手を小さく振って、すぐ視線を戻す君。
寒さも相まってやけに静かだった。集中が切れると、横にいる君が気になった。有線イヤホン、何を聴いているんだろう。クラシックとかかな。食堂ではよく友達といるけど、勉強は1人派なのかな。
閉館時間になり、学生達がぞろぞろと出口に向かう。いつもならバス停に急ぐけど、もたもたと準備をした。君はマフラーを巻き終えると、会釈して先に歩き出す。
やっと図書館を出たところで、追いついて声をかけた。
「あ、お疲れ。」
「うん、お疲れ。」
君ははにかんだ笑顔で続ける。
「けっこうお腹鳴っちゃったかも。聞こえた?」
「え、全然気づかなかったよ。大丈夫だと思う。」
「そっか。よかった。」
そう言って、君は何事もなかったように前を向いた。
別れ際に、ただ一言かけたいだけだった僕は、少し舞い上がっていた。
「あのさ、もしよかったらだけど、ご飯でもどう?奢るよ。」
マフラーを口元まですっぽり巻いた顔がこちらを向くと、君はきょとんとした目をしながら少し首を傾けた。
「いや、大丈夫。奢ってもらう理由もないし。」
さっきと同じ優しい口調なのに、若干温度が下がっていた。どうやら推しとの距離感を間違えたみたいだ。
「そっか。うん。えっと、じゃあ、試験頑張ってね。」
「うん。お互い頑張ろうね。風邪引かないように。」
僕のぎこちないガッツポーズに君がふにゃりと笑う。
今度は僕が先を歩いて、早足でバス停へと向かった。推しが笑ってくれたんだから、それでいいじゃないか。
冷たい風で頭を冷やしつつ、君の笑顔を思い浮かべた。
別れ際のことなんて覚えていない。
焼きつくのは、手を振って別れたあとの背中と孤独。
そうだ、いつも自分は、見送ってばかりだった。