『列車に乗って』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
緑が深いこの森を抜けて、
その先の街へ行こう。
列車に揺られながら。
けがは数えきれないほどだけど、
あなたと一緒なら大丈夫。
譲れないもののために、
譲れないあなたのために。
ひとりが怖いのはみんな一緒だから。
親族に不幸があって急遽大阪に帰ることになり、のぞみに飛び乗った。東京駅は帰宅ラッシュで、人混みのなかホームに駆け上がるとちょうど発車のチャイムが鳴っていた。「ギリギリセーフ」自由席の車内に駆け込むと奇跡的に入って左側の2席がさらで空いていた。隣の席に荷物を置いて席に座るとどっと疲れが出て、2,3度深呼吸をしてお茶を飲んでやっと息が整った。のぞみは東京の町並みの間をすり抜けるようにして進んでゆく。夕陽もビルの壁や窓に反射して、街ゆく人に「今日もおわりだよ、おつかれさま」と暖かいねぎらいをかけているようだ。新横浜を過ぎてしばらく経つとすっかり日も暮れてしまった。夕飯の弁当も食べ終わってしまって、ここから新大阪までなにもすることがない。
ふと夕闇に染まった車窓を眺めていると、今回亡くなった豊中のおばちゃんの思い出が心に去来した。お年玉をようさんくれたこと。伊丹空港に一緒に飛行機を見に行ったこと。甲子園に行ったら私が日射病で倒れててんやわんやになったこと。私をかわいがってくれたおばちゃんの笑顔が脳裏によみがえると、涙がほろりほろりとあふれてきた。窓の外には家々の灯りがまるで夜空の星くずのように散りばめられ、どれも滲んでいた。黒い袖で涙を拭い、お茶を飲むとすこし平静を取り戻せたが、私はほかの乗客に涙を隠すようにそれでもなお窓の外を見ていた。
「みーんな泣いたりしてるんやろな」私はぽろりとつぶやいた。この闇夜に小さく光る家の灯りのひとつひとつに、それぞれの家庭があって人がいて、その人たちが泣いたり笑ったり恋をしたりドラマがあるんだと私は改めて思った。地球から見ればあまりにちっぽけだけど、何百光年も飛んで近づいてみればとてつもなく大きい。星と同じだ、と私は感じた。今夜はお通夜だ。私も煌々と光る星のひとつになる手伝いをしなければならない。そのためには今はひたすら眠ることだと私は座席のリクライニングを倒して目を閉じた。
遠くへ行くことが好き。
電車でがたんごとん揺られながら、
外の景色を見ているのが好き。
今の自分をリセットしたような気分になれるから。
頭空っぽにして楽しめるこの一瞬が好き。
列車に乗って遠くの街にもう一度行きたい
誰もいないような静かな場所
鳥が鳴いていて、虫も自由に生きていて、緑が生い茂っていて花も綺麗に咲いている
そこで私は一つの絵を書きたい
あなたと遊んだこの場所で_。
2人で内緒で、おでかけしよう。
電車に乗って、ゆらゆら揺られて。
手を繋いで、気恥ずかしくて、2人で笑って。
肩に寄りかかってみるのもいいかもね。
電車を降りたらお昼を食べて、本屋に行こう。
みんなには内緒ね、ふたりの秘密。
楽しかったね、なんて笑えたら幸せだよね。
時々焦って、時々困って。
いつもの駅に帰ってこれたら2人でよかったねって笑い合おう。
自転車に乗っておしゃべりしよう。
明日の部活、何やるのかなって。
みんなには言えないね。内緒だね、って。
他愛もない話だって、あなたとなら特別だから。
2人で電車で、おでかけしよう。
あなたと私の、秘密のおでかけ。
ねぇ、次はどこに行く?
列車に乗って一緒にどこかに行かない?
いっぱい行きたいとこあるんだ。
一緒に行きたいとこあるんだ。
列車に乗って行きたいよ。
「どうしてあんなこと言っちゃったんだろ…」
佳奈は列車に揺られながらそんな事を言っていた。
「佳奈、どうした?」
「ううん。なんでもない。それよりさぁ!引っ越し先って遠い街なんでしょ!どんなとこ?
「佳奈、落ち着いて。いまグー○ルに聞くね。」
「おお!いいとこじゃん!春っぽい!」
(お姉ちゃんも私も興奮してるけど、私の本心は興奮してないのよね…)
「ま、来週から新しい学校よ!制服可愛いんだってぇ〜!」
「…うん。」
佳奈ぁ!とお姉ちゃんはうるさい。だいたいこうだ。
ーーー
転校生の山畑佳奈さんだ。新しい学校の先生が話す。
「よろしくお願いしますっ!」
(なんだかここではうまく行きそう!改心して頑張ろっ!)
ーーー
何もうまく行かなかった…
一ヶ月経ったいまも友達は一人!でもその子はクラスの人気者だから別の子にすぐ取られて話せない。一応連絡先聞いておいたが話す内容がないからテストの範囲聞くくらいにしている。もううまく行かない!あと四年もここにいるなんて無理!
ーーー
二年が経過した頃、私は重い精神病になっていた。不治の病と言われる精神病だ。定期的に病院に通うことにした。
ーーー
その7年後、あまりに重いので入院することになった。担当医の先生が代わり、新米らしき人だった。その先生とは馴染めたが、ある日先生の〝正体″に気がついてしまった。
(正体は前話参照)
恋星ゆい🥺
「列車に乗って」
列車に乗って君とあの景色を見たかったな。
【#08】
通勤電車は満員
ぎゅうぎゅう詰められる様は
人間捨てて"荷物"だ
キツイ化粧と香水の匂いと
触れて来る汗臭
否が応でも目に入るスマホの光源に
誰かのイヤホンから雑音レベルの音漏れ
ウンザリしようとも"荷物"
逃げ場なし
(会社以外の何処かに届けてくれよ…)
願い虚しく
ガタンゴトンと揺られ揺られて
いつもの駅まで運ばれる
#列車に乗って
好きな人とずっと一緒に平穏に暮らしたい
ストレスのない場所で暮らしたい
傷つけてくる人間のいないところに行きたい
パスポートも車も持ってないから
電車に乗って
知ってる人がいなくなるまで
ずっと遠く
2人でどこまでも
列車にのって
🍙おにぎり二個持って
知らない街へ行ってみたい
できれば鈍行列車の旅がいい
つかの間現実を忘れて
題 : 列車に乗って
列車に乗って2時間半。地方に住む祖父母の家を訪れた。
都心に住んでいる私は、普段目にすることの無い景色に目を奪われた。
「ざあざあ、ちゅんちゅん」
川のせせらぎ、鳥の声、透き通るような綺麗な音。東京では聞くことの無いそれらの音は私の心を踊らせた。
祖父母ももうかなりの歳だ。私はあと何回この場所に来れるのだろうか。
列車に乗って行ったのは田舎のおばあちゃんの家。
小さなポシェトとお土産で買ったイチゴジャムのサブレ。
おばあちゃんの好きなお菓子だ。
おばあちゃんとは小学校に上がる前までは一緒に暮らしたいた。
しかし、入学と同時に引っ越すこととなったのだ。
都内からおばあちゃんの家までは2時間位はかかる。
そのため一人で行くことなんてこれまで無かったが、小学校6年生にもなればお母さんが一人で行くことを許してくれた。
おばあちゃんは喜んでくれるかな。
びっくりするかな。
そんなドキドキとワクワクした気持ちとほんの少しの不安をポシェットに詰めて、おばあちゃんに会いにいく。
列車に乗って
なんの予定も立てずにただ飛び乗った
特に目的も持たぬまま僕の旅が始まった
流れていく車窓からの景色は
徐々に見知った建物がなくなっていき
知らない風景へと誘う
少しだけ窓を開けてみれば
湿り気を帯びた香りが鼻腔をくすぐる
この先に何が待っているだろうか
どこまで行けるだろうか
列車に乗ってどこまでも遠くへ行きたい
列車に乗って
車に乗るのが当たり前になると
列車に乗る機会はめっきり減る(特に田舎はね)
列車と聞くとなんかほんわり感じるのだけれど
実際は
電車に乗る人々が憂鬱で溢れている気がするのは私だけだろうか?
通勤、通学の人々が殆どを占めていて
朝は朝で、出勤、通学の憂鬱さ…
夜は夜で、帰宅に着くまでの最後の力を振り絞った感の疲れ果てた顔…
鬱病になってから、踏切、列車は私の最後の手段だと感じていた
それまでは多くの人に迷惑をかけてまでなぜ列車なのだ?
と思っていたが
病気になるとこれが1番確実な方法であるかのように思えた
だから
車に乗っていても、いつ、自分がこの踏切に、列車に、飛び込むためのアクセルを踏んでしまうのではないか?
という恐怖が湧くのだ…
因みにこれは、今でも気持ちが落ち込むと湧いて出てくる
だから踏切が降りる時、どうか最前列になりませんように…
そう願うしかない
パニック障害の私にはそもそも列車に乗るのは相当の覚悟が必要だ
すぐに降りられない恐怖
負のオーラの中にギュンギュンに押し込まれている身体…
助けてーって叫びたくなる
だから列車には十数年一人で乗ることが出来なかった
なのに…
気になる人に「愚痴聞いてあげるから最寄りの駅まで来られる?」と言われた
鶴の一声でなんと私は列車に乗ったのだ
ちょうど一年前だ
それまでは会社の同僚だったが、配属が変わって私の愚痴は溜まりに溜まっていた
戸惑ったが…
すぐさま列車の時刻を調べていた
今なら、彼も私もなかなかのチャレンジャーだ
彼はパニック障害の私を知っていたのにだ
彼「来れそう?」
私「行けるに決まってんじゃん!」と強がる
切符の買い方すら忘れていたが何とか乗った
乗ったものの息苦しくなる…
たった5駅?いや、5駅も?
とにかく人を見ない
そして彼のことだけ考えて
心配した彼が
「乗れた?大丈夫!すぐ着くから」
着いたらついたで、人混みに流される
もうもう、限界だ
「もう、無理だよ。助けて…」
「今すぐそこ行くから、もうちょっと頑張ってw」
人が見えないように
下を向いて立っていた私の服を引っ張って
「こっちw」って彼が笑う
無意識に
「何であんたのために、私はこんなに思いしてまで会いに来なきゃいけないの?」
って言った瞬間、気がついてしまった自分が恥ずかしくなった…
こんな思いしてまで彼に会いたかったんだ…♡
「ごめん、なるべく待たせず、早く会うために来てもらいたかったw 帰りは車で送るから」
お互い、愚痴も溜まっていたが、それよりも
お互いにお互いのロス感が半端なかった
これは恋なのか⁈
お互い愚痴を言いながらの探り合いだ…(笑)
結局のところ…
恋になった♡
そして今も尚、この関係は穏やかに続いている
あの時の気持ちは間違いではなかったようだ(笑)
列車に乗って…
彼に逢いに行ってよかった
そのおかげで彼に支えられ、今私は穏やかな日々を送れている
列車に乗って…
今度は2人で遠出したいね
いつもありがとう♡
大好きだよ!
カタンコトン
カタンコトン
ひとり列車に乗って
懐かしい町へ向かう。
優しい言葉が待っている。
きっと。
題「列車に乗って」
列車に乗って
遠くの街へ
現実逃避
ここ数日のお題は
まるで連想ゲームのよう
だから…
今日も
昨日も
一昨日も
何処へも行かず
部屋の片隅に蹲って
君への想いに
浸っている
# 列車に乗って
【列車に乗って】
その列車に乗れば、終着駅が旅の目的地。
なかなかない旅程だが、複数の路線が相互に乗り入れていて、大変に便利でもある。
ひたすら列車に揺られて行くので、少し良い席のチケットを取った。
ふたり並んで座り、車窓を眺めたいあなたを窓際にして、あなたごと景色を眺める。
お腹が空いてきたら、少し遅めの朝ご飯。
握ってきたお結びを出して、頬張りながら車窓を楽しむあなたの嬉しそうな背中を見詰めていた。
「楽しいね。眠たくなったら、眠って良いよ。最後の駅まで行くから。」
出掛ける時は必ず、景色を良く見ているあなたが、眠ったまま目的地に辿り着くことは一度もない。
「眠るのが、惜しい。」
良い景色だから、寝たくない。
そう言っているようで、笑ってしまう。
「疲れているなら眠って。起こすから。」
真剣にちゃんと起こすから任せろと言ってくれる。
「ありがと。寝てたら、起こして。」
自分で運転しない列車に揺られると、心地好く睡魔が手招きしてくる。
「ゆっくり休んで。」
睡魔と戦う自分を知ってか知らずか、あなたは上着をこちらに掛けてくる。
遠くで、嬉しそうに口角を上げて笑う気配がする。
列車に乗って
今日は久しぶりに母さんに会いに行く
いつぶりだろう
母さんは俺に会ってどんな反応をするんだろう
驚くかな? 怒るかな? それとも俺の事を拒むだろうか
色々考えてしまう
やっぱり母さんに会うのをやめようか
ずっと考えてしまう
でも今日会いに行かなければたぶん、いや絶対会いに行かないだろう
俺は腹を括った
色々考えたって仕方ない
なるようにしかならない
そう覚悟を決めた時、目的地に着いた
せっかくの列車、全然楽しめなかったじゃないか
外の景色見とけばよかったとかもう色々考えたって遅い
ドキドキを抑えられないまま俺は列車を降りた
高校で初めて乗った列車
違う高校の友や、先輩
頼もしかった先輩も
大きな背中を見せて
「青春」という列車を降りていった
次は私が後輩に大きな背中をみせて
「青春」という列車を降りよう