『冬のはじまり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お風呂に入りたくないと思うこの頃。
冬の始まり 𓍄𓃕
冬のはじまり
雪の結晶って同じ形がないらしい
手に触れただけで溶けてしまうのに
なんだか人よりロマンチストだよね
こんなに脆いのに
ちゃんと自然の奇跡なんだって思い知らされる
乾いた空気が肌を撫でる
ハンドクリーム手放せない季節
こたつ1つに大掃除して
冬仕様になった部屋で動けなくなる
これが私の冬のはじまり
冬のはじまり
しんしんと雪が降る。
寒くて凍えそうだ。
そんな時に電気毛布はありがたい。
湯たんぽより電気毛布派。
あいつら、僕達が遊んでた場所、奪いやがってさ、あそこに隠してたお菓子とか漫画とか、全部自分達のもんにしやがった。
世界史の先生が、友達とは仲良く分け合って、喧嘩になる前にちゃんと話し合って、って言ってたのに、あいつら全然話聞いてくれないんだよ。
卑怯だよな、許せないよ。
何とか取り返さなきゃ。
泥玉作って投げたり、地面に爆竹仕掛けたり、校舎の二階から水風船落としたり。
いろいろやったけど、あいつらまったく立ち去ろうとしない。
そろそろ仕返しが怖いよな。
なんか、ヤバイ反撃手段を用意してるって。
もうこうなったら、あの手しかない。
校長先生が、絶対使っちゃダメって言ってたけど、もう仕方ない。
僕は、常備しているブリーフケースを開け、禍々しく赤いボタンを押す。
そのカバンの名前は「フットボール」
それは、僕達の世界にとって、長い冬の時代の始まりだった。
手のひらの痺れたような間から零れていく光のなないろ
『冬のはじまり』
風が冷たく空気が乾燥してきた
今年も冬のはじまりが来た
気が付けば、日没が早まり
遠く沈む太陽が
木々をシルエット状に映えさせる。
時折、肩をすくめるような風が吹き
上着のフードを、きゅっと寄せる。
遠く離れた、君の住む土地では
こちらより、ひと足もふた足も先に
冬が訪れる。
見上げる空は、君のもとまで
続いているのに
君の頬に触れては溶ける
粉雪が、俺の頬に触れることは
無いのだと。
無性に切なさが込み上げてくる
この気持ちは、なんだろう。
ただ、会いたい。
ふと過ぎる感情に
こぼれそうになるこの想いに
ポケットの中の手を
力いっぱいに、握りしめた。
【お題:冬のはじまり】
冬のはじまり
今年は冬のはじまりが早かった。
去年の今頃は薄手のものを重ね着して過ごしていた。
なんで秋は短いの?10月は夏だし、本当に一瞬で過ぎてしまった🍂
明後日から12月だ。ポインセチアを買いに行って部屋を明るくしよう。12月もあっという間に過ぎるだろうな。
いつからこうなってしまったんだろう
自分の感情を表現できなくなってしまった
時折自分が空っぽなんじゃないかと思うほど、
自分のことを想い綴ることが出来なくなってしまった。
普段、感じることや思い巡らせることは沢山あるのだ。
でも、いざそれを表に出そうとすると真っ白になってしまう。
何も浮かばなくなってしまうのだ。
そのせいで、自分が酷く虚無的なものに感じてしまう。
あぁ、私は空っぽだ
と。
いつからこんなつまらないものになってしまったのだろう
と。
だが、そんな自分に抗いたい。
だから、私は今こうして思うままに言葉を連ねている。
少しずつ、少しずつ
私を出していきたい。
昨年まで、冬のはじまりになると自宅をイルミネーションで飾りつける家があった。
家主のセンスが素晴らしかったのだろう。
古い平屋の木造家屋が、冬のはじまりからクリスマスまでは『サンタの家』に変わる。
我が家が勝手にサンタの家と呼んでいると思っていたら、小学校の同じクラスで聞いてみると、ほとんどの家でサンタの家と呼んでいることがわかった。
屋根にはサンタが座り、寝転び、トナカイに引かれたソリに乗る。外壁にはハシゴやロープがたくさん掛けられサンタが何人も登る。プレゼントが入った白い袋はぱんぱんで、大きな赤いソックスや赤白のステッキもあった。
庭にもサンタが隠れ、プレゼントが忍ばせてあった。
家主はサンタの飾りつけをしたその時期だけ「ご自由にどうぞ」と庭に入ることも許可していたから、その時期は庭を散策する人たちでいっも賑わっていた。
毎年、冬のはじまりになるとサンタの家へサンタに歩いて会いに行った。
冬のはじまりが暗くなるのは早い。
お母さんは陽が落ちる前に私たちと出かけられるよう、いつもよりも1時間くらい早く帰って来る。
夕陽で空が赤く染まって、サンタの家以外が夜の闇に溶け込むまで。
お母さんや妹と手を繋いで、夕陽を受けるサンタクロースが間接照明にサンタクロースが浮かび上がるまで見上げる。イルミネーションでキラキラ光る植木の間をサンタクロースを妹と探しながら歩く。
年に数回の夕刻から夜にかけてのお散歩が、私にとって特別な日だった。
中学生になると、友人とサンタの家へ出かけるようになった。
妹も行きたいと言ったけれど、妹は母と出かけるようにし向けて、私は友人とサンタの家へ出かけ、帰りのコンビニで話し込んでから夕食に間に合わない時間に帰宅して母をいつも心配させた。
高校生のときに、サンタの家は建て替えをした。
平屋の和風建築から2階建ての洋風建築へ。
家は明らかに大きくなり、庭は狭くなった。
和風家屋にサンタクロースがミスマッチで良かったのになあ。
私は失礼なことを思いながら、秋の風を感じながら新築されたその家屋を眺めた。
その冬のはじまりに、洋風建築のサンタの家が初お目見えした。
私の考えは浅はかだったと思い知らされた。
2階建ての屋根にはサンタやトナカイが乗っていたし、外壁にもハシゴをかけたサンタがいた。
電飾がより多く飾られ真っ白な光がキラキラ眩しいサンタの家はよりサンタクロースに相応しい家になっていた。
学校帰りの自転車を道路脇に停めて、その家を見上げながら私はスマホで撮影した。
次の年も冬のはじまりを楽しみにしていたけれど、クリスマス当日になっても、サンタが飾られることはなかった。
サンタの家を見学に来る人が多すぎて、違法駐車など交通の妨げになって危険だから、というのがその理由だった。
警察からそうお願いされれば従うしかなかったのだろう。
サンタの家の家主は何を思ったのだろう。
きっとイルミネーションの構想を練りながら新築しただろうに、もう2度と今まで通りのイルミネーションを飾ることができないなんて。
妹と夕陽に照らされたサンタのいない家を見つめる。
もう二度とこの家にサンタはやって来ないのだ。
「お姉ちゃん」
「ん?」
「うちもイルミネーションで飾ろうよ」
「良いけど…サンタの家みたいに素敵にはならないよ」
「そりゃそうだよ。この家は特別だもん」
妹はクリスマスカードを郵便受けに差し込んだ。
サンタの家の家主へ、これまでの感謝を伝えるはじめてのメッセージ。
「日曜日、お母さんにホームセンターへ連れて行ってもらおうよ。小遣いある?」
「少しだけ。お姉ちゃんは?」
「私も少し。100均にしようか」
「だね」
私たちは、来年の冬のはじまりに自宅をイルミネーションで飾り付けているのだろうか。
今年上手に飾り付けられれば、きっと飾り付けているはず。
でもそれはサンタの家に敵わない。
だって、『サンタの家』は、私たち家族にとって特別な思い出だから。
冬のはじまり
寂しい色の喪中葉書が届き始める
記された享年を見ながら
その人達の一生に想いを馳せる
楽しいことや悲しいことや
嬉しいことや苦しいことが
たくさん積み重なって
出来上がっていくそれぞれの人生
どちら様もお疲れさまでした
安らかに
合掌
【冬のはじまり】
あなたは知らない
バイク乗りのあなたが
少し早めに大きめのパーカーを着てたあの日
冬の訪れを感じたというのに
私の心がとんでもなく燃え上がってたこと
「冬のはじまり」
あたたかくてさらさらの
布団と枕に挟まれて
ちょうどよかったはずなのに
夢のおわりを告げた朝
ベットからはみ出た足が言う
あたたかくてふかふかの
布団が今日から必要と
冬の始まり
冬の始まり
君へのプレゼントを持って僕は走る
冬の始まり
君への愛を伝えたくて
冬の始まり
恋の季節が始まる
君を愛してる
冬のはじまり
こんばんは。◯◯動物園の広報を担当しています榊原と申します。
今日は我が動物園の冬の風物詩についてお知らせします。季節は進みもう12月です。
寒い季節になると温かい温泉が恋しくなりますが、温泉に入りたいと思うのは人間ばかりではありません。冬のはじまりを告げる冬至とともにカピバラが温泉にはいるようになります。
寒さが苦手なカピバラにとって温泉は温まるだけでなく、癒し効果があります。そのための温泉に一度入ると何時間でも出てきません。温泉でほっこり、ゆったりとくつろいでいる姿が見られ、こちらの心も温まります。
「ママ〜。カピバラさんがいる。お風呂入ってるよ。僕も一緒に入る。」
「こらこら。服は脱がないで。あのお風呂はカピバラさんで満員だから、拓ちゃんが入ったら、一匹カピバラさんが入れなくなるのよ。寒いでしょ。かわいそうねぇ。」
「寒いのかわいそうだねぇ。僕見てるだけにするよ。」
「拓ちゃん。えらい。えらい。」
動物園にお越しの際は、カピバラ温泉だけでなく、ふれあい広場にもいらして下さい。ふれあい広場ではウサギにモルモット、亀があなたの来園をお待ちしております。カピバラも見ているだけで癒されますが、ウサギたちをモフモフすれば、ちょっとイヤなことがあっても忘れることができます。
可愛い動物たちにぜひ会いに来て下さい。
待ってま〜す。
以上。
広報担当の榊原ばらがお伝えしました。
冬のはじまり
ココアが飲みたくなってくる
そして夏場より生クリーム系の
スイーツが食べたくなるのだ
冬眠前のクマの気持ちを
いつも思う
糖分を何故だか
蓄えようと身体が
欲している気がする
寒さに備えだす要求なのか
体質七不思議である
冬のはじまりは
寒いような暖かいような、
風が私に吹いた。
はぁ。白い息はまだ出なかった。
いつから、もっと寒くなるだろうなぁ。
そう考えながら、かじかんだ手を擦り合わせた。
冬がはじまり
寒くなったためか
いつも以上に食べたくなる
今も何か摘まんでおきたい気分だ
太り防止で余計な食べ物は一切置いていないから
何も食べることができない…
さて、軽い飢餓感から来るムカつきからか
投稿時の広告をちょろまかしてしまい
投稿されるはずの原稿は宙に消えた
実はこういった原稿はいくつもある…
反省してもふとした時に
同じ行動を繰り返す
仕方がない
人間である以上、そんなもの…
最後に、本来投稿されるはずだった
原稿の一部を載せて終わる
みんなおやすみ
よい肉を…
罪を犯していない自分と
罪を犯している自分
同時に存在していることに
気づいてくれる人はどれだけいるのだろうか
冬の始まり
秋が来ると一気に過ごしやすくなる。夏ほど暑くなく、冬ほど寒くない。たまにどちらか寄りになるのを何度か繰り返すと、いつの間にか冬になっている。冬の始まりは、若干肌寒い。
「ヒートテックどこしまったっけ〜?」
そして今、朝出かける前なのに探し物をする始末。たしかここら辺にやったから、あと少しで見つかるはずなのだ。
「あ? 今日見つけなくてもいいだろうよ、別に」
「やだよ! もしもっと寒くなったらやだ」
自分でも分かる、寝ぼけていて語彙が少なすぎること。ヤダしか言わないなんて子供みたい。
「そんなタンスの中身ポイポイ出すなよ」
「いいもん、自分で後で片付けるし」
しない。絶対にめんどくなって頼む羽目になる。
「ガキのフリするな、お前29なんだろ?」
「うぐ……」
夏場に着たヘンテコなTシャツを握りしめながら見上げると、そこには去年ぶりに顔を合わせるヒートテックの姿が。さっすがー!!
「え、どこにあったの?」
「さっき投げてたよ、裏地グレーだから気づかなかったんじゃね?」
そう言いながらも、しっかり黒い面が上になってるあたりさすがとしか言えない。
「ありがとう〜!」
「うっせ、さっさと行くぞ」
こういう時、恋人ならヒートテックが無くても、人肌で暖めてやる。とか言うのかな。
「俺の手、ヒートテックであったかいから、協会まで繋いでいかない?」
「……俺別に寒がりじゃないけど」
「お礼みたいなものだよ」
「気色悪いなあ、お礼になるかよ」
そう言いながらちゃっかり、手をぎゅっと握りしめてくれる。この強い拳が、誰より暖かくて、心強いんだよ。
11月も終盤に入り、冬の足音が聞こえてきた。この文を書いている今も、ピュウという音と共に外では冷たい強風が吹き荒れている。冬のはじまりは好きだ。無彩色になってゆく空。枯葉の音。色とりどりのイベント。全てを覆う雪。どれも風情がある。と言いつつコタツに入ってぐうたら寝てしまうのが毎年のお決まりなのだが。それでも寒さと温かみのある冬がはじまるのがとても好きだ。